水田環境整備高度化推進事業( PDFファイル ,858KB) - 栃木県

西鬼怒川地区における環境配慮の取り組み
対象生物種
【魚 類】ドジョウ、ホトケドジョウ、ヤマメ
【両生類】ニホンアカガエル、
トウキョウダルマガエル、イモリ
【植 物】バイカモ、ミズニラ、ナガエミクリ
環境配慮の対象事業
①ほ場整備事業 中岡本地区
事業工期
H2∼H11
関係市町村 栃木県河内町
受益面積
189ha
②ほ場整備事業 河内東部地区
事業工期
H5∼H13
関係市町村 栃木県河内町
受益面積
208ha
③農村自然環境整備事業 西鬼怒川地区
事業工期
H9∼H16
関係市町村 栃木県河内町
整備エリア 881ha
地域の特徴
取組内容の紹介
【カエルの移動障害の解消】
U字溝はカエルにとって移動障害である。脱出装置より
落ちない工夫、水路に蓋を設置するのが効果的である。
【井桁沈床工のモニタリング】
近自然護岸工法としての井桁沈
効果検証のため、模型による直接
査を行った。比較的単調な水路環
に有効であった。魚類だけでなく
虫や両生類にも活用されている。
床
採
境
水
工
捕
で
生
の
調
特
昆
地域活動の紹介
・西鬼怒川地区は、栃木県の中央部に位置する
一級河川鬼怒川の右岸に拡がる水田地域で、
県内でも有数の良質米の産地です。
・用水は鬼怒川より取水し、一級河川西鬼怒川
を経由し供給され、谷川、九郷半川、内川を
経て西鬼怒川、鬼怒川へ排水されています。
・この地域は、長年の水田の営みと豊富な水に
恵まれ、豊かな自然が残されています。
・特に、湧水を水源とする
谷川には、ミズニラ、バ
イカモなどの水生植物が
繁茂し、平地では珍しい
ヤマメの繁殖が確認され
るなど、一級品の自然が
谷川上流保全地
残されています。
田んぼの学校
谷川九郷半川クリーン作戦
下沢引田地区における環境配慮の取り組み
調査内容の紹介
対象生物種
○生態系保全工法検証モニタリング調査結果
キンブナ、タモロコ、シマドジョウ
環境配慮の対象事業
・水域ネットワークの構築状況の確認(生態系保全工法の効果検証)のため、標識放
流を行い魚類の遡上・降下状況を調査した結果 、ほぼ全種の標識個体が再採捕され 、
様々な魚種に対応できるとの結果を得ました。
・さらに 、配慮施設毎に流速測定を行い 、構造上 、水利上の特性を把握する予定です 。
ほ場整備事業(担い手)下沢引田地区
事業工期
H9∼H15
関係市町村 栃木県鹿沼市
受益面積
49ha
標識放流調査
キンブナ
タモロコ
シマドジョウ
地域の特徴
○下沢引田地区の生態系保全工法
・下沢引田地区は、栃木県の西部に位置し、
一級河川大芦川右岸沿いに細長く拡がる地
域で、地域内には石積みの水路が見られ、
山林と農地、集落と屋敷林がバランス良く
配置されています。
・当地区の用水は大芦川を取水源とし、地区
内を流下した後、
再び大芦川に放水
されます。
・このため、大芦川
に生息する数多く
の魚類が地区内水
路に生息しており
、その生息環境保
全のため、魚類の
遡上阻害要因を取
り除いた落差工な
どを施し、水域ネ
ットワークの構築
を図っています。
下沢式魚道落差工
BOX-C魚道隔壁
地域活動の紹介
・身近な自然環境についての理解
を図るため、地域の小学校児童
及びその父兄を対象とした「田
んぼの生き物観察会」を開催し
ました。
(H15.8.2 参加者約50名)
石積み小ワンド
小貝川西Ⅱ期地区における環境配慮の取り組み
対象生物種
ナマズ・ドジョウ・フナ類・タモロコ
環境配慮の対象事業
ほ場整備事業(担い手)小貝川西Ⅱ期地区
事業工期
H11∼H20
関係市町村
栃木県二宮町
受益面積
2 4 5 ha
地域の特徴
取組内容の紹介
○水田魚道試験施工
ほ場整備後の水路と水田の高低差が1
mとなるため、ナマズの遡上を目的とし
て水田魚道を設置し、モニタリング調査を行っ
た。その結果、降雨のあった後にドジョ
ウの遡上が水田側のうけで確認されまし
た。また、目視により、ナマズ・フナ類
等の中型魚の遡上も確認できました。
水田魚道試験施工
○生き物に配慮した施設
垂直壁面の水路を設置することにより、
水路内から脱出できないクサガメが多く確
認できました。そこで、排水路に登坂路を
儲け、クサガメが脱出できることを確認し
ました。
・小貝川西Ⅱ期地区は、栃木県の南東
部に位置し、一級河川小貝川を水源
とする地形勾配が緩い(1/200
∼1/1,000)泥炭地で、一級
河川小貝川を取水源とし、地区内を
流下した後、小貝川に放水している
ため、ドジョウ・フナ類の他、小貝
川に生息するナマズが水田まで遡上
し、水田で産卵・繁殖しています。
魚道内を遡上するナマズ
地域活動の紹介
○夜の生物観察会
生態系配慮区域(整備前排水路)
今年は、ナマズなどの夜活動する生物を
対象にして、田んぼの生き物の観察会を開
催しました。(H16.7.31)
荒川南部地区における環境配慮の取り組み
【ホトケドジョウ】
【オゼイトトンボ】
【オオヒカゲ】
【ニホンアカガエル】
【ミズニラ】
対象生物種
(魚 類)ホトケドジョウ
(昆虫類)ゲンジホタル・オゼイトトンボ・オオヒカゲ・シジミチョウ類
(両生類)ニホンアカガエル・ツチガエル・トウキョウダルマガエル・シュレーゲルアオガエル
(植 物)ミズニラ・アギナシ・イチョウウキゴケ
取組内容の紹介
環境配慮の対象事業
9
水田Ⅱ中干し
用水路から水田
土水路から水田
6月上旬∼中旬に多い
水田Ⅰ中干し
6
3
7/22
7/20
7/18
7/16
7/14
7/12
7/8
7/10
7/6
7/4
7/2
6/30
6/28
6/26
6/24
6/22
6/20
6/18
6/16
6/14
6/12
6/8
6/10
6/6
0
6/4
・荒川南部地区は、栃木県の東部に位置し、
一級河川荒川沿いに拡がる地域で、地形勾
配は1/40と急勾配で、用水は一部ため
池を除き、荒川からのポンプ取水となって
おり、荒川へ排水されています。
・地区内のため池やその下流の谷津田は周辺
林地と合わせて、豊かな生態系や里山の景
観を残しており、多様な動植物や貴重な水
辺環境の存在が確認されています。
(検討課題)
・ホトケドジョウの生息地の確保と移動対策 ・カエルの用排水路への転落防止・脱出対策
・貴重動植物の保全地確保
採捕数(個体/ウケ設置数)
地域の特徴
○ホトケドジョウの生息地及び移動調査
○カエルの越冬場及び移動調査
○稀少動植物及び水生昆虫の生息状況調査
6/2
ほ場整備事業(担い手)荒川南部地区
事業工期
H13∼H20
関係市町村 栃木県那須烏山市
受益面積
85ha
調査日
図4−2 水田へ入ったホトケドジョウの個体数
・田んぼへの入りは6月上旬∼中旬に多い。
・水田からは8月下旬までに土水路へ移動する傾向にある。
猿久保溜下流区域
地域活動の紹介
猿久保溜(地区上流部ため池)
・荒川南部地区では、環境保全の活動を円滑
に進めるため地域活動協議会・地域保全委
員会を組織するとともに、各集落において
ワークショップ・アンケートに基づき工事
実施前の動植物移植作業や自然観察会・シ
ンポジウムなどを開催しています。
各集落ワークショップ