この用紙は健康診断で測定した検査項目説明(どの項目で何がわかるか?)と、検査結果によって疑われる疾患を簡単に まとめた紙面です。今回の測定結果(成績)が参考値外でも、わんちゃん・ねこちゃんが病気とは限りません。また、経過観 察やさらに詳しい検査を行い診断・治療に入る場合があります。お食事やおやつの摂取から8時間以内の時も食べ物が要 因で測定結果に影響を与えます。ご注意ください。測定結果の判断(診断)は必ず主治医の指示に従ってください。 測定検査項目 総蛋白 今回の測定結果 過去測定した健康診断結果 ↑ 今回測定した健康診断の血液検査結果は この欄に記載されています。 肝臓、腎臓の機能や栄養状態を示します。肝、腎疾 患や多発性骨髄腫、感染症などで異常値となります。 アルブミン 蛋白質の一種で血清中(採血した血液から得られる 水分)に最も多く含まれています。肝臓で合成され、 腎臓でろ過されます。肝疾患や栄養不良で低下、脱 水で上昇します。 総ビリルビン 検査項目 総蛋白 A/G比 血清蛋白成分のアルブミンとグロブリンの比を現して います。慢性炎症、肝疾患、ネフローゼ症候群、M蛋 白血症などで比の値が低下します。 ALP エネルギー代謝に関わる酵素の一つで、ほとんどの 臓器や組織より作られます。その中でも胆道系に多く 含まれており、このため肝胆道系疾患で上昇します。 また、骨の疾患でも上昇します。 γ-GTP 肝胆道系疾患の確認として測定します。犬、猫ではご く微量しか検出されません。 アルブミン A/G比 総ビリルビン 細胞膜や血管壁の構成、副腎皮質ホルモンや性ホ ルモン、胆汁酸をつくる材料になります。糖尿病や甲 状腺機能低下症、ネフローゼ症候群などで高値にな り、肝障害や甲状腺機能亢進症などで低値を示しま す。 中性脂肪 血液中では蛋白質と結合したリポ蛋白という形で存在 し、生体エネルギーの貯蔵と運搬に関与しています。 肥満や糖尿病、甲状腺機能低下症、肝疾患で高値、 甲状腺機能亢進症、アジソン、肝硬変などで低値を 示します。 この2項目は食事・おやつの影響を強く受けます。 絶食をされていない場合、測定結果が高くなります。 血糖 血液中のブドウ糖を示し、脳や筋肉のエネルギー源と なります。主に血糖は糖尿病の診断において基本的 な検査になります。 AST(GOT) 肝臓、心臓、骨格筋に含まれる酵素で、中でも肝臓 に多く含まれています。肝疾患や心疾患などで上昇し ます。 ALT(GPT) 肝臓に多く含まれている酵素で、肝疾患では有力な 指標となります。 AST(GOT) ALT(GPT) ALP γ-GTP 尿素窒素 総コレステロール ビリルビンとは赤血球中のヘモグロビンが壊れることに より発生する色素で、肝臓で処理されます。肝疾患や 黄疸で上昇します。 クレアチニン 総コレステロール 中性脂肪 カルシウム 無機リン 血糖 リパーゼ 尿素窒素 血液中に含まれる尿素量です。腎機能の指標として 用いられ、腎不全、火傷、消化管出血や高蛋白食摂 取で上昇します。 クレアチニン 蛋白質が分解されたときにできる物質です。腎臓でろ 過され通常は尿として排泄されます。腎機能低下が 起こると血液中の濃度が上昇します。 カルシウム 骨代謝だけでなく筋収縮、血液凝固にも必要な物質 です。PTH、ビタミンD、カルシトニンなどがCaの血中濃 度をコントロールし、Caの低下はビタミンD欠乏や腎不 全などで起こり、多発性骨髄腫やビタミンD過剰などは 上昇します。 無機リン 無機リンの代謝はCa調整ホルモンの影響を強く受け ます。腎不全、甲状腺機能亢進症などで高値になり、 ビタミンD欠乏症、呼吸不良症候群などで低値になり ます。 リパーゼ 脂肪を分解する消化酵素です。慢性膵炎の憎悪期、 急性膵炎などで上昇します。 白血球数 白血球の中には、好中球、好酸球、好塩基 球、単球、リンパ球の5種類が含まれています。 それぞれの働きは異なりますが、主に細菌感 染、炎症、慢性的な炎症性疾患、アレルギー などで増加し、ウイルスなどの感染症や薬剤 (抗菌薬など)で一時的な軽度の減少が起こ ります。 低下が著しいときは血液疾患が疑われます。 血小板 出血したとき、内部から血管壁に吸着し、止 血を行うことを役割としているのが血小板です。 血小板の低下時は出血傾向が生じている、 また、紫斑が体表に出現することがあります。 検査項目 白血球数 血 球 計 算 赤血球数 ヘモグロビン ヘマトクリット ヘモグロビンは赤血球に含まれる血色素で、 酸素を体の組織に運ぶ重要な役割があります。 赤血球数 ヘマトクリットは、血液中に存在する赤血球の 容積の割合を示しています。 ヘモグロビン 一般にこの3項目が増加していると多血症、 低下している貧血が疑われます。 ヘマトクリット MCV MCH MCHC 血小板 MCV MCH MCHC MCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球 ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロ ビン濃度)は赤血球恒数といい、赤血球、ヘモ グロビン、ヘマトクリットの値から算出します。 貧血には様々要因があり、その種類(原因)を 絞り込むための検査項目となります。 高値は増加を示し、血栓が発生することもあり ます。 コルチゾール T4 FT4 TSH 副腎皮質系の機能を観察するための検査です。 低値の場合ではアジソン病の傾向となり、高値の 場合ではクッシング症候群や副腎腫瘍などの疾患 が挙げられますが、病態の判断には副腎機能を刺 激するACTH刺激試験を行い、刺激前と刺激後の 測定結果を確認し、エコーなどによる画像診断が 必要となります。 Na K Cl Na(ナトリウム)、K(カリウム)、Cl(クロール)は電解 質とも呼ばれ、体を形成している細胞内外の浸透 圧の調節や酸塩基平衡の維持に重要な役割を 果たしています。 浮腫、脱水または心不全、腎疾患などが起き始め ると異常値となり3項目のバランスが乱れます。 T4、FT4、TSHは甲状腺機能を観察する検査です。 検査項目 T4 TSHが高く、T4・FT4が低い場合は甲状腺機能低 下症、逆にTSHが低く、T4、FT4が高い場合は甲 状腺機能亢進症が疑われます。 FT4 一般的に犬では甲状腺機能低下症、猫では甲状 腺機能亢進症が多く確認されます。 TSH コルチゾール 犬 CRP 犬シスタチンC 小型犬の腎臓の濾過機能低下を確認できる検 査です。濾過機能が下がると犬シスタチンCの測 定結果が高くなります。 腎臓は一度悪くなると治らない臓器なので、なる べく早いうち(6歳頃)から悪くさせないために確認 する必要があります。 TSHは頭部内にある下垂体から分泌し、喉にある 甲状腺から甲状腺ホルモンの合成分泌の調整を 促します。T4、FT4は甲状腺から分泌し、末梢組 織に作用します。 猫 SAA Na K Cl 犬シスタチンC 糖化アルブミン 犬 CRP 炎症や病変があると血中に増加する蛋白です。 CRPの値は健康な状態だと、ごく微量しか検出され ませんが、身体のどこかに炎症の発生が考えられ、 細菌による感染、免疫疾患などを起こしている場 合でも高値になります。 猫 SAA CRPと同じ意味合いを持つ炎症マーカーの検査で す。炎症や細菌感染などで値が上昇します。猫で 稀にアミロイドという物質が肝臓や腎臓に沈着する アミロイドーシスを起こすことがありますが、この検査 で調べることができます。 糖化アルブミン 約3週間前の血糖値変動を観察する検査です。 糖尿病時は高値となり、糖尿病の診断、インスリ ン治療時のコントロール(インスリン投与量)確認 にも用いられます。 持続性の低血糖値時は低い結果となります。 大切な家族の健康を・・・ 株式会社 モノリス 東京営業所
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