3. 【症例;81 歳、女性】 主訴:背部~左側腹部痛 家族歴:特になし。 既往歴:左変形性膝関節症 現病歴:○-4 日午前中に机を持ち上げ、同日午後から突然の背部~左側腹部痛が出現。 疼痛は持続性で、体動で増悪する。○-3 日、痛みが我慢できず他院に救急搬送された。 病名ははっきりとは告げられなかったが、ジクロフェナク坐薬が処方され帰宅。坐薬を 使用しても効果に乏しく、その後も疼痛が持続したため○日当院救急外来を受診した。 血尿はない。転倒・打撲などの外傷歴はない。 現症(○日) :体重 50kg、意識清明、血圧 164/72mmHg、心拍数 56 回/分。眼瞼結膜貧血 なし、眼球結膜黄染なし、神経学的異常所見なし。胸部聴診異常なし。腹部は平坦で軟。 脊椎肋骨角の叩打痛があり、左第 10 肋骨が圧痛最強点。 検査所見(○日):末梢血液所見:白血球 5,000、赤血球 340 万、Hb11.1、Ht33.4、血 小板 17.8 万、プロトロンビン時間 78%、フィブリノーゲン 444mg/dl、D ダイマ―1.04 μg/ml、 血液生化学所見:総蛋白 6.9 mg/dl、アルブミン 3.6 mg/dl、尿素窒素 23.4 mg/dl、ク レアチニン 0.58 mg/dl、AST12 mg/dl、ALT7 mg/dl、LDH150 mg/dl、アミラーゼ 54 mg/dl、 CK7 mg/dl、CRP0.35 mg/dl。 胸部単純レントゲン写真:特記すべき異常なし。心電図:異常所見なし。腎エコー検査: 両側とも水腎症なし。胸部~骨盤部 CT:別に示す。 経過:○日は急性腰痛症と診断し、鎮痛剤処方にて帰宅とした。 ○+1日、左側腹部は軽快したが、右側腹部痛が出現し、増強するため当院を再診した。 現症(○+1 日) :胸部聴診異常なし。腹部は平坦・軟で、右季肋下に圧痛あり。 検査所見(○+1日) :尿所見:PH5.5、尿蛋白±、ウロビリノーゲン±、潜血3+、ビ リルビン-、ケトン体-、赤血球1-4/HPF、白血球1-4/HPF、 末梢血液所見:白 血球 5,000、赤血球 348 万、Hb11.8、Ht34.6、血小板 21.3 万、プロトロンビン時間 78%、 フィブリノーゲン 413mg/dl、D ダイマ―0.85μg/ml、 血液生化学所見:総蛋白 6.7 mg/dl、アルブミン 3.9 mg/dl、尿素窒素 20.2 mg/dl、ク レアチニン 0.56 mg/dl、AST12 mg/dl、ALT6 mg/dl、LDH149 mg/dl、アミラーゼ 47 mg/dl、 CK18 mg/dl、CRP0.39 mg/dl。胸部~骨盤部 CT:別に示す。
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