[報道資料] 2008 年 10 月 6 日 株式会社 KDDI 研究所 高品質・高信頼な IP-VPN サービスの技術開発について 株式会社 KDDI 研究所(本社: 埼玉県ふじみ野市、代表取締役所長: 秋葉 重幸)は、IP-VPN においてお客様に高品質・高信頼なサービスを提供する技術を開発しました。本技術は、 IP-VPN において MPLS(Multi-Protocol Label Switching)パスをエンド・エンドでお客様に提供 することにより、帯域保証およびリンク・ノード障害に対し高速迂回を行なうことを実現してい ます。 従来の IP-VPN では、キャリア網内にあるエッジルータおよびコアルータでの優先制御・帯域 制御および高速迂回等により QoS(Quality of Service)を実現してきました。しかしながら、お 客様宅内を含めた形態で帯域保証ならびに高速迂回することができませんでした。 本課題に対し、KDDI 研究所は IP-VPN 上での MPLS パス提供技術としてお客様にパスを自 在に設定できる仕組み(パス計算サーバ*3)を考案し、以下の通り、お客様に帯域保証および 高速迂回を提供可能なルータを世界で初めて開発いたしました。 1. お客様宅内間の MPLS パス*1 提供 2. お客様宅内およびエッジルータ*2 間での帯域保証 3. お客様宅内およびエッジルータ間のリンク・ノード障害に対する高速迂回 なお、本技術に関するルータへの実装は、古河電気工業株式会社と共同で行ったものです。 ま た 、 本 技 術 に 関 し て IETF(Internet Engineering Task Force)*4 PCE(Path Computation Element)分科会*5 ならびに L3VPN(Layer 3 Virtual Private Network)分科会*6 で標準化中であ り、標準化技術として提供できる体制を整えております。 株式会社 KDDI 研究所は、今後、本技術を KDDI 株式会社の企業系サービスに導入すること により、企業系サービスの高信頼化、およびサービス品質の向上を目指します。 本開発ルータを、10 月 28、29 日に開催される MPLS JAPAN2008(http://www.mpls.jp/)にて 展示します。 以 上 <別紙> (参考)IP-VPN におけるエンド・エンド MPLS パス提供の構成 MPLS パス*1 : 装置間でデータ転送のために確立する仮想的なリンク。 エッジルータ*2 : キャリアが保有する装置であり、実際には、お客様を収容する装置。 パス計算サーバ*3 : 装置間の MPLS パスを計算するための装置。 IETF*4 : IETF は、インターネットに関する技術仕様を策定している任意団体で、各分科会で 策定された文書は RFC (Request For Comment) *7 と呼ばれている。IAB(Internet Architecture Board)*8 の下部組織。実務的な作業は IESG(Internet Engineering Steering Group)*9 で行わ れるため、IETF は標準化処理における文書や情報の管理を行うこととなっている。IETF への 参加は企業等団体の代表としてではなく、個人として参加することとなっている。参加者は自 由に IETF の会合やメーリングリストでインターネットに関する様々な議論に参加することが可 能である。 PCE 分科会*5 : PCE 分科会は、主に MPLS パス等を確立するためにそのパス計算を行うた めの技術ならびにその運用技術を標準化する分科会である。KDDI 研究所では、PCE のデザ インチームメンバとして PCE 分科会に参加し、数多くの RFC や寄書を提出している。また、現 在、本技術を分科会に寄書として提出しており、RFC 化に向けて標準化中である。 L3VPN 分科会*6 : L3VPN 分科会は、主に IP-VPN サービスを拡張するための標準化を行 なっており、KDDI 研究所では、現在、本技術を分科会の寄書として提出しており、RFC 化に 向けて標準化中である。 RFC*7 : インターネットで利用されるプロトコルやその他インターネットに関る技術の仕様や 要件を、通し番号を付けた形で公開される文書群 IAB*8 : インターネットアーキテクチャ委員会 IESG*9 : インターネット技術標準化運営グループ 1. お客様宅内間の MPLS パス*1 提供 2. お客様宅内およびエッジルータ*2 間での帯域保証 3. お客様宅内およびエッジルータ間のリンク・ノード障害に対する高速迂回 以 上
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