第31期定時株主総会の第5号議案に関する補足説明について

平成 27 年 6 月 2 日
株主・投資家の皆様へ
KDDI株式会社
代表取締役社長 田中孝司
第 31 期定時株主総会の第5号議案に関する補足説明について
平成 27 年6月 17 日開催予定の第 31 期定時株主総会における第5号議案(公益財団法人 KDDI 財団の活動支援
を目的とした、有利発行による自己株式の処分等の件)に関して、ISS (Institutional Shareholder Services Inc.)から、
反対を推奨するレポートが発行されております。一方、Glass, Lewis & Co. からは賛成への推奨を頂いております。
つきましては、当該議案に関して、補足説明させていただきますので、何卒ご理解を賜りますようお願い申し上げ
ます。
1. KDDI 財団の活動支援が当社の利益、ひいては株主の皆様の利益に繋がると考える理由
KDDI 財団は、情報通信による世界の調和ある健全な発展に寄与することを理念とし、以下のとおり、助成事業、
国際協力事業を中心とした社会貢献活動を展開しております。
・助成事業として、将来の情報通信社会の発展に役立つ若手研究者を中心とした学術研究の助成、社会的課題
解決の活動を行う NPO・NGO 法人への助成、留学生への助成等を行っています。時代を先取りした若手研究
者の支援等により、当社の目指す ICT 社会の実現に貢献していきます。
・国際協力事業として、長年にわたり途上国の研究機関・政府関係者等への ICT 技術研修、途上国・島嶼国での
デジタルデバイド解消プロジェクト、教育・文化活動支援、ODA による情報通信インフラの整備などを行ってい
ます。
特に、毎年実施している KDDI 財団主催のチャリティコンサートの収益金でカンボジアに設立された学校
(KDDI スクール)は 10 校に達し、現地の子供達の教育環境の整備や人材育成などに多大な貢献をしています。
また、ミャンマーでは、昨年度、美術スクールを開催しており、今後は、教育支援活動も展開していく予定です。
延べ 144 か国から受け入れた 5,600 名を超える研修生、及び延べ 56 か国 170 件を超える技術コンサルティ
ングは、それぞれの国での ICT 普及に寄与するとともに、現地での人的ネットワークを培い、KDDI の名前の浸
透につながり、当社のグローバル事業展開にも資する好循環が期待されます。
これらの KDDI 財団の事業は、基本財産の運用益、事業収益、当社からの寄付金収入によって支えられていま
す。基本財産の運用は、公益法人であるため元本保証での運用が求められておりますが、低金利の影響で運用
が厳しくなることが見込まれ、財団活動の維持のために寄付金が増加する可能性がございます。今回、自己株式
を処分し、寄付金を配当金に切り替えることにより、毎年の寄付金による当社の営業費用上への影響がなくなりま
す。
今回の自己株式の処分では、KDDI 財団の事業の状況および基本財産の運用状況、必要と見込まれる資金量
などを総合的に勘案し、割当株数を112.5万株と算定いたしましたが、これは発行済株式数の0.04%であり、株主
の皆様に与える影響は極めて少ないと考えております。また、処分する自己株式の議決権は不行使といたします
ので、議決権の影響はございません。
一方、財団としては、毎年の寄付から配当金に切り替わることで、公益法人としての自律性をより高めた財団運
営を行うことが可能になります。KDDI 財団では、今後も助成事業、国際協力事業を推進していく予定でございま
す。
このように、当社と財団運営の両面にメリットがあることから、今回、当該株式の配当金によって KDDI 財団の
必要資金をまかなうことを考え、本議案をご提案した次第です。
2.当社の KDDI 財団を通じた社会的責任の実行、そして企業成長についての考え方
近年、社会における企業の役割は益々大きくなっており、企業は社会的責任を果たすことが求められています。
上述のとおり、KDDI 財団の活動は、当社が果たすべき社会的責任の役割そのものであります。
また、通信事業では、テクノロジーの進化、高度化により、キャリア毎の差別化が付きにくくなってきています。
一方、企業イメージが購買活動に影響する割合は大きくなっており、企業イメージ向上に結び付く CSR 活動の重
要性は高まっています。これらを踏まえますと、KDDI 財団による活動は、当社の社会的責任の実行という本来の
役割に加え、当社のブランド価値向上、競争力強化に貢献し、企業価値の向上につながっていくものと考えてお
ります。
当社は、社会的責任の実行と企業価値の向上に全社を挙げて努力し、中長期的な成長を実現し、株主の皆様
には配当の維持・向上等でお応えしていきたいと考えております。
株主の皆様におかれましては、当該議案の趣旨、目的をご理解の上、議決権の行使をお願い申し上げます。
以
上