インターネットの標準化の特徴 情報ネットワーク 講義資料 改訂の履歴:昨年度の講義資料「IP電話、VoIP、NGNとENUM」 の一部を抜き出し、それに加筆した資料である 注意: ブラウザの上で閲覧すると文字が正しく表示されない場合があります。 例えばカタカナの長音が縦に表示されたり、英文字の一部が重なって見える 場合にはPDFファイルをダウンロードして Acrobat Readerなどで見てください。 1 OSI参照モデル 第7層 アプリケーション層 第6層 プレゼンテーション層 第5層 セッション層 第4層 トランスポート層 第3層 ネットワーク層 第2層 データリンク層 第1層 物理層 教科書 p.22—25, pp.72—80 2 実際に流れるデータの形式 イーサネッ トのヘッダ IPパケット のヘッダ TCPパケッ トのヘッダ データ イーサ ネットの FCS 教科書 p.81—85 3 教科書 p.26, p.81—84 TCPパケッ トのヘッダ データ TCPのデータ IPパケット IPのデータ のヘッダ イーサネッ トのヘッダ イーサネットのデータ パケットが生成される様子 イーサ ネットの FCS 4 TCPパケッ トのヘッダ TCPのデータ TCPヘッダの拡大図 送信元ポート番号 宛先ポート番号 (下に続く) シーケンス番号(SEQ) (下に続く) 確認応答番号(ACK) データオ フセット 予約済 (下に続く) コントロール フラグ チェックサム ウィンドウサイズ 緊急ポインタ オプション 0 (下に続く) (下に続く) パディング 7 8 15 16 23 24 図 6.1 TCPパケットのヘッダ 31 p.251 5 1 インターネットの標準化 IETF Internet Engineering Task Force RFC Request for Comments 6 IETFにおける標準化プロセス その他 参考(1): 下の本の図1-3 笠野英松監修・マルチメディア通信研究会編 「インターネットRFC事典」アスキー出版局、1998 参考(2): 下の本の図3-5 江崎浩監修・MCR編 「インターネット用語事典」I&E神蔵研究所、2000 IETF Internet-Draft (標準の提案) 別組織で作 られた規格 ©田代秀一氏 p.19, p.64 IESGによる承認 Experimental RFC (研究開発段階の記述) Proposed Standard (提案) Informational RFC (情報提供を主目的 としたRFC) Draft Standard (標準の候補) BCP(運用方法 に関するRFC) (Best Current Practice) FYI番号 BCP番号 For Your Information Internet Standard (インターネットの標準) Historic RFC Standard track (古くなったRFC) STD番号 (標準化の流れ) 7 IETFの特徴 • 投票をしない 会員という概念がない • ラフ コンセンサスとランニング コード rough consensus and running code • WGになるためにはBoFからスタート Birds of a Feather (同類) • RFCとするためには Internet Draftを提出 8 デファクト標準 • デファクト de facto ラテン語 事実上の標準 • 市場の競争の結果として広く採用されてい る標準 • TCP/IP はデファクト標準の好例 • デジュリ de jure, 読み方はデジューレ、 デジュール、デジュアなどある • 国際標準化機関により定められた標準 (ITU-Tは国際標準化機関の一例) 9 IETFにおけるENUM WGの位置 http://www.ietf.org/html.charters/wg-dir.html • Application Area IETFのWGはエリアに • General Area 分かれて活動している • Internet Area • Operations and Management Area • Routing Area • Security Area • Transport Area • Real-time Applications and Infrastructure Area → enum: Telephone Number Mapping 10 ENUM WG (IETF)の概要 http://www.ietf.org/html.charters/enum-charter.html 最新の情報は 2011-05-10 • E.164番号をドメイン名(Fully Qualified Domain Name) として表現するため、DNSに基づくアー キテクチャとプロトコルを定める • RFC2916を制定 (obsoleted by RFC 3761 ) • ENUMのために特別のドメイン(e164.arpa)を設 ける • ENUMはDNSのNAPTRリソースレコード (resource records [RFC2915])で表現される 11 RFC3761によるDNSデータの生成 E.164番号(IDDD含む) : +46-8-9761234 数字以外を除去(+残す):+4689761234 数字以外は除去: 4689761234 数字の間にドット(“.”)挿入: 4.6.8.9.7.6.1.2.3.4 数字の順番を入替える: 4.3.2.1.6.7.9.8.6.4 文字列“.e164.arpa”を最後に付ける: 4.3.2.1.6.7.9.8.6.4.e164.arpa 12 2 電気通信(電話)の標準化 ITU-T International Telecommunication Union, Telecommunication Standardization Sector 国際電気通信連合 13 ITUにおけるENUMの標準化 • ITU 国際電気通信連合 p.19 ITU-T 電気通信標準化部門 ITU-R 無線通信部門 ITU-D 電気通信開発部門 (解説:日本ITU協会 http://www.ituaj.jp/) • ITU-TのSG2でENUMの標準化が行われて いる、その内容は、DNSのグローバルで統一 的な管理・運用に関すること。 (ENUMのエディタ斎藤茂氏(KDDI)) 14 ITU ENUM Activities http://www.itu.int/osg/spu/enum/ http://www.itu.int/osg/spu/infocom/enum/index.html • IAB (Internet Architecture Board)とITU-T SG 2とは、ENUMのプロトコルに基づいた サービスを実現する際の運用、管理、委託 などの問題について協力の方法を討議し ている。 • ENUMに関しては国際的なE.164 の(国内 および統一的な)番号計画の管理者と十分 に討議しなければならない。. 15 SG2:E164番号に関する検討 • 1998年3月に欧州TIPHONプロジェクトから IP電話のためのE.164国番号の新規割当て の要望あり、審議開始 • IP電話用に国番号を割当てることについて は合意にいたらず(1999年5月) • 現時点ではIP電話のための特定の国番号の 割当は行わない • IP電話のために既存国内番号を使用すること は問題ない 16 2 0 0 0 年1 0 月 IT U -T S G 2 W P1 会合 ( E N U M D N S に設定さ れる E .1 6 4 番号の管理方法の検討) 2 0 0 1 年1 月 E N U M ワーク シ ョ ッ プ ( E N U M の技術的及び規制の観点から の検討) 20 02 02 02 22 / 2 0 0 1 年1 月、 9 月 IT U -T S G 2 会合 ( E N U M の管理手順に関する ガイ ド ラ イ ン の審議) _ 3 2 0 0 2 年5 月 IT U -T S G 2 会合 ( E N U M の管理手順に関する ガイ ド ラ イ ン の承認( 予定) ) .html I T U に お け る 検 討 経 緯 2 0 0 0 年1 月 公衆網と IP網と のイ ン タ ーワーキン グ・ ワーク シ ョ ッ プ ( E N U M を 含むIP電話の番号等に関する 課題の抽出) http://www.soumu.go.jp/s-news/ 図5─5 17 総 務 省 「 I P ネ ッ ト ワ ー ク 技 術 に 関 す る 研 究 会 報 告 書 」 2 0 0 2 年 2 月 マスターするべき事項 • インターネットの標準化は IETF • 標準化の文書(仕様)は RFC • デファクト標準と言われる • 電話(電気通信)の標準化団体は ITU-T • デジュール標準と言われる 次回に注目するべき事項: • IPアドレス割り当て機関であるJPNICの役割 • JPドメイン名の登録を受け付けるJPRSの役割18
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