部分的脾動脈塞栓術後の 血小板数予測 新潟大学 大学院医歯学総合研究科 消化器内科学分野 講師 須田剛士 1 脾臓と部分的脾動脈塞栓術 肝臓 門脈 • 脾臓は、古くなった血液成分の破壊処理 などを行っており、腸と肝臓を結んでいる 門脈につながっています。 • 脾臓が腫大すると、破壊亢進による白血 球数や血小板数の減少、門脈血液量増加 に伴う門脈圧亢進症(腹水、食道や胃など の静脈瘤、脳症)を引き起こします。 • 血小板数が少ないと、抗癌剤やC型肝炎 ウイルスの治療に用いられるインターフェ ロンなど、血小板数を減らす薬剤を用いた 治療が困難になります。 • 部分的脾動脈塞栓術は血管内カテーテル 治療の一種で、脾臓を栄養する脾動脈を 部分的に塞栓することにより、腫大した脾 臓を委縮させます。 2 部分的脾動脈塞栓術の効果と問題点 脾動脈 • 脾動脈を沢山塞栓すると • 血小板数はどんどん増える 5.6 x 104/mm3 9.7 x 104/mm3 12.1 x 104/mm3 • 合併症(脾膿瘍や門脈血栓など、時に致死的)も増える 3 現在は…. • 経験を頼りに、塞栓範囲が決定されている! 必要十分、かつ最少の塞栓範囲 を決定する簡便な方法が必要 4 血小板数=産生と破壊のバランス 脾体積=破壊力 肝体積=産生力 5 想定される用途 本技術はComputed tomography(CT)装置に、 • 肝体積と脾体積の自動~半自動計測 • 体積計測に基づく予測血小板数の算出 機能を持たせることで、最大のメリットを発揮する。 web上、ならびにアンドロイド用アプリケーション →http://www.med.niigata-u.ac.jp/in3/resident/group2.html 6 企業への期待 Computed tomography(CT)装置へ、肝体積と 脾体積の自動~半自動計測機能を持たせ、目標 血小板数を入力することで、必要な脾臓の塞栓体 積をレポートする機能を開発していただきたい。 7 実用化へ向けた課題 • 必要塞栓体積を算出することは、既存技術で 可能と思われる。 • CT撮影時に造影剤の流入動態を解析し、ど の脾動脈を塞栓することで目標塞栓体積を達 成できるかの示唆を与えてくれる画像解析技 術が加われば、さらに有用性が高まる。 • 上記の画像解析技術は、血管内カテーテル 治療全般で活用可能なツールとなり得る。 8 本技術に関する知的財産権 • 発明の名称 : 部分的脾動脈塞栓術後の血小板数の 予測方法及び装置 • 出願番号 • 出願人 • 発明者 :特願2012-236585 :新潟大学 :須田剛士、他3名 9 お問い合わせ先 新潟大学 産学地域連携推進機構 産学地域連携推進センター TEL 025 - 262 - 7554 FAX 025 - 262 - 7513 e-mail [email protected] 10
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