政府開発援助によるアジア圏の格差について

経済学部4年 近 慶太
・ 政府開発援助(ODA)を通して、アジア圏における
格差に変化があるかどうかを見る
具体的には・・・
・ ODAを受け取る前後で、格差に変化が見られるか
どうかをローレンツ曲線及びジニ係数を用いて考察
・ 高瀬浩一(2003)
「最貧国の相対所得分析」
・ 目的
ODAが受入国の厚生向上に果たす役割を考察
・ 分析結果
世界全体では、ODAが供与されていても格差は広
がっている
分析1
・ 1989年から2009年までの20年間におけるアジア圏
の15カ国のGNI平均値を求め、 ローレンツ曲線とジ
ニ係数を算出する
分析2
・ 分析1の期間におけるODA受け取り額の平均値を
GNIに加算したうえで、ローレンツ曲線及びジニ係数
を算出し分析1の結果と比較する
1989~2009年の平均GNIにおけるローレンツ曲線
1
0.9
0.8
G 0.7
N 0.6
I 0.5
累
積 0.4
比
0.3
0.2
0.1
0
0
0.2
0.4
国数累積比
0.6
0.8
1
平均GNIにODA受け取り額を加えたローレンツ曲線
1
0.9
G
N
I
+
O
D
A
累
積
比
0.8
0.7
0.6
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0
0.2
0.4
国数累積比
0.6
0.8
1
・ ローレンツ曲線
ODAを受け取る前後ではほとんど変化が見られな
かった。
・ ジニ係数
平均GNIのみ
→ 0.902479122
平均GNI +ODA → 0.902374858
ODAを受け取ることで僅かな改善は見られるが
ほぼ変化はなく、値は高い。
ローレンツ曲線とジニ係数の変動から・・・
アジア圏においてODAによる格差の変化はごく僅
かなものである
という結果が得られた。
・ 先行研究の分析結果との比較検討
・ ODAによるアジア圏における格差の変動が少ない
ことの考察など
・ 高瀬浩一(2003)
「最貧国の相対所得分析」
・ 高瀬浩一(2004)
「世界経済の相対所得分析」
・ 世界銀行
「World Development Indicator 2013」
・ 中村和之
「所得格差を測る指標-ジニ係数とローレンツ曲線-」