2014年6~7月号 - 日本キリスト教海外医療協力会

1972年4月25日第三種郵便物認可
通巻427号 2014年6月10日(隔月10日発行)
2014
6・7
回エキュメニ
小島
莊明
このたび、J OCSは﹁第
カル功労賞﹂を授与された。
創立以来、諸教会と協力しつつ、民族や宗
教、あるいは歴史も文化も社会的習慣も異な
る人々との隔ての壁を乗り越えて、アジア・
る﹂道を模索してきたささやかな働きに対す
アフリカの小さくされた人々と﹁ともに生き
る
﹁励まし﹂
を戴いたものと受けとめている。
ま た、 こ の よ う なJ O C S の 働 き は、
﹁使用
ト教を超えた幅広いご支援の賜物でもあると
済み切手運動﹂に象徴されるように、キリス
いうことも、この機会に銘記しておきたい。
たことを反省し、キリスト教各派の一致を目
もともと﹁エキュメニカル運動﹂は、第一
次世界大戦後、教会が戦争を阻止できなかっ
指して始められたものであるが、いまは他宗
教との対話も重要な視点となっている。
周年記念礼拝
その意味で、J OCS創立
の折に、あのバングラデシュ・テゼ共同体の
ブラザー・フランクがイスラムの人々からの
平和のメッセージを伝えてくださったこと
は、この争いの絶えない世界にとって真に重
要な意味をもつのではないだろうか。互いの
違いを尊重しつつ、すべての人々と平和に生
きる道を見出すことが、 世紀を生きる人類
の叡智として求められていると信じ、キリス
い。
※キリスト教の超教派による一致を目指すこと
www.jocs.or.jp
日本キリスト教海外医療協力会
20
50
ト教の内側だけに留まらない働きを目指した
21
JAPAN OVERSEAS CHRISTIAN MEDICAL COOPERATIVE SERVICE
エキュメニカルの先を目指して
バングラデシュ・マイメンシンの親子(撮影 森田隆)
ワーカーからの手紙
海外に派遣する保健医療従事者を、JOC
Sではワーカーと呼んでいます。現在活動
している3名のワーカーを紹介します。
キスタンは新生児死亡率の高い国
0人の赤ちゃんが生まれます。パ
ファエル病院では年間約1,60
ド市︶に派遣されています。聖ラ
2007年からパキスタンの聖
ラファエル病院︵ファイサラバー
︵医師︶
暮らしは単純素朴ですが、そこは
が、
共に暮らすコミュニティです。
と共に暮らしたいと願う人たち
的な障がいのある人たちと、彼ら
で暮らしています。ラルシュは知
バングラデシュのマイメンシン
県にあるラルシュ・コミュニティ
︵看護師︶
バングラデシュ派遣ワーカー
です。多くの赤ちゃんが元気に育
日々自分自身と向き合う場であ
楽活動、さをり織り、ろうそく作
バングラデシュ派遣ワーカー
︵理学療法士︶
バングラデシュで
理学療法士として働いて6年目を
迎えました。
理学療法とは、病気や怪我で体
が動かなくなったり動きにくく
なったりした人に、治るためには、
あるいは生活をしやすくするため
にはどう動いたらよいか、手助け
する仕事です。この国の、特に村
を育成し、村でも適切な理学療法
たしは地方で働く現地のスタッフ
や知識が行き届いていません。わ
や地方では、まだ十分にその技術
●タンザニア
が受けられるように、現地の人々
と働いています。皆さんのご支援
で、何人かの教え子が立派に村で
働けるようになっています。ご支
援に感謝申し上げます。
JOCS派遣ワーカーおよび奨学生数(国名の後の数字)
2014年5月現在
パキスタン派遣ワーカー
っていけるようスタッフと共に祈
冒涜
パキスタンは爆弾テロや、
法による迫害など人の命を脅かす
り、ビーズ刺繍、染め、パソコン
インドネシア 12名
倉辻忠俊医師
アジアやアフリカの国々には、保健医療の環境が整っていな
い地域が多くあります。JOCSは、奨学金支援を通してその
ような地域で働く保健医療従事者の技術の向上に寄与し、状
況の改善に取り組んでいます。
JOCSの奨学生支援
り、神様との出会いの場であると
も言えます。
多くの問題を抱えています。パキ
での作業が好きな方、ぜひご連絡
ウガンダ
16名 楢戸健次郎医師
●タ
清水範子助産師
バングラデシュ 3名
タンザニア 10名
細井さおり
看護師
護さん
山内章子
理学療法士
岩本直美看護師
青木 盛医師
り、働かせていただいています。
今年の秋に任期が終了し、帰国
する予定です。
スタンの平和のためにお祈りくだ
ください。
この暮らしに興味のある方、歓
迎いたします。演劇、ダンス、音
さいますようお願いいたします。
ネパール 14名
●ネパール
●バングラデシュ
●パキスタン
細井さおり看護師
岩本直美看護師
惠子さん 諏訪惠子看護師
細井さおり看護師
護さん
●日本
倉辻忠俊医師
●カンボジア 宮川眞一医師
倉辻
●日本
岩本直美看護師
諏訪惠子看護師
カンボジア 2名
●日本
宮川眞一医師 山内章子理学療法士
理世さん
●タンザニア
理希ちゃん
清水範子助産師
楢戸健次郎医師 青木 盛医師
インド 3名
2014年6月10日 (2)
(第三種郵便物)第427号
付金で約
み切手運動 周年積立金を取り崩
月末で終了予定です。タンザニア
育プロジェクトは、2015年3
差額は1,195万円の赤字とな
よっても一般正味財産の経常収支
︻全体予算︼会費・寄付の増加に
事業計画・予算書をお送りいたし
報告・会計報告書、2014年度
ご希望の方には2013年度事業
ホームページ上でより詳しい予
算書をご覧いただけます。また、
%の増加を目指しま
2014年度は、現地のニーズ
により的確に応えるべく海外事業
での診療統計能力強化プロジェク
ります。この赤字は、今までご遺
ま す︵ 送 料 実 費 ︶。 東 京 事 務 局 ま
すことによって埋められます。
を拡充する計画を立てています。
トは2年目を迎えます。そのほか
贈などでいただいたご寄付を積み
でお申し付けください。
す。
また、現地で支援を受けた人々の
に、カンボジアで新規プロジェク
立てた奨学資金積立金と、使用済
収支予算及び計画
声を、ワーカー報告会や会報など
トの開始を計画しています。
2014年度
50
で、より多く皆様にお伝えできる
20
︻国内活動︼バングラデシュ・マ
イメンシンを訪ねる活動紹介ツ
アーと、仙台・石巻を訪ねる旅を
月間、
各地で報告会を開催します。
章子ワーカーが任期を終え、3カ
ワーカーとバングラデシュの山内
︻海外派遣︼パキスタンの青木盛
です。
で被災者支援活動を継続する予定
より、いわき市、福島市、釜石市
ただいた東日本大震災指定寄付に
︻災害救援復興︼昨年度までにい
今年度もさらなるご支援を賜り
ますよう、お願い申し上げます。
バングラデシュの岩本直美ワー
︻使用済み切手運動 周年記念事
実施する予定です。
カーは、引き続き2015年5月
まで現地での活動を継続します。
業︼今年度は、使用済み切手運動
周年の年にあたります。9月に
東京と関西でそれぞれイベントを
︻奨学金︼6カ国 名への支援の
ほか、2014年度の新規奨学生
シア、
ネパール、
バングラデシュ、
タンザニアに職員が出張し、元J
OCS奨学生の現在の働きを確認
︻協働プロジェクト︼5年目を迎
の聞きとりを行います。
績より、会費で約 %の増加、寄
して新規会員を募集し、前年度実
︻収入︼ワーカー帰国報告会を通
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えたバングラデシュの学校保健教
し、また現地パートナー団体から
これらにより、事業費は前年度
実績より約 %増加します。
開催する予定です。
50
を支援します。今年度はインドネ
58
50
19
【一般正味財産増減の部】
1、経常収益
計1億7,653万円
①受取会費
3,200万円
②事業収益(使用済み切手収益を含む)
2,600万円
③受取寄付金(指定寄付金振替額を含む)
1億1,319万円
④特定資産運用益
503万円
⑤雑収入他
31万円
2、経常費用
計1億8,848万円
①事業費
1億6,457万円
・海外派遣費
2,721万円
・奨学金
943万円
・協働プロジェクト費
826万円
・国内活動費
2,018万円
・災害救援復興費(東日本大震災被災者支援・その他)
644万円
・人件費
5,360万円
・事務所費
1,108万円
・使用済み切手運動50周年記念事業費
305万円
・会議費(委員会)
74万円
・その他の費用
2,458万円
(事務用品・通信費・交通費・募金経費・退職給付費用・その他)
②管理費
2,391万円
・人件費
1,242万円
・事務所費
169万円
・会議費(理事会・総会)
158万円
・支払手数料
476万円
・その他の費用(事務用品・通信費・交通費・その他)
346万円
当期経常増減額
△1,195万円
3、法人税等
22万円
(1万円未満四捨五入、△はマイナスを表す)
ように努めてまいります。
(第三種郵便物)第427号
(3) 2014年6月10日
2014年6月10日 (4)
(第三種郵便物)第427号
お知らせ
地区JOCSのイベントに参加しませんか?
お問い合わせは関西事務局まで
第36回京都JOCS
チャリティーコンサート
お誘いあわせの上、ぜひお越しく
ださい。入場無料
日時:7月12日(土)午後2時∼
今年は
「崔理英 ピアノの夕べ」 場所:日本キリスト教団
と題して開催いたします。ぜひお 神戸栄光教会
越しください。
日時:7月26日(土)
大阪JOCSカフェへの
午後5時半開場、6時開演
お誘い
場所:京都府民ホール・アルティ
6月20日(金)午後7時より、大
チケット:前売券3,000円
当日券3,500円
阪 聖 パ ウ ロ 教 会2階 に て、 大 阪
JOCSカフェを開店いたします。
今回のゲストは、元バングラデシ
神戸JOCSのつどい
ュ派遣ワーカーの畑野研太郎医師
元バングラデシュ派遣短期ワー です。席数が限られておりますの
カーの石本馨さん(作業療法士) で事前申し込みが必要です。お申
の活動報告と谷藤晴美さんのパイ し込みは関西事務局まで。カフェ
プオルガンミニコンサートです。 代500円(カレーとデザートなど)
エキュメニカル功労賞受賞
2014年4月29日、日本エキュメ
ニカル協会から第20回エキュメニ
カル功労賞を受賞しました。同協
会は、1969年の発足以来、キリス
ト教の超教派による一致を目指す
活動を続けています。
教会・学校の皆様へ
募金箱を無料で差し上げます
海外での保健医療活動のための
コイン募金にご協力ください。現
在、募金箱を無料で配布していま
す(先着100個、送料実費)
。バン
グラデシュ学校保健教育プロジェ
クトを扱った小冊子も付けてお送
りします。豊富な写真で、子ども
たちの様子がよくわかります。東
京事務局までお申し込みくださ
い。
使用済み切手運動50周年 記念イベント開催!
東京
「あつまれ!使用済み切手と仲間たち」
チャリティー・ゴスペルコンサート×切手トーク
出演者:Ronnie Rucker、RayD Lewis & True Praise!
切手コレクター、JOCS切手部職員 ほか
日時:9月13日(土)午後2時∼4時30分
会場:全電通ホール(御茶ノ水駅徒歩5分)
チケット:1,000円
大阪
「みんなで生きられるか?」
谷川俊太郎さん・末盛千枝子さん 対談
(詩人)
(すえもりブックス
元代表 )
日時:9月20日(土)午後2時∼4時
会場:大阪市中央公会堂 大集会室
チケット:1,000円
JOCSの使用済み切手運動
使用済み切手を換金し、アジア・アフリカでの保健医療協力活動に役立てています。切手のほか、書き損じ
はがき、外国紙幣、コインなども活動費になります。ぜひご協力をお願いいたします。
あとがき
■東京事務局 〒162-0045 東京都新宿区馬場下町1-1早稲田SIAビル4階
T:03-3208-2416 F:03-3232-6922
■関西事務局 〒530-0013 大阪市北区茶屋町2-30 T:06-6359-7277 F:06-6359-7278
■e - m a i l [email protected]
■編集発行人 小島莊明
(JOCS会長) ■編 集 委 員 宇山進
(長) 大江浩 大村竜夫 柏木牧子
須賀真弓 高橋淳子 那須野幸子 平本実
■イ ラ ス ト 石橋えり子 柏木牧子
■誌 代 1部300円(送料込)
JOCS会員は会費の中に本誌購読料が含まれています。
また年間1万円以上(購読料含む)の寄付をしてくだ
さった方にお送りします。
■郵便振替口座番号 00170-1-20920
昨年同様、今号は﹁年次報告書﹂
と同封した縮小版でお送りしま
す。6月7日に定時社員総会が終
わり、私たち広報委員会委員の任
期も終了しましたが、同時に、J
OCSの組織改革により広報委員
会が発展的に解消されることにな
りました。
最後の委員会の2年間、
そして私が委員長をさせていただ
いた7年間︵代行含む︶のご愛読
とご支援に、心から感謝申し上げ
ます。今後は、事務局を中心にし
て編集・発行作業が行われます。
今後も変わらぬご愛読とご支援
を、お願いいたします。︵宇山︶
日本キリスト教海外医療協力会
公益社団法人