飼料用米の農産物検査に関するQ&A(平成26年9月30日 - 農林水産省

平成26年9月30日
農林水産省生産局穀物課
登録検査機関のみなさまへ
(飼料用米の農産物検査に関するQ&Aの更新について)
飼料用米の農産物検査に関するQ&Aを更新しましたので、業務の参考としてください。
本Q&Aは、登録検査機関の皆様が疑問に思われる事項を中心に作成したものであり、
「飼料用米の生産に初めて取り組む皆様へ」、「今般の施策の見直しに係るQ&A」の飼料
用米関係部分も併せて御参照下さい。
なお、内容については、今後、追加、変更される場合がありますので御了承ください。
飼料用米の農産物検査に関するQ&A(9月30日更新版)
(登録検査機関向け)
○
交付対象について
(問1)登録検査機関が検査を行った飼料用米(飼料用もみ及び飼料用玄米をいう。以下
同じ。)が数量払いの交付対象に該当するかどうかについての判断は、誰が行うのか。
(答)
1
登録検査機関が検査を行った飼料用米が数量払いの対象に該当するかどうかの判断
は、地域農業再生協議会が行います。
2
登録検査機関は、飼料用米の生産者からの検査請求に応じ検査を行った数量及び格
付け結果に責任を負います。
(問2)飼料用米生産者が数量払いを受けるにあたって品位等検査の「合格」、「規格外」
はどのように扱われるのか。
(答)
数量払いの対象となる飼料用米は、農産物検査において「合格」に格付けされたも
のであり、
「規格外」は対象外となります(経営所得安定対策等実施要綱第2の6の(1)
の②の注1)。
○
検査規格について
(問3)なぜ、
「発芽粒」
、
「(芽)くされ粒」を「病害粒」とともに被害粒に設定したのか。
(答)
1
「発芽粒」及び「(芽)くされ粒」は、発芽又は腐敗により成分に変化が生じて飼
料の品質に影響を及ぼすと考えられることから、「病害粒」とともに被害粒にしてい
ます。
2
「虫害粒」
、「胴割粒」、「奇形粒」、「茶米」
、「砕粒」等は、飼料用米の検査では被害
粒として扱いません。
(問4)飼料用もみに混入する玄米の基準は設けないのか。
(答)
規格設定に際して関係者に聞き取りを行ったところ、家畜の飼料とする上で、もみ
に玄米が混入したことで問題が生じている状況は特段みられなかったことから、飼料
用もみの合格の規格には、玄米の混入限度を設定しないこととしたところです。
(問5)飼料用もみに発芽した玄米が混入した場合は、被害粒として扱うのか。
(答)
貴見のとおりです。
- 1 -
(問6)飼料用玄米の量目の規格において、25㎏は定めないのか。
(答)
量目については、主食用米と同じ取扱いです。現行の規格規程において、紙袋及び
ポリ袋等のただし書きに「特上から3等まで以外に該当すると認められるものは、25
キログラムとすることができる」と規定されており、飼料用米の「合格」、「規格外」
には、このただし書きが適用できます。
(問7)飼料用米に係る見本品等の配布はあるのか。
(答)
1
飼料用米の規格には形質が設定されていませんので、標準品の見本(現物・写真)
はありませんが、被害粒や異物等の混入程度を示した写真見本を飼料用米の検査を行
う登録検査機関に配布することとしています。
2
この写真見本は、農林水産省のホームページや程度統一会でも御覧いただけます。
また、写真見本の増刷を希望される場合は、指定の用紙及びプリンターのインクを御
用意いただいければ対応いたします。詳しくは、最寄の地方農政局等にお問い合わせ
下さい。
(問8)被害粒(発芽粒、病害粒、(芽)くされ粒)について、どの程度の被害を受けた
ものを被害粒として扱うのか示してほしい。
(答)
御質問の判断基準については、基本要領別紙5「国内産農産物の検査実施マニュア
ル」に示していますので、御確認下さい。
○
業務規程等について
(問9)飼料用米の検査を行うに当たって業務規程を変更する必要はあるのか。
(答)
現在の業務規程に、農産物検査を行う農産物の種類として「もみ」及び「玄米」が
規定されていれば、業務規程の変更を行うことなく「飼料用もみ」及び「飼料用玄米」
の検査を行うことができます。
(問10)業務規程において飼料用米の検査を行わない旨を規定することは可能か。
(答)
1
飼料用米の生産拡大が見込まれている中で、その円滑な流通のためには飼料用米を
検査する登録検査機関が多数存在することが望まれている状況にあります。
2
御質問のような規定を置くこと自体は可能ですが、現在の状況を御理解いただき、
多数の登録検査機関で飼料用米の検査を行っていただきますようお願いします。
- 2 -
(問11)検査手数料の値下げを求められたが、値下げしなければならないのか。
(答)
検査手数料は、農産物検査に係る実費を勘案して、登録検査機関ごとに定めること
になっております。飼料用米について主食用米とは別の検査手数料を設定する場合は、
飼料用米の検査規格は主食用米に比べ簡素なこと、試料採取などに係る労力は主食用
米と同様であること等を勘案し、適切に設定して下さい。
(問12)飼料用米の検査を行うために、農産物検査員の育成研修を受講する必要はあるか。
(答)
1
主食用米の「もみ」、「玄米」の検査が実施できる農産物検査員であれば、育成研修
を受講することなく飼料用米の検査を行うことができます。
2
現在、主食用米の「もみ」の検査が実施できない農産物検査員が、「飼料用もみ」
の検査を行おうとする場合は、農産物検査を行う種類の追加になりますので、「飼料
用もみ」(又は「もみ」)の育成研修を受講する必要があります。
(問13) 農場内で衛生管理地域(飼養衛生管理基準)に設定された飼料倉庫などを検査場
所としてもよいか。
(答)
不特定かつ多数の者や車両からの病原体の持込み及び持出しを防止するための規則
をあらかじめ作成し、家畜防疫員が適切なものであることを確認した場合など、飼養
衛生管理基準に反しない形で農産物検査が実施できるのであれば、検査場所として設
定して差し支えありません。
(問14)検査場所の設定について、飼料用米に限定して設定することは可能か。
(答)
飼料用米の円滑な検査のためには、飼料用米の取引実態や流通コストを考慮して、
飼料用米に限定した検査場所を設定することもやむを得ないと考えますが、この場合
は、飼料用米以外の農産物の検査を希望する生産者に対して、当該検査場所が飼料用
米に限定した場所であることを周知し、理解を得ておくようにして下さい。
(問15)登録検査機関とそこに所属する検査員の間の契約は、委嘱等でも可能か。
(答)
登録検査機関と検査員との契約の形態は委嘱等でも差し支えありませんが、当該検
査員が登録検査機関の指揮命令に従って検査業務を行うことが明確にされていること
が必要です。
- 3 -
(問16)「従たる事務所」を設置せず、「主たる事務所」で飼料用米生産者からすべての検
査請求を受け付け、地方の検査場所で検査することは可能か。
(答)
農産物検査を行う区域が複数の都道府県にまたがる登録検査機関については、これ
まで、「主たる事務所」のほかに、農産物検査を行おうとする都道府県ごとに、検査
請求の受付、帳簿の保存等を行う「従たる事務所」を設置していました。
しかしながら、飼料用米については、主食用米よりも格段に生産量が小さい現状に
あり、多量の検査事務が同時に発生するおそれが少ないことから、今般、局長通知を
改正し、飼料用米のみの検査を行う登録検査機関については、「従たる事務所」の設
置を登録検査機関の判断に委ねることとしました。
なお、「従たる事務所」を設置しない場合は、検査請求の受付、帳簿の保存、検査
場所への指示・連絡等は、すべて「主たる事務所」から行うこととなります。
(問17)飼料用米生産者の庭先等で品位等検査を実施することは可能か。また、申請に際
して提出を求められる検査場所に係る資料が膨大であり、飼料用米生産者の所在地リ
ストの提出のみに簡素化できないか。
(答)
登録検査機関が業務規程において、当該飼料用米生産者の庭先等(以下「庭先等」
という。)を検査場所として設定しているのであれば、検査を実施して構いません。
ただし、検査場所の設定に際しては、当該庭先等が検査場所として必要な要件を満た
しているかを確認する必要があります。具体的には、所在地の地図、見取り図、検査
場所の写真(全体・内部等)、検査場所の所有又は検査場所として利用可能なことを
証明する書類(登記簿、賃貸借契約書、所有者の承諾書等)、農産物検査に必要な器
具機材を有することが分かる書類(写真等)を農政局に提出することとなります。
(問18)「農産物検査業務規程」例に示されている条項の中に、別に“権限委譲規程”や
“内部監査規程”を定める旨の記述があるが、必ず規程を定めなければならないのか。
(答)
1
権限委譲については、登録検査機関として農産物検査の実施及び監督に係る権限を
代理の者に委譲する場合、権限委譲の範囲、方法等を定めた権限委譲規程を規定しな
ければなりません。このため、様式例第1号で示した「権限移譲規程」はあくまでも
例示であり、必ず規定しなければいけないというものではありません。
2
一方、内部監査については、全ての登録検査機関において実施することが必要であ
り、計画的かつ定期的に内部監査を実施することを業務規程に定めなければなりませ
ん。なお、様式例第1号はあくまでも例示ですので、例えば、内部監査規程を別に定
めずに、業務規程の本文に内部監査の方法、頻度、内部監査員の資格、監査結果の改
善手順等を記載することでも差し支えありません。
- 4 -
○
検査の実施について
(問19) 生産者からの検査請求書の受理に当たり、どのような書類を確認しなければなら
ないのか。
(答)
検査請求書の受理に当たり、他の農産物の検査請求と異なる点はありません。具体
的には、基本要領別紙5「国内産農産物の検査実施マニュアル」の検査請求書の記載
方法に従って行って下さい。
(問20)検査を受検出来ないような飼料用米が持ち込まれた場合、検査員として飼料用米
生産者にどのような指導をすべきか。
(答)
1
例えば、明らかに異種穀粒(麦など)が50%以上含まれている飼料用米が持ち込ま
れた場合は、農産物の種類として飼料用もみ、飼料用玄米のいずれにも該当しません
ので、飼料用米の検査を行ってはいけません。
2
その際、農産物検査員は、生産者に対して飼料用米の検査規格の説明等を行うとと
もに、飼料用米として受検できるように事前調製が行われるよう指導することが望ま
れます。ただし、検査員自らが持ち込まれた飼料用米の調製を行ってはいけません。
いちあきたい
(問21)主食用米に一度使用した紙袋(一空袋)の再利用は可能か。
(答)
1
農産物規格規程に「その他紙袋」の規格があり、一空袋はこれに該当します。規格
に基づき、荷造り及び包装の検査を行い、農産物を荷造りした場合に脱漏のおそれが
ないこと等が確認できれば使用できます(基本要領別紙5「国内産農産物の検査実施
マニュアル手順4「荷造り及び包装の検査」
)。
2
ホームセンター等で購入した紙袋も同様です。
(問22)ばらの飼料用米の品位等検査を実施する際の計量について、作業の簡便化のため、
トラックスケールでの1車単位の計量とすることは可能か。
(答)
複数のフレキシブルコンテナ等を積載した1台の車両について、これを1つの検査
荷口として扱い、トラックスケールにより数量を確認することが可能です。この場合、
農産物が積載された状態で車両の重量を計測し、農産物を降ろした後の車両の重量、
荷役のためパレット等を用いた場合はその重量及びフレキシブルコンテナ等の風袋重
量を差し引いて算出した重量が検査数量となります。
- 5 -
(問23)一空袋の場合の検査証明はどのように行うのか。
(答)
1
一空袋に入った農産物の検査証明も通常の紙袋の場合と同じです。具体的には、検
査請求者から、
①
包装毎の検査証明を求められた場合は、農産物検査法施行規則別記様式第9号に
よる表示を印刷したシールをあらかじめ貼付するか又は票せんをあらかじめ結びつけ
るよう検査請求者に依頼し、検査証明を行って下さい。
②
荷口全体を一括して検査証明(農産物検査法施行規則別記様式第14号)するよう
求められた場合は、標準抽出方法に基づき検査を行い、問題がなければ、全体を1つ
の荷口として検査証明書を発行して下さい(基本要領別紙5「国内産農産物の検査実
施マニュアル」手順8「検査証明に関する手続」)。
2
なお、一空袋での検査の際は、従前の検査証明が適切に抹消されていることを確認
して下さい。
(問24)包装されている農産物であっても、標準抽出方法に基づき抽出検査した場合は、
一括して検査証明を発行できるとのことだが、その場合、包装個々には何らの証明も
ないことから、検査品と未検査品の区別ができなくなってしまうのではないか。
(答)
1
抽出検査を行ったものについて、例えば、検査後の飼料用米を直ちに畜産農家に供
給することが明らかであるなど包装個々に証明することが非効率な場合には、複数の
紙袋を一つの荷口として扱い、一括して検査証明を行うことができます(施行規則第
10条第4項)。
2
検査後の飼料用米を直ちに使用しない場合など、御質問のような懸念が生じる場合
は、抽出検査であっても、包装個々に検査証明を行って下さい。
(問25)検査請求者から、包装されている農産物について、一括した検査証明の発行を求
められて標準抽出方法に基づき抽出検査を実施したが、不適合個体が発生した場合の
取扱いはどのようにすべきか。
(答)
標準抽出方法に基づき抽出検査を行っている途中に、不適合個体が規定された合格
判定個数を超えた場合は、各個に検査を行うことになります。この場合、検査証明は
包装個々に行う必要があります(一括した検査証明はできません)。
(問26)「は量」の検査はどのように行うのか。
(答)
1
登録検査機関の業務規程で「ばら」を受け入れる旨を定めていれば、量目の規格に
満たない「は量」の検査が可能です。例えば、受付条件を「包装されていないものに
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あっては、1kg以上のものに限る」としていれば、15㎏を入れた紙袋を15㎏の「ばら」
として扱い、検査を行うことができます。
2
ただし、業務規程において「ばら検査」の受付に際して最低重量を定めている場合
は、それ以下の「は量」の検査はできませんので、御注意下さい。(例えば、業務規
定で「包装されていないものにあっては、10㎏以上のものに限る」と定めている場合
は、10㎏未満の「は量」の検査はできません)。
(問27)ばら検査における数量確認でトラックスケールを使用してもよいか。
(答)
当該計量機器が、商取引上の取引に資する計量が可能(計量法に基づく検査を受け
て、検定証印等が付されていること)であれば使用できます。
(問28)飼料米の検査においても、分析結果を記録する必要があるのか。
(答)
飼料用米の検査において分析を行った場合は、その結果を記録して下さい。
(問29)包装等に「マル飼」を表示していない場合でも飼料用米の検査を行ってよいか。
(答)
1
生産者は、用途限定米穀である飼料用米を出荷する場合、食糧法に定める遵守事項
に基づき「マル飼」を表示する必要がありますが、農産物検査法上は、農産物検査の
受付の際に「マル飼」表示がなくても、検査することに問題はありません。
2
しかしながら、「マル飼」を表示しないまま出荷した生産者は食糧法違反に当たる
ことから、登録検査機関においては、飼料用米として検査請求を受けた米穀の「マル
飼」の表示を確認いただき、表示がない場合は検査請求者にその旨連絡いただくなど、
御協力をお願いします。
(問30)飼料用米を検査した場合、検査結果の報告はどのように行うのか。
(答)告示(農林水産大臣の定める様式及び農林水産大臣の定める期日)及び基本要領
(農産物検査の検査結果等報告マニュアル)に基づき御報告をお願いします。
(問31)広域の登録検査機関で区域ごとに従たる事務所を設置していないが、農産物検査
結果の報告を各県の各検査場所から直接、各県の地域センターに報告して良いか。
(答)
1
国内産農産物検査に係る農産物検査結果の報告書は、登録検査機関の検査を行った
区域を管轄する地方農政局長又は地域センター長へ提出することとされています。(農
産物検査に関する基本要領Ⅲの第3の別紙14の第2の1の(1))
2
従たる事務所を設置していない登録検査機関においても、登録検査機関の主たる事
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務所とは異なる区域で検査を実施する場合は、検査結果報告書を、各検査場所から、検
査場所の区域を管轄する地方農政局長又は地域センター長へ提出してください。
○
その他
(問32)飼料用米の農産物検査を受けることになれば、検査手数料が飼料用米の取引価格
に上乗せされてしまうことになるのではないか。
(答)
飼料用米の取引価格は、生産者と実需者の交渉により決定されるものですが、
①
主食用米の検査手数料は大半がkg当たり1円未満であり、飼料用米についてもこれ
と同等程度になると見込まれること、
②
数量払いの助成単価はこれに比べてかなり大きいこと
から、検査手数料が取引価格の上昇につながることにはならないと考えます。
(問33)売買取引業者を請求者とする法第5条検査を行った場合でも、数量払いの交付対
象となるのか(農産物の生産地や生産者の住所地に該当しない都道府県で検査を行う
ことが想定されるため)。
(答)
例えば、港頭の集約倉庫や飼料工場など飼料用米の産地とは別の都道府県で検査を
行う場合は、売買取引業者を請求者とする法第5条検査となりますが、この場合でも、
数量払いの対象となります。
(問34)法第5条検査の場合、地域農業再生協議会は、生産者ごとの数量をどのように確
認することになるのか。
(答)
地域農業再生協議会による生産者ごとの数量の確認は、登録検査機関が検査請求者
(売買取引業者)に交付した検査証明書と、検査請求者(売買取引業者)が作成した一
覧表(当該検査請求を行った農産物に係る生産者の氏名、住所、種類、生産年度及び
数量等を記載した一覧表)等により行います。
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