インターネットアンケート WDQHを利用した健康調査 奈良県立医科大学健康政策医学講座 博士課程3年 佐野友美 目的 y 特定の疾患を持たない人(一般住民)において、 日々の環境要因の変化によって体調の変化を認める のかについてはほとんど知られていない y インターネットを利用したアンケート調査 『WDQH』を利用して、日々の環境要因の変化と 体調の変化の関連性について調査した y 環境要因のうち、何が最も影響するのかについても 検証した 調査方法 対象者:インターネット登録モニターとその家族 期間:2007年12月1日∼2008年3月28日 場所:島根県出雲市 アンケート内容:体調を崩しているか否かと、詳細の症状 (発熱、咳、下痢、嘔吐、発疹、痙攣、その他の症状) y 環境要因: ・最低気温、日照時間、平均湿度、平日及び休日を採用 ・平均気温、最高気温、雲量、大気圧、蒸気圧は採用項目との 相関が非常に強かったために除外した ・降水量、風向、風速、月齢はプレ分析の時点で有意差を認め なかったので除外した y y y y څ平日及び休日⇒平日(月から金)・休日(土・日・祝) څ最低気温、日照時間、平均湿度、平均気温、最高気温、雲量、大気圧、蒸気圧、平均気温、 最高気温、雲量、大気圧、蒸気圧⇒気象庁データ y 統計分析(PASW statistics18を使用) ロジスティック回帰分析 調査対象者(年齢区分別) 参加者年齢区分 男性 女性 合計 6 歳未満 29 30 59 6 歳から 16 歳未満 50 38 88 16 歳から 40 歳未満 119 157 276 40 歳から 65 歳未満 93 93 186 65 歳から 75 歳未満 29 33 62 75 歳以上 13 18 31 合計 333 369 702 回答率 体調を崩した人の割合 症状を呈した人の延べ人数 体調を崩したか否か 体調を崩した 有意確率 Odds比 最低気温 0.002** 0.974 日照時間 0.000** 0.973 湿度 0.320 1.003 平日及び休日 0.000** 0.898 **有意確率0.05以下 詳細な症状別 発熱 有意確率 Odds比 最低気温 0.027** 0.945 日照時間 0.000** 0.922 湿度 0.317 0.991 平日及び休日 0.437 0.905 咳 有意確率 Odds比 最低気温 0.052* 0.976 日照時間 0.026** 0.976 湿度 0.104 1.007 平日及び休日 0.002** 0.809 **有意確率0.05以下 * 有意確率0.1以下 下痢 有意確率 Odds比 最低気温 0.851 0.994 日照時間 0.151 0.961 湿度 0.908 1.001 平日及び休日 0.525 1.108 嘔吐 有意確率 Odds比 最低気温 0.216 0.952 日照時間 0.002** 0.885 湿度 0.863 1.002 平日及び休日 0.550 0.887 発疹 有意確率 Odds比 最低気温 0.234 0.929 日照時間 0.269 1.052 湿度 0.511 1.014 平日及び休日 0.108 1.552 痙攣 有意確率 Odds比 最低気温 0.048** 1.190 日照時間 0.655 1.033 湿度 0.632 0.983 平日及び休日 0.739 1.169 その他の症状 有意確率 Odds比 最低気温 0.084* 0.981 日照時間 0.120 0.986 湿度 0.894 0.999 平日及び休日 0.073* 0.902 考察 y 以前より、特定の疾患(RAなど)での症状変化 と気候変化の関連性についての報告はある y しかし、気候変化と一般住民の体調の変化に関 する研究はほとんどない y 今回の調査では最低気温、日照時間、平日及び 休日の変化と一般住民の体調の変化に関連性を 認めた 結論 y WDQHを利用することで、日々変化する環境要 因と一般住民における日々の体調の変化との関 連性を調査するのに有用であった y また、最低気温、日照時間、平日及び休日が体 調の変化に大きく関与していることがわかった 謝辞 この研究は、下記研究事業の成果によるものです。 厚生労働科学研究費補助金 「通信連絡機器を活用した健康危機情報をよ り迅速に収集する体制の構築及び その情報の分析評価に関する研究」 ICD−11改訂の動向 ICD (International clacification of disease) y y y y 1900年に「人口動態統計の国際死亡分類」と して制定された 異なる国や地域から、異なる時点で集計された 死亡や疾病のデータの記録、分析、比較を行う ために国際的に統一した基準で設けられた分類 である 世界保健機関国際分類ファミリー(WHO-FIC) の中心分類に位置する 現在使用されているICD-10は1990年の第43回 世界保健総会(WHA)で採択された ICD改訂の背景 採択年 ICD version 分類項目数 1900 ICD-1 179 1909 ICD-2 189 1920 ICD-3 205 1929 ICD-4 214 1938 ICD-5 200 1948 ICD-6 954 1955 ICD-7 965 1968 ICD-8 1040 1975 ICD-9 約8,000 ICD-10 約14,000 ICD-11 ? 1990 2015 ? 25年!! WHO-FIC ICD-11改訂プロジェクトプラン y y y y y 2007年4月:WHOによるICD-11改訂作業開始 2010年5月:ICD-11α版公開 2011年5月:ICD-11β版公開 ⇒フィールドトライアル 2014年5月:WHAによる承認 2015年 :ICD-11公開 ICD-11改訂プロジェクトゴール y y y y y y y y 各国修正版(National modifications) 多言語版(Multilingual versions) ターミノロジーとオントロジーとのリンク 基本的な分類方法と健康情報システム(Basic taxonomic principles and Health information system) 使用者の必要な使用方法(Usecases-meeting the users needs) ICD-10との互換性 ウェブベース ICD revision phases:ICD-10+,ICD-11 alpha draft,ICD-11 beta draft 改訂作業のポイント y y y y 改訂組織作り:RSG,TAG,WGの設置、メン バー選定 ニーズ分析と中心概念(Need analysis and concepts of core usecases) プラットフォーム作成(iCAT, content model) ICD-11 alpha draft, ICD-11 beta draft作成 内科TAG活動内容 (TAG : topical advisory group) y y y y y y y 内科TAG組織作り:内科TAGの下に7つのWGを設置 国内外関連会議への参加:WHO-FIC年次会議、 WHO内科TAG国際会議、国内内科TAG検討会など ICD-10の問題点の抽出:分類改正改訂委員会 (URC)への提案投票など 内科担当範囲の明確化:overlap, underlapなど 情報モデル(WHO疾患概念定義フォーマット)の検 討 WGメンバー候補者の選出 構造変更(Structure change) ICD-11改訂組織図 WHO 内科 精神 外因 腫瘍 稀な疾患 母子・新生児眼科 皮膚科 筋骨格系 神経 歯科 小児科 耳鼻科 WHO-FIC RSG (Revision Steering Group) TAG Morbidity Mortality Functioning (Topical Advisory Group) 医療情報(HIM) WG (Working Group) 内科TAG組織図 内科TAG活動状況 期間 会議 場所 2008年4月10∼16日 WHO-FIC年次会議 ジュネーブ(スイス) 2008年5月/7月/9月 国内内科TAG検討会 東京(日本) 2008年10月25日∼11月5日 WHO-FIC年次会議 デリー(インド) 2008年11月/2009年2月/4月 国内内科TAG検討会 東京(日本) 2009年4月7日∼9日 内科TAG対面会議 東京(日本) 2009年6月 国内内科TAG検討会 東京(日本) 2009年9月22日∼10月2日 iCAMP ジュネーブ(スイス) 2009年10月 WG chair電話会議 2009年10月 国内内科TAG検討会 東京(日本) 2009年11月3∼5日 内科TAG対面会議 ジュネーブ(スイス) 2010年2月 国内内科TAG検討会 東京(日本) 2010年4月7∼8日 内科TAG対面会議 東京(日本) WHOジュネーブ本部 会議風景 集合写真 第2回WHO内科TAG国際会議 レセプション 集合写真 第3回WHO内科TAG国際会議 Overlapping area iCAT (initial ICD Collaborative Authoring Tool) Member selection y メンバーの条件 地理的バランス(WHO6地域) 学歴 国際認定機関 専門分野(小児科領域からも必須) 経験 性別 y y 仕事のほとんどがボランティアであるため、本人のやる気の 確認も重要!!! 且つ、WHOからの承認が必要 WG member selection Chair, co-chair y Members y Managing editor y *2010年4月現在の状況 W G W G m e m b e rs W G m e m b e rs E d . M a n a g e r N e p h r o lo g y Y I in o ( J P ) L S t e v e n s ( U S A ) A p p ro v e d Y I in o R h e u m a t o lo g y J K a y ( U S A ) M H a r ig a i ( J P ) A p p ro v e d A W ‐D a h l G a s t r o e n t e r o lo g y P M a lfe r t h e in e r (G e rm a n y ) A p p ro v e d J A k iy a m a H e p a t o lo g y E B K e e fe ( U S A ) A p p ro v e d T To m iy a R e s p ira t o r y D H I n g b a r ( U S A ) P la n n in g ‐ H e m a t o lo g y W F ib b e ( N e t h e r la n d ) P ro p o s e d ‐ E n d o c r in o lo g y & M e t a b o lis m A S h im a t s u ( J P ) C S a u d e k (U S A ) P ro p o s e d ‐ C a r d io v a s c u la r B J G e r s h ( U S A ) A p p ro v e d T K o h r o I M ‐ TA G K S u g a n o ( J P ) R F ra n k lin ( U K ) J N akaya K Ta k a b a y a s h i J R ust 謝辞 この研究は、下記研究事業の成果によるもので す。 厚生労働省科学研究費補助金 「医療における情報活用を行う上での 適切な疾病分類に関する研究」 ご清聴ありがとうございました
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