労基- 1 労働基準法は、毎年 7 問出題され、第 4 章 (労働時間、 休憩及び年次有給休暇)、第 2 章 (労働契約)、第 9 章 (就 業規則)、第 3 章 (賃金)、第 1 章 (総則) の順で出題確 率が高く、出題数の大半がこれらの章から出題されてい る。 労基- 2 総 則 関 係 【 1 】 労働条件の原則(法 1 ) ① 労働条件は、労働者が「人たるに値する生活」を営むための必要 を充たすべきものでなければならない。 ② 労基法の定める労働条件の基準は、最低のものである。 労基法の基準を理由として、労働条件を低下させてはならない。 ○ 基準法の定める基準→ 【 2 】 労働条件の決定 (法 2 ) 労使対等の立場で決定( 訓示的な規定、罰則なし) 【 3 】 均等待遇 (法 3 ) 使用者は、労働者の国籍、信条、社会的身分を理由に、賃金、労働 時間、その他の労働条件について、差別的取扱いをしてはならない。 「その他の労働条件」には、職場における一切の待遇が含まれが、 「雇 入れ」は含まれない。 「性別」による差別 禁止していない。4 条や男女雇用機会均等法 による制限がある。 【 4 】 男女同一賃金の原則(法 4 ) (労働者が女性であることを理由として、賃金について差別禁止) 男性を月給制、女性を日給制にすること 違反 女性を、男性より有利に取り扱うことも禁止 職務や技能等によって、賃金に差別を設けること 違反ではない 労基- 3 【 5 】 強制労働の禁止 (法 5 ) 使用者は、暴行、強迫、監禁その他精神又は身体の自由を不当に拘 束する手段によって、労働者の意思に反して労働を強制してはならな い。 ・不当に拘束する手段 長期労働契約、労働契約の不履行に対する 賠償予定契約、前借金相殺 労働を強要するだけで違反となり、強制した結果、労働が行われなく ても違反。 違反に対しては、労働基準法上最も重い罰則 (1 年以上 10 年以下の懲 役または 20 万円以上 300 万円以下の罰金) が課される。 【 6 】 中間搾取の排除 (法 6 ) 何人も、法律に基づいて許される場合のほか、業として他人の就業 に介入し利益を得てはならない。 「業として」 同種の行為を反復継続することをいい、一回の行為で あっても、反復継続する意思があれば違反となる 「法律に基づいて許される場合」(例)職業安定法によって、有料 職業紹介事業の許可を受けた者が、一定の手数料を受ける場合 【 7 】 公民権行使の保障 (請求権)… (法 7 ) ・使用者は、労働者が労働時間中に、選挙権その他公民としての権利 を行使し、または公の職務を執行するために必要な時間を請求した 場合においては、拒んではならない。 ・ただし、使用者は、権利の行使または公の職務の執行に妨げがない 限り、請求された時刻を変更することができる。 公民権の行使にあたらないもの 公の職務にあたらないもの ・他の立候補者のための選挙運動 ・予備自衛官の訓練招集 ・個人としての訴権の行使 ・非常勤の消防団員の職務 労基- 4 適 用 事 業 【 1 】 適用事業 労働者を使用する事業は、職業の種類・規模に関係なく、労働基準 法の適用を受ける。 日本国内で行われる事業であれば、 事業主または労働者が外国人であっ ても、労働基準法は適用される。 ■ 例外 適用除外 (法 116) ① 同居の親族のみを使用する事業には、適用されない ② 家事使用人については、適用されない。 ③ 一般職の国家公務員 適用されない。 ④ 一般職の地方公務員 一部の規定が適用されない。 法人に雇われ、その役職員の家庭で家事一般に従事している者 家事使用人にあたる。 個人家庭における家事を事業として請け負う者に雇われ、その指揮命 令の下に家事を行う者 家事使用人ではない。 特定独立行政法人(国立印刷局、造幣局など)、国有林野事業に勤務す る職員 労働基準法が全面的に適用される。 【 2 】 適用事業の単位 一つの事業であるかどうかは、主として「同一の場所」で行なわれて いるかどうかで判断される。 同一場所にあっても、労働の態様が著しく異なるもの 別個の事業 とされる (例) 工場内の診療所 場所的に分散している事業であっても、規模が非常に小さく独立性の ないもの 直近上位の機構と一括 (例) 新聞社の通信部 労働者・使用者 労基- 5 【 1 】 労働者(法 9 ) 職業の種類を問わず、事業に使用される者で、賃金を支払われる者 をいう。 「使用される」とは、他人の指揮命令を受け、使用従属関係にあるこ とをいう。 ・法人の代表者 労働者ではない ・法人の重役で業務執行権または代表権を持たない者が、工場長・部長 の職にあって賃金を受ける場合 労働者である。 【 2 】 使用者(法 1 0 ) 使用者とは、事業主または事業の経営担当者、その他その事業の労 働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者を いう。 事業主 事業の経営主体・・・個人企業の場合は事業主個人、法人の場 合は法人自体 事業の経営担当者 事業経営一般について権限と責任を有する者(会 社の取締役など) 労働者に関する事項について事業主のために行為をするすべての者 労働条件の決定・労務管理の実施等に関して、一定の権限と責任を 有する者 (人事部長・労務課長など) 派遣労働者に係る使用者責任 ① 労働時間、休憩、休日 「派遣先」の使用者が責任を負う ② 労働契約、賃金、年次有給休暇、就業規則 「派遣元」の使用者 出向労働者に係る使用者責任 ① 在籍型出向 出向元・出向先とも労働契約関係があるので、そ れぞれの労働契約関係が存する限度で責任を負う ② 移籍型出向 出向先とのみ労働契約関係があるので、出向先の 使用者が責任を負う 労基- 6 労 働 契 約 【 1 】 基準法違反の契約 (法 1 3 ) その部分無効 (無効となった部分 基準法の基準による) (例)「1 日の労働時間は 9 時間」「1 日の労働時間は 8 時間」 【 2 】 契約期間 (法 1 4 ) ■労働契約 ①期間を定めのない労働契約適法労働者に解約の自由があるから ②期間の定めのある労働契約 一定の制限が設けられている 定年 期間の定めのない契約とされる。 (1)契約期間 上限 3 年 原 上 限 則 5年 (特定契約) 例 外 3 年を超える期間については締結できない ① 高度の専門的知識等を有する労働者(当該高度の 専門的知識等を必要とする業務に就く者に限る。) との間に締結される労働契約 ② 満 60 歳以上の労働者との労働契約 ① 一定の事業の完了に必要な期間を定める契約 (ダムの建設工事など) ② 職業訓練を受ける労働者は、訓練期間の範囲内で 締結できる(要許可) (2)特定契約の 「専門的知識を有する者」とは ① 博士の学位を有する者 ② 公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、弁護士、一級建築士、薬 剤士、不動産鑑定士、弁理士、技術士、社会保険労務士、税理士 ③ システムアナリスト、アクチュアリー試験に合格した者 ④ 特許発明者、登録意匠の創作者、登録品種の育成者 ⑤ 学歴及び実務経験によって高度な専門的知識等を有すると認めら れる一定の者のうち、年収が 1,075 万円以上の者
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