茨木労働基準監督署発表 平 成 2 7年 2 月2 6 日 労働基準法違反の疑いで書類送検 −違法な時間外労働及び休日労働を行わせた疑い− 茨木労働基準監督署(署長 エ キ ス プ レ 安冨 タ イ ム 彰)は平成27年2月26日、株式会社TIME ス EXPRESS及び同会社代表取締役Aを労働基準法違反の疑いで、大阪地方検察庁に書 類送検した。 記 1 被疑者 (1)株式会社 TIME EXPRESS 本社所在地 大阪府摂津市別府 事 業 内 容 一般貨物自動車運送業 (2)同会社代表取締役A 2 3 違反条文等 株式会社 TIME EXPRESS及び同会社代表取締役Aに対し 労働基準法違反 同法第32条第1項 同法第32条第2項 同法第35条第1項 同法第36条第1項 同法第119条第1号(罰則) 同法第121条第1項(両罰) 事件の概要 被疑者株式会社TIME EXPRESSは、大阪府摂津市別府に本店を置き、一般 貨物自動車運送業を営む事業主、被疑者代表取締役Aは、同会社の代表取締役として、 同会社における労働時間管理を含めた事業活動全般を統括管理する使用者であるが、 被疑者代表取締役Aは、同会社のため、労働者Bに対し、 第一 平成26年2月16日から同年9月27日までの間、及び同年10月12日か ら同月18日までの間について、法定の除外事由である時間外労働休日労働に関 する協定(以下「36協定」という。 )で定めた時間を超え、休憩時間を除き、 1週間において、延べ15週間、2時間30分乃至33時間30分の時間外労働 をさせ、 第二 平成26年9月28日から同年10月11日までの間、36協定を茨木労働基 準監督署長へ届出ていない等、法定の除外事由がないにもかかわらず、休憩時間 を除き、1週間において、延べ2週間、2時間30分乃至19時間30分の時間 外労働をさせ、 第三 平成26年1月30日から同年9月30日までの間、及び同年10月15日か ら同月24日までの間について、法定の除外事由である36協定で定めた時間を 超え、休憩時間を除き、1週間の各日において、延べ85日、30分乃至6時間 30分の時間外労働をさせ、 第四 平成26年10月1日から同月11日までの間、36協定を茨木労働基準監督 署長へ届出ていない等、法定の除外事由がないにもかかわらず、休憩時間を除き、 1週間の各日において、延べ7日、2時間30分乃至6時間の時間外労働をさせ、 第五 36協定に休日労働に関する協定をしていない等、法定の除外事由がないにも かかわらず、平成26年5月11日から同年8月9日までの延べ5週間について 休日を与えなかったものである。 4 参考事項 (1)平成26年10月24日午後11時20分頃、静岡県静岡市清水区八坂東町の国道 1号線において、株式会社TIME EXPRESSの労働者Bが同会社の業務のため、 4トントラックを運転し、東京方面へ向かって走行中に対向車線に飛び出し、対向車 線を走行する大型トラックと衝突し、同人が死亡する交通労働災害が発生した。 (2)上記法律違反の結果、労働者Bの災害発生日の直近1か月間における時間外労働は、 月110時間30分に及んだ。 (3)事件の時系列 【労働者 B 採用】 H.26.1.27 H.26.9.30 H.26.10.14 有効な 36 協定有 【災害発生日】 H.26.10.24 有効な 36 協定有 事件の概要 事件の概要 第1・第3 第1・第3 事件の概要 第2・第4 事件の概要 第5 (4)適用条項は、別紙のとおり。 別 紙 労働基準法 第三十二条 1 使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させ てはならない。 2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時 間を超えて、労働させてはならない。 第三十五条 1 使用者は、労働者に対して、毎週少くとも一回の休日を与えなければならない。 第三十六条 1 使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合において はその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の 過半数を代表する者との書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合におい ては、第三十二条から第三十二条の五まで若しくは第四十条の労働時間(以下この条に おいて「労働時間」という。)又は前条の休日(以下この項において「休日」という。) に関する規定にかかわらず、その協定で定めるところによつて労働時間を延長し、又 は休日に労働させることができる。ただし、坑内労働その他厚生労働省令で定める健 康上特に有害な業務の労働時間の延長は、一日について二時間を超えてはならない。 第百十九条 次の各号の一に該当する者は、これを六箇月以下の懲役又は三十万円以下の罰金に処 する。 一 第三条、第四条、第七条、第十六条、第十七条、第十八条第一項、第十九 条、第二十条、第二十二条第四項、第三十二条、第三十四条、第三十五条、第 三十六条第一項ただし書、第三十七条、第三十九条、第六十一条、第六十二条、 第六十四条の三から第六十七条まで、第七十二条、第七十五条から第七十七条 まで、第七十九条、第八十条、第九十四条第二項、第九十六条又は第百四条第 二項の規定に違反した者 第百二十一条 1 この法律の違反行為をした者が、当該事業の労働者に関する事項について、事業主 のために行為した代理人、使用人その他の従業者である場合においては、事業主に対 しても各本条の罰金刑を科する。ただし、事業主(事業主が法人である場合においては その代表者、事業主が営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者又は成 年被後見人である場合においてはその法定代理人(法定代理人が法人であるときは、そ の代表者)を事業主とする。次項において同じ。)が違反の防止に必要な措置をした場 合においては、この限りでない。
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