イーラス(e - RUS) 耐候性鋼のさび安定化補助処理剤 1 イーラスとは… 「イ−ラス(e-RUS)」は、長期間の自然暴露を要 して形成される緻密な保護性さびを優先的に形成 する耐候性鋼用の保護性さびの形成促進処理剤です。 耐候性鋼材にイ−ラス(e-RUS)処理することに より裸使用時に見られる「流れさび」を防止し、保 護性さび形成までの「色調ムラ期間」を短縮します。 新たに発見した「同質さび形成現象」を利用する ために、新規に開発した保護性さびの核を処理皮 膜中に分散させました。これによって、保護性さび の形成を促進します。 表紙 住吉橋(イーラス適用橋梁:鋼材/JIS-SMA) 兵庫県加古郡播磨町 イ−ラス(e-RUS)の特長 1 早期に保護性さびを形成(early) ◆耐候性鋼機能を早期に実現 ◆色調ムラ期間の短縮 2 自然環境に優しい処理剤(ecological) ◆クロム、鉛化合物完全フリ− ◆周辺環境との調和(流れさび防止機能、自然に調和した色調変化・長期景観保持) 3 経済性に優れる(economical) ◆環境に適合した耐候性鋼を使用し、再処理なしで長期使用可能 ◆LCC*低減 *LCC(Life Cycle Cost):初期コスト+維持管理費 4 施工性に優れる(easy engineering) ◆プレコ−ト可能・製品ブラスト工程簡略化 ◆面倒な化成処理、水洗工程不要 ●イーラス(e-RUS)の製品規格 品 名 イ−ラス下塗 イ−ラス上塗 色(印刷のため擬似色) 荷 姿 希釈シンナ− 16kgセット(主剤;12.8kg、添加剤3.2kg) イ−ラスシンナ−SまたはB (S:エアレス用、B:ハケ用) 16kgセット(主剤;12.8kg、添加剤3.2kg) 1 2 イ−ラス(e-RUS)の機能と保護性さびの形成促進機構 H2O O2 Cl− 流れさび防止 色調安定 耐塩分性(ただし風化まで) 保護性 さび 保護性さび形成 耐塩分性(ただし風化まで) 耐候性鋼 イーラス塗膜自然風化 下層:保護性さびの核を含有 ⇒ 処理膜下で保護性さび形成 上層:適度な水・酸素透過性 2− − 有害因子 ( Cl ) を MoO4 で不透過 処理膜の色調=長期保護性さび色 ⇒ 暴露後の色調安定 新たに生成するさび 保護性さびの核 同質さび生成 2 =保護性さび 広がる ●暴露により生成したさびの緻密性(さび断面の透過型電子顕微鏡観察) 海浜・海岸環境(0.29mdd)に1年間暴露したサンプル 1年暴露 〈イーラス処理材〉 27年暴露(比較) 〈裸 材〉 〈裸 材〉 イーラス処理材は短期暴露で長期暴露材と同等の緻密なさび層形成。 ●暴露1年後処理層除去 イーラス 従来のさび安定化処理剤 の場合 1cm イーラスの場合、塗布域直下に早期にさびが形成 されていることが分かります。 3 3 イ−ラス(e-RUS)の品質・性能 ●優れた景観性 海浜・海岸環境(0.29mdd)に2年間暴露 イーラス処理剤 イーラス処理剤 〈比較〉無処理材 流れさび捕獲板 イーラス処理は流れさび防止に 大きな効果を発揮します 0.06 0.06 0.04 0.04 片面板厚減少量/mm 片面板厚減少量/mm ●優れた耐候性能 0.04 従来耐候性鋼(e-RUS処理なし) 0.03 0.02 0.01 従来耐候性鋼(e-RUS処理) 0 従来耐候性鋼(e-RUS処理なし) 0.04 ニッケル系高耐候性鋼 JFE-ACL490Type2 0.03 0.02 JFE-ACL490Type2 (e-RUS処理) 0.01 0 0 10 20 30 経過月 (田園地帯:飛来塩分:0.015mdd) 40 0 10 20 30 経過月 (海浜・海岸地帯:飛来塩分:0.29mdd) イーラス処理を適用することにより、裸材で暴露初期に形成される防食性が乏しい さびや流れ錆の発生を抑制し、最終的な板厚減少量は低減します。 4 40 ●塩分透過抑制機能 e-RUS処理なし e-RUS処理 偏光顕微鏡 Fe C Cl High Mo 100μ Low さび層への塩素の侵入が抑制されて いることが分かります。 5 ●外観の経年変化 暴 露 期 間 暴露前 6ヶ月 1年 2年 e-RUS 処理なし 田園地帯 【鋼材】 従来耐 候性鋼 e-RUS 処理 海浜・海岸 地域 【鋼材】 ニッケル 系高耐 候性鋼 e-RUS 処理 イーラス処理では、長期にわたり色調の変化 が小さいことが分かります。 6 4 イ−ラス(e-RUS)の施工方法 イ−ラスは従来通りの全工程を製作メ−カ−で行う施工場合以外に、下層処理のみをミル内 で行うプレコ−ト処理も可能です。プレコ−ト方法では、製作メ−カ−でのブラスト処理を大幅 に簡略化できます。 ミ ル 製作メーカーによる 全 施 工 ミルでの 下層プレコート処理 鋼 板 鋼 板 ブラスト+下層処理 製 作 メ ー カ ブロック製造 ブロック製造 仮 組 仮 組 ブラスト 熱影響部手入れ、補修 下層処理 上層処理 上層処理 7 5 イ−ラス(e-RUS)の適用環境と適用事例 ●適用環境 イ−ラス(e-RUS)は、従来の一般耐候性鋼(SMA)およびニッケル系高耐候性鋼のいず れにも適用可能です。また、長期使用では鋼材性能に応じた保護性さびが形成されます ので、鋼材との組合せにより下表に示す環境での適用を推奨しております。 飛来塩分量(mdd) 適用方法 ≦ 0.05 SMA + イーラス > 0.05(*) ニッケル系高耐候性鋼 + イーラス (*)上限は下地鋼材が無塗装で使用可能な飛来塩分環境範囲まで ●適用事例 イ−ラスを適用した構造物(モニュメント)の外観です。離岸距離30mと海岸に非常に近 くかつ民家が近いため、景観対策としてイ−ラス処理したニッケル系高耐候性鋼JFEACL490Type2を適用しています。 設置直後から現在まで流れ錆を発生することなく、均一な外観を保っております。 流れさび汚染なし 海浜・海岸環境に3年間暴露したモニュメントの外観 〈設置場所:神戸市中央区脇浜通り〉 8 開 発:JFEスチール株式会社 本社 〒100-0011 東 京 都 千 代 田 区 内 幸 町 2 丁目 2 番 3 号 (日比 谷 国 際ビル ) 厚板セクター部 TEL: (03)3597-3371 FAX: (03)3597-3533 http://www.jfe-steel.co.jp 製造・販売:大日本塗料株式会社(資料請求元) 本社 〒144-0052 東 京 都 大 田区 蒲 田 5 - 1 3 - 2 3( 蒲 田シティビル 8 階 ) 一 般 塗 料部 構造物塗 料グル ープ TEL: (03)5710-4502 FAX: (03)5710-4520 http://www.dnt.co.jp ここに記載されている内容は、商品についての情報提供を目的としております。必ずしも品質保証として記述していない部分も含ん でいますので、 ご注文に際してはご確認ください。また、内容を改訂する場合がありますのでご了承下さい。 Cat.No.C1J-015-01 http://www.jfe-steel.co.jp 本 社 〒100 - 0011 東京都千代田区内幸町 2 丁目 2 番 3 号(日比谷国際ビル)TEL 03(3597)3111 FAX 03(3597)4860 大 阪 支 社 〒530-8353 大阪市北区堂島 1 丁目 6 番 20 号(堂島アバンザ 10 F) TEL 06(6342)0707 FAX 06(6342)0706 名古屋支社 〒451-6018 名古屋市西区牛島町 6 番 1 号(名古屋ルーセントタワー 18 F) TEL 052(561)8612 FAX 052(561)3374 北海道支社 〒060-0005 札幌市中央区北五条西 2 丁目 5 番(JRタワー 17 F) TEL 011(251)2551 FAX 011(251)7130 東 北 支 社 〒980-0811 仙台市青葉区一番町 4 丁目 1 番 25 号(東二番丁スクエア 3 F) TEL 022(221)1691 FAX 022(221)1695 新 潟 支 社 〒950-0087 新潟市中央区東大通 1 丁目 3 番 1 号(新潟帝石ビル 4 F) TEL 025(241)9111 FAX 025(241)7443 北 陸 支 社 〒930-0004 富山市桜橋通り 3 番 1 号(富山電気ビル 3 F) TEL 076(441)2056 FAX 076(441)2058 中 国 支 社 〒730-0036 広島市中区袋町 4 番 21 号(広島富国生命ビル 7 F) TEL 082(245)9700 FAX 082(245)9611 四 国 支 社 〒760-0019 高松市サンポ−ト 2 番 1 号(高松シンボルタワ− 23 F) TEL 087(822)5100 FAX 087(822)5105 九 州 支 社 〒812-0025 福岡市博多区店屋町 1 番 35 号(博多三井ビルディング 2 号館 7F) TEL 092(263)1651 FAX 092(263)1656 千葉営業所 〒260-0028 千葉市中央区新町 3 番地 13(千葉TNビル 5 F) TEL 043(238)8001 FAX 043(238)8008 神奈川営業所 〒231-0011 横浜市中区太田町 1 丁目 10 番(NGS太田町ビル 4 F) TEL 045(212)9860 FAX 045(212)9873 静岡営業所 〒422-8061 静岡市駿河区森下町 1 番 35 号(静岡MYタワー 13 F) TEL 054(288)9910 FAX 054(288)9877 岡山営業所 〒700-0821 岡山市北区中山下 1 丁目 8 番 45 号(NTTクレド岡山ビル 18 F) TEL 086(224)1281 FAX 086(224)1285 沖縄営業所 〒900-0015 那覇市久茂地 3 丁目 21 番 1 号(國場ビル) TEL 098(868)9295 FAX 098(868)5458 海外事務所 ニューヨーク、ヒューストン、ブリスベン、ブラジル、ロンドン、ドバイ、ニューデリー、ムンバイ、シンガポール、バンコック、 ベトナム、ジャ力ルタ、マニラ、ソウル、北京、上海、広州 お客様へのご注意とお願い 本力タログに記載された特性値等の技術情報は、規格値を除き何ら保証を意味するものではありません。 本力タログ記載の製品は、使用目的・使用条件等によっては記載した内容と異なる性能・性質を示すことがあります。 本力タログ記載の技術情報を誤って使用したこと等により発生した損害につきましては、責任を負いかねますのでご了承ください。 Copyright © JFE Steel Corporation. All Rights Reserved. 無断複製・転載・WEBサイトへの掲載などはおやめください。 0703R(0304) SP
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