極高真空の発生・

極 高 真 空 の発 生 ・計 測 ・利用 技 術 の
開発 に関 す る研 究
1試
験研究の全体計画
1.研
究の趣 旨
得た。②極高真空 の計測技術 の確立を図 るために,
新 しい原理 。構造 に基づ く全圧測定用真空計の開
発,分 圧測定の高感度化 ・定量化 の研究を進め,
真 空 技 術 は,将 来 の 材 料 科 学 技 術 の 基 盤 と して
重 要 な要 素 技 術 の一 つで あ る。近 年
従来技術を凌駕す る可能性を確認 した。
材 料 の表 面 ・
界 面 の計 測 ・解 析 技 術 が急 速 に 進 歩 した こ とに 伴
2.研
い,新 材 料 創 製 を原 子 ・分 子 レベ ル で 制 御 す る 技
究 の概 要
第H期 研 究 に お い て は,第1期
の 研 究 成 果 に基
術 の 開 発 が 試 み られ っ っ あ る。 この よ う な孤 立 原
づ き極 高 真 空 の発 生 技 術 に関 して 極 高 真 空 用 ポ ン
子 の 制 御 と そ の 技 術 の 評 価 を さ らに 進 め る た め に
プ の 高 度 化 と極 高 真 空 用 材 料 の 高 度 化 の 二 面 か ら
は,不 純 物 原 子 の影 響 が少 な い 真 空 空 間 の 利 用 が
研 究 を進 め る。 ま た極 高 真 空 の 計 測 技 術 に 関 す る
不 可 欠 で あ る 。 ま た 過 去 に お い て,重 要 な 物 理 現
研 究 で は,冷 陰 極 型 真 空 計 の,よ
り一 層 の 高 度 化
象 の 発 見,そ
を 目指 して 開 発 と評 価 を 行 い,レ
ー ザ ビー ム励 起
の 利 用 に よ る技 術 開 発 事 例 を見 て も,
真 空 技 術 の 発 展 が 必 須 の役 割 を 果 た して い る場 合
型 真 空 計 で は定 量 化 の確 立 を 目指 して研 究 を 進 め
が 非 常 に多 い 。
る 。 ま た,第1期
今 後 の 科 学 ・技 術 分 野 の発 展 を 目指 す 上 で は,
基 礎 研 究 分 野 で の新 しい現 象 の 発 見,原 子 ・分 子
レベ ルか らの 解 明,更
に は孤 立 原 子 ・分 子 の利 用
で開 発 された超 精密駆 動機 構 の
高 度 化 と と も に,極 高 真 空 環 境 下 で の 潤 滑 材 料 の
開 発 な らび に 超 清 浄 表 面 の 作 製 とそ の 面 上 で の原
子 ・分 子 の挙 動 の解 明 を 目的 と した,極 高 真 空 の
を 目指 した 研 究 の展 開 が 必 要 で あ る。 この た め に
利 用 技 術 に関 す る研 究 を 新 た に 開 始 す る。
は,ま ず 従 来 の 真 空 技 術 の 問 題 点 と限 界 を十 分 に
(1)極
把 握 した 上 で,今 後 予 想 され る高 度 な 真 空 の 利 用
技 術 を踏 ま え て,10-10∼10-"Pa領
域 の極 高 真 空
高 真 空 の 発 生 技 術 の 高 度 化 に 関 す る研 究
極 高 真 空 用 ポ ン プ の み な らず,材 料 の 高 度 化 を
図 る こ と に よ り10}!-Paの 極 高 真 空 を 迅 速 か つ 容
を 迅 速 か っ 容 易 に発 生 ・計 測 で き る新 しい手 法 の
易 に発 生 で き る技 術 を確 立 す る。
確 立 が必 要 で あ る。
①
この様 な 観 点 か ら本 課 題 は,昭
和62年
極 高 真 空 用 ポ ン プ の 高 度 化 に 関 す る研 究
度 に実
極 高 真 空 用 ポ ンプ の 中 で,ス パ ッ タ イ オ ン ポ ン
施 さ れ た 「極 高 真 空 の 発 生 ・計 測 ・利 用 技 術 に関
プ と ク ライ オ ポ ンプ の高 度 化 を 目指 した 研 究 を進
す る フ ィ ー ジ ビ リテ ィ ス タデ イ 」 の調 査 結 果 を 踏
め る 。 この た め 第1期
ま え,① 極 高 真 空 の 発 生 技 術 の開発 に関 す る研 究
成 果 を踏 ま え,ポ
② 極 高 真 空 の 計 測 技 術 の開 発 に 関 す る研 究,を 選
定 し,産
・官 ・学 の連 携 の も と に研 究 を推 進 す る
もの で あ る 。
容 易 に発 生 す る技 術 の 確 立 の た め に,真 空 ポ ンプ
の排 気 特 性 の 向 上,真
空 用 材 料 か らガ ス放 出 機 構
ン プ構 造 の改 良,各
の研究
ポ ンプ に適
した排 気 運 転 方 法 を 確 立 す る 。 ま た,第1期
で確
立 した コ ンダ ク タ ン ス変 調 法 を適 用 す る こ と に よ
り,ポ
第1期 研 究 に お い て は,① 極 高 真 空 を迅 速 か っ
に お い て は,第1期
ンプ 動 作 中 の ガ ス 放 出 特 性 ・排 気 特 性 を評
価 す る。
②
極 高 真 空 用 材 料 の高 度 化 に 関 す る研 究
第1期
に 引 き続 き ガ ス 放 出 の少 な い材 料 開 発 を
の 解 明,低 ガ ス放 出 材 料 の開 発,超 精 密 駆 動 機 構
進 め る一 方,こ
の 開 発 等 の研 究 を 進 あ,い
因 子 の解 析,開 発 した低 放 出 材 料 に よ る極 高 真 空
くっ か の重 要 な知 見 を
一106一
の材 料 の ガ ス放 出 特 性 に 及 ぼ す 諸
チ ェ ンバ ー 作 製 法,べ
一 キ ング の 低 温 化 の問 題 点
では極高真空領域での定量性の確認 を目指 した研
を 解 明 す る。 ま た 既 に 実 用 化 さ れ て い る材 料 か ら
究 を行 う。
の 動 的放 出 機 構 の 解 明 に も新 た に 着 手 す る。
(3)極 高真空の利用技術 に関する研究
(2魎 高 真 空 の 計 測 技 術 の高 度 化 に 関 す る研 究
第1期
第1期 において極高真空の達成 な らびに計測の
に お い て 冷 陰 極 型 真 空 計 と レー ザ ビー ム
励 起 型 真 空 計 の 開 発 を 取 り上 げ た 。 第n期
れ らの 成 果 を 利 用 して,10-UPaの
ではこ
全 圧 を高 い信
を開始する。
極 高 真 空 計 用 電 子 源 と し冷 陰 極 源 の 有 効 性 が 第
NbCな
■期 に お い て は
どの炭化 物 エ ミ ッター の安 定 化 に必 要 な
表 面 処 理 法,大 電 流 用 マ ル チ エ ミ ッ タ ー の実 用 化
な ど の研 究 を 進 め る一 方,電 極 構 造 の 高 性 能 化 に
よ る低 雑 音 化,な
駆動機構の高度化に関す る研究
第1期 において,極 高真空下での利用 を想定 し
冷 陰 極 真 空 計 の高 度 化 に関 す る研 究
1期 に お い て 確 認 さ れ た の で,第
にお
いては極高真空空間の利用を目指 した新 たな研究
①
頼 性 の も と に計 測 す る技 術 を確 立 す る。
①
可能性が確認 された ことを踏 まえて,第H期
らび に高 感 度 化 を 目 指 した 真 空
て超小型位置決 め機構の開発を行 った。第11期で
は駆動に伴 うガス放出の問題,駆 動機構 に不可欠
な固体潤滑材料 の研究を進 める。
②
超清浄表面 の作製 と利用に関す る研究
超清浄表面での原子 ・分子の挙動 を計測 するた
めには,ま ず極高真空下での超清浄表面作製の技
計 開 発 の 研 究 を行 う。
術 を確立す る必要があ る。次に,こ の超清浄表面
②
の化学的 。機械的性質を検討す ることにより,表
レー ザ ビー ム励 起 型 真 空 計 の 高 度 化 に関 す る
研究
第1期
に お い て,非 共 鳴 多 光 子 イ オ ン化 を 利 用
した 気 体 検 出 の有 効 性 が 実 証 さ れ た の で,第H期
一107一
面機能の発現を目指 した表面制御技術の研究を進
める。
3.年
次計 画
研
究
項
元年度
63年 度
目
第1期
〈
(D極
2年 度
3年 度
く
〉
4年 度
第1期
〉
高真空 の発生技術 の高度
化に関す る研究
①極高真空用ポ ンプの高度化
高度化 に関す る研究
`}
に関す る研究
1
高度化 に関す る研究
②極高真空用材料の高度化 に
〈
〉
関する研究
②
極高真空 の計測技術 の高度
化に関す る研究
開発 と評価 に関す る研究
①冷陰極真空計 の高度化 に関
〈
シ
す る研究
1
定量化 の確立
② レーザ ビーム励起型真空計
{
の高度化 に関す る研究
〉
(3)極 高真空 の利用技術 に関す
る研究
開発 と評価 に関す る研究
①駆動機構 の高度化に関する
〈}
研究
1
作製技術 の確立 と
②超清浄表面の作製 と利用 に
表面機能 の研究
関す る研究
}
〈
発生技術 の開発
極高真空 の発生技術の開発に関
す る研究
〈
計測技術 の開発
極高真空 の計測技術の開発に関
す る研究
ラ
《
〉
{
ラ{
シ
(4)研 究推進
所要経費(合 計)
245百 万 円
226百 万 円
一108一
180百 万 円
184百 万 円
∬ 平成3年 度 における実施体制
研
究
項
目
担
当
機
関
研究担当者
{1)極 高真空の発生技術の高度化 に関す
る研究
①極高真空用 ポンプの高度化 に関する
研究
日電アネルバ ㈱ 富士工場
林
義孝
日本真空技術 ㈱
山川
洋幸
東京大学生産技術研究所
岡野 達雄
出 ガ ス制 御 とそ の評 価 に 関 す る
東京大学生産技術研究所
本間
禎一
的 ガ ス放 出制 御 と そ の 評 価 に関
東邦大学理学部
後藤
哲二
助川電気工業㈱
関根
尚
科学技術庁無機材質研究所
石沢 芳夫
血)高 感度真空計の開発 と評価に関す
神戸大学工学部
金持
る研究
血)低 雑音真空計の開発 と評価に関す
早稲田大学理工学部
大島 忠平
通商産業省工業技術院電子技術総合研究所
清水
肇
東京大学生産技術研究所
藤田
博之
科学技術庁金属材料技術研究所
吉原
一紘
②超清浄表面の作製 と利用に関する研究
i)超 清浄表面の作製技術の研究
㈱ 日立製作所機械研究所
尾高
憲二
五)超 清浄表面の化学的 ・機械的特性
青野 正和
i)ス
パ ッ タ ・イ オ ン ポ ン プ の 高 性 能
化 に関す る研究
五)ク ライ オ ポ ンプ の極 低 温 化 に 関 す
る研究
亜)ポ
ンプ の放 出 ガ ス に 関 す る研 究
②極高真空用材料の高度化に関する研究
i)放
研究
i)動
す る研究
血)純
②
ア ル ミク ラ ッ ド材 の 開 発 と評 価
極高真空の計測技術 の高度化 に関す
る研究
①冷陰極真空計の高度化に関す る研究
i)冷 陰極電子源の開発 と評価に関す
る研究
徹
る研究
② レー ザ ー ビー ム励 起 型 真 空 計 の 高 度
化 に関す る研究
i)レ
ー ザ ー ビー ム励 起 に よ る希 薄粒
子測定
㈲
極高真空の利用技術 に関する研究
①駆動機構の高度化 に関す る研究
i)超 精密駆動機構 の開発 と評価 に関
する研究
且)潤 滑材 料 の開 発 と評 価 に関 す る研究
理化学研究所
の研究
(4)研
究推進
科学技術庁研究開発局
一109一
皿 研究推進委員会
委
所
員
属
○富
永 五 郎
東京大学
名誉教授
青
野 正 和
理化学研究所 表面界面工学研究室主任研究員
生
駒 俊 明
東京大学 生産技術研究所第3部 教授
石 沢 芳 夫
科学技術庁
上
㈱ 日立製作所
田
新次郎
無機材質研究所第12研 究 グループ総合研究官
機械研究所第7部 長
小 野 雅 敏
通商産業省 工業技術院電子技術総合研究所極限技術部長
辻
㈱ ア ル バ ッ ク コ ー ポ レー トセ ンタ ー
泰
取 締 役,東
京大学
生 産技 術研 究
所名誉教授
堀
越
源
一
筑波技術短期大学 教授
本
間
禎
一
東京大学
山
川
洋
幸
日本真空技術 ㈱
吉
原
一
紘
科学技術庁 金属材料技術研究所総合研究官
生産技術研究所第1部 教授
技術開発部長
(注:○ は研究推進委員長)
一110一