平成 23 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会 講演番号: 188 OFDM 変調信号に対する周期定常性検出の実験的検討 Experimental Examination of Cyclostaionary Feature Detection for the OFDM Modulated Symbol B-17 長谷川 博哉*1 Hiroya Hasegawa *1 田久 修*2 Osamu Takyu 楳田 洋太郎*1 Yohtaro Umeda *2 東京理科大学 理工学研究科 Graduate School of Science and Engineering, Tokyo University of Science 1. はじめに 自立分散コグニティブ無線システムでは,他シス テムの周波数帯域使用を高い精度で検出することが 求められている.[1]では,OFDM 変調信号に周波 数同期用パイロットサブキャリアの高い周期定常性 に対して,ガードインターバル(GI)挿入による定常 性劣化を補償する方法が提案されている.本稿では, 信号発生器を用いた実験系を構築し,文献[1]の提 案法の有効性を実験的に検証した. 2. 周期定常性検出 他システムの信号を,周期定常性を用いて検出す る方法として,2 次のスペクトル相関関数(SCF) を用いる方法が提案されている[2](原初法).しか し,GI が付加された信号では,検出窓内に,過去 の OFDM シンボルからの信号が部分的に含まれるた め,SCF が大きく劣化する.そこで,SCF の周期周 波数の分解能を上げ,SCF 劣化を補償する方法が提 案された[3](従来法).さらに,文献[1]では,GI 挿入による符合間干渉を回避する検出停止区間と, GI 長の比例数倍だけ検出遅延を与えた並列検出法 を用いることで,高精度な SCF 検出が可能であるこ とが報告されている(提案法). 3.実験概要 本稿で構築した実験評価モデルを図 1 に示す.情 報およびパイロットシンボルとオーバーサンプリン グ用の null 信号を一括して IFFT に適用し,OFDM 変調シンボルを得る.生成した信号を,同一サンプ リングレートの搬送波に変調し,離散化された搬送 波帯信号を生成する.そし て,任意波形発生器 (Agilent 33522A)でアナログ信号を生成し,オシロ スコープ(Agilent Infiniium 54855A DSO)で任意のタ イミングで信号を検出する.オシロスコープでは, 10MHz のサンプリングレートで信号波形を標本検 出する.観測した信号をダウンサンプリングした後, LPF に必要帯域を検出し,周期定常性検出を行う. 検出確率 PD=99%のしきい値における誤警報確率 PFA を測定する. 3. 実験結果 シミュレーション特性と実験結果の特性を図 2 に 示す.図 2 より,提案法は従来法と比べ,特性が約 1.5dB 改善している.また,実験値は計測器の内部 雑音の影響によりシミュレーションに比べて特性劣 化は認められるが,シミュレーションと同等の結果 が得られている. それゆえ,実験系がシミュレー ションを高精度に再現していることが分かる. 信州大学 工学部 Department of technology, Shinshu University 表1 実験諸元 送信側ベースバンド帯 データ変調 QPSK サブキャリア数 データ: 48,パイロット: 4 データ送信速度 93.8kbit/s 送信側RF帯 FFT長、GI長 8192, 2048 サンプリング周波数 10MHz 搬送波周波数 2.5MHz 受信側 チャネルモデル AWGNチャネル 平均受信電力 16.1dBm 観測開始サンプル 一様分布 観測シンボル数 16 サンプリング周波数 10MHz しきい値 PD=0.99 検出試行回数 4000 図1 図2 実験評価モデル SNR と誤警報確立 PFA の特性 謝辞 本研究は,総務省 SCOPE「コグニティブ無線の ためのインテリジェント MAC レイヤ技術に関する 研究開発」の委託研究により実施した. 参考文献 [1] 谷野他, 信学技報 RCS2010-238, pp. 233-238. [2] M.Kim, at al., DySPAN, pp.1-8, 2010. [3] M.adrat, at al., ICC, pp.14-18, 2009. -188- Copyright © 2012 IEICE
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