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平成 23 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会
講演番号: 192
OFDM 用符号化多値変調における一検討
B-5
A Study on Modified M-ary QAM Schemes Employing FEC
for OFDM Transmission Systems
中橋 敏孝† 久保田 周治††
Toshitaka NAKAHASHI† Shuji KUBOTA††
† 芝浦工業大学 工学部
† College of Engineering , Shibaura Institute of Technology
1. はじめに
現在, 携帯電話や無線 LAN をはじめとする無線通信
では大容量,高速化のために OFDM の応用が進められ
ている.これらの OFDM 方式では,回線の状態に応じて変
調方式の多値数を切り替える適応変調技術が用いられ
ている.
2. 提案内容
現在の無線 LAN では,OFDM 用の変調方式として
QPSK や 16QAM といった多値数 M を 2 の自然数乗とす
る変調方式が用いられている.しかし,多値数 M を2の自
然数乗としない変調方式についての検討はまだ多くはな
されていない.今回,多値数 M を 2 の自然数乗としない変
調方式として 12QAM,24QAM のふたつの変調方式につ
いての検討をシミュレーションにより行う.
3. 検討結果
今回,12QAM と 24QAM のふたつの変調方式につい
てシミ ュ レー ショ ン に よ りそ の 特 性 を求 めた .図 1 に
12QAM と 24QAM のコンスタレーションを示す.
(a) 12QAM
(b) 24QAM
図 1 12QAM と 24QAM のコンスタレーション
OFDM に 12QAM,24QAM を用いた場合の BER 特性(誤
り訂正なし)を図 2 に示す.
図 2 12QAM と 24QAM の BER 特性(FEC なし)
次に誤り訂正方式として符号化率 1/2,拘束長 7 の畳
み込み符号化,ビタビ復号(硬判定)を適応した場合につ
いて検討する.
図 3 12QAM と 24QAM の BER 特性(硬判定 FEC あり)
12QAM,24QAM では情報を 2 シンボルにまたがって
送信することから連続誤りが発生しやすく,誤り訂正効果
が劣化する可能性がある.そこで,インタリーブを挿入した
場合の特性を図 3 に示す.また,フレームエラーレート
(FER)から求めたスループット特性を図 4 に示す.
図 4 12QAM と 24QAM のスループット特性
(硬判定 FEC あり)
4. まとめと今後の課題
図 3 より BER 特性ではインタリーブの効果がわずかし
か得られなかったが,FER から導出したスループット特性
では改善が図られた.引続き連続シンボル誤りの影響とイ
ンタリーブの最適化,軟判定復号の効果の検討が必要で
ある.
参考文献
[1] 松尾俊作, “OFDM 用適応変調の多モード化に関
する検討”,2010年度芝浦工業大学工学部通信工学
科卒業論文
[2] 野田誠一,斉藤洋一,吉田彰顕, ”多値数を2の自然
数乗としない多値 QAM 方式の構成と誤り率特性の検
討”,電子情報通信学会論文誌 B,Vol.J88-B,No.5,pp.
921-932,2005.5
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