「三分割分水装置」 - 日本下水道事業団

JS技術開発情報メールNo.118 技術紹介 「三分割分水装置」
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「三分割分水装置」
下水処理施設は通常、複数の系列で構成されるため、流入水を分割すること
が不可欠となります。この水を均等に分けるという操作は単純なようですが、
実はなかなか難しいことなのです。
流入水が均等に分水されず、複数系列の内のどれか一系列への流入が多い場
合、その系列は負荷が高くなり、最終沈殿池ではSS(浮遊物質)が流出しや
すく、処理水質が他系列よりも悪いという状況が起こり得ます。下水処理場で
は、同じ設計でも系列によって処理水質が異なるという現象が経験的に知られ
ていますが、これは分水が均等でないことが原因の一つと考えられます。
分水は、通常、堰やゲートによって行われますが、二分割の場合はさほどで
もないのですが、三分割する場合、均等分水はなかなか容易ではありません。
この課題を解決するために開発されたのが「三分割分水装置」です。その原
理は、最初に堰あるいはゲートで三分割した水を更に二分割し、それを再度、
合流させて三つの流れにするというものです。この操作により、水量の誤差が
相互に打ち消される効果が得られます。従って、仮に最初の三分割でかなり偏
りがあっても、その差が低減され、均等な三分割により近い分水が可能となり
ます。分水装置の形状としては、矩形槽でも円形槽でも適用できます。(添付図)
JSが開発し、広く普及している「ステップ流入式多段硝化脱窒法」では、
三段の場合には流入水を三分割してステップ流入させる必要がありますが、
「三分割分水装置」によって設計条件に近い均等流入を行うことで、より安定
した窒素除去が可能となります。
本分水装置は、JSの単独出願による特許(特許番号4354468号)と
なっていますが、今後、広く活用して頂ければ幸いです。ご興味をお持ちの方
は、下記メールアドレスにお問い合わせ下さい。
mailto:[email protected]
※添付図は次ページから
Copyright©2011 日本下水道事業団技術戦略部
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< 添付図 >
1.原理
流入
a
b
A(三分割)
c
B(二分割)
C(再合流)
①
②
③
2.円形槽の場合(平面図)
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3.矩形槽の場合
B
B-B' 断面
A
A'
B'
A-A' 断面
(注)
(日本下水道事業団
は、越流堰等を示す。
理事
村上孝雄)
※JS技術開発情報メール No.118 号(2011/10/5)に掲載
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