その名の由来は誰も知らない アホース・デ・アウサ カルネセッカやシャルケ、ジャバなどのブラジル特有の塩漬けしたビーフ。これらをお米と一緒に炊込 んだ、アホース・カヘテイロというブラジル料理があります。けれども同時に、炊込みではなく、お米と塩漬 けビーフを別々に調理。最後にトッピングするというお料理も、ブラジルにあります。日本で言うなら炊き 込みご飯と丼の差のようなものでしょうか。・・・趣は全く違いますけれどブラジリアン牛丼、のようなお料 理、それがアホース・デ・アウサです。 アホース・デ・アウサ。直訳するなら、そのままアウサご飯となりますが、それではこのアウサとは何なの でしょうか。ブラジル国内でも様々な説が存在しているようですが、よく見かけるのは西アフリカに暮ら すアウサ族由来のお料理、というもの。もう 1 つが Arroz de Agua e Sal(アホース・デ・アグア・イ・サウ/ 水と塩のご飯)が訛化してアホース・デ・アウサ、となっというものです。なるほど、確かにアホース・デ・ア ウサのご飯は単純に炊くのではなく塩が入った味つきご飯です。ですが、これはブラジルの東北部、ペルナ ンブッコ州やリオグランデ・ノルテ州、セアラ州などでの作り方であって、少し南にいったバイア州では雰 囲気が一変します。西アフリカ文化の影響色濃いバイアでは、お米をココナツミルクと塩で炊込み、調理し た塩漬けビーフをトッピングするだけではなく、ベジタブル・バナナや塩漬けの海老などもブラスしてい るんですね。さらには、西アフリカのアウサ族がイスラミックであることから、カルネセッカやシャルケと いったビーフが使われますが、イスラミックではないならば、ベーコンで代用してもいい、なんていう解説 も目にしたことがありますが。 片や、「水と塩のご飯」説そのままの東北部、片やハウサ族との関わりもありそうに感じられるバイア州。 バイアとペルナンブッコは隣り合う州同士なのに、なんとも悩ましいところです。ただ、料理名の由来は由 来として、塩漬けによって旨味が凝縮されているトッピングをタップリ載せたアホース・デ・アウサはシン ブルながらも美味しいお料理であることには変わりなし。そしてそのバリエーションとしてココナツミル クや海老が投入されても、味わいのベースとなる部分は揺るぎなく、改めてビーフの旨味とお米の相性の 良さを確認することができました。 日本の牛丼のように、あまり混ぜ混ぜしないで食べるのもいいですが、せっかくですからビーフの美味 しさを、お米にちゃんと絡めて食べたいもの。そして奇しくも地球の反対側に存在する、もう 1 つの牛丼を しっかり味わってもらえたら、と思います。 アホース・デ・アウサ (材料/4 人前) インディカ米 290g 玉ねぎ 大1個 EX-V オリーブ油 水 大さじ 1 シャルケ(カルネセッカ) おろしにんにく 塩 230g 大さじ 1 適宜 800g 作り方 1) シャルケは一昼夜、水につけて塩抜きする。水は数回替えること。 2) 塩が抜けたシャルケは小さく切り分ける。 3) 玉ねぎをスライスにする。 4) 鍋に洗ったイナディカ米と水、塩を入れて炊く。 5) フライパンに Ex-V オリーブ油を熱し、2)のシャルケをカリカリになるまで炒める。 6) 5)のフライパンからシャルケだけを取り出し、ペパータオルなどで軽く油を切る。 7) おろしにんにくと 3)を 6)のフライパンで柔らかくなるまで炒める。キツネ色にな るまで炒めないこと。 8) 7)へ 5)を戻して混ぜ合わせ、好みで塩を加える。 9) 4)に 8)をトッピングして供する。
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