* T B 1 0 2 - M0 1 J A - 0 3 * **2014 年 08 月 22 日作成(第 3 版) *2014 年 1 月 15 日作成(第 2 版) 承認番号:22400BZI00015000 機械器具(7)内臓機能代用器 一般的名称:ウシ心のう膜弁 JMDN コード:35591100 高度管理医療機器 生物由来製品 マイトロフロー 本品は米国産のウシの心のう膜を用いて製造されたものである。原材料であるウシ心のう膜は、WHO(世界保健機構)/CPMP(EU(欧州連合)の医薬 品委員会)により伝達性海綿状脳症(TSE)感染の危険性が最も低い結合組織に分類されており、本品がTSE の感染源となる危険性は極めて低いと考 えられるが、理論的には完全に否定し得ないので、本品のリスクとベネフィットを十分に評価したうえで適用すること。【「重要な基本的注意」参照】 再使用禁止 【警告】 1. 留置した生体弁に診断 用カテーテルや経静脈ペーシング リードなどを通 さないこと[弁 に損 傷 を与 える可 能 性 があ る]。 2. 本品の取 扱い及び準備を担当する者全員が、弁 、組織 、 及びステント等に損傷を与えないよう最大限の注意を払う こと。 3. 本 品 を使 用する際は、日 本 循 環 器 学 会 作 成のガイドライ ン等の情報 を参考に、感 染 性心 内 膜 炎の予 防 を行 うこと [本 品 を用 いた臨 床 試 験 成 績 で心 内 膜 炎 の発 生 が比 較 的多い傾向が認められているため]。 【禁忌・禁止】 1. 使用方法 (1) 再使用禁止 (2) 再滅菌禁止 2. その他 以下の状況では本品を使用しないこと。 (1) 使用期限を過ぎている場合 (2) 外 箱 の高 温 ・低 温 インジケータのいずれかが作 動 して いる場合 (3) 弁 容 器 が損 傷 している、あるいは漏 れが生 じている場 合 (4) 不正開封防止シールが破れている場合 (5) 生体弁が損傷している場合 (6) 生体弁が保存液に完全に浸漬していない場合 【使用目的、効能又は効果】 本 品 は疾 病 や損 傷 により機 能 不 全 に陥 った大 動 脈 弁 の置 換 を 行うことを目的として使用されるウシ心のう膜生体弁である。 【品目仕様等】 1. 流体力学的特性 ISO5840「心 臓 血 管 用 インプラント-人 工 心 臓 弁 」の流 体 力 学 的 評 価 の項 を参 考 とし、本 品 の流 体 力 学 的 特 性 を評 価 すると き、本品は既存品と同等以上の性能を有すること。 2. 耐久性 ISO5840「心 臓 血 管 用 インプラント-人 工 心 臓 弁 」の耐 久 性 評 価の項を参 考とし、人 工 心臓 弁の構造 及び性 能についての耐 久 性 及び劣 化 状 況を評 価するとき、本品は既 存 品と同 等 以上 であること。 3. 動物による前臨床試験 ISO5840「心臓血管用インプラント-人工心臓弁」の動物による 前 臨 床 試 験 の項 に準 拠 し、動 物 による前 臨 床 試 験 を実 施 し、 人工弁の性能と、物理的特性試験では予測できない有害事象 を評 価するとき、本 品は既 存 品 と同 等 以 上 の性 能 を有し、また 安全性に問題はないこと。 【操作方法又は使用方法等】 1. 使用する弁のサイズの選択 (1) 専 用のサイザーを用いて移 植 部 位の心 臓 内 弁 輪 の口 径 を測 定し、スープラアニュラー(図 1)又はイントラアニュラ ー(図 2)置換術にて使用する本品のサイズを決定する。 サイザーの最 大 外 径 部 は、弛 緩 状 態 にある弁 縫 合 部 の 寸法を反映する。 【原則禁忌】 (次の患者には適用しないことを原則とするが、特に必要とす る場合には慎重に適用すること) ・ 若年者(小児、青少 年)、長期に渡り血液透析を受けてい る患 者、副 甲 状 腺 疾 患の患 者 、カルシウム代謝 異 常の患 者、又は 55 歳以下の患者[生体弁の石灰化傾向が強くな る可能性が示唆されているため]。 【形状、構造及び原理等】 本品はグルタルアルデヒド溶 液で処理したウシ(原 産国 米 国)の 心 のう膜 をポリエステル製 の被 覆 布 で覆 われたステント上 に縫 い付けた異種生体弁である。 単一片のウシ心のう膜がポリエステル製被覆布で覆われた柔軟 なステント上に取り付けられ、弁尖が形成されている。これにより 弁尖は最適な働きが得られ、弁逸脱の可能性の低減及び良好 な疲労抵 抗が提供されるようになっている。ステントは交連 部の 構 造 的強 度 を維 持し、ロープロファイルの適切 な弁 尖形 状 をも たらすように設 計 されている。縫 合 リングは放 射 線 不 透 過 性 を 有しており、タングステンを含有させたシリコーンゴムで構成され て、心臓弁の流入路側の外周に取り付けられている。 <構造、寸法> D A B C C:縫合 A:内径 B:外径 D:高さ リング幅 ※ (mm) (mm) (mm) (mm) 19mm 15.4 18.5 21 11 21mm 17.3 20.6 24 13 23mm 19.0 22.6 26 14 25mm 21.0 25.0 28 15 ※弛緩状態 モデル 有効弁口 面積 (cm 2 ) 1.6 2.0 2.4 3.0 1/4 図1 (2) 図2 イントラアニュラー置換については大動脈弁輪に合致する 弁を、スープラアニュラー置換については大動 脈基 部(バ ルサルバ洞底)に合致する弁を選択する。 注意 ・ サイザーを弁 輪 に対 して斜 めに挿 入 しないこと。弁 輪 と十 分 に密 着 しないサイズのサイザーを選 択 しないように注 意 すること。 ・ 大きすぎる弁や小さすぎる弁を選択しないように注意すること (<重要な基本的注意>9 参照)。 2. 弁の準備 (1) 適 切 な弁 サイズを選 定 し、正 しいサイズの弁 が入 った箱 を 用意する。 (2) 本品を容器から取り出す前に、高温・低温インジケータを検 査する。 注 意 高 温・低 温 インジケータのいずれかが作 動 している場 合 には、その弁は使用してはならない。 (3) 箱から弁容器を取り出す。 注意 弁の型番、サイズ、シリアル番号が、箱と容器のラベル全 てと一 致していることを確 認すること。何れかの情 報が一 致しな い場合は、その弁を使用してはならない。 (4) 弁容器全体と不正開封防止シールに損傷がないか確認す る。 注意 弁容器が損傷している、又はシールが破れている場合は その弁を使用してはならない。 (5) 弁容器を開ける前に、背の高い洗浄用容器を 3 個用意し、 滅菌生理食塩水を約 300 mL 入れる。 (6) 弁 容 器 から不 正 開 封 防 止 シールとシュリンク包 装 を取 り 除 き、蓋を回 して外す。 注 意 容 器の中 身 は滅 菌されているため、汚 染 を防ぐために 無 菌 的 に取 り扱 うこと。容 器 の外 側 は未 滅 菌 であるため、滅 菌 野に入れてはならない。 (7) ハンドルは植 え込 み時 の弁 ホルダーに接 続 して使 用 す る。ハンドルを取 り付 けるには、ハンドルを弁 ホルダーに 時 計 回 りに回 す。ハンドルを外 すには、反 時 計 回 りに回 す(図 3)。 (8) ない。 (14) 医 師が必 要 とするまで、本 品 を 3 番 目 の容 器に保 存 す る。 注 意 使 用 に適 さない状 態 になる可 能 性 があるため、本 品 の取 扱い中 及 び植え込 み時に弁 を乾 燥させてはならない。 3. 弁の植 え込み (1) 心 臓 弁 置 換 術 の詳 細 については、医 学 文 献 を参 照 し、 臨 床 上の使 用 方 法 及び手 技に基 づき実 施する。 注意 ・ 冠 動 脈 口 を塞がないように本 品を正 しい位 置に置くこと。 ・ 器 具で本 品の組 織 部 分 を取 り扱 わないこと。 ・ 植 え込み中 、乾 燥 を防 ぐために、弁 組 織 を滅 菌 生 理 食 塩 水で頻 繁に灌 注 すること。 ・ 弁 縫 合 部 を縫 着 する際 に手 術 室 スタッフは常 にハンドル を持っていること。 ・ 角 針 (カッティングエッジ)は縫 合 リングを損 傷 するので使 用 しないこと。 ・ 結 節 縫 合 を行 う場 合 は、結 び目 近 くで縫 合 糸 を切 り、糸 端が弁 葉 組 織 と接 触しないように注 意 を払 うこと。 ・ 縫 合 糸 を縫 合 リングに 通 す 際 は 、弁 葉 組 織 の裂 傷 の 可 能 性 を避 けるために、細 心 の注 意 を払 うこと。弁 が損 傷 し た場 合 は、その弁 を取 り出 して交 換 すること。術 中 に弁 が 損 傷 した場 合でも、修 復 を試みないこと。 ・ 交 連 部 付 近 で縫 合 糸 を輪 にしたり引 っかけたりすると、弁 の臨 床 性 能 を阻 害するので注 意 すること。 ・ 弁 周 囲 逆 流 の発 生 を避 けるため、縫 合 リングを弁 輪 に縫 着する際 、医 師は細 心の注 意 を払 うこと。 (2) 弁 を弁 輪 に縫 着 する前 に、正 しい位 置 とその後 の機 能 を確 実にするために弁 を通る血 流 の方 向 を確 認する。 (3) 患 者 の弁 輪 に弁 を移 植 した後 、結 び目 の右 側 に露 出 し ている弁ホルダー用の固 定 糸 3 本 を切 断して、ハンドル と弁ホルダーを 1 つのユニットとして取り外 す(図 8)。 注意 ・ 植 え込 んだ弁 から ハンドルを引 き 上 げる際 には、一 定 速 度の動 きで行 うこと。 ・ 弁 ホルダー用 の固 定 糸の残 りが弁 縫 合 部 から全 て除 去 さ れていることを確 認すること。 図3 容 器 から弁 を取 り出 すためにハンドルのネジ山 部 分 を弁 ホルダーの開 口 部 に挿 入 し、しっかり締 まるまで時 計 回 りに回 す(図 4)。 図4 容 器 をしっかり掴 み、内 部 からパッケージインサートと弁 を取り出 し(図 5)、滅 菌 野に入れる。 注意 ・ 落 としたり、損 傷があったり、何 らかの取 扱 いを誤 った弁 は 使 用 してはならない。 ・ 弁 をガーゼと接 触させると、弁 葉 にガーゼの繊 維が付 着 し て塞 栓 を形 成 する、あるいは血 栓 形 成につながるナイダス (異 常 血 管 塊 )となる可 能 性 がある。また、グローブパウダ ーによ って弁 保 存 溶 液 が 汚 染 し ないよ うに 注 意 を払 うこ と。 (9) (4) 図5 (10) パッケージインサートをしっかり持 ち、弁 ホルダーの細くな った部 分 をスライドさせてパッケ ージインサートから外 す (図 6)。パッケージインサートを廃 棄する。 図6 (11) 本 品 を滅 菌 生 理 食 塩 水の入 った 1 番 目の洗 浄 用 容 器 に浸す。 注意 ・ ハンドルが倒 れて、本 品 が容 器 から落 ちるのを防 ぐために、 背の高い容 器 を使 用すること。 ・ 本 品 についている識 別 タグの情 報 が容 器 や箱 等 に記 載 されている情 報 と一 致 していることを確 認 すること。情 報 が 一 致 しない場 合は、その弁は植 え込 んではならない。 (12) ハサミで識 別 タグの固 定 糸 を切 って識 別 タグを取 り外 し、 固 定 糸 を全 て取り除 く(図 7)。 図8 弁 ホルダーからハンドルを取 り外 し、弁 ホルダー用 の固 定 糸 を除 去 、廃 棄する。 【使 用 上の注 意】 <使 用 注 意 > 以 下 の患 者 への適 用 は原 則 禁 忌 であり、慎 重 な検 討 が必 要 であ る。 1. 若 年 (小 児 、青 少 年 )患 者 または長 期 血 液 透 析 を受 けてい る患 者 、副 甲 状 腺 疾 患 またはカルシウム代 謝 変 性 の患 者 、 あるいは 55 歳 以 下の患 者 は、生 体 弁の石 灰 化が促 進され る可 能 性 がある。該 当 する 患 者 に適 切 な弁 置 換 術 を選 択 する際 、医 師 は患 者 にグルタルアルデヒド処 理 された生 体 弁 を使 用 することのリスクと利 点 を十 分 に説 明 する必 要 があ る。 2. 小 児 への弁 置 換 術 では、正 常 な心 臓 組 織 の発 達 に伴 い二 次 的 な弁 置 換 術 を要する可 能 性 が指 摘されている。 <重 要 な基 本 的 注 意 > 1. 人 工 弁 置 換 術 患 者 は 重 篤 な感 染 性 心 内 膜 炎 を引 き 起 こ す可 能 性 がある。本 品 を使 用 する場 合 、適 切 な予 防 、診 断 、 治 療 が必 要 とされるため、日 本 循 環 器 学 会 作 成 のガイドラ イ ン 等 の 情 報 を参 考 に 、感 染 性 心 内 膜 炎 の 予 防 を 行 うこ と。 2. 術 後 に菌 血 症 を発 症 する可 能 性 がある歯 科 治 療 等 を受 け る場 合 、予 防 的 措 置 として抗 生 物 質 投 与 を受 ける必 要 があ る。 3. 本 品 を使 用 する際 は、日 本 循 環 器 学 会 作 成 のガイドライン 等 の情 報 を参 考 に、適 切 な抗 凝 固 ・抗 血 小 板 療 法 を行 うこ と。 4. 生 体 弁 による心 臓 弁 置 換 後 の弁 血 栓 症 や 血 栓 塞 栓 性 有 害 事 象 のリスクを低 減 する上 で、以 下 のような抗 凝 固 療 法 が有 益 である可 能 性 が知られている。最 終 的には患 者 一 人 一 人 の状 態 に基 づいて、医 師 が適 切 な抗 凝 固 療 法 を決 定 すること。 ・ 生 体 弁による大 動 脈 弁 置 換 術 後 90 日 間は抗 凝 固 療 法 が推 奨される。 ・ 生 体 弁 植 え込 み患 者 は禁 忌 がない限 り、無 期 限 の低 用 量のアスピリン処 方が推 奨される。 ・ 中 等 度 から重 度 の心 房 壁 石 灰 化 の血 栓 塞 栓 性 のリスク 要 因 を持 つ患 者 、又 は他 の心 房 壁 異 常 、心 房 細 動 、左 心 室 機 能 不 全 、凝 固 能 亢 進 状 態 あるいは血 栓 塞 栓 性 既 図7 (13) ハンドルをしっかり掴み、1 番 目の洗 浄 用 容 器 内 で 2 分 間 、本 品 をそっと揺 り動かす。この 2 分 間の洗 浄 を 2 番 目と 3 番 目の容 器 で繰り返し、少 なくとも合 計で 6 分 間 洗 浄する。 注 意 洗 浄 中に弁 葉 に触れたり、弁 を強 く押したりしてはなら 2/4 5. 6. 7. 8. 9. 往 歴 の ある 患 者 は 禁 忌 が ない 限 り、無 期 限 の 抗 凝 固 療 法の処 方 を検 討する必 要がある。 医 師 は、置 換 した弁 の機 能 不 良 の兆 候 を示 す以 下 の症 状 について患 者 に知 らせ、該 当 する症 状 が見 られた場 合 に直 ちに医 師の診 察 を受けるように指 導すること: 狭 心 症 、失 神 、労 作 時 の息 切 れ、起 座 呼 吸 、発 作 性 夜 間 呼 吸 困 難 、動 悸 、くるぶしの腫 れ、全 体 的 な体 重 増 加 、悪 寒 による震 え 、発 熱 、寝 汗 、視 覚 障 害 、予 期 せぬ 点 状 出 血 、線 状 出 血 、火 炎 状 出 血 、関 節 痛 、つま先 ・足 指 ・足 底 に疼 痛 点 、喀 血 、血 尿 、胃 腸 障 害 。 本 品 は特 定 の MRI 検 査 では危 険 性 がないことが、非 臨 床 試 験 で 立 証 さ れ てい る 。 以 下 の 条 件 下 で あ れ ば 、 安 全 に MRI 検 査 を受 けることができる。 ・ 磁 束 密 度が 3.0 テスラ以 下 ・ 空 間 磁 場 勾 配 (spatial gradient field)が 525 ガウス/cm 以 下 ・ 20 分のスキャンで最 大 全 身 平均 SAR(Specific Absorption Rate)が 1.5W/kg 撮 影 部 位が、本 品が植 え込みされている部 位 又はそれに比 較 的 近い場 合 は、MR 画 像の品 質は低 下 する可 能 性がある。 従 って、弁の存 在による画 質の低 下 を補 うために、MR 画 像 のパラメーターを最 適 化する必 要 がある。 本 品 は厚 生 労 働 大 臣 が定 める特 定 医 療 機 器 である。本 品 を使 用 した場 合 、トラッキング制 度 について患 者 に説 明 し、 同 意 を得 た上 で、特 定 医 療 機 器 登 録 用 紙 に必 要 事 項 を記 入 し、製 造 販 売 承 認 取 得 者 控 を製 造 販 売 業 者 へ返 送 する こと。また、医 療 関 係 者 控 を保 管 し、特 定 医 療 機 器 利 用 者 控 を患 者に渡すこと。 本 品の原 材 料であるウシ心のう膜 は、WHO により BSE(ウシ 海 綿 状 脳 症 )の感 染 あるいは異 常 プリオン蛋 白 質 が一 度 も 検 出 されたことのない組 織 に分 類 されている。本 品 は動 物 性 飼 料 が使 用 されたことのない、健 康 な動 物 に由 来 するウ シ心のう膜のみを用いて製 造されたものである。BSE 感 染 動 物 、その子 孫 、あるいは BSE 感 染 集 団 由 来の原 材 料や感 染 リスクの高 い部 位 が原 材 料 に混 入 することを防 止 するた めに構 築された品 質 システムの元 で厳 重 な管 理 が行われて おり、必 要 な要 件 を満 たす施 設 (農 場 、と畜 場 、製 造 所 )の みが本 品の製 造に関 与 している。当 該 施 設で BSE が発 生 したことは無 い。また、現 在 までに、本 品 の植 込 みによりヒト が TSE(伝 達 性 海 面 状 脳 症 )に感 染 したとの報 告 は無 く、 本 品による TSE 感 染のリスクは極 めて低いものと考 えられる が、理 論 的 リスクは完 全 に否 定 し得 ないため、本 品 のリスク とベネフィットを十 分 に評 価 したうえで患 者 への説 明 を考 慮 すること。 患 者 に対 して大 きすぎる弁 や小 さすぎる弁 を植 え込 まない こと[大 きすぎる弁 を植 え込 んだ場 合 、弁 の損 傷 や、弁 のゆ がみによる弁 閉 鎖 不 全 、及 び人 工 弁 血 液 逆 流 等 が生 じる 恐 れがある。また、小 さすぎる弁 を植 え込 んだ場 合 、適 切 な 血 行 動 態 を得 られない可 能 性がある]。 <使 用 方 法 に関 連 する注 意> 1. 専 用 のサイザーのみを使 用 すること [専 用 品 以 外 のものを 用 いてサイジングをすると、誤 ったサイズの弁 を選 択 すること につながる可 能 性がある]。 2. ハンドル及 びサイザーは未 滅 菌 で提 供 されるため、使 用 前 に毎 回 、洗 浄 及び高 圧 蒸 気 滅 菌 すること。 3. サイザーに何 らかの損 傷 、裂 け目 、文 字 が読めなくなる等の 劣 化 が見 られる 場 合 には 使 用 し てはなら ない。その 際 は 、 器 具の交 換 をすること。 4. 弁 容 器 の外 側は未 滅 菌 であるため、滅 菌 野 に入 れてはなら ない。 5. 開 封 前 に弁 容 器 の不 正 開 封 防 止 シールが破 られている場 合は使 用 しないこと。 6. 弁 を乾 燥 させてはならない。弁 容 器 から弁 を取 り出 した後 に 直 ちに滅 菌 生 理 食 塩 水に入れて洗 浄すること。 7. 本 品 は 4%ホルムアルデヒド保 存 液が入 った弁 容 器に、封 入 されており、植 え込 み前 に、ホルムアルデヒドの濃 度 を下 げ るために 滅 菌 生 理 食 塩 水 で 十 分 にすす ぐ 必 要 がある 。目 視 では分 から ないような損 傷 を弁 に与 える可 能 性 があるた め、洗 浄 液 には他 の溶 液 や薬 剤 、薬 品 、抗 生 物 質 等 を加 えてはならない。 8. 弁 保 存 溶 液 の蒸 気 を吸 い込 まないこと。皮 膚 との長 時 間 の 接 触 を避 け、万 が一 そのような接 触 が発 生 した場 合 には、 直 ちに大 量 の水 で接 触 部 位 を洗 い流 すこと。目 に入 った場 合 は、直 ちに適 切 な医 療 処 置 を行 なうこと[弁 保 存 溶 液 は ホルムアルデヒドを含 むため、皮 膚 、目 、鼻 、喉 の炎 症 を引 き起こす可 能 性がある]。 9. 本 品 の取 扱 い及 び準 備 を担 当 する者 全 員 が、弁 、組 織 、 及 びステント等 に損 傷 を与 えないよう最 大 限 の注 意 を払 うこ と。 10. 弁 葉 組 織 の裂 傷 を避 けるため、縫 合 糸 を縫 合 リングに通 す 際 には細 心 の注 意 を払 うこと。弁 が損 傷 した場 合 、その弁 は取 り出して交 換すること。 11. 本 品 の植 え込 み後 、ホルムアルデヒド保 存 溶 液 は病 院 の規 則に従 って廃 棄すること。 <不 具 合・有 害 事 象 > 有害事象 本 品 の使 用 によって、以 下 の有 害 事 象 が起 こり得 るが、これら に限 定されるものではない。 ・ 狭心症 ・ 溶血性貧血 ・ 不整脈 ・ 出血 ・ 心内膜炎 ・ 弁 周 囲 逆 流/弁 口 逆 流 ・ 心臓麻痺 ・ 心筋梗塞 ・ 溶血 ・ 心臓発作 ・ 感染症 ・ 血栓塞栓症 ・ 弁血栓症 ・ アレルギー反 応 ・ 脳卒中 不具合 ・ 非 構 造 的 な機 能 不 全 -不 適 当 なサイジング -組 織の内 部 成 長による弁 葉のもつれ -人 工 弁 血 液 逆 流 -人 工 弁 狭 窄 -交 連 部 付 近 での縫 合 糸のもつれ ・ 構造的劣化 -内 因 性 又は外 因 性の石 灰 化 -弁 葉の穿 孔 又は裂 傷 -弁 葉の断 裂 上 記 の不 具 合 ・有 害 事 象 が以 下 に至 る原 因 となる可 能 性 があ る。 ・ 再手術 ・ 不可逆的障害 ・ 弁の摘 出 ・ 死亡 **【臨 床 成 績】 本 臨 床 試 験は多 施 設 共 同 、オープン試 験 として 2003 年 11 月 から 2005 年 12 月までの期 間で米 国 とカナダにて行なわれた。 大 動 脈 弁 置 換 術が必 要 な 699 人 の患 者に対して行 われ、総 患 者・年は 835.9、平 均 観 察 期 間 は 14.4 ヵ月であった。患 者 は男 性 397 人(56.8%)と女 性 302 人(43.2%)であり、平 均 年 齢は 74.3 歳(27~93 歳 迄)となっていた。 有 効 性は心 エコー及び患 者の状 態の総 合 的 改 善(NYHA 機 能 分 類 )により評 価 し、安 全 性 は生 存 率 、有 害 事 象 発 生 率 、及 び 溶 血の有 無 等 から評 価 した。 1. 有 効 性 評 価 術 後 12 ヵ月の血 行 動 態の結 果 を表1に示す。最 大 大 動 脈 速 度は平 均で 2.1~2.8 m/秒 であった。 左 室 重 量については、退 院 時 と 12 ヵ月 までの術 後 評 価 間 で 有 意 な減 少 が認 められた(p<0.01)。退 院 時 及 び術 後 遠 隔 期 (3-6 ヵ月 、又 は、12 ヵ月)の左 室 重 量 を測 定した患 者 では、 左 室 重 量の減 少は 75.4%(341 例/452 例)の患 者で認 めら れた。大 動 脈 弁 狭 窄 又 は左 室 肥 大 の患 者 においては、左 室 重 量 減 少 を有する患 者の比 率は、各々76%及び 77.5%であ った。 NYHA 機 能 分 類 を表2に示す。機 能 分 類が I/II の患 者は、術 前 は 47.1%(328 例/696 例)であったのに対し、術 後 3-6 ヵ 月 のフ ォロ ーア ッ プでは 、評 価 可 能 症 例 の 97.6% (568 例 /582 例)を占めた。NYHA 機 能 分 類が I/II の患 者は、術 後 12 ヵ月 では、評 価 可 能 症 例の 98.5%(540 例/548 例)、術 後 2 年 では、評 価 可 能 症 例 の 97.6%(244 例/250 例)であった。 表1:血 行 動 態 (術 後1年 ) 血行動態 N; エ コ ー 検 査 を 行 っ た総 患 者 数 19 (N=34) 弁 サイズ 23 (N=193) 25 27 (N=128) (N=42) 測 定 が有 効 で 33 136 189 122 39 平 均 圧 較 あった患 者 数 差 (mmHg) 平 均 ±SD 13.4±5.0 11.4±4.4 10.5±4.2 8.7±3.3 7.4±2.7 測 定 が有 効 で 30 131 185 121 37 有 効 弁 口 あった患 者 数 面 積 (cm 2 ) 平 均 ±SD 1.1±0.2 1.2±0.3 1.4±0.3 1.6±0.3 1.8±0.3 測 定 が有 効 で 34 143 193 128 42 あった患 者 数 無し 逆流 21 (N=143) 21(61.8%) 103(72.0%) 145(75.1%) 98(76.6%) 33(78.6%) ごく軽 度 8(23.5%) 18(12.6%) 35(18.1%) 22(17.2%) 4(9.5%) 軽度 4(11.8%) 20(14.0%) 13(6.7%) 中程度 1(2.9%) 1(0.7%) 0(0.0%) 2(1.6%) 0(0.0%) 重度 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 報告無し 0(0.0%) 1(0.7%) 0(0.0%) 0(0.0%) 0(0.0%) 6(4.7%) 5(11.9%) 表2:NYHA 機 能 分 類 NYHA 機能分類 術前 N=692 術 後 3-6 ヶ月 N=571 術後 1 年 N=544 n % n % n % n % Ⅰ 62 9.0 431 75.1 427 78.5 188 76.7 Ⅱ 264 38.2 129 22.5 109 20.0 51 20.8 Ⅲ 300 43.4 11 1.9 6 1.1 6 2.4 Ⅳ 66 9.5 3 0.5 2 0.4 0 0.0 N; 術 前 に NYHA 評 価 を行 った総 患 者 数 n; NYHA 分 類 における患 者 数 3/4 術後 2 年 N=245 2. 安 全 性 評 価 本 臨 床 試 験 に認 められた弁 に関 連 する重 要 な有 害 事 象 を表 3に示す。 111 例(早 期 31 例 、遠 隔 期 80 例 )の死 亡が報 告されている。 20 例の死 亡 が生 体 弁 との関 連 有 りと判 定 された。91 例の死 亡 は、生 体 弁 との関 連 無 しと判 定 された。9 例 の生 体 弁 再 手 術 が報 告 された。すべての生 体 弁 再 手 術 はマイトロフロー弁 留 置 後 48 日 から 351 日の間に実 施された。このうちの 2 例の 患 者 は、心 内 膜 炎 による弁 摘 出 後 に、退 院 前 に死 亡 した。そ の他の患 者は生 体 弁 再 手 術 後に退 院 した。 有 害 事 象 のうち、弁 関 連 の有 害 事 象 ・合 併 症 は、心 臓 弁 FDA ガイダンス(1994 年 、ドラフト版)及 び ISO5840 ガイドライ ンの客 観 的 評 価 基 準 (OPC)と比 較 して分 析 した。分 析 の結 果 、心 内 膜 炎 発 生 率の片 側 95%信 頼 区 間 上 限は OPC の 2 倍(2.4)を上 回 る 3.49 で、高 い傾 向が見 られた。心 内 膜 炎 を 除 くすべての事 象 発 生 率の片 側 95%信 頼 区 間 上 限 は OPC の 2 倍未 満 であった。弁 血 栓 症 又は弁 関 連の溶 血 は報 告さ れなかった。また、予 期 されない機 器 の有 害 事 象 は報 告 され なかった。 bioprosthesis in the elderly after aortic valve replacement. J Heart Valve Dis. 2006 Mar;15(2):197-202. 4. Garcia-Bengoechea J, Sierra J, Gonzalez-Juanatey JR, Rubio J, Vega M, Fernandez AL, Sanchez D. Left ventricular mass regression after aortic valve replacement with the new Mitroflow 12A pericardial bioprosthesis. J Heart Valve Dis. 2006 May;15(3):446-51; discussion 451-2. 5. Yankah C.A., Schubel J., Buz S., Siniawski H., Hetzer R. Seventeen-year clinical results of 1,037 Mitroflow pericardial heart valve prostheses in the aortic position. J Heart Valve Dis. 2005 Mar; 14 (2): 172-9; discussion 179-80. 6. Minami K, Boethig D, Mirow N, Kleikamp G, Koertke H, Godehardt E, Koerfer R. Mitroflow pericardial valve prosthesis in the aortic position: An analysis of long-term outcome and prognostic factors. J Heart Valve Dis. 2000 Jan;9(1):112-22. 7. Totaro P, Fellini P, Zogno M, Borghetti V, Coletti G, Lorusso R. Aortic valve replacement with Mitroflow bioprosthesis in elderl patients with small aortic annulus. Cor Europaeum. 2000;8:71-5. 8. Thulin LI, Thilen UJ, Kymle KA. Mitroflow pericardial bioprosthesis in the aortic position: Low incidence of structural valve deterioration in elderly patients during an 11-year follow-up. Scand Cardiovasc J. 2000;34(2):192-6. 9. Pomar JL, Jamieson WR, Pelletier LC, Castellà M, Germann E, Brownlee RT. Mitroflow pericardial bioprosthesis experience in aortic valve replacement ≥60 years of age. Ann Thorac Surg. 1998 Dec;66(6 Suppl):S53-6. 10. Gonzalez-Juanatey JR, Garcia-Acuna JM, Vega Fernandez M, Amaro Cendon A, Castelo Fuentes V, Garcia-Bengoechea JB, Gil de la Pena M. Haemodynamics of various designs of 19mm pericardial aortic valve bioprosthesis. Eur J Cardiothorac Surg. 1996;10(3):201-6. 11. Moggio RA, Pooley RW, Sarabu MR, Christiana J, Ho AW, Reed GE. Experience with the Mitroflow aortic bioprosthesis. J Thorac Cardiovasc Surg. 1994 Aug;108(2):215-20. 12. Minami K, Schereika S, Kortke H, Gleichmann U, Korfer R. Long term follow-up of Mitroflow pericardial valve prostheses in the small aortic annulus. J Cardiovasc Surg (Torino). 1993 Jun;34(3):189-93. 13. 感染性心内膜炎の予防と治療に関するガイドライン(2008 年 度 改 訂 版 ) 、 循 環 器 病 の 診 断 と 治 療 に 関 す る ガ イ ドラ イ ン (2007 年度 合 同研 究 班 報告)、日本 循 環 器学 会 他合 同 研 究班報告 14. 循 環 器 疾 患における抗 凝 固・抗 血 小 板 療 法に関するガイド ライン(2009 年改訂版)、循環器病の診断と治療に関するガ イドライン(2008 年 度 合 同 研 究 班 報 告 )、日 本 循 環 器 学 会 他合同研究班報告 表3:弁に関 連する重 要 な有 害 事 象の発 生 有害事象 すべての死 亡 弁に関連 した 死亡 構造的弁機能 不全 抗凝固薬関連 の出 血 重 度 の抗 凝 固 薬 関 連 の出 血 血栓塞栓症 重 度 の血 栓 塞 栓症 弁血栓症 心内膜炎 非構造的機能 不全 弁 周 囲 の漏 れ 溶血 再 手 術(弁 摘 出 を含 む) 弁摘出 術後早期 術後遠隔期 (術 後 >30 日 ) (術 後 <30 日 ) 事 象 数 %/患 者 ・年 事 象 数 %/患 者 ・年 OPC×2 [片 側 95%信 頼区間上限] 31 4.4 80 ‐ 10.24 [12.27] 2.30 2 0.3 18 ‐ [3.34] 0.26 0 0 2 ‐ [0.71] 1.79 12 1.7 14 2.8 [2.72] 0.90 6 0.9 7 1.8 [1.60] 17 2.4 15 5.0 1.92 [2.88] 0.77 6 0.9 6 ‐ [1.43] 0 0 0 0.4 0 [0.25] 1 0.1 19 2.4 2.43 [3.49] 0.77 4 0.6 6 ‐ [1.43] 4 0.6 4 2.4 0.51 [1.08] 0 0 0 ‐ 0 [0.25] 1.15 0 0 9 ‐ [1.93] 0 0 8 ‐ 1.02 [1.77] 【貯 蔵・保 管 方 法 及 び使 用 期 間 等】 1. 貯 蔵・保 管 方 法 等 (1) 5~25℃に保 存 (2) 高 温 、低 温 、多 湿 、直 射 日 光 、及 び水 漏 れを避 けて保 管すること。 (3) 冷 蔵 保 管は行 わないこと(継 続 的 な温 度モニター管 理 し ている場 合を除 く)。 2. 使 用 期 限 本 品の包 装に記 載されている「使 用 期 限」までに使 用すること。 【包 装】 1 個装 【製造販売業者及び製造業者の氏名又は名称及び住所等】 選 任 製 造 販 売 業 者:日 本 ライフライン株 式 会 社 〒140-0002 東 京 都 品 川 区 東 品 川 二 丁 目 2 番 20 号 天 王 洲 郵 船 ビル 電 話:03-6711-5200 **外 国 製 造 業 者:ソーリングループカナダ インク (Sorin Group Canada Inc.) 国 名:カナダ 【主 要 文 献 及 び文 献 請 求 先】 日本ライフライン株式会社 CVE 事業部 〒140-0002 東京都品川区東品川二丁目 2 番 20 号 天王洲郵船ビル 電話番号:03-6711-5233 主要文献 1. C.A. Yankah, et al. M. Pasic, M. Musci, J. Stein, C. Detschades, H. Siniawski, R. Hetzer Mitroflow pericardial aortic valve replacement: durability results up to 21 years J Thorac Cardiovasc Surg. 2008 Sept; 136(3): 688-696 2. Gerosa G, et.al Tarzia V, Rizzoli G, Bottio T. Small aortic annulus: The hydrodynamic performances of 5 commercially available tissue valves. J Thorac Cardiovasc Surg. 2006 May;131(5):1058-64. 3. Sjogren J, Gudbjartsson T, Thulin LI. Long-term outcome of the Mitroflow pericardial 4/4
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