宮崎大学学術情報リポジトリ Title Author(s) 乳牛の心室中隔欠損に合併した大動脈弁閉鎖不全症の一 例 萩尾, 光美; 村上, 隆之; 宮田, 逸郎 Citation 日本獣医師会雑誌, 36(3): 142-146 URL http://hdl.handle.net/10458/4014 Date of Issue 1983-03 Right Description 症 例 報 告 Holland Biomedical Press, New York (1979). 率 は若 齢 犬 よ りも成 犬 のほ うが 高 く,回 復 に も成 犬 の ほ うが時 間 を要 す る こ と,ま た,血 清 トラ ンス ア ミナ ー ゼ 2) 遠 藤 康 夫: の変 化 と比 較 す る と,AFPの 3) NISHI, 上 昇 お よび 回復 は い ずれ munol., も トラ ンス ア ミナ ー ゼ に数 日遅 れ て観 察 され,そ の 増 減 の程 度 は 緩 や か で あ る こ とが判 明 した.こ れ ら の こ とか ら,CCl4投 す るAFP産 与 後 の血 清 中AFPの 上 昇 は 胎 生 期 か ら存 在 4) 5) 結 果 に よ る もの と思 わ れ る.ま た,CC14は 型 障 害 を 起 こす 物 質 で あ るか ら,CC14に 肝細胞壊死 6) 7) 増 加 の 程 度 と肝 細 胞 の程 度 とは 相 関 しない と思 わ れ る. 清 中AFPは が,そ 8) 比較 して発 現 に 時 間的 な 遅 れ が あ り,増 減 の程 度 も緩 や か で あ るた め,肝 障 害 の 9) NUNEZ, 10) 11) PEROVA, and H. 259, E., H.: HIRAI, H.: and HIRAI, 109•`118 J. Im- Tumor R. Acad. H.: Ann. (1975). ENGELMANN, C. S. Bull. 12) S. 28, M. Sci. F., Paris, BENASSAYAG, 273, 831•`834- A. and 71, FRANKEL, ABELEV, 45•`47 S.: G. (1971). Amer. J. Clin. and TERRY, W. D.: Nature, (1976). H. Yamaguchi Univ., TAKETA, D. Med., (1957). E. SHIBATA, and K., Res., OBATA, 31, A., G., V., Protides Fluids, Biol. A. and M. Proteins, editor, Biomedical Fac. Agric. KOSAKA, K.: (1973). MIYAZAKI, ZIZKOVSKY, Bull. (1980). 108•`113 Carcino-Embryonic F. J.: 41-53 WATANABE, 8, WATANABE, Holland 1) ABELEV,G. I.: Carcino-EmbryonicProteins, Vol.I, LEHMANN,F. G., editor, 99.110, Elsevier/North- and 804•`805 MANN, 13) ELGORT, Biol. 56•`63 RUOSLAHTI, H.: きる もの と思 わ れ る. D., Exptl. R.EITMAN, Tumor 場 合 や肝 癌 の治 療 経 過 の判 定 な ど の指 標 と して,応 用 で 参考 文 献 H. WATABE, al.: (1970). HIRAI, (1973). Sci., M. et 260, 指 標 と しては トラ ンス ア ミナ ーゼ に 劣 る もの と 思 わ れ る.し か し,獣 医 臨 床 面 で 慢 性 的 な肝 障 害 か ら癌 化 す る Acad. Path., 肝 障 害 に と も ない 増 減 す る こ とがわ か った の変 化 はGOT,GPTと S., N. Y. 20, 217∼220 and (1972). WATABE, 17•`22 NISHI, I.: 現 在,臨 床 面 で は 肝 障 害 の 指 標 と して は お もに血 清 ト ラ ンス ア ミナ ーゼ が 利 用 され て い る.本 研 究 で イ ヌの血 957•`960 S., 8, H. (1971). ア ミナ ーゼ の 変 化 は 肝細 胞 の壊 死 の程 度 を反 映 して い る と考 え る と,AFPの NISHI, C., よ る トラ ンス WATABE, 109, Res., 生 機構 とは異 な る系 の機 構 が賦 活 化 され た 生 物 物 理 化 学, S., Press, 18, 49•`54 NAGASHIMA, Vol.II, 137—,143,143, MASOPUST, and New J. LEH- Elsevier/NorthYork and (1979). PROKES, J.: (1971). 症例報告 乳牛 の心室 中隔欠損 に合併 した大動脈弁閉鎖不全症 の一例 萩 尾 光 美*1)村 上 隆 之*1)宮 (昭和57年11月26日 田 逸 郎*2) 受 理) Aortic Insufficiency Associated with Ventricular Septal Defect in a Heifer MITSUYOSHI HAGIO (Faculty of Agriculture, Miyazaki University, Miyazaki 880) et al. SUMMARY A 28-month-old Holstein heifer was affected with aortic insufficiency associated with ventricular septal defect. She manifested tachycardia with a systolic and diastolic cardiac murmur, marked carotid pulsation at the base of the neck, prominent palpable cardiac impulse over the left thoracic wall, tachypnea on exercise, and abnormal ECG pattern suggesting cardiac hypertrophy. Necropsy revealed a ventricular septal defect (1.5 cm in diameter) at the base of the aortic valve. The right aortic cusp, deformed and thickened, had prolapsed into the ventricular septal defect, causing aortic insufficiency. Two other aortic cusps were also thickened and distorted. *1) 宮 崎 大 学 農 学 部(宮 崎 市船 塚 町3-210) *2) 宮 崎 県 都 城 農 業 共 済 組 合(宮 崎 県 都 城 市 上 川 東3-10-8) ―142― 日獣 会 誌36 142∼146 (1983) 症 例 要 報 告 約 先 天 性 心 室 中隔 欠 損 に 合 併 した 大 動 脈 弁 閉 鎖 不 全 症 を,生 後28ヵ 月 齢 の ホ ル ス タイ ン種 雌 牛 に 認 め た.生 前 の特 徴 的 所 見 は,頸 動 脈 の著 明 な拍 動,左 胸 壁 上 の 著 しい 心 拍動 の触 知,収 縮 期 お よ び拡 張 期 雑 音,運 動 後 の呼 吸 促 迫 な どで あ っ た.剖 検 で は,左 心 室 の拡 張 ・肥 厚 が 顕 著 で,大 動 脈 弁 直 下 に,直 径1.5cmの 心 室 中 隔欠 損 が あ り,そ の欠 損 孔 内 に大 動 脈 弁(右 半 月 弁)が 陥 入 して い た.大 動 脈 口は拡 張 し,大 動 脈 弁 は い ず れ も変 形 ・肥 厚 が 著 し く,弁 交 連 は 大 き く離 開 して いた. 心 室 中隔 欠 損(VSD)は,ウ シの先 天 性 心 疾 患 の 中で 最 も発 生 率 が 高 く3,7,10),VSD単 そ の他 の心 臓 ・脈 管 奇 形 を伴 った 合 併 奇 形6),さ らに, 心 臓 以 外 の器 管 異常 を伴 った複 合 奇 形1)な ど数 多 くが 報 告 され て い る. 約5cmの 大 動 脈 弁 閉 鎖 不 全(AI)が 天 的 に 併 発 す る疾 患(VSD+A1)も 後 あ り,ヒ トではVSD 血 清蛋 白 の低 下 お よ び尿 比 重 の低 下 な どが認 め られ た, 秒),AB誘 畜 で は 同 種 の報 告 は イ ヌ4,13)およ び ウマ8)に見 られ る が, 波 を,aVRで ウ シに つ い ては 記 載 が 見 あた ら ない. のQRS群 今 回,著 者 らは 同 疾 患 と思 わ れ る例 を,生 後28ヵ 齢 のホ ル ス タ イ ン種 雌 牛 に 認 めた ので,そ 月 の生 前 お よび 剖 検 所 見 につ い て報 告 す る. 例 お よ び 生 前 所 見 動 と同部 位 に お け る異 様 な 金 属 音 の 発 生 を 畜 主 は 認 め て い る.ま た,食 欲 は 健 康 牛 とか わ らな い が 肉 付 が悪 い と の こ とで あ った.本 牛 は そ のま ま 放 置,飼 育 され て い た 前 に 胸 垂 の 腫 脹 が 発 見 され,日 増 しに腫 脹 が 著 し くな る ので 上 診 され た.既 往 歴 は な く,過 去5回 人 工 授 精 を 行 った が未 受 胎 で あ った. 格 は 中等 で あ った が 栄 養 状 態 は や や 不 良 で あ った(図1).可 視粘 膜 は 貧 血 す る がチ ア ノ ーゼ は 認 め なか った.胸 垂 浮 腫, 頸 静 脈 の拡 張 お よ び拍 動 が軽 度 認 め られ た.ま た,心 拍 毎 に胸 部 入 口が大 き く膨 隆 す る の が わ か り,強 い 拍 動 図1 患 牛(ホ ル ス タ イ ン 種,雌,28ヵ 導 で0.12 は陽性 は 陰性 波 を示 した.ま た,1,II,aVRで は高 電 位 を示 した(図2). 心 音 図 所見 は心 雑 音 の最 強 点 で,収 縮 期 雑 音 と拡 張 期 雑 音 が 観 察 され た(図3). 表1 本 例 は,生 後1年 位 ま で健 康 牛 とかわ らず順 調 に発 育 初 診 時 の所 見 は,T39.2℃,P92,R18,体 は 幅 広 く(AB誘 導 で はRS型,1,II,aVL,aVFで 以 上 の所 見 よ り,何 らか の 心奇 形 を疑 い,詳 細 な検 査 した が,そ の 後,運 動 後 に 呼 吸促 迫,胸 郭 入 口付 近 の拍 が,4日 に異 常 は 認 め られ なか った. 心 電 図所 見 は,QRS群 そ の 合 併 症 が発 生 す る といわ れ て い る14).家 1.症 部 を最 強 点 とす る心 雑 音 が 聴 取 され た 。 そ の 他 臨 床 上,特 血 液 お よ び尿 所 見 は 表1に 示 す とお りで,軽 度 の貧 血, い っぽ う,先 天性VSDに の 約5%に (頸動 脈 拍 動)が 触 知 で き た.左 胸 壁 の広 範 囲 に心 拍 動 が触 知 され,心 音 は 強 勢 で 左 側 第5肋 骨 後 縁 の肘 頭 背 方 独 奇 形 の ほ か,VSDに 月 齢) ―143― 血 液 お よび 尿 所 見 症 例 報 告 A-B aVR I aVL II III VSDに aVF 大 動 脈 弁 が 露 出す る(矢 印) の が 見 られ る 図4 図2 右心室所見 A-E誘 導 お よび標 準 肢 誘 導 法 心 電 図 L filter M filter 大 動脈 弁(右 半 月 弁)がVSD(矢 印)へ 陥 入 す る R:右 半 月弁S:中 隔 半 月弁L:左 半 月弁 図5 左 心 室所 見 を実 施 しよ う と した が,畜 主 の了 解 が得 られ ず,本 牛 は 廃 用 に され た. 2.剖 SM 心 臓 は 重 量5.8kg,左 の厚 さは4∼5cmで H 検 所 見 DM filter 2cm下 心 室 の拡 張 ・肥 厚 が 著 明で,壁 あ った.右 心 室側 で は 肺 動 脈 弁 の 方 の動 脈 円錐 部 に,左 心 室 側 で は 大 動 脈 弁 下 に, 直 径15cmの 円形 の心 室 中隔 欠 損 が見 られ た.そ の欠 損 孔 内 に は,左 心 室 側 か ら右 心 室 側 に 向 か っ て大 動 脈 弁 の 右 半 月弁 が 陥 入 して い た(図4,5).大 動 脈 口は 著 し く拡 張 し,大 動 脈 弁 は い ず れ も肥 厚.変 形 が 著 し く,中 隔 半 月 弁 の 基 部 と左 半 月 弁 の基 部 との 間 は 大 き く離 開 し 図3 心 音 て い た.ま た,欠 損 孔 に 面 す る右 心 室 壁 の 心 内 膜 面 お よ 図 ―144― 症 び大 動 脈 口下 方 の心 室 中隔 の心 内膜 面 には,白 厚 した噴 流 障 害 が見 られ,と 例 く硬 く肥 くに半 月弁 離 開部 直 下 は, 報 告 よ る逆 流 とVSDの 左 右 短 絡 に よ る左 室 の容 積 負 過 のた め と考 え られ る.大 動 脈 弁 の下 方 に 見 られ た 心 内 膜 の肥 心 内膜 が ヒ ダ状 に隆 起 して い た.右 心 房 ・右 心室 は と く 厚 や ヒダ状 隆 起 は,大 動 脈 弁 部 の逆 流 が 強 か った こ とを に異 常 な く,左 心房 は軽 度 の拡 張 ・肥 厚 を示 して い た. 示 して い る.ま 上 行大 動脈,大 動 脈 弓,総 腕 頭 動 脈 は そ れ ぞ れ著 し く拡 とは,欠 損 孔 前 面 の右 室 壁 に 噴 流 障 害 が 存 在 して い た こ 介 す る左 右 短 絡 が あ った こ とでわ か る が,右 室 の肥 大 ・拡 張 の 欠 如 は 右 室 負 過 が 軽 張 ・肥 厚 して い た. 心臓 以 外 の 主 な 所 見 と して は,胸 垂,腋 下 お よ び下 腹 部 の 皮 下水 腫,な た,VSDを らび に第 四 胃粘 膜 の水 腫 を認 め,肝 臓 度 で あ っ た と推 測 され る. ヒ トで は,本 症 の診 断 が つ け ば,外 科 的 にVSDの 閉 は や や腫 大 し,組 織 学 的 には 中心 静 脈 性 うっ血 と小 葉 中 鎖,大 動 脈 弁 形 成 また は 人 工 弁 置 換 術 な どが 薦 め られ て 心 性 の肝 細 胞 の 変性 が見 られ た. い る11).し か し成 牛 の 場 合,確 定 診 断 に 必 要 な 心 血 管 造 3.考 影 に際 し,大 量 の造 影 剤 を 急 速 に 注 入 す る こ とが 困難 で 察 ヒ トで は,乳 児 期 に 先 天 性VSDを あ る こ とをは じめ,種 指 摘 さ れ た患 者 に, 々の 技 術 上 の 問 題 点 が あ り5),ま た た とえ 診 断 が 確 定 して も経 済 動 物 で あ る以 上,現 時 点 そ の 後,細 菌 性 心 内膜 炎 な どの 明 らか な誘 因 もな くAI で は 治 療 の対 象 とは 考 え られ ない. が 合 併す る こ とが 知 られ て い る9,11,15).このAIの 〔本論 文 の要 旨 は,昭 和56年 度 日本 臨 床 獣 医 学 会(九 地 区)に お い て発 表 し た.〕 と して,1)大 動 脈 弁 二 尖 症 を含 む大 動 脈 弁 交 連 部 の先 天 的 発 育障 害,2)原 性 大 動脈 炎,4)大 AI)な 原因 因不 明 の大 動 脈 弁 の穿 孔,3)不 動 脈弁 のVSDへ 顕 献 の 陥 入(prolapsing 1) どが あ げ られ て い る17). 大 動 脈 弁 が二 次 的 にVSDへ 文 秋 田 真 司, 34 陥入 す る場 合,そ の発 生 (学 会 号) 227 安 藤 正 彦, 龍 野 勝 彦: 遙, 弁 輪 部 の支 持 機 構 の障 害(支 持 組 織 の欠 如,発 育 障 害) 講 談 社, 3) 沖野 O. が 関与 してAIを Bailliere ひ きお こす と い う説2,17)があ る.今 回 観 察 した 症 例 の場 合 に は,稟 告 の上 で は何 ら既 往 歴 が な 症 状 が 出 現 して お り,ま た剖 4) D. か った.こ and 陥 入 して 発 生 したAIと ヒ トで は,VSDに い った んAIが 生 じる とAIは 急 6) 高度 に なれ ば,易 疲 労 性,呼 7) 吸 困難 な どの症 状 が 現わ れ12),収 縮 期 お よ び拡 張 期 雑 音 の聴 取,胸 部X線 写 真 の 左 室 拡 大,心 電 図上 の左 室 肥 大, 8) で の酸 素 飽 和 度 の上 昇,脈 圧 の増 大 な どが特 徴 的 所 見 と な る.こ れ らに加 え て,逆 行性 大 動 脈 造 影 に よ る左 室 へ の逆 流 像 お よ び左 室 造 影 に よ るVSDの 存 在 が確 認 され 10) れ ば診 断 は確 実 とな る9,11,15.16).同様 の合 併 疾 患 を も っ たLEvら(1941)13)の イ ヌお よびGRAZIERら(1975)8) 11) の ウマ の例 で は,い ず れ も比 較 的 高 年 齢(6∼7才)で 12) 例 で は,著 13) 明 な頸 動 脈 拍 動,左 胸 壁 上 の心 拍 動 の触 知, J. 14) 運 動 後 の呼 吸 促 迫 な どが 目立 っ た が,こ れ らを除 け ば 全 ―145― J. F., W. RADOSTTIS, ed., Vet. 234•`235, Radiol. Soc., D. F.: ed., CATCOTT, editors, 311, Inc., and PIRIE, 6, E. J. American Illinois H. Equine (1972). M.: Brit. Vet. J., (1964). W. and PIRIE, D. B., Am. Vet. H. M.: Ann. NY Acad. (1965). FARRELLY, Med. B. Assoc., 新 心 臓 病 学, 医 学 書 院, 東京 T. and 167, O'CONNOR, 49•`50 石 川 恭 三 編, (1975). 383∼384, (1979). HoFFSIS, G. F.: Bovine Medicine & Surgery, 2 nd ed., AMSTUTZ, H. E., editor, 761, American Veterinary Publications Inc., California (1980). 門 間 和 夫, 今 井 康 晴: 心 臓 学, 上 田 英 雄, 榊 原 160, 162, 朝 倉 書 店, KECK, E. et LEV, J. NADAS, al.: W. O., al.: M., Vet. A. Res., S., 東京 ONGLEY, Circulation, NEUWELT, 2, 91•`94 29, 循 環 器 病 学, 任 (1978). P. A., 27, 203•`218 F. and KINCAID, O. (1963). NECHELES, H.: (1941). THILENIUS, O. Circulation, 佐 野 豊 美: (1978). 剖 検 時 に 見 られ た 左 室 の著 明 な肥 大.拡 張 は,AIに and PATTERSON, 2nd 広 木 忠 行: et 15) 身 状 態 に そ れ 程 異 常 は 認 め られ なか った. and 606•`621 GLAZIER, Am. 収 縮 期 お よ び拡 張 期 雑 音,心 肥 大 を疑 わ せ る心 電 図所 見, E. 127, W., は外 見 上 健 康 で あ った と報 告 され て い る.著 者 らの観 察 E. FISHER, 編, 発 見 さ れ て い る.ま た,前 者 の イ ヌの例 では,発 見 時 に K. 253•`272 J.: 9) Am. Publications FISHER, Sci., 心 カ テ検 査 に おけ る大 動 脈 拡 張 期 左 の低 下 や右 室 流 出路 A. 5th (1979). J. Surgery, SMITHCORS, 120, 速 に進 行す る14,18).AIが W.: D. & Veterinary 考 え られ る. London J. DETWEILER, Medicine VSDに 277∼283, (1965). 検 時 に 心 内膜 炎 を は じめ 他 の 明 らか な誘 因 は見 あた らな れ ら の こ とか ら本 例 は大 動 脈 弁 が二 次 的 に J. Medicine, Tindall, 5•`20 5) HENDERSON, Veterinary BUCHANAN, 心 臓 脈 管 系 の 力 学 と基 礎 計 (1980). C., M.: 日獣 会 誌, 松 尾 裕 美, 菅 原 基 晃 編, 東京 BLLOD, へ 陥 入 しや す く,こ れ に収 縮 ・拡 張 期 の血 行 力学 的 因 子 浜 名 克 已, ほ か: (1981). 測, が 根 底 に あ り,こ の た め に大 動 脈 弁 お よ び弁 輪 がVSD 2) 萩 尾 光 美, 機 序 につ い て い くつ か の研 究 が あ る が14'17∼19),大 動脈弁 く,加 齢 に伴 ってAIの 州 G., 862873 539∼541, LAFARGE, C. G., (1964). 文 光 堂, 東京 症 16) SCOTT, Am. 17) R. J. C., Cardiol., 龍 野 勝 彦: MCGUIRE, 2, J., 540•`553 の S., et 報 al.: 23 双 (9) 36∼45 子 告 18) 龍 野 勝 彦: 19) VAN PRAAGH,R. and MCNAMARA,J. J.: Heart J., 75, 605-V619 (1968). (1958). 日 胸 外 会 誌, 牛 KAPLAN, 例 (1975). の 異 和 田 常 な 宏 声1)柏 長 日 胸 外 会 誌, 間 隔 23 (10) 出 18∼30 (1975). Am. 生 内 英 雄*2) (昭 和57年10月22日 受 理) Birth of Bovine Twins at an Abnormally Prolonged Interval HIROSHIWADAand HIDEOKAKIUCHI*(College of Agriculture, Okayama University, and *Federation of Agricultural Mutual Aid Associations in Okayama Prefecture) SUMMARY A holstein and a Japanese Black cow were conceived for the first time by one artificial insemination with frozen semen of the respective breeds. They were delivered of twins judged to be dizygotic. The Holstein twins were male and born at 271 and 296 days of gestation, respectively. The Japanese Black twins were male and female and born at 286 and 475 days of gestation, respectively. The male was small and weak, weighing about 20 kg. The female was normal in size. She was not a freemartin, but was fertile and bred normally. 要 約 異 常 な長 期 間 隔 で 双 子 を 異 時 分 娩 した 雌 牛2例 に つ い て 報 告 す る.1頭 は ホ ル ス タイ ン種,他 の 1頭 は 黒 毛 和 種 で と もに1回 の 人 工 授 精 で 受 胎 し初 産 に お い て双 子 を分 娩 した.双 子 は い ず れ も2 卵 性 双 子 で あ った.ホ 日で あ った.黒 (雌子)で ルス タ イ ン種 雌 牛 か らの 双 子 は 供 に 雄 で,そ の 在 胎期 間 は271日 毛 和 種 か らの 双 子 は 雄 お よび雌 で,そ の 在胎 期 間 は286日(雄 あ った.し た が っ て,出 生 日差 は ホ ルス タイ ン種 の 場 合 が25日,黒 お よび296 子)お よび475日 毛 和 種 の場 合 が189 日で 信 じ難 いほ ど長 い.こ の双 子 の雌 子 の長 期 在 胎 は これ まで 知 られ て い る もの で は 最 も長 い記 録 と考 え られ る.な お,こ の双 子 の雌 子 牛(和 牛)は 牛 の 妊 娠 期 間 は 品 種 に よ っ て 異 な り,品 れ,標 種にはそれぞ 準 妊 娠 期 間 が あ る1∼9).妊 娠 期 間 は 一 般 に は ホ ル ス タ イ ン種280日,和 牛285日 と考 え ら れ て い る.妊 期 間 は 母 体 の 栄 養 状 態,年 齢,季 に よ り若 干 の 差 を 生 じ,雌 子 の場 合 は 雄 子 の場 合 よ りも 短 く,双 節,胎 胎 の 場 合 は 単 胎 の 場 合 よ り も短 い7).双 娠 期 間 は271.5日4),260∼280日?),ま ♀ ♀273.9日,♂ が あ り,い い3).し 児 の 性,数 娠 など 子 の妊 た275。5日 ♀275.8日,88276.5日6)な 子 の 第1子 分 娩 後,第2子 BONNIER 17,18),その 他19,20)などに よ る 多 くの研 究 が あ る が,双 子 の 出 生 間 隔 につ い て の報 告 は な い よ うで あ る. 経 験 的 常 識 か らい え ば 双 子 の 出生 間 隔 は 数 時 間,ま れ に 一 両 日内,多 例 を 調 査 した の で,そ の 結 果 を 報 告 す る. で 短 分 娩 まで の時 くの場 合 は1日 以 内 で あ るが,最 近,著 者 らは 岡 山 県 下 に お い て 双 子 を 長 間 隔 異 時分 娩 した 牛2 1.調 どの報 告 ず れ に し て も単 子 の 場 合 よ りは3∼6日 か し,双 フ リーマ ーチ ンで は な く,正 常 に繁 殖 した. 研 究 対 象 牛 は,ア ャ ッ ク号(2596391 査 方 法 お よ び 材 料 イエ ッ チ ・フル トンウエ イ ・ポ ンチ HCAJ)21)お よ び くに は な号(黒H 間 間 隔 に つ い て の 報 告 は 見 当 た ら な い.双 子 の 生 理 ・生 態 208719)22)で あ る.前 者 は 昭 和52年2月6日 学 的 類 似 性 に 関 し て は,HANCOCK ス タ イ ン種 で 津 山 市 原 町 字 安 井,福 10∼13),HANSSON 14∼16), *1)岡 山 大 学 農学 部(岡 山 市津 島 中1-1-1) 山 牧 場(ホ *2)岡 山 県 農 業 共 済 組 合 連 合 会(岡 山 市 桑 田町2-6) に 繋 養 中 の牛 で あ る.後 者 は 昭 和44年5月1日 ―146― ル ス タ イ ン種 約70頭 日獣 会 誌36 出生 の ホ ル 田幸 生 氏 経 営 の和 気 繋 養 の搾 乳 専 業 牧 場) 146∼149(1983) 出生
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