学生成果報告書 [PDF 931KB] - 同志社大学 プロジェクト科目

上京区活
上京区
活性
性 化プロジェクト
∼区民との協 働で地 域
域課題の解決を
課 題の解 決を!∼
春・秋連結学期
1.
今出川校地開講科目
目的・概 要
the purpose and an outline
本講義は、様々な企画の実施を通じて上京区の地域活性化を促
すことを目的としています。活性化するにあたっては、福祉や産業など、
様々なアプローチの側面と理念があります。
どのような都市を目指し、
それを実現するためにはどのような分野があるかを議論し、
テーマを絞
りました。
授業では、本科目を担当された豊田上京区長や、前京都市観光政
策監の永井久美子さんに講義していただくなど、地域行政に携わられ
ている方々のお話を聞く機会に恵まれました。
春学期と秋学期はそれぞれ以下のような活動を行いました。
①春学期:観光イベントの立案・実施
地域資源を活用した町歩きプランを立案して町歩きを実施することを活動の方針として定めました。地域資源・地域
の魅力を分かりやすく紹介しつつ、聞く側に楽しんでもらうための方法を検討して、町歩きプランを企画していきました。
国際交流や日本文化の発信、
さらに伝統文化を担う人材も育成していけるので、観光は大事な事業になります。少子
高齢化が進む現状においては、観光による経済活性化も大いに期待されます。
ブレインストーミングを用いて町歩きプランを出し合った後、
そこから投票により2つの案に絞り、以後は2班に分かれ
て議論を進めていきました。
②秋学期:学生、大学、地域コミュニティの共生に向けた提言書取りまとめ
秋学期は、地域コミュニティの活性化を目指して、学生や大学と地域コミュニティの、共生と協働の実現を目指しまし
た。
そのため、志縁組織、地域組織、大学、学生の4つのグループに班分けし、
それぞれ聞き取り項目やアンケートを作
成して実行に移しました。
そして、聞き取り内容やアンケート結果を基にして提言書を取り纏めました。
annual schedule
【春学期】
2011年
4月・5月
上京区を実際にまち歩きし、上京区の地域資源を学ぶ。
「西陣の町家・古武」
を訪問し、市街地の変化と京町家や暮らしの文化について伺う。
6月・7月
町歩きプランを考え、6回の授業にわたって実施準備を行う。
シナリオ案を出し合い、投票でテーマを絞って、2班に分かれる。
①学生間交流をテーマとしたツアー班。
②和菓子をテーマとしたツアー班。
ゲストスピーカー・前京都市観光政策監の永井久美子さんのお話を聞く。
P r o j e c t Wo r k s
2011
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【秋学期】
2011年
10月
地域コミュニティ活性化を巡る課題についての講義。
志縁組織、地域組織、大学、学生の4班にグループ分けし、聞き取り内容を整理。
10月31日、学生間交流をテーマにしたまち歩き班によるプレイベントの実施。
11月
班ごとに聞き取りの実施。
doshisha
11月27日、上京区主催のまち歩きイベントにおいて、上京区民10名と共に和菓子ツアーを実施。
12月・1月
2.
聞き取り調査に基づいた具体的施策の提案。
成果達成度
the achievement degree
kyotanabe
①春学期:観光イベントの立案・実施における成果
学生によって出された町歩きプランを投票により
「学生間交流」
と
「和菓
子」の2案に絞り、以後春学期終了まで2班に分かれて独立して議論を続
けました。時には授業外に時間をとって話し合いを行うなど、
ツアー準備に多
くの時間を割きました。秋学期以降は授業中に観光イベントの時間を設け
ることは無くなりましたが、時間外に集まって協議を重ねました。
学生間交流ツアー班は、学生が多い上京区の特徴を活かして、上京区
imadegawa
のことをもっと好きになれるような魅力的スポットを巡りつつ、他大学の学生同士と交流するツアーを行うことで地域活
性化を図りました。
しかし、企画の議論が進むうちに様々な制約もあって当初の企画とは内容が変わっていきました。自
分たちがやりたいテーマから遠ざかってしまうことよってモチベーション維持の難しさを感じながらも、
10月31日に模擬実
施を行いました。
和菓子ツアー班は、
お茶文化の発達に伴って、古くから上京区で親しまれている和菓子文化に触れてもらうことを
テーマにしました。ただ歩いてもらうだけではなく、
クイズを絡めることで楽しみながら知識も深めてもらえるようにしました。
こちらも、模擬実施を通じてツアー構成の弱さが明らかになり、議論によって企画内容が変わっていきました。
11月27日
の上京区主催の町歩きイベントにおいて企画を実施するということもあり、多方面から実施内容について指摘を受け、
紆余曲折を経てツアー直前まで企画内容が変化していきました。
それでも、
和菓子ツアーの構成を見直して和菓子に関
する情報を詰めて整理し、
本番当日には10名の上京区民の方々と共にツアーを無事に実施することが出来ました。
②秋学期:学生、大学、地域コミュニティの共生に向けた提言書取りまとめの成果
地域に関連する団体や組織、学生に聞き取り調査を行い、
より良い地域にする為の提言を纏めました。地域関連組
織は、志縁組織、地域組織、大学、学生として議論を進めました。志縁組織というのは、
ここでは同じ目的や志を持つ
人々が集まって地域と関わっている組織を指し、例えば地域文化を保全する活動を行っているNPOなどが例として挙げ
られます。以上の4つの組織ごとにグループに分かれ、聞き取り調査を行いました。
4つの組織は各々密接にかかわり
あっているため、
グループごとに情報共有を行って質問項目などを考えていきました。実際に聞き取り調査を行った組織
は次のようになります。
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P r o j e c t Wo r k s
2011
上京区活性化プロジェクト ∼区民との協働で地域課題の解決を!∼
imadegawa
・志縁組織班は、
マチカド+、
まいまい京都、小田切康彦さんに対し聞き取りを実施しました。
・地域組織班は、小川学区、
京極学区、中立学区に聞き取りを実施しました。
・大学班は、佛教大学、立命館大学、同志社大学に聞き取りを実施しました。
また、
学生班は、
学生500人を対象としたアンケート用紙を作成しました。
これらの活動を受けて作成した提言書は、
それぞれの組織に対してどのような政策を行うべきか、大学、地域、行政、
志縁の4つの観点から纏めました。
また、授業の内容の記録や情報の共有を目的としてCNSを利用していましたが、足並みがそろわない場面が多く、
うま
く使いこなせていたとは言いがたい状況で、課題が残りました。
3.
プロジェクトを通じて
through a project
町歩きの実施や、地域組織への聞き取り行うにあたって重要
なのは、事前準備をしっかりすることだと思い知らされました。一般
市民を対象として実施する観光イベントは責任が伴い、従ってそ
れなりの情報量に裏付けられた強固なプランでなくてはいけませ
ん。
また、秋学期からの取り組みである地域と関係する組織に対
する調査と提言においては、調査を重ねる内に、同じ志を持った
団体が接点を持たずに点在している現状を目の当たりにしました。
トップダウンによる強制ではなく、
自ら進んで自治を行う為に必要
な枠組みは何なのかを考える良い機会になりました。
計画性を持ってプランを実行する面ではうまく調整できなかったり、検討内容をチームで膨らませることが出来ないな
ど、主体性にかけていた点で反省が残りました。
それでも、社会体験の一つとしてプランを立てて実行することを通して、
コミュニケーション、
チーム形成などのコミュニケーションが円滑に進んだと考えています。豊田上京区長のお話は、
行政
の生の情報として学生にとっては貴重で、印象に残りました。
[ 編集後記 ]
地方自治について興味を持ってこのプロジェクト科目を履修したものの、興味を企画という形に変える作業は大変
でした。区役所の方々と共にワークショップを行い、
支えられながら1年を終えることが出来ました。
[ プロジェクトメンバー ]
大石 裕太郎
(法4)
小西 翔太
(法3)
徳永 英樹
(経済4)
八木 寛樹
(政策4)
川越 智美
(政策3)
高橋 正幸
(政策3)
寺田 匠
(政策3)
堀井 義勝
(政策2)
武田 北斗
(政策2)
桃尾 亮汰
(社会3)
草野 量
(社会3)
竹野 憲
(理工4)
大空 正弘
(TA)
P r o j e c t Wo r k s
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