館長だより 番外編 「富士山の蝶」(PDF)

館長だより「番外編」
~富士山の蝶~
ヒョウモンチョウは、静岡県では富士山麓だけに見られます。(本栖高原にて)
小学校3年理科の「チョウを育てよう」という単元で、モンシロチョウやアゲハ
を卵から育てる学習をします。キャベツ畑やミカン畑に行って、卵や幼虫を捕まえ
たり、成虫を観察したりしてどのような生活をしているのかを知ります。また、幼
虫や成虫のからだのつくりを調べて、昆虫とはどのようなものかを学習します。こ
の学習から身近な生き物に関する大切なことがらをたくさん学びます。
しかし、多くの人はそこでチョウについての 学習をやめてしまいます。もっと
面白いことがたくさんあるのにとても残念です。モンシロチョウやアゲハの他に
も、いろいろなチョウがいて、その生活も様々です。
静岡県には、およそ140種類のチョウの記録があります。その大半を富士山と
その周辺で見ることができるのです。
富士山の自然の豊かさがここにも現れていま
す。
富士山の豊かさとモンシロチョウやアゲハ以外の様々なチョウがたくさんいる
ことを知ってもらいたくて「館長だより(番外編)
」を書きました。
バタフライウォッチングで富士山の自然を味わおう。
富士山の蝶や植物を紹介していきます。
目次
1
蝶のお話
~富士山に住む蝶たち~
1)
静岡県の蝶の宝庫
―富士山―
2)
富士山には高山蝶がいない?
3)
富士山でバタフライウォッチング
4)
富士山に生息する蝶と7つの科
5)
植物と蝶の関係(幼虫時代の食餌植物)
2
富士山~山すその蝶たち~
3
~心配される富士山の蝶~をめぐって
4
写真館
~蝶のいる風景~
1
蝶のお話
~富士山に住む蝶たち~
富士山は蝶の宝庫
1)静岡県の蝶の宝庫
―富士山―
日本では、これまで約270種類の蝶が記録されています。 静岡県は豊
かな自然に恵まれており、その半数以上の約140種が記録されています。
小型のシジミチョウから大型のアゲハチョウまで、実に様々な美しい蝶が
見られます。 特に富士山とその周辺は、数も種類も多く見られる格好のフ
ィールドです。 どんな蝶が年間を通じて見られるかを別表㸯(蝶)にまと
めてみました。
富士山は、山としての美しさだけでなく、そこに生息する動植物の多様
性でも有名です。 たとえば「富士」をその名に付した植物は、フジアザミ、
フジイバラ、フジオトギリ、フジハタザオなどたくさんあります。 実は、
蝶の中にもフジの名の付いた大変美しいシジミチョウがいます。 その名も
「フジミドリシジミ」
、今から百年前に富士山中腹ではじめて発見された日
本特産の蝶として知られています。 富士山とその周辺は、広大な草原あり、
疎林あり、森林ありの多様な植生に恵まれています。このことが、県内、
ここでしか見ることができない種の生息につながっていて、草原性の蝶か
ら樹林性の蝶まで、様々な種類の蝶が 見られます。 富士山は、まさに「静
岡県の蝶の宝庫」と言えるでしょう。
2)富士山には高山蝶がいない?
ところで、富士山の蝶の分布については意外な事実があります。 それは、
富士山には高山蝶が一種も生息していないということです。 高山には、特
有の植物である高山植物があるように、特有の蝶である高山蝶が住んでい
ます。 高山蝶の定義は、おおむね1500メートル以上の「高山でしか発
生しない蝶」と考えてよいでしょう。 日本には14種類の高山蝶がいます
が、北海道特産の5種を除くと、本州に産するものは9種類 (タカネヒカ
ゲ、ベニヒカゲ、クモマベニヒカゲ、ミヤマモンキチョウ、ミヤマシロチ
ョウ、オオイチモンジ、コヒオドシ、 クモマツマキチョウ、タカネキマダ
ラセセリ)です。 タカネとかクモマとかミヤマとか、いかにも高いところ
に住んでいそうな名前ですね。 これらの高山蝶は、北アルプスや八ヶ岳・
南アルプスなどの中部山岳地帯のほか、東北地方の高山帯などに生息して
います。
しかし、3776メートルの標高を誇る日本一高い山である富士山に、
これら高山蝶が一種類もいないというのはとても不思議ですね。 二千メー
トル~三千メートル級の中部山岳地帯の山には、すべて何らかの種類の高
山蝶が住んでいるのに、富士山にはいないのはなぜでしょう。
その理由は、富士山の歴史が比較的新しく、氷河期に低地に生息して
いた高山蝶たちが、気温の上昇に伴い高地に上がっていったころは、まだ
※①富士山がなかったからなのです。 その後も一部の山地性の蝶(キベリ
タテハ、クジャクチョウなど)は南アルプスの山を下り富士山に移り住み
ましたが、 高山蝶は富士山に移り住むことはできなかったと考えられてい
ます。
※①古富士火山の火山活動が、約 1 万年前から再び活発になり、新富士火
山を作り、現在の富士山(3,776m)となったといわれる。
3)富士山でバタフライウォッチング
日本の最高峰である富士山に高山蝶がいないのは、ちょっと残念でした
ね。 でも、その代わりに富士山には、森や林だけでなく草原に住む蝶も多
く生息しています。 種類だけでなく、その数も多いので※②バタフライウ
ォッチングには絶好の場所です。 また、富士山は、成層火山として広く美
しい裾野を持っています。 そのため周辺のどの位置に立っても雄大で美し
い姿を眺められるので、バタフライウォッチングの楽しみがいっそう広が
ります。 標高の割に平均気温の高い静岡県側の南麓から、800m程度の
標高ですが比較的平均気温の低い山梨県側の北麓にかけて、 数多くのフィ
ールドがあります。今回は、南麓から北麓東端の本栖湖周辺にかけてどん
な蝶が見られるか紹介します。
※②日本ではバードウォッチングほど一般的ではないが、欧米では双眼鏡
をフィールドに持ち歩き蝶を観察するホビーがある。 地図・デジタルカ
メラ・種を確認するために捕虫網・ルーペ・ポケット図鑑なども携行する。
4)富士山に生息する蝶と7つの科
蝶には大きく分類すると次の7つの科があります。 その特徴とᐩኈᒣ࡟
生息する種類をあげてみましょう。
(1)アゲハチョウ科
つつじやゆりの花などによくやってくる黄色や黒の大きな蝶です。アゲ
ハやクロアゲハ、カラスアゲハ、アオスジアゲハ、キアゲハなど、皆さん
の身近にもいる大きくてきれいな揚羽蝶(あげはちょう)です。小学校3
年で学習するアゲハは、一番数が多いのでナミアゲハと呼ばれます。 1年
に3~4回ぐらい発生し、春に出る少し小型のものを春型、夏から秋に出
る大型のものを夏型と呼びます。皆さんも一度は捕まえたことがあるでし
ょう。
富士山には、これらの普通種に加えて、最も美しい蝶と言われるミヤマ
カラスアゲハやスマートな山の蝶であるオナガアゲハ、 年1回のみ発生す
る清楚な蝶、ウスバシロチョウが生息しています。また、南国の蝶である
ジャコウアゲハやナガサキアゲハも時々見ることができます。
(2)タテハチョウ科
中型で滑空するようにすばやく飛ぶ、力強さを感じる蝶です。 羽の裏面
は目立たない色をしていますが、表面は目にも色鮮やかな美しい蝶が多い
タテハチョウ科。 秋になると咲き誇るコスモスやニラの花などに来るキタ
テハ、アカタテハ、ヒメアカタテハに代表されます。
富士山の標高1000メートルを越える場所には、山地性の※③キベリ
タテハ、クジャクチョウ、シータテハなどが生息しています。 平地で見か
けるキタテハ、アカタテハ、ヒメアカタテハ、ルリタテハ、コムラサキ、
ゴマダラチョウも全域で見られます。富士宮には国蝶オオムラサキも少な
いながら生息しています。 また、広い草原には各種ヒョウモンチョウ類が
多産します。 本栖高原周辺では、ヒョウモンチョウ、オオウラギンスジヒ
ョウモン、ウラギンスジヒョウモン、メスグロヒョウモン、 ウラギンヒョ
ウモン、ギンボシヒョウモン、ミドリヒョウモンなどが多く、アザミなど
の花に来ています。 もちろん温暖化のため北上しているといわれる都市部
で目立つツマグロヒョウモンも見られます。
この他イチモンジチョウ、アサマイチモンジ、ホシミスジ、コミスジ、
サカハチチョウ、オオミスジ、ミスジチョウ、スミナガシなども 生息して
います。山梨県側では、山地性のフタスジチョウも見られます。
※③これらの山地性のタテハチョウは南アルプスに生息していたものが、
新生富士山ができた後、移入してきたものと考えらࢀている。 いずれも
ⱥ国で見られる種で、Mourning cloak, Question mark, Peacock という素
ᩛな英名が付けられている。ヨーロッパからロシアそして日本にかけての
ᆅᇦは旧北区と呼ばれ分布する蝶に共通性が見られますが、日本にはイギ
ࣜࢫの3倍以上の種類の蝶が住んでいます。
(3)ジャノメチョウ科
中型で地味ながら蛇の目のような紋のある蝶です。 地味な蝶ではありま
すが、よく見ると眼状紋がとても美しい蝶です。 日陰に生息するものが多
く、樹林性の蝶の代表といえるでしょう。 富士山には、クロヒカゲ、ヒカ
ゲチョウ、ヤマキマダラヒカゲ、サトキマダラヒカゲ、コジャノメ、ヒメ
ジャノメなどの樹林性の普通種やジャノメチョウ、ヒメウラナミジャノメ
などの草原性の普通種が大変多く見られます。また、少ないながらもクロ
ヒカゲモドキ、キマダラモドキなど 珍しい種類も産します。この2種は特
に山梨県側の北麓で見られます。 この他、山地性のヒメキマダラヒカゲも
多産します。
(4)マダラチョウ科
幼虫時代、有毒植物を食べて育つまだら模様の大型の蝶です。富士山麓
一帯では、アサギマダラ一種のみが見られます。 皆さんも秋の山にハイキ
ングに行くとこの大型の美しい蝶がゆっくり林道に姿を現すのを見たこと
があるかもしれませんね。※④アサギマダラは、秋に南へ渡りをする蝶と
して知られていますが、富士山麓では真夏でも普通に見られます。
※④この蝶の渡りを調べるために採集してその羽に油性のマジックで採
集地、日時、採集者を記入し再び放すマーキングという活動がインターネ
ットを活用して行われています。アメリカとメキシコを渡りするオオカバ
マダラ(Monarch)は3000キロも渡りをすると言われています。
(5)シロチョウ科
中型で白や黄色のひらひらと飛ぶ蝶です。 皆さんの周りでいつも飛んで
いるモンシロチョウ、キチョウ、モンキチョウ、スジグロシロチョウは富
士山麓のいたるところで見られます。 春にはモンシロチョウより一回り小
さい前翅の少しとがったツマキチョウも見られます。これらのシロチョウ
科の蝶は意識して見ないとなかなか区別がつきません。この違いがわかる
ようになるとバタフライウォッチャーの第一歩を踏み出したといえるでし
ょう。富士山には、ヤマキチョウ、ヒメシロチョウといった珍しい種類も
少ないながらも生息しています。
(6)シジミチョウ科
小型で道端の小さな草花などで見られる蝶です。皆さんの身の回りには、
カタバミの近くにいつも飛んでいるヤマトシジミやヒメジョオンの花にと
まっているベニシジミ、ツバメシジミ などがいます。 富士山麓では、静
岡県ではここしか見られない種も多く、特に草原性の珍しいものでは、ク
ロシジミ、アサマシジミ、ヒメシジミ、 ミヤマシジミが富士山麓のところ
どころに局地的に分布しています。 特にクロシジミは、※⑤幼虫時代にク
ロオオアリに育てられるという変わった生態の蝶ですが、本県で確実に見
られるのは富士宮だけです。
草花よりも高い木の上を舞うシジミチョウもいて、これらを樹林性のシ
ジミチョウと呼びます。 樹林性のものでは、アカシジミ、メスアカミドリ
シジミ、ミズイロオナガシジミ、ウラゴマダラシジミなどが生息していま
す。 ブナを食草とする富士の名のついたフジミドリシジミも少ないながら
も見られます。 また、草原の中に疎林を形成しているクロツバラには、ミ
ヤマカラスシジミが、カシワにはハヤシミドリシジミが住んでいます。 ア
ラカシやシラカシにつく、ムラサキシジミも多く見られます。ササ類の生
い茂る林床にはゴイシシジミも見られます。ゴイシシジミの幼虫は変わっ
ていてササにつくアブラムシを食べて成長します。
※⑤このほか蟻の世話になるのは、ゴマシジミ、ミヤマシジミ、キマダラ
ルリツバメなどがいます。面白いことに、いずれもシジミチョウです。 な
お、クロシジミの生態を最初に突き止めたのは当時の高校生でした。蟻が
口移しで幼虫にエサを与えるなんて当時は思いもよらないことでした。
(7)セセリチョウ科
小型で一見すると蛾のように胴体が太く茶色い蝶です。 夏も終わりごろ
になると皆さんの家の庭にも小さな茶色い活発な蛾のようなこの蝶が飛ん
でくるでしょう。 子どものころチビドリと呼んでこれを餌にトンボ釣りを
したことがあるお父さんもいるかもしれません。 このセセリは、イチモン
ジセセリといいます。 その幼虫は、イネツトムシと呼ばれる稲の害虫です。
セセリチョウは、英語では skipper と呼ばれ butterfly と一線を画してい
ます。
小型のセセリチョウの中でもひときわ小さいのが、チャマダラセセリと
ホシチャバネセセリです。 この2種は、ともに絶滅危惧種であり、県下で
も富士山麓しか見ることができません。 その他ヒメキマダラセセリ、コキ
マダラセセリ、ホソバセセリ、アオバセセリ、スジグロチャバネセセリ、
ギンイチモンジセセリ、 ミヤマチャバネセセリ、オオチャバネセセリなど
普段あまり見られないセセリチョウが生息しています。もちろん、イチモ
ンジセセリやチャバネセセリ、キマダラセセリ、コチャバネセセリなど平
地でも良く見かけるセセリチョウも 生息しています。
注:
(3)ジャノメチョウ科と(4)マダラチョウ科は広義のタテハチョウ
科として分類されている。 形態的に特徴があるのでここでは7つの分類と
しました。
5)植物と蝶の関係(幼虫時代の食餌植物)
富士山やその周辺に様々な蝶がいるのは、その環境が蝶の生息に適して
いるからです。 蝶は、成虫の時代は主として花の蜜を食物としていますが、
樹液や獣糞、腐果などを好むものもいます。 ※⑥幼虫時代は、特定の植物
を食べて成長することが多く、これらの植物のことを食餌植物(食草・食
樹)といいます。 つまり、植生が豊かであればあるほど、いろいろな蝶が
生息することになります。
富士山周辺の食餌植物と蝶の関係は、別表㸰(食草)のとおりです。ここ
では、食餌植物と蝶の関係をまとめて見ましょう。
モンシロチョウがキャベツをはじめとするアブラナ科の植物で育ち、ア
ゲハが栽培ミカンなどのミカン科の植物で育つことは、 小学校3年で習い
ましたね。 実は、それぞれの種の幼虫が食べる植物は大体決まっていて、
この性質が蝶の分布に大きな影響を与えています。先に述べた7つの科ご
とに、ある程度食餌植物が定まる傾向があるので、ここで少し詳しく説明
しましょう。
ミカン科の植物に付くのは、アゲハチョウ科の蝶たちです。 アゲハ、ク
ロアゲハ、カラスアゲハ、モンキアゲハなどがいます。 富士山麓には、野
生のミカン科の植物であるカラスザンショウ、キハダ、ミヤマシキミ、コ
クサギなども生えており、主としてキハダをミヤマカラスアゲハ、コクサ
ギをオナガアゲハ、ミヤマシキミをクロアゲハ、カラスザンショウを モン
キアゲハやカラスアゲハが利用しています。
その他のアゲハチョウ科の蝶は別の科の植物を利用しています。 アオス
ジアゲハはクスノキ科、キアゲハはセリ科のニンジン・シシウド・アシタ
バ、ジャコウアゲハはカンアオイ科の ウマノスズクサ、ウスバシロチョウ
はケシ科のムラサキケマン・エンゴサクを食べるといったように、多様性
があります。
マメ科の植物では、コマツナギをミヤマシジミ、ツバメシジミが利用し
ます。 ネムノキ、ニセアカシアにはキチョウが付きます。カワラケツメイ
だけを利用するのはツマグロキチョウです。 このほかクローバーをモンキ
チョウやツバメシジミが利用します。 クララは、ルリシジミが利用します。
ヤマフジはウラギンシジミ、トラフシジミ、ルリシジミ、コミスジなど多
くの蝶に利用されます。 クズもマメ科の植物でフジと同様の蝶たちに利用
されます。
ニレ科の植物では、エノキが多くの蝶の幼虫を育てます。 オオムラサキ、
ゴマダラチョウ、ヒオドシチョウ、テングチョウ、コミスジ、シータテハ
などが利用します。 ヤナギを食べるコムラサキ、シモツケを食べるホシミ
スジ、スイカズラを食べるアサマイチモンジやイチモンジチョウ、 スミレ
全般を食べる大型ヒョウモンチョウ類など、タテハチョウ科の蝶の食性は
多様性に富んでいます。 変わったところではアワブキやミヤマハハソを食
べるスミナガシがいます。セセリチョウ科のアオバセセリもアワブキやミ
ヤマハハソを食べます。 形態や性質が大きく異なる2種類の蝶が、食樹を
共有していることはとても不思議ですね。
ジャノメチョウ科とセセリチョウ科の多くは単子葉類のススキなどを食
べます。 ヤマキマダラヒカゲ、ヒメキマダラヒカゲ、ヒカゲチョウ、クロ
ヒカゲはススキやクマザサなどを主に食べています。
ナラ科では、クヌギやコナラ、ミズナラ、ナラガシワが多く利用されま
す。 これらを食べるのは、ミズイロオナガシジミ、アカシジミ、ジョウザ
ンミドリシジミなど様々です。
カバノキ科のハンノキやミヤマハンノキはミドリシジミが食べます。そ
の他かカシワを利用するハヤシミドリシジミ、クルミを利用するオナガシ
ジミ、ブナを利用するフジミドリシジミなどがあげられます。
このほか先に述べた蟻に育てられるクロシジミ・キマダラルリツバメや
蟻の巣の中で幼虫や卵を食べて成長するゴマシジミ、オオゴマシジミ、 そ
れからアリマキを食べるゴイシシジミやムモンアカシジミのような変わっ
た生態を持つシジミチョウがいます。 これらの蝶は珍しいものが多く、富
士山麓でも見られるものはゴマシジミとゴイシシジミに限られます。
食餌植物が大体わかってくると山や草原を歩いていてもどんな蝶が出て
くるか予想が付くようになります。 また、逆にある蝶がいればそのあたり
にはどんな植物があるかもわかるようになります。 自然を見る眼が、ここ
はどんな蝶の生活に適するのかといった蝶の眼になるといってよいかもし
れません。 さらに一歩進めてどんな蝶を保護するためにどんな植物を育て
ることが必要かということを考えるようになるでしょう。
※⑥このような性質を狭食性といいます。蝶の幼虫の多くは狭食性です。
この性質により棲み分けがなされていると考えられています。 これに対
し、蛾の幼虫の多くは様々な種類の植物に付く広食性です。 一例として
イラガの幼虫は、数十種類の植物を食べます。
2
富士山
~山すその蝶たち~
富士山麓を歩くと出会える様々な蝶をご紹介します。
バタフライウォッチング
富士山に春、夏、秋と季節ごとに訪れると、その自然の美しさに感動します。季節ごとに違う風景がそ
こにあり、違う蝶たちとの出会いがあります。
ウラゴマダラシジミ
イボタのの木に止まるウラゴマダラシジミ。
5月中ごろから年1回発生する初夏のシジミチョ
ウ。シジミチョウの中では大型でハマグリぐらいの
イメージ。イボタノキを食草とする樹林性の蝶で
す。
年1回しか発生しないため見落とすことが多いか
もしれませんが、初夏を彩る美しい蝶です。富士山
麓では広く分布しているため、出会うう機会も多い
でしょう。平地よりも二・三週間、遅れて発生しま
す。
キアゲハ
緑の地に黒いしま、そしてそのしまにオレンジの点
を並べた幼虫がニンジンやパセリの葉っぱについ
ているのをを見たことがあるでしょう。それは、ア
ゲハとよく似たキアゲハの幼虫です。キアゲハは、
富士山麓ではシシウドという野生の植物につきま
す。山の頂上などかなり高いところに集まる習性が
あるので、富士山でも2千メートル以上のところで
も出会えるかもしれません。
ミヤマカラスアゲハ
日本で一番美しい蝶といわれることもあるこの
蝶は、富士山麓でよく見られます。山道の水溜り付
近で吸水するのは決まって雄です。春に出る春型は
小型で色合いが特に美しく、夏は一回り大きな夏型
がでます。
ホシミスジ 2 月 20 日
コミスジに良く似ていますが翅の裏面内側の星の
ような黒い斑点で区別することができます。春と夏
の2回出現するこの蝶は、静岡県では局地的に分布
しています。確実に目撃できるのは富士山麓のみと
いってよいでしょう。
ウラギンヒョウモン
500メートルぐらいの山に行くとよく見られる
ヒョウモンチョウのひとつです。ヒョウモンチョウ
を区別するには、翅の裏側をよく見ることが大切で
す。富士山麓でも初夏から夏にかけてよく見かけま
す。
アサマイチモンジ
イチモンジチョウに良く似ていますが、慣れてくれ
ば前翅の白紋の位置で区別することができます。春
から秋にかけて3回出現するこの蝶は、浅間山で発
見されたことからこの名がつきました。
食草はスイカズラで、静岡県には局地的に分布して
います。富士山麓ではイチモンジチョウと混じって
飛んでいることもあります。
ウスバシロチョウ
シロチョウ科に似ていますが、実はアゲハチョウ科
の蝶です。ウスバアゲハという呼び名もあります。
低山地に多く5月頃山里の葱坊主によくとまって
いるのを見かけます。食草はケシ科のムラサキケマ
ンです。近年数を増やしているようで特に富士山麓
では以前より多く見られるようになりました。
3
~心配される富士山の蝶~をめぐって
蝶を保護することは富士山の自然を守ること。
現在日本で見られる蝶の 5 分の㸯は絶滅の恐れがあると言わ
れています。このような絶滅を心配される蝶は次の3つに分類さ
れ、※⑧絶滅危惧Ⅰ類・絶滅危惧Ⅱ類・准絶滅危惧に分けられま
す。
富士山周辺は「静岡県の蝶の宝庫」であり、ここには別表㸱
㸦⤯⁛⼖)のように 16 種の絶滅危惧種が生息しています。 こん
なに多くの蝶が存続を心配されていることと、それらが 16 種類
も富士山に住んでいるとは驚きですね。
蝶を絶滅から守るためには、環境を維持してやることや農薬な
どの使用を控えることが大切です。温暖化などによる気候変動、
工場や商業施設の誘致などによる山林や草原の消失、化学物質や
排気ガスなどによる環境汚染・水質汚染など蝶にとって住みにく
い状況を作り出さないようにしなければなりません。個人レベル
では、採集をしないことも重要ですね。さらに進めれば蝶にとっ
て住みやすい状況を作り出すことも推し進めたいですね。今から
五十年先いや百年先も富士山が「静岡県の蝶の宝庫」でありつづ
けられるように皆さんも協力してください。
※⑧環境省の分類指標による。現在までのところ日本では、全土で絶滅した蝶はいない。 イギリスでは
これまでに数種が絶滅している。 春の女神として春先に新聞紙上をにぎわすギフチョウも絶滅危惧Ⅱ類
の蝶に指定されています。保護活動の一例を挙げると、浜松市はギフチョウを地域指定の天然記念物に
定めて、引佐町の枯山というところで保護しています。 ギフチョウは昭和四十年代半ばごろまで浜松市
の都田町に生息していましたが、この地域の開発等により絶滅しました。枯山にはギフチョウの幼虫が
食べるヒメカンアオイや成虫の蜜源となるカタクリなどが多くあります。 毎年、春になると多くの人々
がギフチョウの観察に訪れます。
富士山周辺に生息する絶滅危惧種の蝶
カテゴリ
絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)
シジミチョウ科クロシジミ
セセリチョウ科チャマダラセセリ、本州亜種
絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)
シロチョウ科ツマグロキチョウ
シロチョウ科ヒメシロチョウ
シジミチョウ科アサマシジミ中部中山帯亜種
シジミチョウ科ゴマシジミ
シジミチョウ科ミヤマシジミ
ジャノメチョウ科クロヒカゲモドキ
セセリチョウ科ホシチャバネセセリ
準絶滅危惧(生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する
可能性のある種)
シロチョウ科ヤマキチョウ
シジミチョウ科ヒメシジミ
タテハチョウ科オオムラサキ
タテハチョウ科ヒョウモンチョウ本州中部亜種
ジャノメチョウ科キマダラモドキ
セセリチョウ科ギンイチモンジセセリ
セセリチョウ科スジグロチャバネセセリ
チャマダラセセリ
イギリスにもよく似た蝶がいて
checkered spot という名がついていま
す。ミツバツチグリやキジムシロという
マメ科の植物につきます。春型は小型で
すが色合いがとても美しいものです。北
海道で 1970 年ごろ、この種と近縁のヒ
メチャマダラセセリが発見されました。
ヒメシロチョウ
蝶はか弱い生き物の代名詞だと思いま
すが、その中でもか弱さの点では抜きん
出た存在です。モンシロチョウよりもず
っと小さいシロチョウで飛び方も弱弱
しい蝶です。ヒメというのはより小さい
という接頭辞として和名に使われます
が、2回ぐらい付けたいほどのシロチョ
ウです。食草は、クサフジです。この蝶
も絶滅危惧種となり、富士山麓でも出会
う回数は随分減りました。日本で最も小
さな蝶の一つです。
ヒメシジミ
食草の数では他の蝶に負けないシジミ
チョウで十数種類の植物につきます。富
士山麓には比較的たくさんいる蝶であ
すが、環境破壊の影響を受けやすいのか
道路が通って排ガスが増えるととたん
にいなくなってしまう蝶です。翅表の色
は、雄は青く雌は茶褐色です(写真参照)。
ヤマキチョウ
よく似た種類でスジボソヤマキチョウ
がいますが、ヤマキチョウのほうが前翅
の尖りがやや弱く厚ぼったいことで区
別できます。前者の英名は Brimstone と
いい、後者に似たものは Cleopatra とい
う優雅な名が付いています。しかしその
生息状況は決して優雅なものとは言え
ず絶滅危惧種に上げられています。ふわ
ふわとゆっくり飛ぶので採集者の餌食
にもなりやすく、本栖高原でも数が減っ
てきました。クロツバラを食草としてお
り、環境は十分整っていますが、保護対
策を考える時期なのかもしれません。
4
写真館
~蝶のいる風景~
バタフライウォッチングで出会った~蝶のいる風景~をご紹介します。
アサギマダラ
ミヤマカラスシジミ
ウラギンヒョウモン
ウラギンスジヒョウモン
ゴイシシジミ
キベリタテハ
キマダラモドキ
スジボソヤマキチョウ
サカハチチョウ【春型】
ホソバセセリ
オオミスジ
ウラキンシジミ
富士山の山道を歩いていると、季節ごとに様々な蝶に出
会います。蝶はその時々の花を訪れ美しい姿で登山者の
目を楽しませてくれます。
ู⾲㸯蝶とその食草一覧
アゲハチョウ【11種】
アゲハ【3月下旬~10月年3~5回】サンショ・カラタチ等ミカン科
アオスジアゲハ【4月中旬~9月・年3~4回】クスノキ・ヤブニッケイ等クスノキ科
ウスバシロチョウ【4月下旬~5月年1回】ケシ科ムラサキケマン・ヤマエンゴサク等
オナガアゲハ【4月中旬・7~9月の年3回発生】コクサギ・イヌザンショウ・カラスザンショウ等
ミカン
カラスアゲハ【4月上旬と7~9月・年3回発生】イヌザンショウ・カラスザンショウ・コクサギ等
ミカ
キアゲハ【3月下旬・7~9月年3回発生】アシタバ・ニンジン・シシウド等セリ科
ジャコウアゲハ【4月中旬~9月・年3~4回】ウマノスズクサ・オオバウマノスズクサ等カンアオ
イ
クロアゲハ【3月下旬~9月年3回発生】ユズ・ミカン・サンショ・カラタチ・ミヤマシキミ等ミカ
ン科
モンキアゲハ【4月下旬~10月・年3回発生】カラスザンショウ・ユズ等ミカン科
ナガサキアゲハ【5月~9月・年2~6回発生】ミカン・ダイダイ等ミカン科
ミヤマカラスアゲハ【5月上旬・7~9月・年3回発生】キハダ・ハマセンダン・カラスザンショウ
のミカ
シロチョウ【9種】
ヒメシロチョウ【4月下旬~8月年2回~4回】マメ科ツルフジバカマ
キタキチョウ【5月下旬~10月年数回】ニセアカシア・ネムノキ・サイカチ等マメ科
スジボソヤマキチョウ【6月から7月年1回発生】クロウメモドキ・クロツバラ
ツマキチョウ【4月上旬~5月年1回発生】ハタザオ等アブラナ科の植物
モンシロチョウ【3月下旬~10月年4~5回発生】ハナダイコン・キャベツ・ハタザオ
モンキチョウ【3月上旬~10月年4~5回発生】ニセアカシオ・クローバー等マメ科
スジグロシロチョウ【3月上旬~10月年4~5回発生】ワサビ・アブラナ・オランダガラシ
ツマグロキチョウ【6,7,9,10月年3~4回発生】マメ科のカワラケツメイ
ヤマキチョウ【7月下旬~8月年1回発生】クロツバラ
タテハチョウ【28種】
アカタテハ【6月上旬~10月上旬年3~4回】イラクサ科ホソバイラクサ・カラムシ
アサマイチモンジ【5月中旬~9月下旬年2~4回】スイカズラ科スイカズラ
ウラギンヒョウモン【6月~7月年1回夏仮眠】スミレ科スミレ・タチツボスミレ
オオミスジ【6月~7月年1回】バラ科ウメ・アンズ・スモモ
キタテハ【6月上旬~10月年2~3回】クワ科カナムグラ
キベリタテハ【7月下旬~8月中旬年1回】カバノキ科ダケカンバ・シラカンバ
ギンボシヒョウモン【6月~7月年1回】スミレ科スミレ
ゴマダラチョウ【5月下旬8月・年2回】ニレ科エノキ・エゾエノキ
クジャクチョウ【6月下旬年1回】イワクサ・ホソバイワクサ
コムラサキ【6月中旬・8月年2回】ヤナギ科の樹木の葉
サカハチョウ【5月~8月年2回】コアカソ・エゾイラクサ
シータテハ【6月下旬・8月年2回】ニレ科ハルニレ・アキニレ
ツマグロヒョウモン【6月~10月年1回】スミレ科タチツボスミレ
ヒオドシチョウ【6月上旬~7月年1回】ヤナギ類
ヒメアカタテハ【6月上「旬~7月中旬年1回】キク科ゴボウ
ヒョウモンチョウ【6月~7月年1回】バラ科ワレモコウ・オニシモツケ
ホシミスジ【6月~7月年1回】バラ科のユキヤナギコデマリ・シモツケ
ミスジチョウ【6月~7月年1回】カエデ科
ミドリヒョウモン【5月~6月年1回夏仮眠】スミレ科タチツバスミレ
メスグロヒョウモン【6月下旬年1回】スミレ科タチツボスミレ・ツボスミレ
ルリタテハ【6月上旬~10月年3回】ユリ科サルトリイバラ・ホトトギス・オニユリ
クモガタヒョウモン【5月中旬年1回夏休眠】スミレ科
ウラギンスジヒョウモン【6月上旬~7月年1回】スミレ科
オオウラギンスジヒョウモン【7月上旬~8月年1回】スミレ科
フタスジチョウ【6月下旬~7月中旬年1回】バラ科イワシモツケ・ホザキシモツケ
エルタテハ【7月下旬年1回】ニレ科ハルニレ・カバノキ科ダケカンバ
スミナガシ【5月中旬・7月中旬年2回】アワブキ科アワブキ・ヤマビワ・ミヤマハハソ
オオムラサキ【6月中旬~7月年1回】ニレ科エノキ・エゾエノキ
シジミチョウ【26種】
アカシジミ◆【6月~7月年1回】ブナ科コナラ・クヌギ・アラカシ
ウラゴマダラシジミ◆【6月上旬~7月中旬年1回】モクセイ科イボタ
ウラギンシジミ【5月下旬~10月年2回~3回】ヤマフジ・アズキ
ウラナミシジミ【3月下旬~11月上旬年5回発生】アズキ等のマメ科
クロシジミ【7月~8月年1回】クヌギ
コツバメ【3月下旬カラ4月上旬年1回】ツツジ科アセビ
ゴイシシジミ【5月~9月年3~5回】タケツノアブラムシ
スギタニルリシジミ【4~5月年1回】トチノキ科トチノキ・ミズキ科ミズキ
ツバメシジミ【3月下旬~11月上旬年5回】クローバー・アズキマメ科
ヒメシジミ【6~7月年1回】ヨモギ、イワオウギ他
トラフシジミ【4~5月・7~8月年2回】ウツギ・フジの花
ハヤシミドリシジミ【6月下旬~7月年1回】ブナ科カシワ
ベニシジミ【3月下旬~10月年3~4回】スイバ・ギシギシ
ミズイロオナガシジミ【6月上旬年1回】ブナ科クヌギ・コナラ・ミズナラ
ムラサキシジミ【6月~10月年3~4回】ブナ科スダジイアラカシ・シラカシカシ類
ムラサキツバメ【年数回9月下旬から増加】ブナ科マテバシイ・シリブカガシ
ヤマトシジミ【4月下旬~11月上旬年5回】カタバミ科カタバミ
ルリシジミ【3月下旬~10月年4~5回】バラ科・マメ科・ブナ科
ウラナミアカシジミ【6月上旬年1回】ブナ科クヌギ・アベマキ
ウラキンシジミ【6月中旬~7月中旬年1回】モクセイ科トネリコ
メスアカミドリシジミ【6月下旬~7月年1回】バラ科ヤマザクラ
オオミドリシジミ【6月中旬~7月年1回】ブナ科コナラ・ミズナラ・クヌギ・カシワ
ミヤマカラスシジミ【6月~7月年1回】クロウメモドキ科クロウメモドキ
ミヤマシジミ【5月下旬から10月上旬年4~5回】マメ科コマツナギ
アサマシジミ【6月上旬~7月中旬年1回北海道・中部日本】マメ科ナンテンハギ・イワオオギ
ゴマシジミ【7月下旬~8月中旬年1回】バラ科ワレモコウクシアリアリの幼虫
セセリチョウ【15種】
イチモンジセセリ【6月中旬~10月上旬年3回】イネ
オオチャバネセセリ【6月・8月~9月年2回】イネ科ササ類クマザサ・メダケ・アズマネササ
キマダラセセリ【5月~8月年2回】イネ科多くの植物
ギンイチモンジセセリ【5月~7月年2回】イネ科の植物
コキマダラセセリ【7月上旬~下旬年1回高原】イネ科ススキ・オオアブラススキコチャバネセ
セリ
スジグロチャバネセセリ【7月~8月年1回】カモジグサ・キツネガヤ
ダイミョウセセリ【5月~9月年2~3回】ヤマイモ科ヤマイモ
チャマダラセセリ【5月7月年2回寒冷地1回西日本3回】バラ科キジムシロ・ミツバチチグリ
チャバネセセリ【5月~10月年3回】イネ科イネ・チガヤ・ススキ
ホシチャバネセセリ【6月~8月年1~2回】イネ科オオアブラススキ
ホソバセセリ【7月中旬~下旬年1回】イネ科ススキ・オオアブススキ
ヒメキマダラセセリ【5月~6月・8月年2回】ササ科・イネ科
ミヤマセセリ【3月下旬~4月上旬年1回】ブナ科クヌギ・コナラ
アオバセセリ【5月7月年2回西日本3回】アワブキ科アワブキ・ミヤマホウソ・ヤマビワ
ミヤマチャバネセセリ【4~6月・7~8月年2回】イネ科ススキ
ジャノメチョウ【10種】
クロヒカゲ【4月下旬から10月年3~4回】ササ類多くの種類
コジャノメ【6月下旬~9月年2回】イネ科の多くの種類
サトキマダラヒカゲ【5月~6月・8月年2回】イネ科ススキ・メダケ
ジャノメチョウ【7月~8月年1回】イネ科ススキ
ヒカゲチョウ【6月・8月年2回】タケ科メダケ・アズマネザサ
ヒメウラナミジャノメ【6月下旬~9月中旬年3~4回】イネ科チジミザサ・シバ・ススキ
ヒメジャノメ【6月~9月年2回】イネ科多くの種類
ヤマキマダラヒカゲ【5月・8月年2回寒冷地年1回】イネ科ススキ・メダケ
キマダラモドキ【7月~8月年1回】イネ科ススキカヤツルグサ科ヒカゲスゲ
クロヒカゲモドキ【6月中旬~8月年1回】イネ科ススキ・アシボソ
テングチョウ【1種】
テングチョウ【5月下旬~6月年1回夏眠】ニレ科エノキ・エゾエノキ
マダラチョウ【1種】
アサギマダラ【5月下旬・8月年2回】キジョラン・イケマ__
ู⾲㸰富士山の蝶の食草・食樹・その他
アアカツメグサ・・・・モンキチョウ
アワブキ・・・・・・スミナガシ、アオバセセリ
イネ科・・・・・・・イチモンジセセリ、ヒメジャノメ
イボタノキ・・・・・ウラゴマダラシジミ
イラクサ・・・・・・サカハチチョウ、クジャクチョウ、アカタテハ
ウマノスズクサ・・・ジャコウアゲハ
エノキ・・・・・・・オオムラサキ、ゴマダラチョウ、テングチョウ、ヒオドシチ
ョウ
カカエデ・・・・・・・ミスジチョウ
カタバミ・・・・・・ヤマトシジミ
カナムグラ・・・・・キタテハ
カラスザンショウ・・カラスアゲハ、アゲハ、クロアゲハ、モンキアゲハ
カラムシ、コアカソ、ヤブマオ・・・・アカタテハ
キジョラン、カモメズル、イケマ・・・・アサギマダラ
キハダ・・・・・・・カラスアゲハ、ミヤマカラスアゲハ
クララ・・・・・・・ルリシジミ
クルミ・・・・・・・オナガシジミ
クロウメモドキ・・・スジボソヤマキチョウ
クロツバラ・・・・・ヤマキチョウ、スジボソヤマキチョウ、ミヤマカラスシジミ
クスノキ、ヤブニッケイ・・・アオスジアゲハ
クヌギ、コナラ・・・・ウラナミアカシジミ、ミズイロオナガシジミ
シモツケ、ユキヤナギ・・・ホシミスジ、フタスジチョウ
ゴボウ、ヨモギ・・・・・・ヒメアカタテハ
コクサギ・・・・・・カラスアゲハ、オナガアゲハ
コマツナギ・・・・ミヤマシジミ、モンキチョウ
ササルトリイバラ・・・・ルリタテハ
ササ、タケ・・・・・・クロヒカゲ、ヒカゲチョウ、ヤマキマダラヒカゲ、サトキ
マダラヒカゲ
シシウド、ニンジン、パセリ・・・・キアゲハ
シロツメクサ・・・・モンキチョウ、ツバメシジミ
シラカバ・・・・・・エルタテハ、キベリタテハ
スイカズラ・・・・・アサマイチモンジ、イチモンジチョウ
スイバ、ギシギシ・・・ベニシジミ
ススキ・・・ジャノメチョウ、ギンイチモンジセセリ、クロコノマチョウ
スミレ、パンジー・・・・ウラギンスジヒョウモン、クモガタヒョウモン、メスグ
ロヒョウモン、ウラギ
ンヒョウモン、オオウラギンスジヒョウモン、ミドリヒョウモン
ソラマメ・・・・・・ウラナミシジミ
タタケ、ササ・・・・・クロヒカゲ
タネツケバナ、イヌガラシ、ハタザオ・・・・ツマキチョウ
チジミザサ・・・・・・ヒメウラジャノメ
ツツジ・・・・・・・・コツバメ
ツルフジバカマ・・・・ヒメシロチョウ
トチノキ・・・・スギタニルリシジミ
ナニンジン、パセリ・・・・・・キアゲハ
ニセアカシヤ・・・・・・・キチョウ、モンキチョウ
ネムノキ・・・・・・・・・キチョウ
ハハギ・・・・・キチョウ
ハハコグサ・・・・・・ヒメアカタテハ
ハンノキ・・・・・・・ミドリシジミ
フジ・・・・・・・・・トラフシジミ、ルリシジミ、ウラギンシジミ
ハマセンダン、ミカン・・・・モンキアゲハ
フジマメ、エンドウ・・・・・ウラナミシジミ
ホトトギス・・・・・・ルリタテハ
マミツバ・・・・キアゲハ
ミツバツチグリ、キジムシロ・・・・チャマダラセセリ
ムラサキケマン・・・・・・ウスバシロチョウ
ミカン、カラタチ࣭・・࣭アゲハ、クロアゲハ、ナガサキアゲハ、モンキアゲࣁ
ヤヤマイモ・・・・・・ダイミョウセセリ
ヤマザクラ・・・・・メスアカミドリシジミ
ヤナギ・・・・・・・コムラサキ、ヒオドシチョウ
ヨモギ、ゴボウ・・・・ヒメアカタテハ
その他
クシケアリ・・・・・・ゴマシジミ、オオゴマシジミ
タケノアブラムシ・・・ゴイシジミ
アブラムシ、ミズナラ、クヌギ・・・・・ムモンアカシジミ
クロオオアリ・・・・・クロシジミ
㸦ู⾲㸱㸧ᐩኈᒣ࿘㎶࡟⏕ᜥࡍࡿ⤯⁛༴᝹✀ࡢ⼖
カテゴリ
絶滅危惧I類(絶滅の危機に瀕している種)
シジミチョウ科クロシジミ
セセリチョウ科チャマダラセセリ、本州亜種
絶滅危惧II類(絶滅の危険が増大している種)
シロチョウ科ツマグロキチョウ
シロチョウ科ヒメシロチョウ
シジミチョウ科アサマシジミ中部中山帯亜種
シジミチョウ科ゴマシジミ
シジミチョウ科ミヤマシジミ
ジャノメチョウ科クロヒカゲモドキ
セセリチョウ科ホシチャバネセセリ
準絶滅危惧(生息条件の変化によっては「絶滅危惧」に移行する
可能性のある種)
シロチョウ科ヤマキチョウ
シジミチョウ科ヒメシジミ
タテハチョウ科オオムラサキ
タテハチョウ科ヒョウモンチョウ本州中部亜種
ジャノメチョウ科キマダラモドキ
セセリチョウ科ギンイチモンジセセリ
セセリチョウ科スジグロチャバネセセリ