ハ マ テ ゴ

子ども会に働きかけるなど
若い人の参加を促しています
小川 正敏 さん(65)
まさ とし
お がわ
公民館長
おり、私の子どもの頃は行われてい
ハマテゴは戦後しばらく中断して
ませんでしたが、昭和47年頃、戦
前にハマテゴを体験した大人たちが
中心となって再開しました。地域の
らえないのが悩みですが、ハマテゴ
行事になかなか若い人が参加しても
う意味でも絶やしてはならないと考
については伝統行事を継承するとい
を働きかけるなど、若い人の参加を
えています。今後も子ども会に参加
促す努力を続けていきたいです。
こ え びら
枕崎市/小江平地区
鹿 児 島には、古 くから受 け 継がれてきた
個 性 豊かな 祭 りが各 地に残っていま す 。
今 回はそんな 祭 りの中から
枕 崎 市の小 江 平 地 区に伝 わる
︶と 元
︶が子どもの頃は、
平公民館前広場で行われます。子どもたちは
ハマテゴは、
1月2日の午前9時から、
小江
で、
明治以前から行われているそうです。
らい、子どもの一年間の無病息災を願うもの
小江平地区だけに伝わる行事です。悪魔をは
﹁破魔稚児﹂
などと表記され、枕崎市の中でも
行事ですが、そこには地域の大人たちの支え
年頃に再開されたハマテゴ。子どもが主役の
戦後しばらく中断していましたが、昭和
とお二人は語ります。
をして、当日を本当に楽しみにしていました﹂
ていたんですよ。何日も前から矢を射る練習
していたそう。﹁鏃は鍛冶屋さんに買いに行っ
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の立神岩がそびえ立つ様は雄大です。周辺にはプー
間 県 立自然 公 園の 表 玄関で、沖に高さ42メートル
います。
ルやキャンプ場もあり、特に夏場は利用客でにぎわ
かすり
ぼう の
ひ と 昔 前の 子 ど も 同 様 に 絣の 着 物 を 身 に ま
ま
と子どもを思う気持ちが息づいています。
やじり
自分たちで山へ竹を取りに行き、弓矢を自作
公民館長の永江勉さん
︵
なが え つとむ
元 公 民 館 副 館 長の吉 留 一 光さん︵
よし どめ かず みつ
木町公民館長の小川正敏さんです。
お がわ まさ とし
﹁ハマテゴ﹂をご紹 介し ま す 。
一年間の無病息災を願う
子どもたちが主役の伝統行事
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面しています。写真は火之神公園からの眺め。坊野
て、転がるダイダイを目がけて矢を放ちます。
枕 崎 市 は 昭 和 2 4 年9月 に 発 足した 総 人 口
ダイダイを使うのは子孫や家が
﹁代々﹂栄える
ようにとの願いから。射止めた子どもは、
ダイ
ダイが刺さったままの矢を頭上高く持ち上げ
23,692人(平成24 年11月1日現在)のまちです。
薩 摩 半 島 の南 端に位 置し、南は広 大 な東シナ 海に
ひ の かみ
ながら﹁テゴテゴ!﹂と勝ちどきを上げ、
くる
枕崎市
くると 回 り ます。最 後に2 人1 組になり 、互
いの左 手を 握ったまま 、右 手に持った 弓で相
手の 尻を 叩く 、悪 魔 ばらいの 所 作をし ま す 。
﹁ 以 前は 小 中 学 生の男 子 が 中 心でした が 、子
どもの数が少なくなった今では女子や大人も
参加しています﹂と語るのは小江平地区の桜
枕崎市
とい、大 人たちが作った竹製の弓矢を手にし
正月の伝統行事﹁ハマテゴ﹂は、﹁破魔太鼓﹂
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ハマテゴ
↓竹製の弓矢は地区の大人たちの手作り
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