農 業 情 報 2月号 山 形 県 農 業 技 術 環 境 課 (連絡先 : ℡023-630-2437) 目 次 【担い手づくり】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 ○東根市果樹研究連合会冬期研修会を開催 ○ねぎ産地営農指導員技術向上研修会を開催 ○産直まゆの郷で野菜・果樹の研修会を開催 ○「新規就農応援フォーラム 2014」を開催 ○就農予定者を対象に農業経営開始相談会を開催 ○自分の米の味を確かめよう!農業青年クラブ「酒田アグラー」が新米食味コンテストを開催 ○庄内「干し柿」の里づくり検討会を開催 ○「置賜地域就農予定者研修・相談会」を開催 ○東日本農業大学校等プロジェクト発表会 【土地利用型作物】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・10 ○宮城県への視察研修で更なる良食味「つや姫」栽培へ意識が向上 ○「置賜地域山形つや姫マイスターの会」流通・販売情勢調査を実施 ○「2014 米づくりフォーラム in 庄内」大盛況でした! 【園芸特産づくり】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 ○紅秀峰のブランド化にむけて発進 ○「おきたま旬の花産地めぐり(啓翁桜)」を開催 ○地域資源を活かして特産品づくりを!「啓翁桜」とわらびの視察研修を実施 【地域づくり】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・16 ○おいし~い!加工品のブラッシュアップ研修会を開催! 【元気な農村女性】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17 ○農村女性ビジネスネットワーク「山桜ネット」御縁会を開催! 【最新の研究・技術】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・18 ○早生の大豆新品種「シュウリュウ(東北 166 号)」の特性について 【経営】・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・19 ○農事組合法人「村木沢あじさい営農組合」が地域営農ビジョン大賞を受賞 【担い手づくり】 ○東根市果樹研究連合会冬期研修会を開催 分 野:普及活動 所 属:北村山農業技術普及課 連 絡 先:0237-47-8631 氏 名:佐藤 隆士 平成 26 年 1 月 21 日に東根市内の果樹の若き担い手組織である東根市果樹研究連合会 (鷲康文会長、会員 73 名)の冬期研修会が開催されました。 まず、市内の若木神社において、会員、関係機関・団体の職員が一堂に会し、今年の豊 作祈願を行いました。その後、同連合会のりんご「ふじ」立木審査会で第 1 位となった武 田信幸氏が講師となり、せん定検討会が開催されました。冷え込みが厳しい中でしたが、 講師のわかりやすく丁寧な説明に、会員は熱心に質問するなど大変充実した検討会となり ました。 午後からは、会場をホテルに移し、プロジェクト発表が行われました。連合会は 6 つの 単位研究会から構成されています。それぞれの研究会から、1 年間取り組んだ成果が発表 されました。今年の内容は、野そ対策から桃の輸出実験までバラエティに富んでおり、内 容も年々レベルが向上しています。 審査の結果、第 1 位は「新技術による桃の所得倍増計画」を発表した大富果樹研究会が 受賞し、3 年連続の県大会出場が決まりました。もも栽培の課題を明確にし、弱せん定を ベースにしながら馬力枝(力強く伸びた枝)の活用等により、多収穫、高品質、枯死対策 効果を実証した内容で、大変すばらしいものでした。 農業技術普及課では、今後とも農業の担い手の育成と地域農業の課題解決に向けて支援 してまいります。 豊作祈願の後の記念撮影。 果樹産地を力強く担っています。 「ふじ」のせん定方法について、 きめ細かく熱心に検討しました。 1 ○ねぎ産地営農指導員技術向上研修会を開催 分 野:普及活動 所 属:最上農業技術普及課 連 絡 先:0233-29-1332 氏 名:加藤 久雄 最上地域のねぎ栽培は平成元年頃から始まり、近年、販売額が約 5 億円まで拡大してき ました。しかし、生産者間の栽培技術格差が大きく、産地拡大はやや停滞しています。今 後、さらに最上地域のねぎ産地が発展するためには、生産者間のねぎ栽培技術を高位平準 化する必要があります。 そこで農業技術普及課では、生産者の栽培技術向上を図るため、生産者を直接指導する 立場にある各 JA の担当者を対象に、ねぎ高品質多収技術に関する研修会を開催しました。 講師の早坂淳氏(新庄市・指導農業士)から『10a 当たり 100 万円を目指すねぎ栽培技術 について~四半世紀の試行錯誤が教えてくれたもの~』と題した事例紹介をしていただき、 その後積極的な意見交換がなされました。 農業技術普及課では今後も研修会や現地巡回を通じて、ねぎ栽培技術の向上と更なる産 地拡大を支援していきます。 講師の早坂淳氏 研修会の様子 2 ○産直まゆの郷で野菜・果樹の研修会を開催 分 野:普及活動 所 属:最上農業技術普及課 連 絡 先:0233-29-1331 氏 名:志田 あゆみ 産直まゆの郷(さと)では会員の栽培技術や販売力向上のため、定期的に研修会を開催 しています。平成 26 年 1 月 23 日に開催された会員研修会では、「いま注目の野菜最新情 報」と「短期間で収穫販売できる果樹づくり」について当課職員が説明を行ったほか、産 直物産市の企画及び運営管理を行っている「株式会社とまとプラス」による講演が行われ ました。 「いま注目の野菜最新情報」では、調理が簡単な品種や、少人数家族向けのサイズの小 さい品種について、また、人目を引きやすい鮮やかな彩りの品種などを紹介しました。 また、産直まゆの郷がある新庄市は冬期間の積雪量が非常に多いため、果樹栽培に取り 組む会員が少なく、果物の品揃えが少ないことから、「短期間で収穫販売できる果樹づく り」の研修、冬場の管理と薬剤防除が比較的少なくて済む、新規栽培者が取り組みやすい 品目を中心に説明を行いました。参加者からは、既存の品目(柿、ぎんなん、梅など)の 管理等、幅広い質問が出され、果物の販売について興味が高いことが感じられました。 農業技術普及課では引き続き、直売所の魅力向上と目玉商品づくりを支援していきます。 研修会の様子 3 ○「新規就農応援フォーラム 2014」を開催 分 野:普及活動 所 属:西村山農業技術普及課 連 絡 先:0237-86-8248 氏 名:仲川 明 平成 26 年 1 月 15 日、寒河江市内において西村山地区の新規就農者等を対象とした「新 規就農応援フォーラム 2014」を開催し、新規就農者・希望者 25 人を含む約 70 人が参加 しました。 第 1 部の研修会では、JA さがえ西村山すもも部会長で大江町就農研修生受入協議会(通 称「OSIN の会」)会長の渡辺誠一さんより活動を紹介していただき、次いで、青年農業士 で新規参入による花き経営に取り組んでいる横山愛さん(天童市)と西村山若手さくらん ぼ研究会会長を務める高橋彦太さん(寒河江市)から事例報告を受けました。 続く第 2 部の営農相談会では、農業士、農業委員、市町担当者及び普及課職員が新規就 農者の個別相談に応じました。 参加者には新規就農に向けて研修中の方や今年の春から新規参入を予定されている方 もいます。農業技術普及課では、新規就農者の地域定着を図るため、西村山地方農業士会 と連携し、研修会や相談活動などの支援を行っていきます。 渡辺誠一氏による活動紹介 営農相談会 4 ○就農予定者を対象に農業経営開始相談会を開催 分 野:普及活動 所 属:村山農業技術普及課 連 絡 先:023-621-8278 氏 名:西村 真紀子 平成 26 年 1 月 29 日、村山総合支庁講堂にて、来年度就農予定の方を対象に、平成 25 年度農業経営開始相談会を開催しました。 この相談会は、就農予定者がスムーズに営農を開始し定着するために、就農に関する疑 問や不安の解消、就農計画の具体化、就農支援制度に関する情報収集を支援する目的で開 催したものです。 当日は、来年度就農予定の 17 名と新規就農を支援する関係機関・団体並びに東南村山 農業士会、青年農業者組織が出席しました。 第一部では、認定就農者や青年就農給付金制度、農業経営実践講座等の支援制度や就農 後の研修について情報提供を行いました。 第二部では、就農予定者と個別面談を行い、就農に向けた疑問や制度に関する質問に一 つひとつ答えていきました。また、専門技術相談ブースを設け、取組品目ごとに農業技術 普及課の担当者と技術相談を行いました。 就農直後は、栽培技術や経営管理など様々な課題に直面します。この相談会でのつなが りをきっかけに、課題の解決を図りながら目標とする農業経営に向かって前進していただ ければと考えています。 農業技術普及課では、今後も新規就農者の経営開始、早期の経営安定、地域での定着に 向けて支援してまいります。 就農者と関係機関との個別面談 和やかな雰囲気の専門技術相談 5 ○自分の米の味を確かめよう!農業青年クラブ「酒田アグラー」が新米食味コンテストを開催 分 野:普及活動 所 属:酒田農業技術普及課 連 絡 先:0234-22-6521 氏 名:加藤 優来 平成 26 年 1 月 20 日、酒田飽海地区農業青年クラブ「酒田アグラー」が、各自が生産し た米を持ち寄り、新米食味コンテストを行いました。 「自分が生産している米に自信を持つことが大事であり、自分の米を語れるようになろ う」という趣旨のもと、「はえぬき」、「つや姫」、「ササニシキ」、「あきたこまち」の 4 品 種を食べ較べました。 食味官能試験による審査を行った後、お互いに意見交換し、「この品種のこの特徴が特 に優れていておいしい」、 「いつも食べ慣れていない品種を食べてとても新鮮」と刺激を受 けていました。食味は「つや姫」を筆頭にどのサンプルも基準米を上回る結果となり、そ れぞれが自分の米づくりに自信を持ち、平成 26 年の良食味米生産に向けて気持ちを引き 締めていました。 農業技術普及課では、今後とも「酒田アグラー」の生産意欲向上と、高品質・良食味米 生産に向けた取り組みを支援していきます。 食味コンテスト 6 試食中 ○庄内「干し柿」の里づくり検討会を開催 分 野:普及活動 所 属:庄内農業技術普及課 連 絡 先:0235-64-2103 氏 名:田村 彩子 平成 26 年1月 21 日、庄内地域で干し柿加工に取り組む生産者が一堂に会し、庄内「干 し柿」の里づくり検討会を開催しました。この検討会は、流通販売事業者等との交流を通 して、実需者ニーズの把握や新たな販路の開拓を目指し、また、競争力のある干し柿生産 に向けて情報交換を行い、庄内「干し柿」のブランド化につなげることをねらいとして開 催したもので、75 名が参加しました。 会場には 22 点の干し柿加工品が展示され、出品者が各自 PR しながら実需者との情報交 換や交流を行いました。参加者全員で試食と相互評価を行い、加工技術の情報交換も行い ました。その後、生産者側から、今年度の干し柿生産の取組みについての事例紹介があり、 実需者側からは、おいしい山形プラザと(株)元青果から、売れる干し柿の条件や市場の動 向について情報提供いただきました。 意見交換では、生産者から「互いに情報公開しながら地域全体でレベルアップし庄内干 し柿の評価を向上させたい」、実需者からは「売れ筋商品の形態や販売戦略をいかに構築 するか」など様々な提案をいただきました。3 ヵ年継続して指導をお願いしている農学博 士の古田道夫氏からは、商品のレベルが年々向上してきたとの講評と、更なるレベルアッ プのポイントや、地域の統一ブランドづくりに向けてアドバイスをいただきました。 今後も地域の生産者及び関係機関と連携しながら、各種研修会などを通して庄内「干し 柿」の産地化に向けて支援してまいります。 干し柿の相互評価&生産者、実需者との交流会 7 生産者と実需者の意見交換 ○「置賜地域就農予定者研修・相談会」を開催 分 野:普及活動 所 属:置賜農業技術普及課 連 絡 先:0238-57-3411 氏 名:石澤 孝司 平成 26 年 1 月 10 日、南陽市沖郷公民館において「平成 25 年度置賜地域就農予定者研 修・相談会」を開催しました。東南置賜農業士会の後援を受け、西置賜農業技術普及課と 共催で実施したものです。 農業に関心があり就農を希望又は予定している方を対象に、就農の円滑な推進を図るこ とを目的に実施したもので、就農予定者 20 名が参加しました。 内容は、(1)先輩から学ぶ、(2)関係機関紹介、(3)支援制度紹介、(4)就農相談からなり、 青年農業士の話に対して、経営の状況や集落の方との交流方法などの質問が出されました。 また、就農相談では関係機関とともに個別に相談を受けました。 農業技術普及課では、今後とも農業士会、関係機関等と連携しながら、円滑な就農が図 られるよう支援していきます。 開会行事 青年農業士の講話 参加者からの質問 就農相談(個別相談) 8 ○東日本農業大学校等プロジェクト発表会 分 野:農大情報 所 属:農業大学校 連 絡 先:0233-22-1527 氏 名:鴨田 一作 「平成 25 年度東日本農業大学校等プロジェクト発表会・交換大会」 (平成 26 年 1 月 22 日~23 日、岩手県立農業大学校)において、意見発表の部で、稲作経営学科 2 年の齋藤 慎君が最優秀賞(第 1 位)を、野菜経営学科 1 年の須藤智史君が優秀賞(第 2 位)を受賞 しました。 同大会では、北海道・東北の 6 つの農業大学校等の代表者がプロジェクト発表の部で 15 課題、意見発表の部で 11 課題について発表を行ないました。この中の上位入賞者が全 国大会出場となり、意見発表の部では本校の 2 名が東日本ブロック代表として全国大会に 出場します。意見発表の全国大会出場は 4 年連続です。 今後、国立オリンピック記念青少年総合センター(東京都渋谷区)で全国大会が開催さ れます。東日本大会に引き続き、全国大会においても活躍が期待されます。 意見発表の部で最優秀賞を受賞した齋藤慎君(右から 1 人目)と 優秀賞を受賞した須藤智史君(右から 2 人目) 9 【土地利用型作物】 ○宮城県への視察研修で更なる良食味「つや姫」栽培へ意識が向上 分 野:普及活動 所 属:西村山農業技術普及課 連 絡 先:0237-86-8215 氏 名:原田 博行 「日本一のつや姫産地」を目指し、「厳選つや姫」や「つや姫ヴィラージュ」など独自 の取組を行っている JA さがえ西村山には、毎年県内外各地から視察が訪れています。特 に宮城県の「JA 栗っこ」からは、何度も視察に来県するなど、生産者や JA 間での交流が 深まっていました。 そのような縁から、JA さがえ西村山つや姫栽培研究会では、宮城県における「つや姫」 の取組状況を学び、宮城・山形両県の生産者間の交流を深めるため、平成 26 年 1 月 21 日に JA 栗っこへの視察研修を行いました。 当日は、当普及課、JA のほか、栽培研究会の役員を中心に 20 名が参加し、JA 栗っこ志 波姫支店を会場に、JA 栗っこ関係者、つや姫生産者、宮城県栗原農業改良普及センター の担当者など、約 20 名との情報交換を行いました。 研修では、「宮城県におけるつや姫作付方針」について説明を受けた後、宮城県の生産 者から「つや姫」栽培への取組概要や、施肥試験へ取り組んだ結果などのお話をいただき ました。その後の情報交換では、両県の生産者から、施肥対応や刈取対応、調製の仕方等、 良食味「つや姫」の生産に向けた具体的な質問や意見の交換がなされました。 宮城でも山形に負けない高い意識で安心・良食味な「つや姫」生産に取り組んでいる状 況を目の当たりにし、参加者は「つや姫」の主産県として負けてはいられないとの認識を 新たにして研修を終えました。 今後農業技術普及課としても、つや姫研究会、JA 等関係機関との連携を深め、良食味 「つや姫」の生産に向け、より一層支援を行っていきます。 JA 栗っこ視察研修の模様 10 ○「置賜地域山形つや姫マイスターの会」流通・販売情勢調査を実施 分 野:普及活動 所 属:西置賜農業技術普及課 連 絡 先:0238-88-8216 氏 名:矢野 真二 「置賜地域山形つや姫マイスターの会」では、より良い「つや姫」を作るために日々活 発に活動しています。 その活動の一環として、つや姫マイスター7 名が参加し、平成 26 年 1 月 28~29 日に東 京都内の米卸会社や小売店で、「つや姫」流通・販売情勢調査を行いました。 「つや姫」ブランド化戦略への評価や、ライバルとなる他産地米との関係、特徴のある お米の売り方とはどのようなものか、「置賜地域」がどれくらい消費地で知られているか 等、米卸や小売店それぞれの立場から率直な話を聞くことができました。 消費者の間で「つや姫がおいしい。」と評判であることを再確認できた一方で、ブラン ド化へ向けてまだまだ油断できないことなど、地元にいては気付かないような様々な意見 にふれ、感心や戸惑いを抱いたようでした。 このような様々な意見も「つや姫」への期待と受け止め、地域の栽培リ-ダーとして、 より良い「つや姫」づくりのために生かしていくことと思います。 農業技術普及課では、今後もより良い「つや姫」づくりのための活動を支援していきま す。 都内小売店での視察 米卸会社との意見交換 11 ○「2014 米づくりフォーラム in 庄内」大盛況でした! 分 野:普及活動 所 属:庄内農業技術普及課 連 絡 先:0235-64-2103 氏 名:佐藤 久実 「山形の米日本一運動庄内地域本部※」は、平成 26 年 1 月 14 日に「なの花ホール」 (三 川町)で「2014 米づくりフォーラム in 庄内」を開催しました。米を取り巻く最新の情勢 や農産物のブランド確立の取組みから、今後、安定的な農業経営を継続していくために生 産者及び農業関係者が考え取り組むべきことは何かを学ぶものです。 講師は、ホクレン農業協同組合連合会米穀事業本部米穀部主食課長の南章也氏、山形県 農業総合研究センター水田農業試験場長の大渕光一氏、鶴岡市農林水産部次長の佐藤毅氏 の 3 名で、具体的な取り組みやデータをご紹介いただきながら、以下のような助言を得ま した。 (1)売り先を見据えながら米を生産する意識を強く持つこと。 (2)販売に関するアンテナを高くすること。 (3)自分の米はどのように他の米と差別化できるのかを客観的かつ具体的に説明できるよ うにすること。そのために他商品についてよく知ること。 (4)川上(生産者)~川下(消費者)のコミュニケーションを密にすること。 (5)旗印たる品種のブランド力を高めるための努力を皆ですること。各々が危機感を持ち 生産・販売に臨むこと。 当日は、200 名の定員に対し 280 名の参加があり、急遽座席を増やして対応しました。 また、予定時間を超過するほどの活発な質疑応答があり、関心の高さ、意識の高さが窺え ました。 農業技術普及課では、今後も、関係者と連携し、庄内地域の米づくりを支援してまいり ます。 ※ 山形の米日本一運動庄内地域本部:生産、流通・販売、試験研究、行政等の各関係機関が連携し、庄内 地域における米づくりの振興に取り組むもの。 多数の参加者が熱心に講演に耳を傾けました。 12 【園芸特産づくり】 ○紅秀峰のブランド化にむけて発進 分 野:普及活動 所 属:西村山農業技術普及課 連 絡 先:0237-86-8287 氏 名:堀 雅彦 西村山地域、特に寒河江市は、さくらんぼ「紅秀峰」の栽培が盛んな地域で、市や JA、 普及課をあげて振興に取り組んでいます。 寒河江市の「紅秀峰」の栽培面積は急激に増加し現在の栽培面積は 40ha となっており、 「佐藤錦」に次ぐ品種になっています。数年後には収穫量が大幅に増加することが見込ま れます。 市内でも最も栽培面積が多い三泉地区では、食味が良く品質の高い「紅秀峰」を特別に 販売し、ブランドとして確立する方法を検討してきました。昨年秋から何度も話し合いを 重ね、この度「紅秀峰ルビーの会」を設立することになりました。 平成 26 年 1 月 17 日に、16 名の有志を会員とし、発起人の一人である土田彦雄氏が会 長となり、めでたく設立の運びとなりました。この設立総会には、寒河江市の佐藤市長を 始め JA さがえ西村山の古沢組合長も出席し、この会に「紅秀峰」の牽引役としての大き な期待などが寄せられています。 会で定める栽培基準に沿って生産されたものの中から、大きさが 2L 以上かつ特秀以上 の果実を厳選し、「初夏のルビー」と命名して高級果実専門店で販売することを計画して います。 今後、「紅秀峰」を名実ともに寒河江を代表する品種に育てていくため、農業技術普及 課も生産者と一丸となって振興を図っていきます。 「紅秀峰ルビーの会」設立総会 13 ○「おきたま旬の花産地めぐり(啓翁桜)」を開催 分 野:普及活動 所 属:置賜農業技術普及課 連 絡 先:0238-57-3411 氏 名:齋藤 梓 平成 26 年 1 月 30 日に、置賜総合支庁産業経済部主催で山形県南生花商組合及び JA 山 形おきたまとの共催により、高畠町内の「啓翁桜」促成室及び高畠ワイナリーをめぐる、 「おきたま旬の花産地めぐり(啓翁桜)」を開催しました。 置賜産「啓翁桜」は主に九州、関東、関西に出荷されていますが、地元への出荷は直売 が中心です。本イベントでは、地元の実需者である山形県南生花商組合に置賜産「啓翁桜」 の魅力を知ってもらい、需要拡大につなげることをねらいとし、「啓翁桜」の生産者、生 花商や JA・県関係機関等、約 30 名の参加のもと行われました。 現地検討 1 箇所目の「啓翁桜」促成室では、きめ細やかな促成管理作業による良質生産 への取組みを紹介しました。2 箇所目の高畠ワイナリーでは、「冬の啓翁桜回廊」のイベ ントで高畠町の生産者(佐藤庄一氏)が提供・飾花している「啓翁桜」を視察しました。 見学通路の両脇が長物(3 メートル級)の「啓翁桜」による回廊となっており、多くの観 光客の目を楽しませています。 置賜総合支庁農業技術普及課にもどっての意見交換会では、生産者、生花商双方から、 品質、規格そして栽培方法について質問や意見が出され、今後の出荷先の検討や出荷調整 作業に役立つ情報が得られました。 また、これから、米沢市伝国の杜で置賜産「啓翁桜」を活用した「啓翁桜フェア」が開 催されるため、多くの方に足を運んで頂けるよう現在準備をすすめております。 農業技術普及課では、関係機関と連携し、今後も継続して、置賜産「啓翁桜」の品質向 上並びに需要拡大に向けた取組み等の支援をしてまいります。 「啓翁桜」促成室での 現地検討 高畠ワイナリーでの 現地検討 「冬の啓翁桜回廊」 (高畠ワイナリー) 14 意見交換会 ○地域資源を活かして特産品づくりを!「啓翁桜」とわらびの視察研修を実施 分 野:普及活動 所 属:酒田農業技術普及課 連 絡 先:0234-22-6521 氏 名:高橋 佳孝 酒田農業技術普及課では、遊佐町杉沢地区を対象に、中山間地の活性化と地域資源を活 用した逸品づくりを目指して、「啓翁桜」やわらびの生産振興を図ろうとしています。平 成 26 年度の「農と食による地域の魅力創造事業」の事前調査として、平成 26 年 1 月 31 日に杉沢地区の生産者を含めた 17 名で、 「啓翁桜」とわらびに関する視察研修を行いまし た。 「啓翁桜」については、日本一の産地である東根市農業協同組合さくらセンターを視察 し、関山花木組合の組合長と農協の担当者から、促成時の管理技術や共同管理体制につい て説明を受けました。大規模な促成施設を目にした参加者は、最初は圧倒されつつも、今 後の管理の参考にすべく具体的な管理のポイントについて熱心に質問していました。 わらびについては、最上総合支庁産地研究室の担当者から、早期成園化技術について説 明を受け、効率的な苗生産・株養成方法から、実際の耕作放棄地における成園化の事例紹 介を受けました。 帰りのバスの中で行った反省会では参加者全員が感想を発表し、「次年度に「啓翁桜」 の苗木を定植するので、数年後には今日見たような立派な枝を出荷したい。」 「杉沢地区を 第二の花見山にし、人を集めて地域を活性化したい。」 「どんな系統のわらびを増やせば良 いのかよく分かった。」といった頼もしい感想が挙げられました。 「啓翁桜」とわらびの生 産振興を通じて中山間地域の活性化を図るため、当課は引き続き支援を行っていきます。 東根市農業協同組合のさくらセンターを視察 最上産地研究室でわらびの早期成園化技術 について研修 15 【地域づくり】 ○おいし~い!加工品のブラッシュアップ研修会を開催! 分 野:普及活動 所 属:酒田農業技術普及課 連 絡 先:0234-22-6521 氏 名:岡 真輪 平成 26 年 1 月 22 日に、東京都銀座にある山形県アンテナショップ「おいしい山形プラ ザ」と「株式会社チェリーランドさがえ」の担当者を招き、加工品のブラッシュアップ研 修会を開催しました。研修会には庄内農産加工研究会会員と遊佐町の加工グループ合わせ て 11 組織 12 名が参加しました。アンテナショップでの売れ筋商品の情報交換や、商品の 味や量目、パッケージの改善点などのアドバイスをもらいました。中には、「今週末にで もすぐに納品してもらいたい!」と商談が成立した商品もありました。 庄内農産加工研究会では、今後、「おいしい山形プラザ」で販売イベントを企画してい ます。「おいしい山形プラザ」のイベントコーナーを利用し、今年で 3 回目の開催となり ます。会員の手づくり加工品を試食販売しながら、庄内や商品の PR、お客様との交流を 行っています。会員は、今回の研修で受けたアドバイスを参考に、より良くなった商品を 持って東京に行きたいと意気込みを新たにしていました。 研修会の様子 商品の特徴を PR 16 【元気な農村女性】 ○農村女性ビジネスネットワーク「山桜ネット」御縁会を開催! 分 野:普及活動 所 属:庄内農業技術普及課 連 絡 先:0235-64-2103 氏 名:阿部 真梨子 平成 26 年 1 月 9 日、鶴岡田川地域の女性農業者で組織する農村女性ビジネスネットワ ーク「山桜ネット」が、御縁会(農村女性起業者交流会)を開催しました。農業の 6 次産 業化の担い手として農村女性による起業活動への期待が高まる中、起業活動の更なる発展 とマンパワーの強化を図るために実施したものです。今年度で 3 回目となり、参加者は 47 名にのぼりました。 御縁会では、名刺交換や加工品の相互評価などの会員同士の交流のほか、Office K&M の池松美千代先生から「見やすく、探しやすく、買いたくなるディスプレイ」と題しお話 いただきました。 講演後には、実際に会員の加工品を使いデモンストレーションを行い、展示と陳列の違 いや展示の重要性について学びました。 参加者からは、「テーマ色を決めたい」「実演で使った小物をすぐに購入したい」「目に 留まるように高さを出した展示をしてみたい」などの感想があり、お客様の購買意欲を高 める商品の見せ方の必要性を感じたようです。 庄内農業技術普及課では、今後も「山桜ネット」を中心とした農村女性起業実践者を対 象にした研修会を開催し、農村女性の経営者としての資質向上に向けた活動を支援してま いります。 会員の加工品を使ったディスプレイの実演の様子 17 【最新の研究・技術】 ○早生の大豆新品種「シュウリュウ(東北 166 号)」の特性について 分 野:試験研究 所 属:農業総合研究センター 連 絡 先:023-647-3500 氏 名:長沢 和弘 大豆は本県の主要な水田転作作物ですが、その収量・品質は低迷しています。早生の「リ ュウホウ」はしわ粒の発生が多く、上位等級比率が低いため、収量・品質に優れる早生の 品種が求められていました。 独立行政法人東北農業研究センターで育成した「シュウリュウ(東北 166 号)」は、県 内における奨励品種決定調査で検討した結果、 「リュウホウ」と同じ熟期の早生で、 「リュ ウホウ」に比べ収量・品質に優れ、ダイズモザイクウイルス病にも強いことがわかりまし た。また、タンパク質含有率が「リュウホウ」より高く、県内の実需者から豆腐・納豆の 加工に適するとの評価もいただいたので、奨励品種(認定品種)に採用する予定です。 農業総合研究センターでは、平成 26 年度から「シュウリュウ(東北 166 号)」の加工適 性に優れた安定多収・高品質生産技術の確立に向けた新規課題に取り組む予定です。 「シュウリュウ」の草姿 粒径の比較(左:シュウリュウ 右:リュウホウ) 18 【経営】 ○農事組合法人「村木沢あじさい営農組合」が地域営農ビジョン大賞を受賞 分 野:普及活動 所 属:村山農業技術普及課 連 絡 先:023-621-8278 氏 名:清野 明子 全国農業協同組合中央会主催の「第 1 回地域営農ビジョン大賞」実践部門において、 「農 事組合法人村木沢あじさい営農組合」が大賞を受賞しました。 地域営農ビジョン大賞は、地域の話し合いで農業の将来像を定める「地域営農ビジョン」 を策定実践する組織の優良事例を表彰し、情報を共有することで、地域営農ビジョンづく りの更なる推進につなげる目的で、今年度新たに設置された表彰事業です。 大賞を受賞した村木沢あじさい営農組合は、作業受託組織を母体に、平成 18 年に県内 初の特定農業団体となり、その後法人化等の組織運営に関する意向把握、集落単位での説 明会の開催、法人化に向けた粘り強い合意形成活動により、平成 25 年 4 月に 245 名の出 資により設立した農事組合法人です。 当組合では、水稲のほか、二年三作体系による大豆・小麦・そばの栽培、玉ねぎ等の園 芸作物の拡大、麦切り・ラーメンなどの加工品販売などに取り組んでいます。また、地産 地消運動、食育活動、地域住民参加型のイベントの実施など、多岐にわたる活動を展開し ているほか、近年は「蔵王かぼちゃ」などの伝統野菜の新規導入、直売所の運営にも力を 入れ、地域の新たな雇用と担い手の育成にも活動の幅を広げています。 このような徹底した話合いや、地域の農業を守り地域を活性化する長年にわたる集落営 農の活動が評価されました。 農業技術普及課では、栽培技術指導や加工技術向上、経営能力向上の支援を行い、法人 運営を支えてきました。今後も、集落営農のモデルとして発展するよう、引き続き法人経 営や 6 次産業化の取組みを支援してまいります。 平成 26 年 1 月 30 日表彰 開沼雅義代表 (写真左) 第 1 回地域営農ビジョン全国研究大会での 事例発表の様子 19 参考:地域毎の情報目次 【農業大学校】 ○東日本農業大学校等プロジェクト発表会・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9 【農業総合研究センター】 ○早生の大豆新品種「シュウリュウ(東北 166 号)」の特性について・・・・・・18 【村山農業技術普及課】 ○ 就農予定者を対象に農業経営開始相談会を開催・・・・ ・・・・・・・・・ 5 ○農事組合法人「村木沢あじさい営農組合」が地域営農ビジョン大賞を受賞・・・・・19 【西村山農業技術普及課】 ○「新規就農応援フォーラム 2014」を開催・・・・・・・・・・・・・・・・・ 4 ○宮城県への視察研修で更なる良食味「つや姫」栽培へ意識が向上・・・・・・10 ○紅秀峰のブランド化にむけて発進・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13 【北村山農業技術普及課】 ○東根市果樹研究連合会冬期研修会を開催・・・・・・・・・・・・・・・・・・1 【最上農業技術普及課】 ○ねぎ産地営農指導員技術向上研修会を開催・・・・・・・・・・・・・・・・ 2 ○産直まゆの郷で野菜・果樹の研修会を開催・・・・・・・・・・・・・・・・・ 3 【置賜農業技術普及課】 ○「置賜地域就農予定者研修・相談会」を開催・・・・・・・・・・・・・・・・ 8 ○「おきたま旬の花産地めぐり(啓翁桜)」を開催・・・・・・・・・・・・・・14 【西置賜農業技術普及課】 ○「置賜地域山形つや姫マイスターの会」流通・販売情勢調査を実施・・・・・11 【庄内農業技術普及課】 ○庄内「干し柿」の里づくり検討会を開催・・・・・・・・・・・・・・・・・ 7 ○「2014 米づくりフォーラム in 庄内」大盛況でした!・・・・・・・・・・・ 12 ○農村女性ビジネスネットワーク「山桜ネット」御縁会を開催!・・・・・・・17 【酒田農業技術普及課】 ○自分の米の味を確かめよう!農業青年クラブ「酒田アグラー」が新米食味コンテストを開催・・・・・ 6 ○地域資源を活かして特産品づくりを!「啓翁桜」とわらびの視察研修を実施・・・・15 ○おいし~い!加工品のブラッシュアップ研修会を開催!・・・・・・・・・・16
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