がんターミナル患者が希望する在宅に移行できた割合

2012年
年報告様式
ナー
ーシングインデ
ディケーターA
A8
がんター
ーミナル患
患者が在宅
宅に移行できた割
割合
がんターミナル期の患
患者の症状は、病状の進行
行に伴い変化
化しやすい。
。看護師は、症状のコン
ントロールを
をは
ら、「患者が希
希望される療
療養場所はど
どこか」を確
確認しながら目標設定を行っていくが
が、患者が「帰
かりながら
りたい」と希望しても予定通りに退院できない
い事がある。
。患者は痛み
みや症状のコ
コントロール
ルのための手
手当
がら様々な感
感情の中で葛藤
藤し、「在宅
宅に移行する
る事は困難だ
だろう」と捉
捉えがちであ
ある。
を受けなが
緩和ケア病
病棟では、患者が在宅療養
養を希望した
た場合、「在
在宅に移行し
しても継続し
して症状緩和
和を受ける事
事が
できる」という情報提
提供を緩和ケアサポートチ
チームと協働
働して行なっ
っている。ま
また、医療機
機器の取り扱
扱い
必要な処置については、具
具体的に示しながら指導
導し、「在宅
宅でもできる
る」というイ
イメージがで
でき
や継続が必
るように関
関わっている。同時に、介
介護者が抱え
える不安や疑
疑問に対して
ても介護力の
の査定を行い
い、社会資源
源を
活用するか
かなどの検討
討と調整につい
いては、関連
連スタッフを
を含めてタイ
イムリーな情
情報交換を行
行い、タイミン
グを逃さず
ずに在宅療養できるように関わってい
いる。
(文中「がんターミ
ミナル」の定
定義をがん性
性疼痛および
び終末期のSTTAS-J評価をしている患者
者とする)
定義
データの定
分子:在
在宅移行できた患者の数
分母:が
がん性疼痛および終末期の STAS-J
J 評価をして
ている患者総
総数
2012 年デー
ータ平均値 40.6%
4
1月
月
2月
3月
4
4月
5月
月
6月
7月
8月
9月
10 月
11 月
12 月
総数
10
9
11
14
14
4
20
15
14
21
21
15
15
5
在宅
4
1
2
5
5
12
9
5
10
11
10
4
転院
0
0
3
1
0
2
1
1
0
1
1
0
死亡
0
8
6
8
9
6
5
8
11
9
4
11
1
40
11
18
35
35
5
60
60
35
47
52
66
26
6
割合
%
(件数
数)
25
20
15
死亡
亡
転院
院
10
在宅
宅
5
0
1月
月
2月
3月
4月
月
5月
6
6月
7月
8月
9月
月
10月
11月
12月
参考データ
2011 年データ平均値 76.5%
評価
2012 年の推移では、がん性疼痛およびがん終末期患者総数が多い月であっても、在宅に移行できた割合は
低下していない。この要因は、2012 年4月より対象患者全員に対して多職種を含めたカンファレンスを定
期に開き、痛みや症状コントロールの状況を把握した上で、患者と家族の不安やコミュニケーションの情
報交換の早さ・正確さ・充実度についてチームで共有した結果、個々のケースにあった症状コントロール
がされ、総数が多い事や死亡数が多い事に影響を受けずに在宅移行できた事に繋がった。
2011 年度平均値と比べて 2012 年度平均値が低下がみられる要因としては、疼痛に対しての麻薬導入が外
来から開始されているケースの増加、入院時の担送・護送数の増加などから、在宅ベースでの重症化が影
響していると分析する。がんターミナル期の療養先の選択は、症状がコントロールされている上で選択で
きる事であるが、今後は症状コントロールが難治な状態で入院するケースが増加する事が予想される。
そこで次年度は、がん終末期患者の症状マネージメント、特に疼痛コントロールが緩和できているかにつ
いて、STAS―J 評価を指標にしてプランの立案・修正を行なう事で緩和ケアの質の向上をはかる。
参考文献
在宅療養支援のための医療処置管理プロトコール:日本看護協会出版会
がん終末期の家族ケア:日本看護協会出版会
2011 年 8 月 10 日第2版発行
2011 年 2 月 25 日第1版発行
在宅ケアに活かすコーチング:日本看護協会出版会
2007 年7月31日第 1 版発行