健康食品と医薬品の相互作用 (1) :カンカニクジュヨウとその配合製剤の基礎評価:第1 7回日本医療薬学会、2007年9月、長友暁史、西田典永、吉村恵子、仁井本剛、松浦 洋一、浅田雅宣、西村亜佐子、成橋和正、大西憲明、芝田信人 【概要】健康志向の高まりや特定保健用食品 (トクホ) の登場により健康食品市場は急速 に成長しており、有効性についてのエビデンスの取得は進んできているものの、医薬品と の相互作用情報は不足している。そのような背景の下、演者らは医療現場に従事する医師・ 薬剤師への適切な情報提供を行い、健康食品と医薬品との相互作用による事故を未然に防 ぐことを目的とし、鋭意研究を進めている。カンカニクジュヨウ〔 Cistanche tubulosa (SCHRENK) R. WIGHT〕は中国において滋養強壮や更年期障害の予防・改善、脳機能の活性 化および痴呆の予防などに用いられている生薬である。本研究では、カンカニクジュヨウ および本生薬を含む 3 種の生薬エキス (カンカニクジュヨウ、コウジン、マカ) 配合製剤 が、高血圧・狭心症治療薬ニフェジピンの体内動態に及ぼす影響について検討した。 試験前日、Wistar/ST 系雄性ラット (体重約 300g、9-12 週齢) の頚静脈にカニューレを 施し、一晩絶食後、実験に供した。被験物を経口投与した 30 分後にニフェジピンを経口投 与し、非拘束下でカニューレより経時的に採血した。血中ニフェジピン濃度を定量し、モ ーメント解析により薬物速度論的パラメータを算出した。 カンカニクジュヨウエキスの投与により、ニフェジピンの最高血中濃度および血中濃度 曲線下面積が対照群に比べ増加傾向を示した。一方、カンカニクジュヨウ配合製剤の投与 により、最高血中濃度の低下および最高血中濃度到達時間の延長傾向が認められたが、血 中濃度曲線下面積は変化しなかったことから、ニフェジピンの吸収が遅延していることが 示唆された。以上より、カンカニクジュヨウおよびその配合製剤が、薬物代謝酵素 CYP3A により代謝される医薬品の体内動態に影響を及ぼす可能性は低いことが示唆された。
© Copyright 2025 ExpyDoc