(20) 券売所・券売機・自動預払機 <設 置> 券売所、券売機又は自動預

(20)
券売所・券売機・自動預払機
<設
○
置>
券売所、券売機又は自動預払機(以下「券売機等」という。)を設ける場合は、障害者等に
配慮した券売機等を少なくとも1か所以上設ける。
○
視覚障害者、車いす使用者に対応する券売機は、それぞれ別に設けることが望ましい。
<規格等>
○
券売所のカウンターの高さは、100㎝以下とする。
○
金銭投入口の高さは、100㎝程度とし、少なくとも40㎝から125㎝の範囲内に設ける。
○
取り出し口の高さは、70㎝程度とし、少なくとも40㎝から100㎝の範囲内に設ける。
○
車いす使用者が接近しやすいように、け込みを設ける。
<視覚障害者の誘導>
○
券売機及び自動預払機は、操作盤に点字を併記するなど、視覚障害者の利用に支障のない構
造とする。
○
視覚障害者が使用できる券売機等に至る通路には、誘導用床材により誘導する(誘導用床材
は「(17)視覚障害者誘導用床材」の項に定める構造とする。)。
(21)
○
窓口標示(光標示)
大規模な窓口等の呼び出しカウンターは、音声等のほかに、電光掲示板等視覚による呼び出
し装置を設置する。
(22)
○
電話台等
電話機のプッシュボタンの中心が、床から90㎝∼100㎝の高さになるよう、電話台の高
さは70㎝程度とする。
○
電話台の下部は、車いす使用者の膝が入るよう高さ65㎝程度のスペースを確保する。
○
視覚障害者用ダイヤル、聴覚障害者用音量増幅装置付受話器及び上肢の巧緻障害者用プッシ
ュホン式等の電話機や言語障害者用にファックスを設置することが望ましい。
(23)
○
ポストの投入口の高さは、120㎝以下とする。
(24)
○
ポスト(投入口)
観覧席・客席
観覧席又は客席を有する施設は、車いすの出入りしやすい位置に、車いすのまま観覧できる
スペース(以下「車いす席」という。)を確保し、車いす席の利用中であっても他の利用者の
妨げにならないよう配慮する。
○
車いす席は、1席あたり幅85㎝程度奥行き110㎝程度とする。
○
車いす席には、隣り合う介護者用の席を併設する。
○
難聴者のため、磁気ループやFM受信装置等の集団補聴設備を設置することが望ましい。
(25)
屋上・バルコニー
○
床面には、段差を設けない。
○
車いすで回転できるスペースを確保する。
○
屋上への出入口及びバルコニーには、屋根又はひさしを設ける。
○
床面は、ぬれても滑りにくい仕上げとする。
(26)
標示・誘導
○
掲示板、案内板等は、見やすい位置及び高さに通行の支障とならないように設置する。
○
掲示板、案内板等は、必要に応じひらがなやローマ字を併記する。
○
誘導用床材を設置する(誘導用床材は「(17)視覚障害者誘導用床材」の項に定める構造とす
る。)。
○
必要に応じ、触知図、点字プレート、音声による案内及び音声や放送による誘導を行う。
(27)
○
緊急時の設備
警報装置は光及び音によって非常事態の発生を告げる装置とし、自動火災報知器と連動させ
る。
○
非常口に段差は設けない。
○
防火扉は、有効幅員85㎝以上とし、弱い力でも開けることができるものとする。
○
防火扉に取手を設ける場合は、ノブ式(握玉)のものは設けない。
○
防火扉は、車いす使用者などの通行に支障のないよう配慮する。
○
車いす使用者等のため、各階に一時避難用バルコニー等を設置することが望ましい。
(28)
○
公共的通路(公開空地等)
道路又は隣地の公開空地等から敷地内又は建築物内を経由して、道路又は隣地の公開空地等
に通ずる公開空地等のうち、専ら歩行者等の利用に供する通路を公共的通路とする。
○
公共的通路は、250㎝以上の高さ空間を確保する。
○
公共的通路は、車いす同士が容易にすれ違えるよう、有効幅員を200㎝以上確保する。
○
公共的通路は、段差を設けない。やむを得ず段差が生じる場合は傾斜路を併設する(傾斜路
は「(3)傾斜路」の項に定める構造とする。)。
○
床面は、平坦で滑りにくい構造とする。
○
必要に応じ、誘導用床材を設置する(誘導用床材は「(17)視覚障害者誘導用床材」の項に定
める構造とする。)。
(29)
参考資料
①
国際シンボルマーク
◇
1969年、アイルランドのダブリンで開催された国際リハビリテーション協会の評議員会
で、この国際シンボルマークが制定された。
このマークは、
○
建築上の障害がなく、障害者が容易に利用できる建物及び施設であることを示す。
○
障害者の生活圏の拡大運動の啓蒙を意図している。
◇
マークの基準
○
寸法は、10㎝角以上、45㎝角以内が望ましい。
○
色調は、ブルー又は黒地に白のマーク、又はその逆とする。
◇
マーク掲示の最低条件
○
玄関廻りは、階段がないか、又は階段のほかに傾斜路を設置する。
○
出入口は、80㎝以上開くものとする。回転ドアの場合は、別の入口を併設する。
○
室内外を問わず、階段の代わりに、又は階段のほかに傾斜路を設置する。
○
傾斜路の勾配は、12分の1以下とする。
○
通路及び廊下の有効幅員は、130㎝以上とする。
○
便所は、車いすで使用できるものとする。
○
エレベーター入口の有効幅員は、80㎝以上とする。
②
車いすの規格
1大車輪
2ハンドリム
3小車輪
4背もたれ
5にぎり
6座席
7ひじあて
8ブレーキ
9レッグレスト
10フットレスト
11がわあて
12たすき
13ハブ
(単位:㎝)
記号
A
B
C
D
E
F
G
H
I
J
K
L
M
N
名
称
全長
原点∼フットレスト
座席奥行き
全高
座席∼ひじ
床∼座席
大車輪径
小車輪(キャスター) 径
床∼フットプレート
フットレスト調節範囲
全幅
座席幅
背もたれ高
折り畳み幅
JIS規格
大
型
106以下
65以下
40∼43
98以下
20∼22
45
24インチ
20
9以上
65以下
40
43以上
32以下
小
型
57以下
34∼35
98以下
18∼20
40
20インチ
18・15・12.5
23以上
9以上
58以下
33
40以上
32以下
③
車いす使用者の基本事項
○
戸の有効幅員は、85㎝以上
○
垂直段差は、2㎝が限度
○
通路の有効幅員は、120㎝以上
○
床のすき間や溝は、幅1㎝以下
○
横に移動できない。
○
手の届く範囲が狭い。
○
床面は、滑りにくい構造とする。
○
車いす使用者の動作範囲
(この実測値は男子の標準的寸法である:単位㎜)
○
通路に必要な幅
車いす1台通行の適正幅と
車いすと歩行者とのすれ違い
最低幅
適正幅と最低幅
車いす2台のすれ違い適正幅
○
車いす動作空間(平面)
※
非常に時間をかけてよければ、何度も切り返すことによって135㎝角でも180°
回転が可能である。(普通型車いすの場合)
車軸中央を回転の中心として180°
90°回転に必要な最小空間
回転するのに必要な最小空間
最小の回転円、直径150㎝
90°の角を曲がるのに必要な最小空間
90°回転最小空間、150×180㎝
360°回転、210×210㎝
(片まひ用車いす、電動車いす)
180°回転最小空間、180×190㎝
(片まひ用車いす、電動車いす)
④
杖使用者の基本動作
○
戸の有効幅員は、85㎝以上
○
通路の有効幅員は、120㎝以上
○
床のすき間や穴は、直径1.5㎝以下
○
階段の有効幅員は、120㎝以上
○
階段の端部の立上げは、5㎝以上
○
床面は、滑りにくい構造とする。滑らかすぎると転倒の原因となる。
○
低い所に手が届かない。しゃがむことができない。
○
横に移動できない。
○
歩行に際し横揺れがある。
○
杖使用者の必要寸法
⑤
視覚障害者
○
視覚障害者は、主に聴覚及び触覚から情報を受け行動するため、誘導用床材、点字標示、
音などによって、建物内外の誘導、案内、危険等の注意喚起を行う。
○
⑥
建物の種類、利用方法等に応じて、建物内の案内等は、介助によることも考慮する。
聴覚障害者
○
聴覚障害者は、主に視覚から情報を受け行動するため、窓口に電光等による受付番号標
示や緊急時の連絡等は、光の明滅による方法をとる。
⑦
誘導のための標示
<移動障害者>
○
車いすや杖などを使用する移動障害者には、車いす用便所、車いす等で使用できるエレ
ベーター、スロープ等の配慮がなされている施設及び設備までの案内が必要である。
○
案内板は、一般健常者用のものでよいが、車いす使用者の目線を考慮し、標示位置の高
さに注意し、水平面の標示を避ける。
<視覚障害者>
○
全盲者は、点字や触図による標示が必要である。
○
弱視者は、文字を大きくし、明度や彩度によるコントラストを強調するなどの工夫が必
要である。標示板の裏から蛍光灯で照らしたり、電光掲示板を用い、目の高さで接近でき
るサインが望ましい。また、明朝体など、文字の太さが変わる字体は避ける。
○
音による誘導は大変わかりやすく、主要な出入口、案内板などの各種目標物へ、誘導鈴
などにより誘導する。また、無線送受信機による音声誘導装置を用いて行う方法もある。
○
点字による案内も効果的である。
(a) 点字案内板(触知図)
点字案内板は、各階の主要な部屋、通路、階段やエレベーターなどの位置を、点字や
手ざわりで理解できるようにしたもので、特に平面図の入ったものを触知図という。触
知図等は、やや傾斜のついた平面状に取り付けたものが使いやすい。
また、インターホンなどの音声案内を併設したものも有効である。
(b) 室名標示板
部屋、便所、階段等に名称や現在位置を示す点字板を設置する。
取り付け高さは、床面より130㎝から140㎝程度とする。
手すりに点字標示する場合は、手すりと平行に設置する。
戸の廊下側に、部屋番号などを浮き上がった文字で標示する。
<聴覚障害者>
○
健常者の案内板と兼用でよいが、わかりやすい位置に設置する必要である。
○
火災等の非常時に、ランプの明滅やフラッシュ等によって、災害の発生を視覚により聴
覚障害者に伝えるよう配慮する。
<その他の障害者等>
○
かなや絵文字、ローマ字などを併記する。