特別支援学校小学部・中学部 学習指導要領の改訂について 徳島県教育委員会 第1章 総則 小学部・中学部学習指導要領第1章総則において は、教育目標を定めるとともに、教育課程の編成、 実施について、各教科等にわたる通則的事項を示し ている。したがって、各学校においては、総則に示さ れている事項に従い、創意工夫を加えて教育課程を 編成し、実施する必要がある。 ・ 十分に総則を参照ください。 第1節 教育目標 小学部及び中学部における教育については、学校教育 法第72条に定める目的を実現するために、児童及び生徒の 障害の状態及び特性等を十分考慮して、次に掲げる目標の 達成に努めなければならない。 1 小学部においては、学校教育法第30条第1項に規定する 小学校教育の目標(小学校に準じる) 2 中学部においては、学校教育法第46条に規定する中学 校教育の目標(中学校に準じる) 3 小学部及び中学部を通じ児童及び生徒の『障害による 学習上又は生活上の困難』を改善・克服し自立を図るた めに必要な知識、技能、態度及び習慣を養うこと。 (特別支援学校独自の目標) 第2節 教育課程の編成 第 1 一般方針 第1 一般方針(前段) 各学校は、教育基本法、学校教育法及び学習 指導要領に掲げる目標を達成するよう教育を行う 必要があることが明確になった。(法令等に従う) 学習指導要領は、国が定めた教育課程の基準 であり、各学校における教育課程の編成及び実 施に当たって基準として従わなければならないも のである。 第1 一般方針(後段) 基礎的・基本的な知識及び技能を確実に習得させ、これら を活用して課題を解決するために必要な思考力、判断力、表 現力その他の能力をはぐくむとともに、主体的に学習に取り 組む態度を養い、個性を生かす教育の充実に努めなければ ならない。その際、児童又は生徒の発達の段階を考慮して、 児童又は生徒の言語活動を充実するとともに、家庭との連携 を図りながら、児童又は生徒の学習習慣が確立するよう配慮 しなければならない。 • • • • 小学部・中学部(義務教育9年間)の教育の連続性 児童生徒の障害の状態及び発達段階や特性等を考慮 学校と地域の連携 「生きる力」の理念の説明等が解説で詳しく説明されている。 新規 道徳教育 小学部において道徳教育を進めるに当たっては、教師と児童及び児童 相互の人間関係を深めるとともに、児童が自己の生き方についての考え を深め、家庭や地域社会との連携を図りながら、集団宿泊活動やボラン ティア活動、自然体験活動などの(略)特に児童が基本的な生活習慣、社 会生活上のきまりを身に付け、善悪を判断し、人間としてしてはならないこ とをしないようにすることなどに配慮しなければならない。 中学部において道徳教育を進めるに当たっては、教師と生徒及び生徒 相互の人間関係を深めるとともに、生徒が道徳的価値に基づいた人間と しての生き方についての自覚を深め、家庭や地域社会との連携を図りな がら、職場体験活動やボランティア活動、自然体験活動などの(略)その際、 特に生徒が自他の生命を尊重し、規律ある生活ができ、自分の将来を考 え、法やきまりの意義の理解を深め、主体的に社会の形成に参画し、国際 社会に生きる日本人としての自覚を身に付けるようにすることなどに配慮 しなければならない。 ・ 従前と比べると書き込みが多い。 ・ 小学部・中学部別の内容示している。 ・ 小学校学習指導要領解説と小学校学習指導要領解説を十分参照にして ください。 体育・健康に関する指導 3 学校における体育・健康に関する指導は、児童又は生徒の発達の段階 を考慮して、学校の教育活動全体を通じて適切に行うものとする。特に、 学校における食育の推進並びに体力の向上に関する指導、安全に関す る指導及び心身の健康の保持増進に関する指導については、小学部の 体育科及び中学部の保健体育科の時間はもとより、小学部の家庭科(知 的障害者である児童に対する教育を行う特別支援学校においては生活 科、中学部の技術・家庭科(知的障害者で)ある生徒に対する教育を行う 特別支援学校においては職業・家庭科)特別活動、自立活動などにおい てもそれぞれの特質に応じて適切に行うよう努めることとする。(略)。 • 食育推進と安全に関する指導を追加 • 児童生徒の発達の段階を考慮して学校教育活動全体として取り組むこと が必要であることを強調したものである。 新規 自立活動 4 学校における自立活動の指導は、障害による学 習上又は生活上の困難を改善・克服し、自立し社会 参加する資質を養うため、学校の教育活動全体を通 じて適切に行うものとする。 自立活動の指導は、学校の教育活動全体を通じて行 うものであり、自立活動の時間における指導は、その一 部であることを理解する必要がある。 第2節 教育課程の編成 第2 内容等の取扱いに関する共通事項 内容等の取扱いの原則 1 ・ 第2章以下に示す各教科、道徳、外国語活動、特 別活動及び自立活動の内容に関する事項は、特に 示す場合を除き、いずれの学校においても取り扱わ なければならない。 「特に示す場合」とは、各教科等の中では、詳しく学習条件 を示されている場合があるそれが該当する。 ・ 第1章総則第2節第5「重複障害者等に関する教育課程の 取扱い」にも規定しているので留意 内容等の取扱いの原則 2 学校において特に必要がある場合には、第2章以下に示していない内容 を加えて指導することができる。(略)学校において特に必要がある場合に は、この事項にかかわらず指導することができる。ただし、これらの場合に は、第2章以下に示す各教科道徳、外国語活動、特別活動及び自立活動並 びに各学年、各分野又は各言語(知的障害者である児童又は生徒に対する 教育を行う特別支援学校においては、各教科、道徳、特別活動及び自立活 動)の目標や内容の趣旨を逸脱したり、児童又は生徒の負担過重となった りすることのないようにしなければならない。 新規 • 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者及び病弱者である児 童の5・6学年に外国語活動新設。 選択教科の取扱い 5 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者又は病弱 者である生徒に対する教育を行う特別支援学校の中 学部においては、選択教科を開設し、生徒に履修させ ることができる。 ・ 選択教科については,標準授業時数の枠外において 各学校において開設し得ることとした。 • 中学校学習指導要領に準じる 変更 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援 学校における各教科等の取扱い 6 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援学校 の中学部においては、国語、社会、数学、理科、音楽、美術、 保健、体育及び職業・家庭の各教科、道徳、総合的な学習の 時間、特別活動並びに自立活動については、特に示す場合 を除き、すべての生徒に履修させるものとする。また、外国語 科については、学校や生徒の実態を考慮し、必要に応じて設 けることができる。(中学部対象) • 各教科等は全て必須。知的障害者特別支援学校の 中学部では、外国語科は必須でない。 知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支援 学校における各教科等の指導内容の設定 7 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別 支援学校において、(略)具体的に指導内容を設定するものと する。また、各教科、道徳、特別活動及び自立活動の全部又 は一部を合わせて指導を行う場合には、各教科、道徳、特別 活動及び自立活動に示す内容を基に、児童又は生徒の知的 障害の状態や経験等に応じて、具体的に指導内容を設定する ものとする。 変更 • 「内容」と「指導内容」を分けてください。 • 学習指導要領の内容から具体的な指導内容を設定する。 • 従前の「知的発達の遅滞の状態や経験等に応じて」との表記 については、知的障害という障害名が定着していることや、知 的障害について適切な理解が進んでいることから「知的障害 の状態や経験等に応じて」と改め 第2節 教育課程の編成 第3 授業時数の取扱い 第3節 授業時数等の取扱い 1 小学部又は中学部の各学年における第2章以下に示す 各教科(知的障害者である生徒に対する教育を行う特別支 援学校の中学部において、外国語科を設ける場合を含む。 (略)の総授業時数は、小学校又は中学校の各学年におけ る総授業時数に準ずるものとする。この場合、各教科等の 目標及び内容を考慮し、それぞれの年間の授業時数を適切 に定めるものとする。 • 総授業時数は守る。(厳守) • 小学校又は中学校の各学年の総授業時数に準じる。 「準じる」とは「同じ」ということ • 他の教科等の時数は、適宜定める。 年間の授業週数 4 小学部又は中学部の各教科等の授業は,年間35週(小学部第1学年 については34週)以上にわたって行うように計画し、週当たりの授業時 数が児童又は生徒の負担過重にならないようにするものとする。ただし、 各教科等(中学部においては、特別活動を除く。)や学習活動の特質に 応じ効果的な場合には、夏季、冬季、学年末等の休業日の期間に授業 日を設定する場合を含め、これらの授業を特定の期間に行うことができ る。なお、給食、休憩などの時間については、学校において工夫を加え、 適切に定めるものとする。 • 教科等や学習活動によっては、年間を通ずることなく、夏季、冬季、学 年末、農繁期等の休業日の期間に授業日を設定することも含め、特定 の期間に集中して行った方が効果的な場合もあることを考慮したもので ある。しかし、学校独自で判断してはいけません。 意図して最初から年 間指導計画に位置づけ・内容等も整理されていることが大切です。 • 中学部においては,学級活動の時間を毎週実施することとしそれによっ て学級担任と生徒との信頼関係を築き学校生活への生徒の適応とその 生活の充実向上を図ることを意図している。 新規 授業の1単位時間 6 小学部又は中学部の各教科等のそれぞれの授業の1単位時間は、各学 校において、(略)なお,中学部においては、10分間程度の短い時間を単位 として特定の教科の指導を行う場合において,当該教科を担当する教師が その指導内容の決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制 が整備されているときは、その時間を当該教科の年間授業時数に含めるこ とができる。 中学部において、特に「10分間程度の短い時間を、単位として特定の教 科の指導を行う場合において、当該教科を担当する教師がその指導内容の 決定や指導の成果の把握と活用等を責任をもって行う体制が整備されてい るときは、その時間を当該教科の年間授業時数に含めることができる」との 規定を設けた。 • 教科担任制から • 様々な用件については、解説書①p182、p183を参照 新規 総合的な学習の時間の実施による特別活動の代替 8 総合的な学習の時間における学習活動により、特別活動の学校行 事に掲げる各行事の実施と同様の成果が期待できる場合において は総合的な学習の時間における学習活動をもって相当する特別活 動の学校行事に掲げる各行事の実施に替えることができる。 ・ 総則に位置付けられていた総合的な学習の時間に関する規定を、 第5章として独立した章として位置付けた。 ・ 総合的な学習の時間において、その趣旨を踏まえると同時に、特別活動 の趣旨をも踏まえ、体験活動を実施した場合に特別活動の代替を認めるも のであって、特別活動において体験活動を実施したことをもって総合的な学 習の時間の代替を認めるものではない。 ・ 総合的な学習の時間の授業内容やねらい、生徒同士の関わりがある活 動か、内容と特別活動に含まれた学校行事の内容と関連がある体験活動 に該当するのか等検討が必要。 第2節 教育課程の編成 第4 指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 1 個別の指導計画の作成 (5) 各教科等の指導に当たっては、個々の児童又は生徒の実態 を的確に把握し、個別の指導計画を作成すること。また、個別の 指導計画に基づいて行われた学習の状況や結果を適切に評価 し、指導の改善に努めること。 • これまでの実績を踏まえるとともに、障害の状態が重度・重複化,多様化して いる児童生徒の実態に即した指導を一層推進するため • 各教科や道徳など,学級等ごとに児童生徒に共通する指導目標や指導内 容を定めて指導が行われる場合には、例えば、児童生徒一人一人に対する 指導上の配慮事項を付記するなどして、学級等ごとに作成する指導計画を個 別の指導計画として活用することなども考えられる。 新規 家庭や地域社会との連携並びに学校相互の連携や 交流及び共同学習 (6) (略)学校の教育活動全体を通じて、小学校の児童又は中 学校の生徒などとの交流及び共同学習を計画的、組織的に 行うとともに、地域の人々などと活動を共にする機会を積極的 に設けること。 ・ 障害のある子どもと障害のない子どもが一緒に参加する活動は、相互 の触れ合いを通じて豊かな人間性をはぐくむことを目的とする交流の側面 と,教科等のねらいの達成を目的とする共同学習の側面があるものと考え られる。「交流及び共同学習」とは、このように両方の側面が一体としてあ ることをより明確に表したものである。したがって、この二つの側面を分か ちがたいものとしてとらえ、推進していく必要がある。 • 「高齢者や地域の人との関わり」については「活動を共にす る」「共に活動をする」この表現がふさわしい。 • 計画的(年間指導計画、学期計画)、組織的(校務分掌) 第2節 教育課程の編成 第4 指導計画の作成等に当たって 配慮すべき事項 2 重複障害者の指導 (2) 複数の種類の障害を併せ有する児童又は生徒(以下「重 複障害者」という。) については、専門的な知識や技能を有す る教師間の協力の下に指導を行ったり、必要に応じて専門の 医師及びその他の専門家の指導・助言を求めたりするなどし て、学習効果を一層高めるようにすること。 • 複数の種類の障害を併せ有する児童又は生徒(以下「重複 障害者」という言い換え。幼稚部ではしていない。 追加 児童生徒の言語環境の整備と言語活動の充実 (3) 各教科等の指導に当たっては、児童又は生徒の思考力、 判断力、表現力等をはぐくむ観点から、基礎的・基本的な知 識及び技能の活用を図る学習活動を重視するとともに、言語 に対する関心や理解を深め、言語に関する能力の育成を図 る上で必要な言語環境を整え、児童又は生徒の言語活動を 充実すること。 • 小学校学習指導要領、中学校学習指導要領に入っ た配慮事項 新規 生徒指導及び進路指導の充実 (5) 教師と児童生徒の信頼関係及び児童生徒相互の好ましい人 間関係を育てるとともに児童生徒理解を深め,生徒指導の充実 を図ること。また、中学部においては、生徒が自らの生き方を考 え主体的に進路を選択することができるよう、校内の組織体制を 整備し、教師間の相互の連携を図りながら、学校の教育活動全 体を通じ、計画的、組織的な進路指導を行うこと。その際、家庭 及び地域や福祉、労働等の業務を行う関係機関との連携を十分 に図る。 新規 中学部において、進路指導を効果的に進めていくためには、校内の組織体 制を整備し、教師相互に連携を図りながら協力して指導に当たること、保護 者や地域社会、労働、福祉等の関係機関との連携を図って取り組むことが 重要である。 見通しを立てたり、振り返ったりする学習活動の重視 (7) 各教科等の指導に当たっては、児童又は生徒が学習の見通しを立てたり 学習したことを振り返ったりする活動を計画的に取り入れるよう工夫すること。 • 教育基本法第6条第2項の「教育を受ける者が、学校生活を営む上で必 要な規律を重んずるとともに、自ら進んで学習に取り組む意欲を高めること を重視して行われなければならない。」ことを踏まえ、児童生徒の学習意欲 の向上を重視している。 • 指導に当たって、児童生徒が学習の見通しを立てたり学習したことを振り 返ったりする活動を計画的に取り入れ、自主的に学ぶ態度をはぐくむことは、 学習意欲の向上に資することから、特に規定を新たに追加したものである。 • 小学校学習指導要領、中学校学習指導要領に入った配慮事項 新規 訪問教育における指導の工夫 (9) 障害のため通学して教育を受けることが困難な児童又は 生徒に対して、教員を派遣して教育を行う場合については、 障害の状態や学習環境等に応じて、指導方法や指導体制を 工夫し、学習活動が効果的に行われるようにすること。 • 「(訪問教育)は、障害の状態や学習環境に応じた指導方法」 や指導体制を工夫し、効果的な指導を一層推進する必要が あることから、教育課程実施上の配慮事項として,新たに規 定を設けた。 新規 情報教育の充実、コンピュータ等の教材・教具の活用 (10) 各教科等の指導に当たっては、児童又は生徒がコンピュータ や情報通信ネットワークなどの情報手段に慣れ親しみ、その基本 的な操作や情報モラルを身に付け、(略)視聴覚教材や教育機器 などの教材・教具の適切な活用を図ること。また、児童又は生徒 の障害の状態や特性等に即した教材・教具を創意工夫するととも に、学習環境を整え、指導の効果を高めるようにすること。 • 特別支援学校においては、児童生徒の学習を効果的に進め るため、児童生徒の障害の状態等に応じてコンピュータ等の教 材・教具を創意工夫するとともに、それらを活用しやすい学習環 境を整えることも大切である。 • 例も示されている。 個別の教育支援計画の作成 (14) 家庭及び地域や医療、福祉、保健、労働等の 業務を行う関係機関との連携を図り、長期的な視 点で児童又は生徒への教育的支援を行うために、 個別の教育支援計画を作成すること。 • 「個別の教育支援計画を作成すること」が示された。 • 「作成」用語の整理、学習指導要領に使われていた。 新規 部活動の意義と留意点等 (15) 中学部において、生徒の自主的、自発的な参加により行 われる部活動については、スポーツや文化及び科学等に親し ませ、学習意欲の向上や責任感、連帯感の涵養等に資する ものであり、学校教育の一環として、教育課程との関連が図 られるよう留意すること。その際,地域や学校の実態に応じ、 地域の人々の協力、社会教育施設や社会教育関係団体等の 各種団体との連携などの運営上の工夫を行うようにすること。 新規 • 部活動について、中央教育審議会の答申においては、「生徒の自発的・ 自主的な活動として行われている部活動について、学校教育活動の一環 としてこれまで中学校教育において果たしてきた意義や役割を踏まえ、教 育課程に関連する事項として、学習指導要領に記述することが必要であ る」。との指摘がなされたところである。 • 中学校に規定。これを受けて中学部も 特別支援教育に関するセンターとしての役割 (16) 小学校又は中学校等の要請により、障害のある児童、生徒又は当該 児童若 しくは生徒の教育を担当する教師等に対して必要な助言又は援助 を行ったり地域の実態や家庭の要請等により保護者等に対して教育相談 を行ったりするなど、各学校の教師の専門性や施設・設備を生かした地域 における特別支援教育のセンターとしての役割を果たすよう努めること。 その際、学校として組織的に取り組むことができるよう校内体制を整備す るとともに、他の特別支援学校や地域の小学校又は中学校等との連携を 図ること。 • 地域の小・中学校等の要請に応じ、障害のある児童生徒や担当する教師 等に対する助言や援助を行うこと、その際学校として組織的に、取り組む こと他の特別支援学校や小・中学校等と連携を図ることが示された。(近 隣の小・中学校との連携を) 第2節 教育課程の編成 第5 重複障害者等に関する教育課程 の取り扱い 第5 重複障害者等に関する教育課程の取扱い • 従前は「重複障害者等に関する特例」としていた が 、今回の改訂では、教育課程の取扱いに関する 規定と重複障害者等の授業時数に関する規定をま とめて示すこととし「重複障害者等に関する教育課 程の取扱い」と改めた。 第5 重複障害者等に関する教育課程の取扱い 1 児童又は生徒の障害の状態により特に必要がある場合に は、次に示すところによるものとする。 • 「障害の状態により学習が困難な児童又は生徒について」と 示していたのを「児童又は生徒の障害の状態により」と改め た。 • この規定は「障害の状態により特に必要がある場合」につい て示したものであり,重複障害者に限定した教育課程の取 扱いではないことに留意する必要がある。 外国語活動の取扱い (1) • 各教科及び外国語活動の目標及び内容に関する事項の 一部を取り扱わないことができること。 小学部において新たに導入された外国語活動についても、 各教科と同様に、児童生徒の障害の状態により特に必要が ある場合には、外国語活動の目標及び内容に関する事項の 一部を取り扱わなくてもよいこととした。 • 「取り扱わないことができる」とは、一部を履修させなくてもよ いことを意味する。 知的障害を併せ有する場合 2 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者又は病弱者であ る児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校に就学す る児童又は生徒のうち、知的障害を併せ有する者については (略)小学部の児童については、外国語活動及び総合的な学 習の時間を設けないことができるものとする。また、中学部の 生徒については、外国語科を設けないことができるものとする • 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者又は病弱者である 児童生徒に対する教育を行う特別支援学校に、知的障害を 併せ有する児童生徒が就学している実情を考慮し、これらの 児童生徒の実態に応じた弾力的な教育課程の編成ができる ことを示したものである。 重複障害者のうち障害の状態により特に必要がある 児童生徒の場合 3 重複障害者のうち、障害の状態により特に必要がある場合 には、各教科、道徳、外国語活動若しくは特別活動の目標及 び内容に関する事項の一部又は各教科、外国語活動若しく は総合的な学習の時間に替えて、自立活動を主として指導を 行うことができるものとする。 • 障害の状態により特に必要がある場合には、各教科、道徳、 外国語活動、 特別活動の目標及び内容に関する事項の一 部を取り扱わず、自立活動の指導を主として行うほか、各教 科や外国語活動の目標及び内容の全部又は総合的な学習 の時間に替えて、主として自立活動の指導を行うこともできる ことを示している。 第2章 各教科 第3章 道徳 小学部又は中学部の道徳の目標、内容及び指導計画の作成と内容 の取扱いについては,それぞれ小学校学習指導要領第3章又は中学校 学習指導要領第3章に示すものに準ずるほか、次に示すところによるも のとする。 1 児童又は生徒の障害による学習上又は生活上の困難を改善・克服し て(略) 2 各教科、外国語活動、総合的な学習の時間、特別活動及び自立活動 との関連を密にしながら(略)。 3 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校に おいて、内容の指導に当たっては個々の児童又は生徒の知的障害の状 態や経験等に応じて適切に指導の重点を定め、指導内容を具体化し、 体験的な活動を取り入れるなどの工夫を行うものとする。 新規 第3は知的障害者である児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の配慮事項 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者又は病弱者である児童生徒に対する教 育を行う特別支援学校において、知的障害を併せ有する児童生徒に対して指導を 行う場合も、同様に配慮することが大切である。 第4章 外国語活動 • 小学部における外国語活動の目標、内容及び指導計画の作成と内容 の取扱いについては、小学校学習指導要領第4章に示すものに準ずる ほか、次の事項に配慮するものとする。 • 1 児童の障害の状態等に応じて、指導内容を適切に精選するとともに、 その重点の置き方等を工夫すること。 • 2 指導に当たっては、自立活動における指導との密接な関連を保ち、 学習効果を一層高めるようにすること。 • 視覚障害者,聴覚障害者,肢体不自由者又は病弱者である児童に対 する教育を行う特別支援学校の小学部第5学年及び第6学年に外国語 活動が新設された。 新規 第5章 総合的な学習の時間 • 小学部又は中学部における総合的な学習の時間の目標、各学校におい て定める目標及び内容並びに指導計画の作成と内容の取扱いについて は、それぞれ小学校学習指導 • 要領第5章又は中学校学習指導要領第4章に示すものに準ずるほか、次 に示すところによるものとする。 • 1 児童又は生徒の障害の状態や発達の段階等を十分考慮し、学習活動 が効果的に行われるよう配慮すること。 • 2 体験活動に当たっては、安全と保健に留意するとともに,学習活動に応 じて、小学校の児童又は中学校の生徒などと交流及び共同学習を行うよ う配慮すること。 • 総合的な学習の時間の教育課程における位置付けを明確にし、各学校 における指導の充実を図るため、総則から取り出し新たに章立てすること とした。 第6章特別活動 小学部又は中学部の特別活動の目標、各活動・学校行事の目標及び内容並 びに指導計画の作成と内容の取扱いについては、それぞれ小学校学習指導要領 第6章又は中学校学習指導要領第5章に示すものに準ずるほか、次に示すところ によるものとする。 1 学級活動においては、適宜他の学級や学年と合併するなどして、少人数からくる 種々の制約を解消し、活発な集団活動が行われるようにする必要があること。 2 児童又は生徒の経験を広めて積極的な態度を養い、社会性や豊かな人間性はぐ くむために,(略)。 3 知的障害者である児童又は生徒に対する教育を行う特別支援学校において、内 容の指導に当たっては個々の児童又は生徒の知的障害の状態や経験等に応じ て適切に指導の重点を定め、具体的に指導する必要があること。 • 視覚障害者、聴覚障害者、肢体不自由者又は病弱者である児童生徒に対する教 育を行う特別支援学校において、知的障害を併せ有する児童生徒に対して指導 を行う場合も、同様に配慮することが大切である。 新規
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