バイスペクトル解析による 3 次元音源位置推定 - ieice

平成 24 年度電子情報通信学会東京支部学生会研究発表会
講演番号: 47
バイスペクトル解析による 3 次元音源位置推定
Estimation of 3D Position of A Sound Source by Bispectral Analysis
A‐10
岩木佑太
Yuta IWAKI
平田克己
Katsumi HIRATA
小山工業高等専門学校電子制御工学科
Department of Electronic Control Engineering , Oyama National College of Technology
1. はじめに
これら 2 つの情報𝐴 ,𝜃 は ( =1,2,3,4)で表される
ため,連立して解けば音源と 4 つの検出器間の距離
が求まる.各検出器の幾何学的配置から,音源 の
3 次元座標が得られる.
音源の 3 次元位置推定を工学的に実現できれば,
ロボットに用いる聴覚システム等,多方面への応用
が期待できる.本稿では,ガウス性ノイズに強いバ
イスペクトル解析を用いた音源位置推定について原
理と実験結果を報告する.
2. 3 次元位置推定原理
3. 実験結果
実験条件 音源として直径 40[mm]の冷却用小型フ
ァンの異常音をサンプリング周波数 44.1[kHz]で録
音したものを用いる.検出器の間隔が 0.5[m]となる
ように配置し,音源位置 A(-0.10,-0.10,1.70)[m],
B(-0.05,-0.30,1.70)[m]の 2 通りで推定する.バイス
ペクトルは FFT を用いてノンパラメトリックな方
法で推定することとし,1 回の推定に使う信号長は
12[ms]とした.
Z
音源 P
M4
M3
M2
X
M1
Y
図 1 音源と検出器の幾何学的配置
図 1 に示すように原点に重心を持つ正四面体の各
頂点に検出器 ~ を配置する.この時,音源 か
ら放射された不規則信号を各検出器で検出した信号
~
は
(
)
(a)音源位置 A
で表せる.ここで
は音源の放射信号, は音速,
は音源 から検出器 までの距離,
は検出器
の加法性ノイズである.本研究では
は非ガウス
性,
はガウス性と仮定する.
ガウス性のバイスペクトルは 0 となることから,
信号
のバイスペクトルを
とすれば,各
検出器で検出した信号
の自己および相互バイス
ペクトルは次のように与えられる[1].
(b)音源位置 B
図 2 推定結果
実験結果 50 回分の推定結果を 3 次元座標にプロッ
トしたものを図 2 に示す.○は音源位置,△は検出
器,点は推定位置を表している.音源位置 A に比べ,
Y 軸方向に遠ざけた音源位置 B の方が推定精度が悪
くなっている.
自己および相互バイスペクトルの振幅比をとると
|
|
𝐴
|
|
4. おわりに
今後の課題として推定精度の向上や推定時間の短
縮等が挙げられる.
となる.また,相互バイスペクトルの位相は
𝜃
𝑎 𝑔[
π
]
参考文献
[1]森下巌,他:信号処理,計測自動制御学会(1982)
[2]Chrysostoms L.Nikias,他:HIGHER-ORDER
SPECTRA ANALYSIS A Nonlinear Signal
Processing Framework,PTR Prentice Hall(1993)
5
となる.
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