適切な収穫・乾燥・調製で 高品質麦の安定出荷を! - 公益社団法人 栃木

(平成24年産麦類受検対策資料)
適切な収穫・乾燥・調製で
高品 質 麦 の 安 定出荷を!
ビール大麦は 発芽勢 が命です
適期収穫
二条大麦
●ビール大麦は8割の穂首が90度以上曲がった頃(穀粒水分25%以
下)。早刈りは発芽勢低下の原因となり厳禁です。
●食用大麦(とちのいぶき)は8割の穂首が60度以上曲がった頃
(穀粒水分30∼25%)。
六条大麦・小麦
●六条大麦は、穂・稈を含めた全体が黄変し、粒がロウ程度の硬
さになった頃。
●小麦は、ほとんどの穂首が黄変し、粒がロウ程度の硬さになった
頃(穀粒水分はどちらも30%以下)。
収穫作業時
の 留 意 点
収穫物を汚さないように
しましょう。
土壌に含まれるセシウ
ムが付着する可能性が
あります。
施設での荷
受を適切に
適正な
乾燥・調製を
調製
網 目 ビール大麦
胚の損傷、はく皮が生じないようコンバインのこき胴回転数に留意する。
●二条大麦・六条大麦は、稲より1割落とす。
●小麦は、稲と同じ回転数で行う。
●作業の始めに必ず試し刈りを行い、
はく皮粒等の無いことを確認する。
赤かび粒・穂発芽 が確認された圃場、 倒伏 した
圃場は、必ず刈り分けをする。
●共同乾燥調製施設は、綿密な搬入計画を立て、荷受に当たっては
正常麦に赤かび粒や品質の劣る麦が混入しないよう、適切な品質
チェック体制を。また、混種防止のため施設の清掃を徹底する。
●収穫後の長時間放置は、
発芽勢の低下、
熱損粒・異臭麦の発生の原因
となるので、
速やかに乾燥作業に入る。
●乾燥始めの2時間は通風のみ、
その後は送風温度40℃以下とする。
●調製は丁寧に行い、はく皮粒等が発生しないよう注意する。
2.5ミリ 大粒大麦2.5ミリ 六条大麦2.3ミリ 小麦2.2ミリ
異種穀粒・異品種麦の混入を無くすため コンバイン・乾燥機等の清掃の徹底を
JAグループ栃木/農協・中央会・全農とちぎ・㈳栃木県米麦改良協会
畝立て同時播種で高品質安定生産!
畝立て同時播種栽培の展示ほを慣行栽培と同一ほ
場または近隣ほ場で実施した結果、畝立て同時播種
ポ イ ント
栽培の方が多収になりました。特に排水不良ほ場で
生育ムラと雑草害を出さないために、
は、
慣行栽培の約1.5倍の収量が得られました。
① 溝の深さは15∼20cm、
幅は20∼25cmに。
また、子実粗蛋白含量も畝立て同時播種栽培の方
② 溝跨ぎの麦条間は50cm前後となるべく狭く。
が適正値となり高品質になりました。
③ 溝の部分は土壌処理剤が効きにくいので、
生育期の除草の準備を。
整粒重の比較
簡易溝切り板による畝立て同時播種
カラスムギやネズミムギの根絶を!
カラスムギやネズミムギを放置しておくと毎年被害が増大し、麦が減収する上、生産物に雑草種
子が混入して売り物になりません。
手取りが間に合わないほ場では以下の対策をとってください。
カラスムギ・ネズミムギの防除対策
夏期湛水
プラウ耕
不耕起管理
石灰窒素散布
(効果大)
(効果やや大)
(効果やや大)
(効果やや大)
6月
麦収穫
7月
代かき
8月
常時湛水
1∼2ヶ月
9月
耕起
10月
プラウによる
天地返し
(1回のみ)
不耕起
雑草発生状況に応じて除草剤
(茎葉処理剤)
を散布
11月
麦播種
除草剤
(トリフルラリン+IPC)※を土壌表面散布
12月
以降、
カラスムギ等の発生に応じて手取り除草
※シナジオ乳剤
(トリフルラリン+IPC)
が平成23年に登録。
石灰窒素散布
(30∼50kg/10a)
散布後浅く耕起