校 RJnu Ftnu 学) 専却 等( 高お 工辻口 業 鹿研 9 島報日 児究 切削加工における切削抵抗が加工硬化層に及ぼす影響 引地力男T 油 田 功 二 t1- 原 田 正 和 t1- 上 野 孝 行 tt 吉 満 真 -tt t E f f e c to fC u t t i n gR e s i s t a n c eonWorkHardenedS u r f a c eL a y e ri nM e t a lC u t t i n g o j i ABURADA, MasakazuHARADA, T a k a y u k iUENO R i k i oH I K I J I, K a n d S h i n i c h i YOSHIMITSU F i n i s hmachiningu s e dt obec a r r i e do u ti ng r i n d i n g,b u ti ti sb e i n gr e p l a c e dbyc u t t i n gw i t hv e r ysmal 1undeformed c h i pt h i c k n e s s .I ns u p e rp r e c i s i o np r o c e s s,t h ee f f e c to ft h ec u t t i n gc o n d i t i o n sandc o m p l i c a t e df a c t o r sont h emachined s u r f a c ei n t e g r i t yi sas e r i o u sp r o b l e m .I nt h i sr e s e a r c h,workh a r d e n e ds u r f a c el a y e rwasdea 1 twitha sa ne v a l u a t i o no f machineds u r f a c ei n t e g r i t yandt h ee f f e c to ft h em e c h a n i c a lf a c t o r sonworkh a r d e n i n gwasi n v e s t i g a t e de x p e r i m e n t a l l yi n twasfoundt h a tworkh a r d e n e ds u r f a c el a y e rwasa f f e c t e dn o to n l ybyt h es h e a ra n g l e o r t h o g o n a lc u t t i n g . Asar e s u l t,i b u ta l s obyt h et h r u s tf o r c eo fc u t t i n gr e s i s t a n c e . v a r i e du n d e rt h ec u t t i n gc o n d i t i o n s, Key" 匂r d s : WorkHardening, WorkHardenedS u r f a c eLayer , C u t t i n gR e s i s t a n c e, T h r u s tf o r c e, O r t h o g o n a lC u t t i n g 1.緒 本研究は切削加工における加工変質層を支配する因 Eコ 子を機械的要因に絞り,実験により明らかにすること 超精密切削加工で見られるように,切削加工機械の を目的とする.前報(9)では,加工変質層の形態の中で, 加工精度の向上に伴い,製品の仕上げ加工を切削でお 機械的エネルギによる塑性変形が成因となって生成さ こなおうとする傾向が強まっている (1) しかしながら, れる加工硬化層に着目し,せん断変形領域および切削 切削加工により生成される表面の品位,つまり表面粗 面以下の断面硬さの分布状況より,加工硬化層に及ぼ さと加工変質層は材料の疲労強度などに大きな影響を す力学的因子を実験的に抽出した.今回は,加工硬化 与える(2) ~ (5) ため,加工変質層の生成機構の理解は,高 層の生成に影響をもたらすと考えられる切削抵抗につ 品位の切削加工をおこなう上で重要で、ある. いて検討する. 一般に材料は外力または内部応力によりひずみを受 けて母材硬さより硬化するので,切削加工により発生 2 . 研究の背景 した加工硬化を調べることにより,加工変質層に関す 加工変質化層の評価方法は数多く検討されている る様々な情報が簡単に正確に得られることが予測され が,測定方法によってその値が大きく異なる(10). 加 る.加工変質層は加工に伴って生じる母材とは性質の 工硬化層の測定には結晶粒の微細なひずみも測定結 異なる部分で,機械的要因,熱的要因,結晶学的要因 果に影響を及ぼす硬度測定法が妥当である.白樫ら 等が関係するため,その生成機構は非常に複雑で,切 は,加工変質層の推移をシミューレートし,硬度分 削面以下の断面硬さを求めた研究は数多い (6)~(X)が,せ 布と加工硬化層のひずみとの対応を計算および実験 ん断変形領域を含む切れ刃近傍の材料の硬さ分布に及 で明らかにした (11)そして,すくい角が大きくなる ぼす支配因子について具体的に検討した例は少ない. とひずみの値は小さくなりその分布も浅くなるとし た(11)(12) さらに,工具逃げ面に働く垂直応力が大き T機械工学科 くなると,ひずみ分布が深くなることも示した (12) 十「学生課実習係 奥島らは切削抵抗から刃先力を割り出し,その刃先 T十 T電子制御工学科 9 引地力男 油田功二 原田正和 吉満真一 上野孝行 Table1 C u t t i n gc o n d i t i o n s e g . 0,5 Rakea n g l e y d C l e a r a n c ea n g l e s d e g . 6 U n d e f o r m e dc h i pt h i c k n e s s h r n r nI 0 . 1,0 . 1 5,0 . 2 C u t t i n gs p e e d V m1m i n 1 0 Ram 0 .Rakea n g l e so f_ 5 0a n d1 0 a r ea l s oa p p l i e dt o604 0 B r a s s . N .B ・ T o o l /// 〆 //e //' /〆//恥 dJX/ //J 判、、/ ¥ ノ ゾ/1111 /¥n H ノトレ d 3 , 川 J-nkU A斗 一 HV 川V 苅一0 。 ι Workm a t e r i a l s B u l kh a r d n e s sHV0 C h i ph a r d n e s sHV 1、 42 U一 、 、 今 F δ一 Table2 Bulkandchiphardness F i g . l Quicks t o pt e s t Hv 庁ho F i g . 2D e f i n i t i o nofi n f l e c t i o np o i n t 力と加工硬化層深さとの関係を明らかにした(13) こ の距離は 0.02mm以下であった.この程度なら本研究 れらのことより,切削時に作用する力が加工硬化層 の目的に充分許しうるものと考える.切削条件を表 l の生成に何らかの影響を及ぼすことが予測される. に示す.被削材種には 604 0黄銅を用い,比較のため, 材料特性の異なる S25CとSUS304も用いた.このとき, 3 . 加工硬化層の生成機構 3・ 1 実験方法 切削幅方向の塑性流動の影響を防ぐために,二枚の被 加工硬化層の生成機構について 削材の側面どうしを重ね合わせ,その長手方向の端面 検討するため,形削り盤にて,焼なまし処理を施した を切削した.なお,加工硬化層に及ぼす切削抵抗の影 幅 3mm長さ 50mmの板材を用いて,乾式の二次元切削 響を調べるために,圧電素子タイプの動力計にて切削 で、急停止実験を行った (14) そのようすを図 lに示す.こ 抵抗も同時に測定した.切削終了後,切りくず生成領 れは,バイトによる切削がある程度進んだら,バイト 域の部分をワイヤ放電加工機で切り出し,それを重ね の後方にラムに固定した押し出し棒が被削材取り付け 合わせ面を測定面になるように樹脂に埋め込み,エメ 台を押し出すので,バイトと被削材との相対速度がゼ リ研磨紙 #6 ロになり切削が停止する仕組みになっている.すなわ 面が加工硬化しないようにラッビングし,マイクロ ち,急とは相対速度がゼロになるように切削を突然停 0. 4 9N)で,切れ刃近傍およ ピッカース硬度計(荷重 : 止することである.しかし,切削速度が低下しはじめ び深さ方向に断面硬さ分布を測定した.本実験で使用 ∞ .#1500にて研磨後 さらにパフで研磨 てから停止するまである距離だけ切削が進行するが, した各被削材の平均的な母材硬さと切りくずの硬さを 中山間の方法で確認したところ,完全に停止するまで ピッカース硬度にて表 2に示す. 1 0 切削加工における切削抵抗が加工硬化層に及ぼす影響 3.2 実験結果 1.5 3・ 2・ 1 加工硬化層でのせん断変形領域と塑性変 形領域の厚さ これまでの研究によれば,切削加工 E B 面下には,厚さ dをもっせん断変形領域があり,その 下方には厚さ dをもっ塑性変形領域が広がっている(15) ~(l 8) '0 これは流動層生成仕事によりせん断変形領域と 0.5 卜 6 0 4 0 B r a s s 同時に生成される (13)1 (9) せん断変形領域を定義するの に,山本ら(初)は,材料の硬さが切削抵抗に対応するこ t f ! > 6 . 。 。 とから,切りくず生成領域の部分の断面を微小切削し 6 . ~ヂ thdAO 口o 口 00 500 て切削抵抗を測定し,その変曲点によりせん断変形領 [ [ ! ] 口 0 1000 1500 C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc,F t,R N 域の幅を求めた.そこで,本研究では直接硬さ分布の ( a )6 0 4 0 B r a s s 変曲点からせん断変形領域を求めた.図 2は硬さ分布 1.5 の変曲点からせん断変形領域を求める方法を示す.ま ず,急停止実験で得た切りくず生成領域の断面の硬さ 分布 (21)を求めて,次に工具すくい面に平行に,工具側, 1 .0 ロロ己 中心部,自由面側の 3ヶ所についてそれぞれの深さ方 S25C 向の硬さ分布の変曲点, sとeを求めた.変曲点の定義 ' < コ としては,硬さ分布の最下位部である母材硬さから I 0 FcI I 6. F tI l 口 RI 0. 5 0.025mm間隔で、加工面に向かつて上方に硬化率Hv 周v 。 。 A (Hv:局所硬さ, Hv jHv o:母材硬さ)を調べていき, Hv がひとつ前の値より 10%以上変化したとき,そのひと ぷ三角喧必口口 よ 0.0 0 500 1000 1500 2000 2500 3000 3500 C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc,F t,R N つ手前を変曲点 sとした.その変曲点より,刃先位置 ( b )S25C から点 sまでのせん断変形領域の厚さ 3と,点 sから 母材硬さに到達するところまでの塑性変形領域の厚さ ,', ,., . _ , 1 .5 dを求めた.これらの結果と切削抵抗との関係につい SUS304 てf 食言すした. 1.0 戸 ﹄ ロ ﹄ 図 3は,切削抵抗と加工硬化層のせん断領域の厚さ 3との関係を示す.( a )は 6 0 4 0黄銅, ( b )は S25C, ( c )は SUS304をそれぞれ示す.図中, 0は主分力 Fc,ムは '0 6 . 0 口 A2。きttJ口口 0.5 背分力 Ft ,口は切削抵抗の合力 R (FcとR との合力) 6 . である.図より以下のことがわかる. ロ 1 U [[ 。 。 ( 1 ) 背分力のせん断変形領域に及ぼす影響が大きい. 500 ( 2 ) せん断変形領域は SUS304の場合が最も厚く,切 1000 1500 2000 2500 C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc, F t ,R N 削抵抗が増加すると,せん断変形領域の厚さも比 ( c )SUS304 較的大きく増加する. F i g . 3R e l a t i o n s h i pb e t w e e nc u t t i n gr e s i s t a n c ea n do 前報で,すくい角が減少すると加工硬化層のせん断 変形領域の厚さ dよりも,塑性変形領域の厚さ dのほ すなわち, 6 0 4 0黄銅の場合は,切削抵抗はせん断 うが相似的に厚くなることが明らかになった.そこで 変形領域よりも塑性変形領域に比較的大きく影響を及 切削抵抗と塑性変形領域の厚さ dについて調べた. 図 4はその結果であり,それぞれ,図 3のときと同 ぼし, SUS304はせん断変形領域にも塑性変形領域に 様 ,( a )は 604 0黄銅, ( 1 : ) は S25C, ( c )は SUS304を示す.図 も影響を及ぼすことがわかる.なお, S25Cの場合は, より以下のことがわかる. 他の二者に比較すると,せん断変形領域および塑性変 ( 1 ) 塑性変形領域の場合も背分力の影響が大きい. 形領域に及ぼす影響は比較的小さい. ( 2 ) 塑性変形領域は 6 0 4 0黄銅と SUS304の場合が厚 3・2・2 せん断変形領域とせん断ひずみとの関係 く,切削抵抗が増加すると,せん断変形領域の厚 加工硬化層のせん断変形領域は,切りくず生成領 域でのせん断領域が切削面以下まで及んだものと定義 さも比較的大きく増加する. 1 1 力男 ヲ│地 油田 功二 原田 上野 正和 1 .5 孝行 吉満 真一 1 .0 。 ど 斗 1 .0 ム 戸﹄戸口 αコ A ' < : > 6 0 4 0 B r a s s C口 I 0 F cI : : . F tI I 1 500 0 1000 , ' / 司 •• ・ や':' • 0.0 , ' / , ' / . . . .. . . . . . . . t : s 0.4 :0 . ...0・ 一 0.2 l 口 RI 佃 0.6 , ' / 口 ム 0 1 : : . , ' / 口 A 0.5 0.8 。ロ。 。ロ 1 : : . d 口 0 0 0.0 1500 4 0 C u t t i n gr e s i s t a n c eF c,F t, R N 6 S h e a rs t r a i n 10 rs ( a )6 0 4 0 B r a s s F i g . 5R e l a t i o n s h i pb e t w e e ns h e a rs t r a i na n dδ 1 .5 T a b l e3 Comparisono ft h e o r e t i c a lande x p e r i m e n t a l v a l u e sonω(S25C) 1 .0 口 口 0 。 。 。 rdeg. 町 司 5 5 0 口 RJ ∞N F A ρ L V ハ U ハU F L 4 nFL 2R ﹂ペ ム 一 IL 一o F ﹂ 且 ハU P S 4OHM -L U 恥 U 一5 ・ は ﹂ l e LV σ ム 一O BLnU lpL 500 4om よ 0 0 A ム c o t 込 0.0 口 O AU 八古 0.5 S25C よ 3000 5 3500 ( b )S25C 三。 口 。 。 。 口 0 5 SUS304 口 1 : : . 1 : : . ( 0 ) 1 : : . 5 0.5 I 0 F cI : : . F tI I 1 l 口 R I n u n u n u 4 内 pu ・吋 N t oF 日 回 加 ,﹄ 即 . 5 2500 5 0 . 8 8 5 8 . 7 3 5 6 . 2 4 0. 1 0 . 1 5 0 . 2 0 . 1 56 0. 15 0 . 2 5 1 . 3 4 5 5 . 0 7 6 0 . 7 3 5 7 . 0 3 61 .3 8 6 4 . 1 3 I 料で数多くの ω について調査した.その式を ( 1 )と( 2 )に A﹃ QU U 〆 Qd ob/ ・ n 、 、 , u、 C R ο 0 川 寸ム nu n s 1 o E 、 r n u RJ nu 0 A u 0.0 5 0 . 7 5 43 5 3. 5 0 . 6 6 51 .1 7 e g . hmm ω rd l hd e g . ωdeg. 田 g g で3 口 O ム ム 0 . 1 5 0 . 2 ωdeg. T a b l e4 Comparisono ft h e o r e t i c a lande x p e r i m e n t a l v a l u e sonω(SUS304) 1.5 1 .0 hmm ω l hd e g . 0 . 1 0 . 1 5 52 0 . 2 0 . 1 示す. ω=手+戸 -y =f (被削材, F i g. 4R e l a t i o n s h i pb e t w e e nc u t t i n gr e s i s t a n c ea n dd ω=ω γ) 。 kY 1 ( 1 ) ( 2 ) ここで, ω。は材料によって決まる角度で ,k1は 0 . 2 5 すれば,切りくずが受けたせん断ひずみと加工硬化層 である .ω について,今回の急停止実験で得られたも のせん断変形領域の厚さとも何らかの関係が予測され , のと中山らが定義したもの ω 的と比較した結果が表 3 '8 と加工硬化層のせん断変形 る.図 5にせん断ひずみ 1 4である.なお,ここで、は鉄系の材料が中心だったの 領域の厚さ 3との関係を示す.せん断ひずみは,まず で , S25Cと SUS304について説明する.これらの表よ 切りくずの厚さからせん断角戸を算出し,それから求 り,切取り厚さが小さい場合は理論値に近い値をとる めたものである.図より,同じせん断ひずみでもせん ことがわかる.切取り厚さが大きい場合,理論値との 断変形領域の厚さが異なることがわかる. ずれが大きいのは,同じすくい角でもせん断角戸が多 3.2・ 3 切削抵抗の合力とせん断面とのなす角 少大きくなるため,切削抵抗の合力のなす角が一定の 中山ら (22)は切削抵抗の合力とせん断面とのなす角 ω 場合は, はすくい角と被削材質によって決まるとし,鉄系の材 1 2 ωの値が変化するからである. 切削加工における切削抵抗が加工硬化層に及ぼす影響 3章での実験と同様,被削材は主に 60-40黄銅を用い, その比較として S25C,SUS304を用いた.これらはあ らかじめ焼なまし処理を施しである.工具は超硬 KI0 スローアウェイチップを用いた.切削条件を表 5に示 す.なお,表中の各種被削材における各条件の範囲や 基準値が異なるのは,構成刃先の発生や,機械の剛性 によるびびり振動等を防ぐためである.また,山本(25) は切削の繰り返し回数が増えると変質層深さも深く なっていくが,ある回数になると一定となることを実 験的に示した.今回,切削回数が 5回以上で加工硬化 層深さが安定したので,以後の実験では切削回数は 10 回とした. 加工硬化層の深さは切削が定常状態になった部分 ( b ) Measuringmethod (切削開始から 10mm)の試験片をワイヤ放電加工機で 切り出し,それを樹脂に埋め込み切削方向に垂直な方 向の試験片断面を 3章と同様な方法でラッピングし, F i g . 6 Experimentalprocedure 0. 4 9N)で図 6(b)に マイクロビッカース硬度計(荷重 : 示すように,切削面から深さ方向に断面硬さ分布を測 4 . 加工硬化層の深さ 定した.そして,母材硬さに到達するところまでを加 3章で,切削抵抗が加工硬化層のせん断変形領域よ 工硬化層深さ DHとした. 4・ 2 実験結果 り塑性変形領域が加工硬化層深さに大きく影響を与え 図 7は 60-40黄銅の切削条件の ることが明らかになった.急停止実験では切削条件の 変化にともなう切削抵抗と加工硬化層深さ DHとの関 範囲が限定されるため,切削方式を変えて,せん断変 a )はすくい角, ( b )は切削速度, ( c )は切取り厚 係を示す.( 形領域および塑性変形領域を含んだ全体的な加工硬化 さをそれぞれ変化した場合を示す.図中, 層深さと切削条件との関係について検討した. Fc,ムは背分力 F t ,口は切削抵抗の合力 R ( F cとR と 4・1 実験方法 実験は図 6 ( a )に示すようなホル 0は主分力 の合力)である.図より以下のことがわかる. 夕 、 、 に 幅 3mm長さ 30mmの被削材を固定し,このホルダ ( 1 ) 背分力の加工硬化層深さに及ぼす影響が大きい. を旋盤に取り付け,工具を半径方向に送って乾式の断 ( 2 ) 加工硬化層深さに及ぼす影響はすくい角の変化が 続二次元切削を行った.通常行われるフライス盤や形 顕著に現れる. 削り盤を利用した二次元切削では切削速度に限界があ すくい角の変化はせん断角に大きく影響を及ぼす. るが,図 6 ( a )に示す切削方式で、は常用切削速度領域で すくい角や切削速度が大きいほどせん断角は増加し, の二次元切削が可能である.切削速度を上げると温度 加工硬化層は浅くなる.また切取り厚さが増えると も上昇するが,切削温度を工具・工作物熱電対法的で せん断角は漸増するが,急停止実験の結果同様,切削 実測した結果,いずれの実験の場合も断続切削のせい 抵抗が増加するため塑性変形領域が厚くなり,結果と もあり,最高温度は再結晶温度より l 0 0C以上も低く, して加工硬化層が深くなる. 0 また奥島ら (24)の実験式で求めた場合でも今回の実験条 S25Cの場合を図 8,SUS304の場合を図 9に示す.二 件の範囲内では温度の影響は無視できるものとした. 者とも 60-40黄銅の場合と同様な結果を示す. Table5 C u t t i n gc o n d i t i o n s Workm a t e r i a l s 6 0 4 0 B r a s s S25C SUS304 1 0, 5, 0, 5 ,1 0,1 5, 2 0ー 1 0, 5, 0, 5,1 0,1 5, 2 0 6 6 C l e a r a n c ea n g l e sd e g . 3 0 ー ,1 0, 0,1 0, 3 0 6 U n d e f o n n e dc h i pt h i c k n e s s h mm 0 . 1, Q . ♀ , 0. 4 0 . 0 5, 0 . 0 5, 仏1 , 0 . 2 0 . 0 5, Q . l ,0 . 2 l . Q , 50,1 0 0 5 0, 100 ,1 5 0 1 0, 5 i } ,1 0 0 e g . R a k ea n g l e yd C u t t i n gs p e e d V m/min 咽 N.B.Underl i n e s :Standardv a l u e s . 1 3 油田 力男 功二 原因 正和 0 ・ 一 一氏 R R - 巴' 一 +1 l i l i -711:白:: e ・o・ -÷・ γ:' 酔 A ' ι 臼 一 c D 口 戸' / ん 一 Jr J 〆 - 日一 一氏 R R 一 十十 一' e 国 ∞ ∞ 8 ∞o l 一 L N R 側日山 一 ⋮ 高山 jjy¥11J 司 一 柳 一一 ロ ⋮⋮ c α i。 目 ( c )Undeformedc h i pt h i c k n e s s F i g . 8R e l a t i o n s h i pbetweenc u t t i n gr e s i s t a n c eandDH F i g . 7R e l a t i o n s h i pbetweenc u t t i n gr e s i s t a n c eandDH ( 6 0 4 0 B r a s s ) 5 .結 一 :L m ( c )Undeformedc h i pt h i c k n e s s d g 3500 C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc,F t,R N 一一 3000 I l li -:: 1 1 1 i l l 1 1 1 1 1 2500 0 . 1 一 2000 nd 1500 m 1000 伽 500 0 .2 A U 0.0t 品。 4耐 ー ・ 一一 一一』ーー・・・4 ~ - fv , 品 h d M Iー日 , R I ぽ4 。rt! ∞ ⋮ 一 一 一 パ /子 5 ~---..~三 j 二~. ) 一 一ー 0. 3 U ~ 1 _F ;I ト YVU o 一 i 7 f i 一 一 __ L ど ~一 一一一一一一 ー一 一 一〆 ー ー 一 一 ート 一 一 一 一ど ず . . . ! ・ 一 一一 " 一一仁二ご"zl I---Eト -F cI メ ノケb'; ~ 守 山 注 ' ' 7 . . / ' ーー . / レ / ' 品守口 言 t / : u to注﹄。戸{EUQ £ V 一 -; ;0 .ト ー… A さ~. 一 一 一一一一一一一一一ー一一一一一一 つ 合 ト … 一一一一一一一ーメ7 ・ トーーーー -'D--- ~ 一一 235宮E ト 、 司 L ~ 0 . 5 AUAU . . . v司令rr/min...トー 2. 0卜 EEZQ u ﹄ h28 j 云 ↓ Undeformedchipthicksessi sv a r i e d . 若 1.5 t 司 L 二, S 1.0ト レ ω∞ ( b )C u t t i n gs p e e d ↓ r=O~eg. Q ~ 6 0 4 0 伽制 l 一 ∞ ( b )C u t t i n gs p e e d 5卜 ∞ 2 4 6 C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc, F t, R N C u t t i n gr e s i s t a n c e Fc,F t,R N 5 i t i b 一 一 c /州 一一 / 一 Lmw 3500 一仙伽 丈 胡一 3000 YKG 2500 円以 2000 0. 1 A U 1500 A斗 今 ゐ ハ リ _ _ , _ _ l _ 1000 0. 3 U ロU古河岡山uto言﹄。£EUQ 召 ト 司 、 ヨ カ tK 4いィ 500 ∞ 0 . 5 nunUAU 55ZQU凡な-uu ~ωt~4þ_bJ:a呈S __.; 200j ∞ 4 6 8 C u t t i n gr e s i s t a n c eF c,F t,R N ( a)Rakea n g l e i5LC ~ ・ 企 a ∞ 2 ( a )Rakea n g l e 2. 0 ' ap--111111111111111JIl-- ー同凶 l h cvb aドゎトドわれいl ん ノ併γ13 x rJ拶 3500 C u t t i n gr e s i s t a n c eF c,F t,R N ~ d n 十 3000 一一 一一 2500 V 2000 i 1500 円削::十 : i j 一・ l li -州 - 1000 500 ⋮ 0 :蜘一同叫 胃1 A U 0 . 0t5.< ・ 政 日目 v I - ノイ ョ ノイ お斗一品 / / レ . /. g vbR 0. 5 ・ : r-一一ー一一ー、 I一e -FcI 必 _ o : h' 卜台 一 F tI -一一; /': 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一 一一 一 一 一 一. ~ . .. . ~.. ' 1- 臼 R I υ 今 ;/ 一一一一一一一一一 -一一一企二;戸戸@ 一 一 :. _...~---D… ; 弁一一 ノ 分官;一 一 品寸 : . // 0 1. ﹀ 535 ℃﹄帽同﹄utopho召仏mvQ 1. 5 L'lnU 1d ZJA nunUAUnunv 宇 ー - - --~ ---0- 1 ' R a k e ; a n g l ei s同r i d -j // ; 一 一 一一一一一一一一一一一 _L/ __ _ __ ______~__ . . __:__. 吉満 孝行 ハ υ h=O.2mm 上野 ggzQ ﹄ uhguu司 ℃ ま ℃U ロU℃﹄E u亡。註﹄04EUQ 今L Rd ESZQ ﹄ uhsuu司℃ 6 O4 0 b r a s s 一 __\';;1伽刷n___; 一一一 一一千 … 一 一 …-- ~--一 一一 片 2.0 真 引地 ( S 2 5 C ) 変形領域よりも塑性変形領域に及ぼす影響のほう E司 が大きい. ( 2 ) SUS304の場合は ,切削抵抗が増加すると,せん 加工硬化層を生成する力学的因子を明らかにするこ 断変形領域の厚さも比較的大きく増加する. の切削実験をおこない,切りくず生成領域の断面硬さ ( 3 ) 背分力が加工硬化層深さに及ぼす影響は大きい. 分布と切削抵抗との関係より以下の結論を得た. ( 4 ) 加工硬化層深さは,切削条件の変化にともなう切 〆 1 、‘,ノ ' E ・ 咽、 、 4 0黄銅, S25C,SUS304の二次元 とを目的として, 60 削抵抗と一義的な関係がある. 切削条件による切削抵抗は,加工硬化層のせん断 1 4 切開J I加工における切削抵抗が加工硬化層に及ぼす影響 ヲ- A U 19 9 1 ), 影響(第2報,疲労き裂生成との関連),機論, 575 3 5,C( SUS304 i n V=50m/m h=O.lmm R a k ea n g l ei sva~ed. ﹄ E E Z Q uhsuU 帽℃コ明言ロU宮 E U A O注﹄。£円四UQ (3) 渡部正気,古市博,高硬度鋼の疲労強度に及ぼす研削加工の 0 . 8 ∞ 1 0 0 7 . l 2 (4) 西谷弘信,薬師寺輝敏,鹿毛正治,炭素鋼焼なまし材の回転 /ι? 曲げ疲労強度に及ぼす表面加工層の影響,機論, 58-553,A G J ( 19 9 2 ),1 5 7 5 1 5 8 0 . yr ー " 0 . 6 : qJ口 (5) 村上敬宜,堤一也,藤嶋正博,疲労強度に及ぼす表面粗さの 一 一 l l . (])口 jtiJP:τご~ A同 I-e rF tI 0. 4 ﹄ I JJ i x 0 . 2 19 9 6 ), 1 1 2 4 1 1 31 . 影響の定量的評価,機論, 62-597,A( 1-c:r -rL I や白 件 (6) 浅枝敏夫・西本廉,加工屑による熱処理歪(仕上面加工屑に RI 臼 L一二二二』 Od 関 す る 研 究 第 3報),精密機械, 20-10 ( 19 5 4 ),38ト3 8 3 . -- ---------Óc;-~ 一一一一 (7)松井正己,平面の超仕上げに関する研究 0 . 0 0 5ω1α)() C u t t i n gr e s i s t a n c eF c, , t FR N ー超仕上げ面の加 ( 19 5 8 ),5 3 9 5 4 3 . 工変質層深さについてー,精密機械, 24-10 1 5 0 0 (8) 益子正巳・隈部淳一郎,低い削り速度でも良い表面精度をう る二,三の新しい切削加工法(低温切削,反転仕上切削,超 ( a )Rakeangle ( 19 5 9 ),9 1 1 0 4 . 音波振動切削),機誌, 62-480 (9) 引地力男・油田功二・原田正和・上野孝行・吉満真一,切削 ~ 加工における材料特性が加工硬化層に及ぼす影響,鹿児島工 郎 -,〆 y ト S US304 1 . 0~ ロ O ICuttings戸edi s~aried. g モ~ 〆とど?ーー /~~ i O 4 1 業高等専門学校研究報告, 34, ( 19 9 9 ),5・ 9 . 19 5 0 ),2 4 9 2 51 . ( 10 ) 浅枝・小野,機械の研究, 2,5( ( 11 ) 白樫高洋・帯川利之・笹原弘之・和田武司,切削加工変質層 -~~ 生成過程のシミュレーション解析(第 l報) 一残留応力分布 J J 2 4 f i E 1 の予測法の提案と妥当性の検証一,精密工学会誌, 59-10 ∞ . ( 19 9 3 ), 1 6 9 5 1 7 ( 12) 白樫高洋・帯川利之・笹原弘之・和田武司,切削加工変質層 生成過程のシミュレーション解析(第2報) ー残留応力分布 への影響因子と応力分布制御の可能性一,精密工学会誌, 59- 30 0 j │ 5 0 0 ∞ 19 9 3 ),2 3 2 0 0 8 . 1 2( ∞ 1 0 0 0 C u t t i n gr e s i s t a n c eF c,F t,R N 1 5 ( 13 ) 奥島啓弐・垣野義昭,切削加工面の生成機構に関する研究,機 19 6 8 ),97ト9 7 8 . 論第 3部 , 34-261( ( b )Cuttingspeed ( 14 ) 中山一雄,切削機構に関する研究(第 3報)ーすくい面近傍 且 nvnununu nuoofO ( 15 ) 岩田一明・上田完次・奥田孝一,走査型電子顕微鏡直接観察 SUS304 J ' = = Q q 也 ・ 一 一 ー V=50m/m i n c k n e s si sv a r i e d Un d e f o r m e dc h i p凶i A s) 司 ( 16 ) 橋村雅之・ DavidA .Domfeld,フライス切削のぼり生成に及ぼ l ー〆乙 I 戸 ノf 19 9 8 ),1 6 5 8 1 6 6 3 . す縦すくい角の影響,精密工学会誌, 64-11( ( 17 ) 臼井英治・牧野亮哉,低速流れ形切削における応力,ひずみ 口 // 0. 4 によるパリ生成機構の解析,精密工学会誌, 4 8 4 ( 1 9 8 2 ),510 5 1 5 . [) 〆 ~一一一一一一『 1 .σ/ 臼ー 分布,精密機械, 33-4 ( 19 6 7 ),2 4 5 2 51 . 1e -FcI │ー ケ ヲ- n U J ( 18 ) 勇田敏夫,田頭孝介,二次元切削により生ずる加工変質領域 F tI 日一 一 R L一 一 の観察,精密機械, 39-3( 19 7 3 ),312引 7 . ( 19 ) 中山一雄・田村清,切削抵抗における寸法効果 n u ggzQUhsuu司ヤヨ凶℃UCU 宮Euto診刷。 zEUQ 0 (1 9 5 8 ),548・ 5 5 2 . における変形の観察ー,精密機械, 24・1 1 .2 ∞ ω∞ 5 ∞ 一軽切削の 19 6 5 ),240 ・ 2 4 9 . 研究一,精密機械, 31-3( 1 5 C u t t i n gr e s i s t a n c eF c, , t FR N ( 2 0 ) 山本重男・中島宏興・宮地博文,構成刃先が生成する切削速 度域における低合金鋼の切削抵抗,鉄と鋼, 80 ・ 6( 19 9 4 ),469・ ( c )Undeformedchipt h i c k n e s s 4 7 4 . ( 2 1 ) 荒木透・山本重男・内仲康夫,テルライドその他の快削性介 Fig.9 RelationshipbetweencuttingresistanceandDH 在物を含有する軟鋼の切削挙動の微視的観察,鉄と鋼, 54-4 (SUS304) ( 19 6 8 ),444 ・4 5 4 . k : ayamaa n dM.Arai, Ont h eS t o r a g eo fD a t aonM e t a lC u t t i n g ( 2 2 ) K.Na F o r c e s, A n n a l so f t h eCIRP , 25,1 ( 19 7 6 ) ,1 3・ 1 8 . k : ayama, M.C .Shawa n dR .C . B r e w e r, R e l a t i o n s h i pBetweenC u t ( 2 3 ) K.Na 参考文献 Ann a l s t i n gF o r c e s, T e m p e r a t u r e s, B u i l t u pEd g eandS u r f a c eF i n i s h, ,14 , ( 19 6 6 ) ,2 1 1 2 2 3 . oftheCIRP (1) 森脇俊道,切削加工の軌跡,精密工学会誌, 65-1( 19 9 9 ),2 5 - ( 2 4 ) 奥島啓弐・垣野義昭,切削中の被削材内部の温度分布につい 3 0 . て(第 l報)ー測定法と切削表面層の温度分布一,精密機械, (2) 原田正治,西田新一,遠藤達雄,末弘健次郎,福島良博,山 2 6 7 3 0 . 3 4 1 1 ( 1 9 6 8 ),7 口弘幸,共析鋼の高サイクル回転曲げ疲労(第 I報,疲労強 ( 2 5 ) 山本明,切南Ij加工による金属表面層の研究(第 2報)一切削 度に及ぼす表面粗さおよび微小表面欠陥の影響),機論, 53- 19 4 9 ),1 4 3・ 1 4 7 . 角を変化した場合一,精密機械, 15・ 7( 19 8 7 ),4 0 1 4 0 7 . 487,A( 1 5
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