原子核の磁気能率 核のスピンと磁気能率 Spin and Magnetic Moment of Nuclei • MRI(Magnetic Resonace Imaging) 磁気共鳴映像法 • NMR(Nuclear Magnetic Resonace)核磁気共鳴 • 偶-偶核(Z, Nとも偶数)の基底状態は、スピン0なので • 偶-奇核 (Z, Nの片方が偶数、もう片方が奇数)の基底状態 • 奇-奇核(Z, Nとも 奇数)の基底状態は、整数のスピンを持 医学診断(断層撮影、3次元画像)に応用されている。 分析などに応用。 磁気能率を持たない。 は、半整数のスピンを持つ。磁気能率を持つ。 つ。稀にスピンが0のものもある。殆ど磁気能率を持つ 1 2 原子核の磁気能率 • • 核スピンと単一粒子殻模型 閉殻(Z or Nが魔法数)は安定でスピンは0 • MRI(Magnetic Resonace Imaging) 磁気共鳴映像法 • NMR(Nuclear Magnetic Resonace)核磁気共鳴 (1) 同じ種類の粒子が軌道にある→角運動量0に結合 分析などに応用。 (2) 同じ種類の粒子が奇数個、同じ軌道 j にある場合 • 偶-偶核(Z, Nとも偶数)の基底状態は、スピン0なので → 合成角運動量は、 j である。 • 偶-奇核 (Z, Nの片方が偶数、もう片方が奇数)の基底状態 • 奇-奇核(Z, Nとも 奇数)の基底状態は、整数のスピンを持 医学診断(断層撮影、3次元画像)に応用されている。 磁気能率を持たない。 • それ以外の核子 このRuleは、 偶-偶核のスピンが0であること、 偶-奇核のスピンが半整数で、 j であることを説明。 は、半整数のスピンを持つ。磁気能率を持つ。 • つ。稀にスピンが0のものもある。殆ど磁気能率を持つ 2 スピンが0でない粒子は、磁気能率(磁気モーメント) を持っている。→ MRI, NMRが可能 3 奇-奇核の核スピン 奇-奇核の核スピン • 最後の奇数番目の陽子と中性子の合成角運動量 • 最後の奇数番目の陽子と中性子の合成角運動量 jp, jn のベクトル結合でスピンが決まる。 J = jp + jn jp = lp + sp , jp jp, jn のベクトル結合でスピンが決まる。 J = jp + jn + jn ! J ! | jp - jn | jp = lp + sp , jn = ln + sn jp + jn ! J ! | jp - jn | jn = ln + sn • 経験的な規則:基底状態では、この陽子と中性 • 経験的な規則:基底状態では、この陽子と中性 • 例: • 例: 子の固有スピン sp と sn は平行である。 子の固有スピン sp と sn は平行である。 38Clの最後の陽子(d )と中性子(f ) 3/2 7/2 38Clの最後の陽子(d )と中性子(f ) 3/2 7/2 jp と sp は反平行、 jn と sn は平行 jp と sp は反平行、 jn と sn は平行 → jp と jn は反平行 → J = 7/2 - 3/2 = 2 が基底状態 → jp と jn は反平行 → J = 7/2 - 3/2 = 2 が基底状態 4 奇-奇核の核スピン 核、核子の磁気能率を測る単位 • 最後の奇数番目の陽子と中性子の合成角運動量 ●核磁子(Nuclear Magneton) jp, jn のベクトル結合でスピンが決まる。 J = jp + jn jp = lp + sp , jp 4 G: Gauss, T: Tesla + jn ! J ! | jp - jn | jn = ln + sn • 経験的な規則:基底状態では、この陽子と中性 ●核磁子は、電子スピンを測る単位であるBohr磁子に 子の固有スピン sp と sn は平行である。 比べて、質量比だけ小さい。 • 例: 38Clの最後の陽子(d )と中性子(f ) 3/2 7/2 jp と sp は反平行、 jn と sn は平行 → jp と jn は反平行 → J = 7/2 - 3/2 = 2 が基底状態 4 5 自由な核子の磁気能率 自由な核子の磁気能率 •核子は内部構造を持つ:Proton(uud), Neutron(udd) ●核子の磁気能率は、そのスピンSと g 因子により :陽子 u-quark (Q=2/3 e), d-quark(Q=-1/3 e)は、スピン1/2を 持つDirac粒子(真の素粒子)である。電荷とスピ :中性子 ンを持つの磁気能率を持つ。 ●核子が構造を持たない点状のDirac粒子なら、 となるはず。 ●実際には、 •核子の磁気能率は、その構成要素であるクォーク ●核子は内部構造を持つ:Proton(uud), Neutron(udd) の磁気能率の和で、ほぼ表わされる。 u-quark (Q=2/3 e), d-quark(Q=-1/3 e)はスピン1/2 6 原子核の磁気能率 • 7 • • 原子核の磁気能率は、構成する核子のスピンと軌道角 運動量とg因子で決まる。 単一粒子殻模型と原子核の磁気能率 偶-偶核の基底状態のスピンは0 → 磁気能率も0 偶-奇核、奇-偶核のスピンは0でない→有限な磁気能率 殻模型の予測:Schmidt限界の範囲にほぼ入っている。 実測値との一致は余り良くない(バラツキが大きい) • 偶-奇核、奇-偶核のSchmidt限界 陽子が奇数の場合 中性子が奇数の場合 Ic : Coreのスピン, gR : Coreのg 因子 純粋なCore : gR = Z / A 8 9 • • 単一粒子殻模型と原子核の磁気能率 • • 偶-偶核の基底状態のスピンは0 → 磁気能率も0 偶-奇核、奇-偶核のスピンは0でない→有限な磁気能率 殻模型の予測:Schmidt限界の範囲にほぼ入っている。 実測値との一致は余り良くない(バラツキが大きい) • 単一粒子殻模型と原子核の磁気能率 偶-偶核の基底状態のスピンは0 → 磁気能率も0 偶-奇核、奇-偶核のスピンは0でない→有限な磁気能率 殻模型の予測:Schmidt限界の範囲にほぼ入っている。 実測値との一致は余り良くない(バラツキが大きい) • 偶-奇核、奇-偶核のSchmidt限界 陽子が奇数の場合 中性子が奇数の場合 偶-奇核、奇-偶核のSchmidt限界 陽子が奇数の場合 中性子が奇数の場合 9 • • 単一粒子殻模型と原子核の磁気能率 9 • • 偶-偶核の基底状態のスピンは0 → 磁気能率も0 偶-奇核、奇-偶核のスピンは0でない→有限な磁気能率 殻模型の予測:Schmidt限界の範囲にほぼ入っている。 実測値との一致は余り良くない(バラツキが大きい) • 単一粒子殻模型と原子核の磁気能率 偶-偶核の基底状態のスピンは0 → 磁気能率も0 偶-奇核、奇-偶核のスピンは0でない→有限な磁気能率 殻模型の予測:Schmidt限界の範囲にほぼ入っている。 実測値との一致は余り良くない(バラツキが大きい) • 偶-奇核、奇-偶核のSchmidt限界 陽子が奇数の場合 中性子が奇数の場合 偶-奇核、奇-偶核のSchmidt限界 陽子が奇数の場合 中性子が奇数の場合 9 9 • Schmidt限界 • 磁気能率(量子論) 角運動量の最大 z 成分を持つ波動関数を持つ状態での 磁気能率演算子の期待値 Schmidt限界 磁気能率(量子論) 角運動量の最大 z 成分を持つ波動関数を持つ状態での 磁気能率演算子の期待値 j=l+s j=l+s 磁気能率演算子 µ = "$ gl j! + ( gs ! gl ) sz %' µ N ! # & 磁気能率演算子 µ = "$ gl j! + ( gs ! gl ) sz %' µ N ! 磁気能率の期待値 # & 10 • 10 Schmidt限界 Schmidt限界 磁気能率(量子論) µ = "$ gl j! + ( gs ! gl ) sz %' µ N ! 角運動量の最大 z 成分を持つ波動関数を持つ状態での 磁気能率演算子の期待値 磁気能率の期待値 # & j=l+s 磁気能率演算子 µ = "$ gl j! + ( gs ! gl ) sz %' µ N ! # & 磁気能率の期待値 10 11 Schmidt限界 陽子:gl = 1, gs = 5.586 (自由陽子)とすると 中性子:gl = 0, gs = -3.826 (自由中性子)とすると 12
© Copyright 2024 ExpyDoc