フーリエ変換とその性質 (2012年度後期)

周波数の世界
• 画像の周波数を音とのアナロジー(類推)で
説明する。
– 低い周波数:おおまかな絵
– 高い周波数:細かい絵
出典:ユーザーズディ
ジタル信号処理
音と画像の周波数
出典:ユーザーズディ
ジタル信号処理
1
フーリエ変換の性質(1)
画像のフーリエ変換
電波や音波などのように時間的変動する波
動に対して使われる周波数は:
・フーリエ級数→周期関数に適用
cycles/sec →
・有限な区間で定義された非周期
関数f(x)は 左図に示すように周
関数f(x)は、左図に示すように周
期関数fL(x)の周期Lを無限大にし
た場合に相当すると考えることが
できる。
Hz
・フーリエ変換→非周期関数
(時間周波数)
画像の場合は、空間的変動:
Lines pair/mm →
LP/mm, cycles/mm ,1/mm,
(mm)-1
(空間周波数)
フーリエ変換の性質(2)
●空間周波数 u
(cycles/mm)で表すと
w=2πu
+∞
+
F (u ) =
∫ f ( x )e
−i 2πux
dx
(1)
−∞
+∞
F ( w) =
+∞
f ( x) =
∫ f ( x )e
−iwx
dx
(角各周波数)
−∞
∫ F (u )e
i 2πux
du
(2)
−∞
1
f ( x) =
2π
+∞
∫ F ( w)e
−∞
iwx
dw
(角各周波数)
●f(x) は左の(1)式によっ
て空間周波数成分の分布
(スペクトル)F(u)に分解で
きる (フ リ 変換)
きる。(フーリエ変換)
●また、 f(x) は左の(2)
式によって、スペクトル
F(u)から合成できると考え
る。言い換えるとF(u)は、
(2)式によって、f(x)に逆
戻りができる
(逆フーリエ変換)
偶関数および奇関数のフーリエ変換
偶関数:y軸に対称な関数
で、次のような関係がある
f (− x) = f ( x)
∫
+∞
−∞
∞
f ( x)dx = 2∫ f ( x)dx
0
cos(wt) →
奇関数:原点に対称な関数
で、次のような関係がある
f (− x) = − f ( x)
∫
+∞
−∞
f ( x)dx = 0
偶関数
sin(wt) →奇関数
偶×偶=偶、
奇×奇=偶
偶×奇=奇、
奇×偶=奇
したがって、偶関数のフーリエ変換
は実数に、奇関数のフーリエ変換は
純虚数になる。
(証明を):課題
2
パーシバル(Parsebal)の定理
フーリエ変換の対称性
f ( x) =
1
2π
+∞
∫ F ( w)e
iwx
dw
−∞
x→-x
f ( − x) =
置き換える
1
2π
∫
+∞
−∞
関数f(x)のフーリエ変換F(w)は、一般に複素数となる。F(w)
の共役複素数をF*(w)とすれば:
F ( w)e −iwx dw
1
2π
∫
+∞
−∞
2
x と w を入れ替えると
1
2π
f (− w) =
∫
+∞
−∞
1
2π
1
=
2π
∫
+∞
∫
+∞
F ( w) dw =
+∞
−∞
=∫ [
F ( x )e −iwx dx
−∞
−∞
F ( w) F ∗ ( w)dw
+∞
F ( w) ∫ f ( x)e iwx dxdw
−∞
1 +∞
F ( w)e iwx dw] f ( x)dx
2π ∫−∞
+∞
= ∫ f ( x) 2 dx
−∞
+∞
F ( w) =
∫ f ( x )e
−iwx
dx
F(w)=F[f(x)]
F[F(x)]=f(-w)
−∞
F[F(x)]=f(-w)
0=(iwτ)+(-iwτ)
f ( x) ∗ g ( x) = ∫ f (τ ) g ( x − τ )dτ
+∞
F [ f ( x) ∗ g ( x)] = ∫−∞ [ f (τ ) ∗ g ( x − τ )dτ ]e −iwx dx
= ∫ f (τ )e
−∞
+∞
dτ ∫ g ( x − τ )e
−∞
+∞
+∞
−∞
−∞
1
2π
∫
+∞
−∞
2
F ( w) dw
= ∫ f (τ )e −iwt ∫ g ( x)e −iwx dx
−iw ( x −τ )
F [ f ( x ) ∗ g ( x )] = F ( w)G ( w)
●畳み込み積分のフーリエ変換は、それぞれの関数
のフーリエ変換の積で表されことを示している。
−∞
−iwτ
−∞
f ( x ) 2 dx =
畳み込み積分定理(2)
2つの関数f(x)とg(x)が与えられたとき、f(x) と g(x) の畳
み込み積分(あるいは、コンボリューション積分ともい
う)は、 f ( x ) ∗ g ( x ) で表される。
+∞
+∞
|F(w)|2 はパワースペクトルと呼ばれる
畳み込み積分定理(1)
+∞
∫
トータルのパワー(エネルギー)は実空間領域でも、空間周波数領域で
求めても同じであることを示している。
フーリエ変換の対称性
F(w)=F[f(x)]
Parsebal
dx
●したがって、画像処理では実空間で畳み込み演算
がよく行われるが、まったく同等の画像処理が、空
間周波数領域では単純な積で行えることを、畳み込
み積分定理は示している。
= F ( w) × G ( w)
3
畳み込み積分(Convolution Integral)のイメージ
フーリエ変換の応用
証明: 教科書:p 17
sinc シンク関数と
呼ばれている
F ( w) =
sin( wd )
wd
F ( w) =
出典:わかりやすい
ディジタル信号処理
デルタ関数のフーリエ変換
∫
∫
sin( wd )
wd
方形パルス幅dを狭く
すれば、フーリエ変換
の幅は大きくなる
デルタ間数列のフーリエ変換
+∞
−∞
δ ( x) = 1
+∞
−∞
デルタ関数のフーリエ変
換は、wの値にかかわら
ず常に1である
f ( x)δ ( x)dx = f (0)
+∞
F ( w) = ∫ δ ( x)e
−∞
−iwx
dx = e
−iw 0
=1
・一定の周波数スペクト
ル→白色スペクトル
図に示されているように、デルタ関数が周期
x0で無限に繰りさえる関数f(x)はデルタ関数
列あるいはコム(comb)関数と呼ばれる。
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