S造柱脚計算プログラム S造柱脚3 基礎コンクリート 立ち 上げ部の破壊防止追加 マニュアル 1.概要 本解説は、今回追加になった基礎コンクリート立ち上げ部の破壊防止の項目のみ説明 します。 本計算(基礎 コンクリート立ち上げ 部の破壊防止)は、露出形柱脚 (既成柱脚ハイベース 、Nc ベ ース等を除く)の み計 算します。 基礎コンクリートサイズ(幅、せい)は、今 回より必ず入力してください。入力 が無い場 合は、1 階 柱サイズ(鉄骨柱 の場 合は、鉄骨の X サイズ Y サイズの大きい方 を で計算)をセット しま す。 基礎立ち上がりコンクリートからベースプレートまでの距離は、入 力がない場合は、基礎立ち上がり サイズーベースプレートサイズ/2の寸 法を セットします。 アンカーボルト埋 め込 み深さは、20 d(d:径)以上入力してください。20d 以下は 、メッセー ジが出ます。 アンカーブロック(定着板)は、角 形・丸形・アンカーフレームが 指定できます。アンカーフレー ムでは定着板幅を 入力 してください。アンカーブロック上面の コンクリートの圧壊の 計算 のほか基礎 コンクリートの割裂面 の水平投影面積 Ac よ りアンカーブロック断面積を差し引きま す。 基礎コンクリート の割裂面の水平投影面積 Ac は、自動計算のほか 個別データで方向別に 直接断面 積を入力するこができます。基礎コンクリートの割裂面の水平投影面積 Ac は、最 大で基 礎コンクリ ート立ち上げ部の 断面積になります。ま た水平投影面積 Ac が自動 で拾えるのはアンカー が等分で配 置されてるデータ のみです。それ以 外の場合は 、個別データ で直接 Ac の断面積を入力してください。 基礎コンクリート 立ち 上げ部の配筋データは 、今回より根巻柱脚の 配筋データと共通 になります。基 礎コンクリート割 裂の 防止で Tp<Tu でクリアーできない場合 は基礎主筋分の Tr との合計でチェッ クしますので Tp+Tr>Tu でクリアーした場合 は入力した配筋が 必要 になります。 θ 基礎立ち上げ部コンクリートの破壊形式 1 入力 1.標準データ ※この項目は、関連項目です。 項 目 アンカー径 アンカーボルト埋 込深さlb アンカーボルト本 数 主筋径 単 省略 位 値 露出型柱脚立ち上 げ部 コンクリートに関 する 項目 アンカーデータ mm 30 ボルト径のn倍 深 さ = 径 ×n 負 入 力 ―35 埋込深さ 内 容 ( cm) 制限値 13∼99 ―50.0∼999.9 正入力 BPL 自動計算時に参照されます。 本 露出型柱脚・根巻型柱脚・埋込型柱脚 基礎立ち上げ部の 鉄筋径 mm 4 2∼99 22 13∼99 主筋径)標 準データによらない場 合は 、個別データで主筋径 を入力します。 2 2.標準データ2 項 目 基礎コンクリート 緑辺の圧壊防止 基礎コンクリート の圧壊防止 定着 板上面の コンクリー トの圧壊防止 基礎コンクリート の割裂の防止 基礎コンクリート のせん断破壊の防 止 アンカーボルトが 列状に配置する場 合 採用短期応力 内 容 単 省略 位 値 露出型柱脚立ち上 げ部 コンクリートに関 する 項目 0:検討しない ― 1 1:検討する ― 1 0: 地震応力と風 応 力 の( 軸 力) が大 きい方 1:地震時応力 2:風時応力 0,1 0,1 ― 1 0,1 ― 1 0,1 ― 1 0,1 ― 1 0,1 ― 0 0,1、2 1)露出柱脚立ち 上げ部 コンクリートの検討指定 2) 露出柱脚立 ち上げ部 コンクリートの採用短期応力 露出柱脚立ち上げ 部コンクリート破壊時 の検討応力を選択します。 3 制限値 3.柱脚データ 項 目 柱脚タイプ アンカーリスト 配筋リスト 根巻コンクリート サイズ(根巻時) 立 ち 上 げ 部コ ン ク リートサイズ ( 露 出柱脚時) アンカーボルト径 ※HEP で説明が表示されます。 内 容 単 省略 制限値 位 値 0:露出型 1:根巻型 2:埋込型 3: ハ イ ベ ー ス 4 : ベ ー ス 5:ス ー パ 0∼10 − ー ハ イ ベ ー ス 6:U ボ ン ド 7:ベ ー ス 0 パック NT 8:NC ベース 9:ハイベー ス・エコ 10:NC ベース EX アンカーボルトデータ、ベースプレート データ、リブプレートデータ、定着板デ ― 0∼999 0 ータ ― 0∼999 根巻柱脚時:根巻コンクリート鉄筋 0 露出柱脚時:基礎立ち上 げ部コンクリート基礎 鉄筋 根巻型柱脚のコンクリートサイズ ≦ cm 0.0 0.0 X 方向 Y 方向 999.0 露出柱脚時は 、立ち上げ 部コンクリート サイズ(※既成柱脚は 含まず) X 方向 Y 方向 ハイベース、ベースパック、NC ベース 用 4 ― 0.00 0.0∼ 9.999 項 目 内 容 基 礎 端 か ら BPL X 方向 端までの距離 Y 方向 定着板の形状 0:角形タイプ 1:丸形タイプ 2:アンカーフレームタイプ 3:直接断面積入力 定着板のサイズ 定着板 X 方向 サイズ(0:角形,2:アンカ) 定着板径 サイズ (1:丸形) 定着板 X 方向 断面積(3:直接) 定着板 Y 方向 サイズ(0:角形,2:アンカ) 定着板 Y 方向 断面積(3:直接) 定着板幅 アンカーフレーム時 1. 単 位 cm cm 省略 値 0 0 制限値 0.0≦99.9 0.0≦99.9 ― 0 0∼3 cm 0.0 0.0≦ 999.9 cm2 Cm 0.0 0.0≦ 999.9 cm2 cm 0.0 0.0≦ 999.9 入力の説明 S 造柱脚で追 加となる 露出型柱脚のデータの 説明をします。 1) コンクリートサイズ 根 巻 型 柱 脚 で は 、根 巻 鉄 筋 コ ン ク リ ー ト 柱 の サ イ ズ( X 方 向 寸 法 、Y 方 向 寸 法 )で す が 、露 出 型 柱 脚 で は 、 基 礎 立 ち 上 が り コ ン ク リ ー ト サ イ ズ を 入 力 し ま す 。寸 法 が 、0.0 の 場 合 は 、柱 型 の サ イ ズ が セ ッ ト さ れ ま す 。 2) 基礎端から BPL 端までの距離 5 基 礎 立 ち 上 げ 部 コ ン ク リ ー ト 端 か ら ベ ー ス プ レ ー ト 端 ま で の 距 離 を 入 力 し ま す 。寸 法 が 、0.0 の 場 合 は 、基 礎立ち上げ部コンクリートのサイズとベースプレートの差を 2 等分した寸法がセットされます。 露出柱脚 x 基礎立ち上げ部 3) コンクリート 定着板の形状 ア ン カ ー ボ ル ト 定 着 板 の 形 状 を 指 定 し ま す 。形 状 は 、四 角 形・丸 形・ア ン カープレ ートタイプの 3 形状です。 4) 定着板のサイズ アンカーボルトの定着板のサイズを入力します。丸形タイプは、X 方向寸法に入力してください。 定着板 X 定着板 X 定着板 Y 定着板 Y 定着版 角形 定着幅 アンカーフレーム 定着板 X 定着版 丸形 6 4.配筋データ 項 目 内 容 単 省略 位 値 制限値 コ形補強筋本数 埋込型柱脚のコ形補強筋 本 0 0∼99 主筋本数 根巻型柱脚の主筋本数、基礎立ち上げコン 本 2 0∼99 本 4 0∼99 本 2 0∼99 mm 100 0∼999 クリート主筋本数 X、Y 全本数 根巻型柱脚の主筋全本数、基礎立ち上げコ ンクリート主筋全本数 せん断補強筋本数 根巻型柱脚のせん断補強筋本数 X、Y せ ん 断 補 強 筋 ピ ッ 根巻型柱脚のせん断補強筋ピッチ チ 1. 入力の説明 根巻型柱脚及び埋込型柱脚の計算をする場合配筋データのリストを作成し柱脚データにそのリスト番号 を入力します。また S 造柱脚で追加となる露出型柱脚のデータの説明をします。 2. 項目の説明 1) コ形補強筋本数 埋込型柱脚の側柱におけるコ形補強筋本数を入力します。入力本数が0本の場合本数を算定します。 2) 主筋本数 根巻型柱脚の主筋本数を X 方向 Y 方向それぞれ入力します。 基礎立ち上げコンクリート主筋本数は、基礎コンクリートの割裂の防止で Trの計算に方向の本数を 考慮します。 3) 全本数 根巻型柱脚の全主筋本数を入力します。 7 4) せん断補強筋本数 根巻型柱脚のせん断補強筋本数を X 方向 Y 方向それぞれ入力します。 5) せん断補強筋ピッチ 根巻型柱脚のせん断補強筋ピッチを入力します。 5.個別データ 項 目 内 容 単 省略 位 値 m2 0 制限値 露出型柱脚及び NC ベース コンクリートの コーン状破壊面の有効水平投影面積 X 方向 コーン状破壊面の有効水平投影面積 Y 方向 0∼ 99.999 ※個別データの0は、全て標準データの値を使用します。 1. 入力の説明 コンクリートのコーン状破壊面の有効水平投影面積は、既製柱脚(NC ベース)のみのデータでしたが露 出型柱脚の基礎立ち上げ部コンクリートのコーン状破壊面データとしても追加しました。 1) コンクリートのコーン状破壊面の有効水平投影面積 自動計算でない場合有効面積を入力して配置します。 8 出力 14.基礎コンクリート立ち上げ部の破壊防止の指定を垂下しました。 9 基礎立ち上げ部コンクリートの破壊 x 1.コンクリート立ち上げ部分の縁辺の破壊 CY < 2B 2x Fc CY :nt ・b a ・ b b σY+N N :柱軸力(kN) B2 :基礎コンクリート柱型の幅 x :ベースプレート端部からコンクリート柱型端部までの距離 2.コンクリート立ち上げ部の圧壊防止 CY B0 < Fc 3 B 0 :ベースプレート底面積 3.アンカーブロック上面のコンクリート破壊防止 σY・b a Aa b < 5 Fc Aa :アンカーブロックの有効受圧面積 σY :アンカーボルト降伏点強度 b 4.基礎コンクリート割裂の防止 Tp = 0.31・φ1・ Fc・Ac(N) Tu=nt・Ab・ Fby Tp > Tu φ1 Ac :低減係数で 0.6(短期荷重時) Ab :アンカーボルト断面積 nt :引張側アンカーボルト本数 :コンクリートのコーン状破壊面の有効水平投影面積。 10 2x Tp < Tu の場合は、アンカーボルトと基礎主筋の重ね継手によって主筋が負担できる最大耐力 Tr は、以 下により計算します。 Tr=n・Ad・ Fy 定着板 X Ad :基礎主筋断面積 n :引張側主筋本数 Tp+Tr >Tu を確認 定着板 Y lb 定着幅 Ac 有効水平投影面積 5.基礎コンクリートのせん断破壊の防止 e> 0.54・ σY ・d tσc e :ボルト縁端距離 d :ボルト軸径 σ t c e b アンカーボルト e :0.31 Fc せん断力によるコーン状破壊 6.アンカーボルトが列状に配置される場合 sQ=B・e・tσc (N) B 45° e 11 列ボルトがせん断力を受ける場合 出力メッセージ ●NG メッセージ項目 1. コンクリート立ち上げ部分の縁辺の圧壊防止 CY/2B2x >= Fc 2. コンクリート立ち上げ部の圧壊防止 CY/B >= Fc/3 3. アンカーブロック上面のコンクリート圧壊防止 bσyba/Aa >= 5×Fc 4. 基礎コンクリート割裂の防止 Tp <= Tu 5. 基礎コンクリートのせん断破壊の防止 e1 >= e(アンカーより基礎距離) 6. アンカーボルトが列状に配置される場合 Q/sQ >= 1.0 7. アンカーボルト埋め込み深さが 20d 以下 8. Tp + Tr <= Tu により NG ●ワーニングメッセージ項目 14. Tp + Tr > Tu により OK 基礎鉄筋は表記どうりいります。 参考文献 2007年板建築物の構造関係技術基準解説書 鋼構造接合部設計指針 建築技術 1988・12 月号 鉄骨講座'88柱脚を考える 12 柱脚の耐震設計
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