特集積算基準類の改定公共建築工事積算基準等の改定について国土交通省大臣官房官庁営繕部計画課設費，現場管理費及び一般管理費等の算定方法を定めている。 1.　はじめに ⑤　「公共建築工事内訳書標準書式」は，工事費内訳書の標準となる書式を示している。官庁営繕事業に関する積算関係基準は，次の各 ⑥　「公共建築工事見積標準書式」は，製造業者基準から構成されている。等から適正な見積価格を得るための見積書式の ①　「公共建築工事積算基準」は，総括的な基準基本的な構成や記載項目等を示している。となっている。これらの基準は，「官庁営繕関係基準類等の統 ②　「公共建築数量積算基準」「公共建築設備数量一化に関する関係省庁連絡会議」において統一基積算基準」は，設計図書からの数量の計測・計準として決定され，各府省庁で制定し運用されて算方法を定めている。いる（図― 1 ）。 ③　「公共建築工事標準単価積算基準」は，標準今般，「公共建築工事標準単価積算基準」を市歩掛や市場単価の取り扱い等の単価及び価格の場単価改定等と整合を図るため改定し，平成27年算定に関する事項を定めている。度から運用を開始したところである。以下に改定 ④　「公共建築工事共通費積算基準」は，共通仮内容について紹介する。図― 1 積算関係統一基準類 18 建設マネジメント技術　2015 年 4 月号積算基準類の改定特集 ⑧　デジタル子時計の歩掛りを追加 ⑶ 機械設備工事 2.　公共建築工事標準単価積算基準の主な改定内容 ①　配管用炭素鋼鋼管（白）（通気・消火・給湯・プロパン）ねじ接合，溶接接合の給湯配管 ⑴ 建築工事に関する適用の記載内容を改定 ①　仮設の移動式揚重機械の記載内容を改定 ②　一般弁類の細目及び名称を弁類に改定 ②　コンクリートの一般事項の記載内容の表現を ③　機器搬入費，ため桝，インバート桝，その他改定のトラッククレーン賃料を揚重機賃料に改定 ③　コンクリートのポンプ圧送の計上が一定の打設量を超過した数量部のみを対象とする場合が出てきたため，ポンプ圧送及び注記を追加（表 ―1） ④　総合調整の配管系統の備考欄で，総合調整の対象としない配管工事に冷媒管等を追加 ⑤　地下オイルタンク用付属品の細目（吸油逆止弁）を改定 ⑵ 電気設備工事 ⑥　水冷式パッケージ形空気調和機の備考欄の記 ①　屋外LEDポールライト（太陽電池パネル）を追加載内容を，屋内機の天井吊りは100％増しとする ②　LAN用ケーブルについて，JISに規定される ⑦　排水金具・トラップ類の浴槽用トラップ細目伝送測定試験費を含んだ歩掛りに改定，またそから器具型番を削除，また，通気金物をVA 1 れに伴い，注記を追記からVA 2 に改定 ③　600V絶縁ケーブルに関する適用の記載内容を改定 ⑧　ダクト付属品撤去の線状吹出口に関する適用の記載内容を改定 ④　JIL 5004-2012改正追補にあわせ，LED照明器具の歩掛りを追加 ※なお積算関係基準の詳細は国土交通省大臣官房 ⑤　接地抵抗測定の歩掛りを追加官庁営繕部のホームページ（http://www.mlit. ⑥　端子盤及び集合保安器箱の歩掛りを追加 go.jp/gobuild/kijun_index.htm）を確認して下 ⑦　情報用アウトレットの歩掛りを追加，また電さい。話用アウトレットの歩掛りを追加及び改定表― 1 公共建築工事標準単価積算基準改定部分（抜粋）第 2 編建築工事第 1 章新築工事第 5 節コンクリート（対比表）表A 1 ― 5 ― 1 （改定後）表A 1 ― 5 ― 1 （改定前）細目摘要打設手間打設手間打設手間打設手間打設手間ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送捨コンクリート　ポンプ打ち土間コンクリート　ポンプ打ち基礎コンクリート　ポンプ打ちく体コンクリート　ポンプ打ち防水押えコンクリート　ポンプ打ち基本料金 1 回の打設量が100m3以上基本料金 1 回の打設量が50m3以上100m3未満基本料金 1 回の打設量が30m3以上50m3未満圧送料金 1 回の打設量が100m3以上圧送料金 1 回の打設量が50m3以上100m3未満圧送料金 1 回の打設量が30m3以上50m3未満基本料金 1 回の打設量が70m3超える基本料金 1 回の打設量が70m3以下圧送料金 1 回の打設量が70m3超える圧送料金 1 回の打設量が70m3以下単位備考 m3 m3 m3 m3 m3 回回回 m3 m3 m3 回回 m3 m3 細目摘要打設手間打設手間打設手間打設手間打設手間ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送ポンプ圧送捨コンクリート　ポンプ打ち土間コンクリート　ポンプ打ち基礎コンクリート　ポンプ打ちく体コンクリート　ポンプ打ち防水押えコンクリート　ポンプ打ち圧送基本料金 1 回の打設量が100m3以上圧送基本料金 1 回の打設量が50m3以上100m3未満圧送基本料金 1 回の打設量が30m3以上50m3未満圧送料金 1 回の打設量が100m3以上圧送料金 1 回の打設量が50m3以上100m3未満圧送料金 1 回の打設量が30m3以上50m3未満単位備考 m3 m3 m3 m3 m3 回回回 m3 m3 m3 注）注） 1 回の打設量が70m3を超える場合は，70m3を超えた数量分のみを対象とする。建設マネジメント技術　2015 年 4 月号 19