レ ー ザ ー研究 第22巻第4号 (245) レーザー解説 光ファイバーセンサーの環境擾乱対策 哲* 田 中 (1994年2月3日 受理) Fiber−OpticSensors Freefrom EnvironmentalDisturbances * Sa亀oshiTANAKA (Received February3,1994) The art of the optical fiber sensors is outlined briefly.The characte嶽stics of the po夏arization maintaining single−r殴ode fibers(PMSF)are described from theview point ofthe lnte㎡eromet− ric fiber−optic sensors.The PMSF is useful for devising the optical heterodyne polarimetric fiber−coil deformation sensor immune from temperature perturbations.The performance of the sensor is presented. KeyWords:Opticalfiber,Fiber−optic sensor,Interferometer. 体としても用いられる。そして,物理,化学, 1.はじめに および生体に関する多くのパラメーターが光 光ファイバーは光通信用として研究開発が進 められてきたが,センサーとして利用する際に ファイバーセンシングの対象となってい る1∼4)。 も以下に挙げるような利点を有している。 とりわけ,光の波動としての性質を利用する (1)低損失性(最低0.154dB/km) 干渉型光ファイバーセンサーは,被測定量に (2)細径(∼125μm)・軽量(∼30mg/m) よって変調されたファイバー伝搬光波の位相を (3)可とう性(自由に曲げられる) 検出することにより高感度測定を実現し,高感 (4)無誘導性(電磁誘導の影響を受けない) 度・高精度計測への有力な手段として大きな期 (5)防爆性(火花を出さない) 待が寄せられている。しかしながら,これらの (6)高い耐腐食性 センサーにおいては温度変化等の環境擾乱の影 (7)高い耐絶縁性 響を受け易いという欠点のために,擾乱の除去 近年,これらの性質を積極的に利用した光 ないし補償の研究が干渉型光ファイバーセン ファイバーセンサーの開発が盛んに進められる サーを実用化する上で重要課題となっている。 とともに,遠隔計測や特殊環境下での計測が実 本稿では,干渉型光ファイバーセンサーにお 用化しつつある。また,光ファイバーは伝送路 ける環境擾乱対策について焦点を絞り,干渉型 としてだけでなく,光ファイバーをセンサー自 光ファイバーセンサーに必要な偏波保持単一 *北海道大学工学部数物系共通講座(〒060札幌市北区北13条西8丁目) *Department ofEng血er加g Science,Faculty ofEngineer㎞g,Hokaido University(Sapporo O60) 一21一 平成6年4月 光ファイバーセンサーの環境擾乱対策 (246) clad y モード光ファイバーについて概説するととも に,最近の研究成果から温度擾乱に無感な干渉 Udqレ y 型光ファイバーセンサーについて紹介する。 X 2、偏波保持単一モード光ファイバー 単一モード光ファイバーでは,Fig.1の模式 (a) 図に示すように,ファイバー断面内で直交する core 方向に電界成分を持つ2つのモード1{E{1および HE㌔が縮退して伝搬光波を構成し,その偏光 状態はこれらの直交固有モードの合成によって 表わされる。完全に軸対称なファイバーでは, X(b) stress−producing sectlon Fig.2Polarization maintaining slngle−mode fibersラ elliptical−jacket fiber(a)and PANDA fiber (b). これら2つのモード問に位相差は生ぜずファイ バー伝搬光波の偏光状態は変化しない。しかし ながら,実際の単一モード光ファイバーは製造 過程で,構造に若干の非軸対称性が残存し,温 度変化等の環境擾乱が加わると上記直交固有 モード問に位相差が生じて伝搬光波の偏光状態 が変動する5)。この偏光状態の変化はコヒーレ 一致した直線偏光状態を保持することができ る。 代表的な偏波保持単一モード光ファイバーで はファイバーのコアに非軸対称の残留応力分布 を与え,これにより光弾性効果による複屈折を 誘起するとともに伝搬定数差を与えている。こ ント光通信においては信号レベルの低下を招 の伝搬定数差を大きくすれば偏波保持能力を向 き6’7),干渉型光ファイバーセンサーにおいて 上させることができる11・12)。Fig.2に楕円ジャ は測定精度の劣化をもたらす8)。このような問 ケット型とパンダ型偏波保持単一モード光ファ 題に対する一つの解決策として,HE㌔モード イバーの断面構造を示す。図において,ファイ とHE㌔モードの縮退を解くために各モードの バーの複屈折軸はxッ軸に一致している。これ 伝搬定数盈および含の差を意図的に大きくし, らのファイバーでは,熱膨張係数が他の部分と 偏波保持能力を持たせた偏波保持単一モード光 異なる応力付与部を設けることによって,ファ ファイバーが開発された9’10)。このファイバー イバーの線引き段階で非軸対称な残留熱応力を では,相当程度の環境擾乱に対しても電場の方 向がファイバー断面に対しxあるいはy方向に 発生させている。 偏波保持単一モード光ファイバーの開発によ り,直線偏光の状態を保持する問題は解決され, このファイバーを用いた様々な干渉型光ファイ バーセンサーが開発されてきた。しかしながら, ← ← ← HEl1 外的要因によって伝搬モードの位相は変化する ↑↑↑ ことに注意を要する。干渉型センサー構成の立 場からみると,被測定量と被測定量以外によ る位相変化を分離することが困難で,被測定量 以外の影響は位相検出の際に大きな誤差要因 HEイ1 F三g.1HE㌔and HE{1modes. となる。 一例として,Fig.3に偏波保持単一モード光 ファイバーに擾乱としてランダムな機械的振動 を与えて,ファイバー伝搬光波の位相揺らぎを 一22一 第22巻第4号 (247) レ ー ザ ー 研究 θ=0。 σ 翻 器① Z Ω (a) を 良 β 壬 氏び 誉l 捧axisl y−axis 崔・ o fiber (b) 4ms TIME→ ハ θ=90? Fig.3Phase fluctuations of eigen modes induced by Fig。4R.etardation depending on bent direct重on of a mechanical vibrations. length of fiber. 測定した結果を示す13)。(a)と(b)はそれぞれ, バーでセンサーが構成できるという利点は失わ HE{1モードとHE{1モードの位相揺らぎを同時 れるが,参照用のファイバーを用いて2本のファ 測定した結果であり,各モードの位相は擾乱の 偏波保持単一モード光ファイバーを用いて干渉 イバーに共通な擾乱が与えられるようにセン サーを構成し,差動検出により擾乱の影響を相 殺する手法も有効であり,これまで様々なセン 型光ファイバーセンサーを実用化するためには サーの提案がなされた26飼31)。 影響により大きく変動している。したがって, 擾乱による位相変動の影響を除去ないし補償す 4.温度擾乱除去効果を有する光ファイバー る方法の研究が重要となる。 コイルセンサー 3.干渉型光ファイバーセンサー 従来の基本的な光学干渉計の構成を単一モー ド光ファイバーおよび偏波保持単一モード光 ファイバーにそのまま応用して,干渉型光ファ 4.1光ファイバーコイルセンサー 偏波保持単一モード光ファイバーを曲げる と,曲げによりファイバー断面内に複屈折が誘 起され32),ファイバーを伝搬する直交固有モー イバーセンサーが実現できる3’4)。位相の高感 ド間の位相差(リタデーション)は変化する。 度・高精度検出には光ホモダインおよび光ヘテ Fig.4に一定の長さの偏波保持単一モード光 ファイバーを曲げた場合の曲率の2乗とリタ ロダイン検出14’15)が利用される。光ファイバー 独自の干渉計としても,2モード光ファイバー のモード問干渉16d8)や偏波保持単一モード光 デーション変化の関係を示す33)。ここで,θ ファイバーの直交固有モード問の干渉19∼21)等 変化は曲率の2乗に比例している。また,感度 を利用した方式がある。これらの方式では干渉 はファイバーの複屈折軸に対する曲げの方向θ 計に参照アームを必要とせず,一本のファイ に依存しており,θ=450で0となり,θ=gooと バーで干渉計を構成することが可能である。 θ=ooで感度は最大で互いに逆の符号を持つ。 干渉型光ファイバーセンサーでは,擾乱によ はκ軸に対する曲げの方向で,リタデーション ファイバーコイルの断面図をFig.5に示す。 る影響の解決策として,高い周波数成分の検出 コイルは径方向にフレキシブルに変位できるも 信号のみを測定対象として温度擾乱等の低周波 成分の位相ドリフトを能動的22・23)あるいは受 のとし,変位を4とする。リタデーション変化 は曲率の2乗および曲げの加えられる部位の長 動的2425)に補償する方法が提案されている。 さに比例するため,次式で与えられる27’29)。 また,直交固有モード間の干渉を利用した光 ファイバーセンサーにおいて,一本のファイ 一23一 α 2πα1〉 φ=(R−4/2)22π(R}4/2)N冨R−4/2(1) 光ファイバーセンサーの環境擾乱対策 (248) 蚕 丁 2R 」_ ±d 蔓 平成6年4月 径方向可変のファイバーコイルを作製する。コ ””一一一榊一下τ イルの変形により融着部の前後では,2本のファ 2R−d イバーは互いに異なる複屈折軸の方向に曲げら 1 _____工__. れる。その結果,融着部の前後で共通に加わる 擾乱の影響は相殺されるが,コイルの変位に F圭g。5Deformation of the fiber−coiL よって生じるリタデーション変化は融着部の前 後で加算されることとなる。 splice dispiacement(d) 奪 聾1亙 ここで,ファイバーコイルに変位4が加えら れたときの2つの直交固有モード間のリタデー ション変化について考える。ファイバーコイル の入射端から融着部までのリタデーション変化 頼4)は 2πα1〉 φ綱=全4/2+蝉丁) 8 (2) で表わすことができる。ここで,脅は温度等の 擾乱によって誘起される位相変動項である。 融着部からファイバーコイルの出射端までは Fl9。6Fiber−coil a皿angement。 曲げの方向が90。異なることを考慮して,リタ ここで,ノVはファイバーの巻数,Rはコイルの デーション変化ψ,(4)は 半径,αはファイバー断面の形状や光弾性定数 2πθ1〉 φ・(4)=一R−4/2鵬(△乃 に依存するファイバー固有の定数を示す。式 (1)の導出において,Fig5に示したように,2 (3) 枚の板で挟まれたファイバーコイルは板とファ で表わすことができる。 イバーが接している部分では曲率ρ=0,ファ イバーが曲げられている部分ではρ=R−4〆2 とした。式(1)より,ファイバーの巻数Nを増 2つの直交固有モードはFig.7で示したよう に,融着部の前後で互いに異なる複屈折軸に 沿って伝搬する。ファイバーで生ずる全リタ 加することおよびコイルの半径Rを小さくする デーション変化Φ(4)は式(2)と式(3)の差で表わ ことで感度を高められることがわかる。 され, 4παノ〉 4.2 センサーの構成 Φ(4)=R_4/2 (4) Fig.4を参照して,偏波保持単一モード光ファ イバーのx軸およびy軸方向に曲げた場合にリタ となる。ここで,融着部の前後で擾乱による影 デーション変化の符号が逆になることを利用 響はほぼ等しく し,擾乱除去効果を有する光ファイバーコイル 変位センサーを構成することができる27・29)。 脅(△T)∼ψ,(△T) (5) Fig,6にセンサーの構成図を示す。このセンサー とした。 では,2本の長さの等しい偏波保持単一モード このセンサーではファイバーコイル前後の 光ファイバーを複屈折軸を90。回転して融着し リード部を,Fig.6に示したように複屈折軸を た一本のファイバーを用いる34)。融着部でファ 揃えて密着させ,この部分ではファイバーの曲 イバーを折り返し,2本を密着させ一体として げによる影響も相殺されるようにして,コイル 一24一 第22巻第4号 (249) レ ー ザ ー研究 1 し L y (fastaxis)\ X X y (sbw axis)1 FRONT FIBER (sl・w axis)、 (fastaxis)■ REAR FIBER SPLICE Fig。7Schematic representation of orthogonal linearly polarized two modes gu童ded along a Iength of spliced fiber. PBS M LD AOM AOM PBS m M PFS λ/2 L DISPLACEMENT BS ⇔ PULSE A D2 STAGE 1 A DI i i l I L ゆ 争 1i 虚 Fig.8Experimental set−up。 部分のみに感度を局在化した。 4.3実験系 注意すべきこととして,光学系に用いられる Fig.8に実験系を示す。半導体レーザーLDを 光学素子やファイバー中では,直交固有モード 出射した光波は,2組の偏光ビームスプリッター 間で生ずるクロストークが原因となって,偏波 PBSおよび超音波変調器AOMで構成された直 干渉光ファイバーセンサーの感度が劣化するこ 交偏波周波数シフター13’26)PFSにより,異なる とである35・36)。しかしながら,このセンサー 周波数を持った直交する直線偏光に変換され で用いた融着部を持つ1本のファイバーでは, る。これらの直交2周波を成分に持つ光波はビー Fig.7に示したように2つの直交固有モードの光 ムスプリッターBSで2分割される。BSで反射 路長が互いに等しくなるため,原理的にはイン された光波を半波長板λ/2の調整により,2成 コヒーレント光源を用いることが可能で,不要 分の偏波面をファイバーの複屈折軸xおよびy軸 な干渉成分によって生ずるクロストークを低減 に一致させて,ファイバーに入射させる。ファ し,かつ感度の劣化を防ぐことができる。 イバーを出射した2成分は検光子Aで合波され, 一25一 (250) 光ファイバーセンサーの環境擾乱対策 では,ほぼ理論式にしたがってリタデーション 3.0 ! ∪ 田 が変化している。9mm以上では測定値は理論 ノ !ノ O 曲線と一致しなくなる。これは,変位が大きく o ’ O なるとコイルは楕円状に変形し,式(1)を得る / O o cっ 2.O ’ o o 二 平成6年4月 過程でFig.5を参照して設けた条件が成立しな /o. ノo が くなるためである。 oノ 2: 9 〆 ダ を また,4《Rの条件の下で式(6)は, ρ .9 皇1・・ 9 2π召!〉 ダ9ノρノ 拝 崔 Φ(4)一Φ(o)=R24 σ (7) が ノげ ρ’ α 刀 となり,リタデーション変化は変位に比例する。 ’Dρ 0 5.0 10.O Fig.9において式(7)が成り立つと見なせる部分 DISPLACEMENT lmml での変位に対するリタデーション変化の感度は 1.6×102[deg/mmlである。また,コイル1巻当 Fig。9Retardation as a function of displacement. りで換算した感度は,3.2[deg/mm・tumlとなF 光ヘテロダイン検出により光検出器D2から2成 分の差周波数を搬送周波数とするビート光電流 を得る。また,BSを透過した光波はD1で参照 る。 低コヒーレンス光源を用いることによるクロ ストーク低減の効果を確認するために,コヒー レンス長の長いHe−Neレーザーを光源に用いて 用ビ・一ト光電流を生ずる。得られた2つのビー ト光電流は位相計に入力される。ここで,D2 同一の実験を行い,可視半導体レーザーによる で得られたビート光電流の位相はファイバーを ものと比較した。2つの場合について¢(4)一 伝搬した直交2成分問の位相差を示し,位相計 を用いてこれを検出することによりリタデー Φ(0)を直接ペンレコーダに出力した結果を ψ 山 光源には低コヒーレンス光源として可視半導 体レーザー(中心波長670nm,コヒーレンス長 <1mm)を用いた。作製した光ファイバーコイ ルの半径は2cm,コイルの全巻数は2ノ〉=50で ある。ファイバーにはビート長0.8mmのパン ダ型偏波保持単一モード光ファイバー用い,そ o 皇 年 崔 一 『 口 1 1 5 8 5 監 1 1 1 1 1 8 一 犀 8 1 一 階 1 1 聖 1 1 8 o 1 1 1 1 雛 塗 電 1 8 1 匹 葬 1 1 置 l I 1 匹 8 8 9 9 ロ ユヨドロ イド 9注 侵 ≦ 崔 1 I I 100 l I 1 8 1 酢8 1 1 酢 1 陰 「 5 1 [ 8 置 , 1 1 置 1 1 』 1 , 1 覧 1 6 璽 ‘− 1 1 8 匹 1 1 匹 1 口 口 置 9 倉 ‘ 8 0 肛 8 邑 5 1 8 8 1 8 1 9 , 躍 口 酢 塵 8 1 1 1 1 1 1 o 口 1 5 8 1 監 1 I l 1 一 11.0 ¢(4)一Φ(0)罷 4 1 1 1 DISPLACEMENT lmml ら求めた理論式 4πα1〉 , 1 1 『 1 1 と (4)の測定結果をFig.9に示す。破線は式(4)か 1 軍 1 監 11.0 o コイルの変位に対するリタデーション変化¢ 1 1 ψ 田 4.4 実験結果 1 1 100 11 口 『 ど 9旨 の長さは融着部の前後で各5m,全長10mであ る。 1 1 1 1 8 ションが測定される。 エ ロ エ ゆロ ユ レ DISPLACEMENT[mm】 (6) R(2R−4) より得られた理論曲線を示す。変位9mm以下 Fig.10 Retardation output depend重ng on laser sources,Iaser diode (a) and He−Ne laser (b). 一26一 第22巻第4号 (251) レ ー ザ ー 研究 lDEq 1◎q 100 200 卜 100 z 髪 80 → \、1 9 m ζ で m 60 刀 > → 建 畠 o 痒 ⊂F 刀 嵜 40 m 一100 噛 一200 一 『 剛 (a) 噂 一 一 一 } 一 一 一 一 一 一 一 一鞠一一一一一____ 幽 騨 一 20 5min TIME一 Fig。111mmunity from temperature disturbances. Fig.10(a),(b)にそれぞれ示す。この結果から, 有することが確認された。 低コヒーレンス光源を用いることにより,クロ ストークによる非線形誤差35・36)が除去される 5.おわりに ことが確認された。 干渉型光ファイバーセンサーの実用的な開発 センサーの温度擾乱除去効果を確認するため の見地から,偏波保持単一モード光ファイバー に,1本の偏波保持単一モード光ファイバーを 用いて同一形状の擾乱除去効果を持たない参照 用光ファイバーコイル変位センサーを作製し, について概説するとともに,偏波保持単一モー 渉型光ファイバーコイルセンサーについて詳し 2つのコイルセンサーを水に浸し,水温の変化 い説明を行った。 ド光ファイバーを利用した温度擾乱に無感な干 に対するセンサーの出力を同時測定した。参照 高感度かつ高精度センシングが可能な干渉型 用センサーではx軸とy軸間の光路長差が可視半 光ファイバーセンサーを実用化するためには, 導体レーザーのコヒーレンス長を越えるため, 温度変化等の環境擾乱の除去あるいは補償する 光源にHe−Neレーザーを用いた。測定結果を 方法・手段の開発が重要であり,ここで紹介し F三g.11に示す。破線は熱電対によって測定した た干渉型光ファイバーセンサーは環境擾乱に対 水温の変化である。また,実線(a),(b)はそれ する有効な解決策のひとつである。 ぞれ,擾乱除去効果を有するセンサーおよび擾 参 考 文 献 乱除去効果を持たないセンサーで測定した水温 に対するリタデーション変化を示す。実線(b) 1)T.G.Giallorenzi et,aL:IEEE J.Quantum はわずかな温度変化に対してもリタデーション Electron、QE−18(1982)626。 が大きく変化し,位相計の特性のため位相出力 は360[deglの整数倍で折り返されている。温度 変化に対する2つのセンサー出力の感度はそれ ぞれ,(a):1.0[deg/℃】および(b):L1×102[deg/ Oqであり,(a)は(b)に対し1/100以下である。 この結果から,ここで試作した光ファイバーコ イル変位センサーは良好な温度擾乱除去効果を 2)B。E.Jones:」。Phys.E:Sci.Instrum.18(1985) 770. 3)D.A.Jackson and J.D。C。Jo血es:Opt。Acta 33(1986)1469。 4)大塚喜弘:応用物理56(1987)702. 5)G.Garlichs:Electron.Lett。17(1981)894。 6)波平宣敬,工藤正昭,虫明康人:信学論(C) 63−C(1977)391。 7)R.Ulrich:AppL Phys,Lett.35(1979)840。 一27一 (252) 光ファイバーセンサーの環境擾乱対策 平成6年4月 8)D。W.Stowe,D.R。Moore,and R G。Priest: 23)保立和夫,佐下橋市太郎,丹羽登:信学技法 IEEE J。Quantum Electron.QE−18(1982) 王644. OQE82−57(1982)1。 24)K.P。Koo,A.B.Teveten and A。Dandridge: 9)T.Okoshi:IEEE J.Quantum Electron.QE−17 (1981)879。 10)J。Noda,K Okamoto,and Y,Sakai:J.Light− wave TechnoL LT−4(1986)1071. 11)P,H.Krawarik and L S.Watkins:Appl.Opt。 17(1978)3984. 12)1・Kaminow:IEEE J・Quantum Electron・QE− 17(1981)15. Appl.Phys.Lett.41(1982)616. 25)S,K.Sheem,T.G.GiallorenziandK P,Koo: AppL Opt。21(1982)689. 26)Y.Imal and Y.Ohtsuka:Appl.Opt25(1986) 4444. 27)Y.Ohtsuka,M.Kamaishi,and Y。Ima孟:Int.J. Optoelectron。3(1988)371。 28)田中哲,大塚喜弘:第5回光波センシング技術 13)S。Tanaka,K.Oka,and Y.Ohtsuka:」。Light− wave Techno1.LT−9(1991)135. 研究会論文集,(1990)23. 14)T。J。Hall:Electron.Lett。15(1979)405. and Actuators A21−A23(1990)438。 29)K.Oka,T.Takeda,and Y.Ohtsuka:Sensors 15)中島俊典:光学9(1980)266. 30)T。Yoshino et aL:J.Lightwave TechnoL LT−10 16)J。L McMillan and S.C.Robertson:Electron。 Lett.20(1984)136。 (1990)503. 17)H,E.Engan et aL:J.Lightwave TechnoL Lτ一 (1991)267. 6(1988)428. 18)K A.Murphy et aL:」。Lightwave TechnoL LT−8(1990)1688. 19)M.P.VamhametaL:Electron。Lett.19(1983) 699. 32)R Ulrich,S,C。Rashleigh,and W.Eickhoff: Opt。Lett.5(1980)273. 20)T,H。Chua and Chin−Lin Chen:AppL Opt.28 Means.Sci.Technol.3(1992)375。 31)S.Tanaka and Y.Ohtsuka:Opt.Commun。81 33)Y.Imai and Y。Ohtsuka:J.Lightwave Technol. LT−5(1987)1008. 34)Y.Ohtsuka,S.Tanaka,Y.Nishi and S.Sawae: 35)中谷登他:第1回光波センシング技術研究会論 (1989)3158. 21)W,」.Bock:IEEE Trans。Instrum。Meas。39 文集,(1988)105。 36)岡和彦,大塚喜弘:第4回光波センシング技術 (1990)233. 22)A.Dandrldge and A。B。Teveten:Opt.Lett7 (1982)27。 研究会論文集,(1989)79。 一28一
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