瀬戸内海東部における海産移入種の分布状況、 特にコウロエンヒバリ

広大 FSC 報告,4:41-56.2007
報告
瀬戸内海東部における海産移入種の分布状況、
特にコウロエンヒバリガイを中心に(予報)
新田裕介1・大塚攻1・伊勢田真嗣2・木村妙子2・上野大輔1・花岡皆子3・香田唯3・
大谷道夫3・郷秋雄4・中口和光4・山口修平4・尹良湖5・徐浩榮5
1
2
広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター竹原ステーション・
三重大学大学院生物資源学研究科・3(株)海洋生態研究所・4広島大学生物生産学部附属練習船豊潮丸・
5
韓国全南大学校海洋技術学部
Preliminary Surveys on Distributions of Marine Alien Species in the
Eastern Part of the Seto Inland Sea, Japan, with Special
Reference to Pygmy Mussel Xenostrobus securis
Yusuke Nitta, Susumu Ohtsuka, Masatsugu Iseda, Taeko Kimura, Daisuke Uyeno, Minako Hanaoka,
Yui Kouda, Michio Otani, Akio Go, Kazumitsu Nakaguchi, Shuhei Yamaguchi, Yang Ho Yoon and Ho Young Soh
Abstract
speices of planktonic copepods was found out from the
Distributions of alien species of marine benthic
Osaka Port where the international trade is most
and planktonic animals have been investigated in the
vigorous in the Seto Inland Sea. The present
eastern part of the Seto Inland Sea, western Japan
preliminary studies also support a hypothesis that
since 2004. Five previously known alien species of
main vectors for marine organisms introduced to Japan
benthic animals were found from the sea: Balanus
are hull fouling rather than ballast water.
eburneus,
Carcinus
aestuarii,
Mytilus
galloprovincialis, Perna viridis, and Xenostrobus
Keywords:
securis. In particular, the horizontal distribution,
Xenostrobus securis, hull fouling, ballast water,
density, growth, and the presence or absence of
copepods, parasites
alien,
introduction,
distribution,
parasites of the pygmy mussel X. secures, which was
first introduced from Oceania to Japan in 1970’s,
緒言
were surveyed at five stations of the Osaka Port and
2005 年、日本において移入種(「外来種」という表現とここ
the mouth of Shinmachi River, Tokushima City. Maximum
では同義とする)に関する初の法律「特定外来種による生態
densities of X. secures were recorded at stations
系等に係る被害の防止に関する法律(所謂、特定外来生物
where the salinity was approximately 18 to 19 PSU.
被害防止法)」が環境省と農林水産省によって施行されたの
Relationships between shell length and wet weight of
は記憶に新しい。この法律によってリストアップされた移入種
X. secures were provided for populations of the Osaka
(現在 66 種)の輸入、国内での移動、販売、飼育などが原則
Port. In contrast to benthic organisms, no alien
的に禁止された。しかしながら、海産種はこの法律の対象と
はなっておらず、要注意外来生物として 10 種がリストアップ
なども調査が進んでいる(Kimura et al., in prep.)。一方、外国
されているだけで法的な拘束力はない(環境省:
産プランクトンの本邦への導入に関しては情報がほとんどな
http://www.env.go.jp/nature/intro/y_kohyou_musekitui.ht
い(大塚ら, 2004)。カキなどに甚大な被害をもたらす渦鞭毛
ml)。船舶往来、水産物輸出入を介して導入された海産移入
藻類 Heterocapsa circularisquama が導入された可能性が指
種の被害は世界各地で深刻であり、現在でも進行しつつある
摘されているが(岩滝・松岡, 2007)、移入経路、時期などの
問題である。遅ればせながら 2004 年、船舶バラスト水による
詳細は不明である。
移入種の拡散防止を目標として国際海事機関(IMO)が「バラ
我々は、2004 年以来、瀬戸内海におけるベントス、プランク
スト水管理条約」を採択した。この条約では、バラスト水の排
トンの導入状態に関する調査を行っている。現在実施してい
出の際、微生物やプランクトンの密度、人体や周囲への安全
る調査方法は二つあり、1つは瀬戸内海において国際貿易
性などに厳しい基準を設定した(D-2 基準)。本邦では、国土
が盛んな港湾における移入種の分布調査、もう1つはドック
交通省によってその対策が検討されつつある(岩崎, 2007 参
入りした国際貿易に携わる船舶船体の付着生物相調査であ
照)。
る。後者に関しては常石造船株式会社(福山市)の全面的な
世界各地で海産移入種による在来の種や生態系に与える
協力を得て実施しているが、この結果については別途に報
影響が科学的に評価されつつある。例えば、北米太平洋沿
告する予定である。本稿では瀬戸内海東部(大阪港、神戸港、
岸、黒海においては移入種による生態系の劇的変化が報告
西宮港、徳島市新町川河口)におけるベントス、動物プランク
されている(e.g., Fleminger & Kramer, 1988; Kimmerer et al.,
トンの移入種の調査結果について報告する。特に、大阪港、
1994; Shiganova, 1998; Orsi & Ohtsuka, 1999; Kideys &
新町川河口においてはコウロエンカワヒバリガイ
Romanova, 2001; Bollens et al., 2002)。特に、捕食性動物や
Xenostrobus securis の分布、成長、寄生生物の有無などに
寄生虫の導入は水産上重要種に対する深刻な被害を引き
関する調査を行ったのでここで報告する。このような基礎的
起している(e.g., Shiganova, 1998; 小川, 2005)。また、付着
なデータの蓄積は移入種の拡散防止などには重要であると
性で集団を形成する軟体動物(二枚貝)や環形動物は汚損動
認識している。
物として被害が大きい(日本生態学会, 2002; 国土交通省総
合政策局環境・海洋課海洋室・社団法人日本海難防止協会,
2005)。これまで、移入種による在来種の減少や絶滅、移入
材料と方法
調査海域を図 1 に示した。ベントス調査は大阪港、神戸港、
種と近縁在来種との交雑による遺伝的浸透は報告されてい
西宮港、徳島市新町川の 4 海域、動物プランクトン調査は大
るが、複数の移入種と在来種の複雑な種間関係も明らかに
阪港において行った。各調査方法等を以下に示す。
なってきた(Kimmerer et al., 1994)。
本邦においても近年、ベントスの移入種が船体付着、水産
ベントス調査
物輸入によって増加しており、現時点で 43 種が確認されて
大阪港(図 1、2):付着動物の調査は広島大学生物生産学部
いる(大谷, 2007a,b)。それらの導入の時期、経路と方法、二
附属練習船「豊潮丸」に積載している船外機付き小型ボート
次的分散などが細かく調査されつつある(日本生態学会,
によって定点 O2、O3 において 2004 年 6 月 2 日に行った。
2002; 岩崎ら, 2004; 大谷, 2004, 2007a,b; 石田ら, 2005; 国
さらに、2005 年 10 月 18 日に定点 O1、O4、O5、2006 年 6
土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室・社団法人日本海
月 27、28 日に定点 O1、O5、O6、O7、O8 において同様の調
難防止協会, 2005)。また、本邦を出港して外国港へ寄港す
査を実施したが、出現種の確認のみ行った。採集は各定点
る船舶バラストタンク内でのプランクトンの組成、密度の変化
の岸壁・橋脚等に付着している底生生物を 25cm×25cm コド
ラートを用いて定量的に採集を行った。昼間の最干潮時に採
さらに、定点 T3 から 50 個体をランダムに抽出して、外套腔
集を行い、2004 年では、生物の付着している最満潮線上部
内の寄生性カイアシ類の有無を実体顕微鏡下で確認した。
の潮位線より 30cm 下にコドラートを設置した。同様に 2005
年、2006 年では最上部の潮位線より 50cm 下にコドラートを
設置し採集を行った。コドラート内の全付着生物を金属ヘラ
プランクトン調査
大阪港(図 2):動物プランクトンは図 2 の定点 O1、O2、O3
で掻き落としてトレイに回収し、ビニール袋に移した。その後、
において 2004 年 6 月2、3日に、定点 O1、O5 において 2004
5%中性ホルマリン海水あるいは 70%エタノールで固定し研
年 9 月 28 日に、NORPAC ネット(口径 45 cm、 目合い 0.1
究室に持ち帰った。また、各定点ではポータブル塩分水温計
mm)を用いて底近くから表面まで鉛直引きを行った。また、
(ACT20-D, Alec Electronics Co. Ltd.)を用いて水深 1 m の水
夜間、水中集魚灯を点灯して、その周辺を適宜、小型円錐ネ
温・塩分を計測した。2004 年 6 月 2 日に定点 O2、O3 で採集
ット(口径 30 cm、目合い 0.1 mm)で定性的に採集を行った。
したコウロエンカワヒバリガイについては全個体について殻
長と湿重量を測定した。また、定点 O2、O 3 から採集された
結果と考察
個体の殻長組成から相澤・瀧口(1999)に基づいてコホート解
析を行った。さらに、定点 O2 から 92 個体をランダムに抽出し
て、外套腔の寄生性カイアシ類やその他の寄生生物の有無
を調査した。
神戸港(図 1、 3):2005 年 10 月 19 日、付着動物の調査は
広島大学生物生産学部附属練習船「豊潮丸」に積載してい
ベントス
表 1 には今回、発見された 5 種の移入種を示した。全種は
本邦からすでに出現記録のあるものばかりではあるが、これ
らの出現記録からも、現在でも確実に定着しているものと断
言できる。
る船外機付き小型ボートによって港内 4 定点(K1 〜K4)を
2005 年の大阪港の付着動物採集と同様に行った。
(1)コウロエンカワヒバリガイ Xenostrobus securis (図 5-7、
西宮港(図 1、 3):2006 年 6 月 29 日昼間の干潮時に、西宮
8A)
市夙川河口(香櫨園) (定点 N)において岸壁に付着する貝類、
出現地点(表 1):大阪港(図 2、 定点 O1〜O8)、西宮(図 3、 N)、
河川水に生息するカニ類を採集した。水深はせいぜい数十
徳島(図 4、 定点 T2〜T4)
cm 程度で、塩分は約7‰であった。
大阪港および徳島市新町川河口における分布・密度:
徳島市新町川河口(図 1、 4):2005 年 9 月 3 日に、徳島市
2004 年 6 月 2 日、大阪港の 2 定点O2、O3 において、定量
内を流れる新町川の上流から下流まで昼間の干潮時にコウ
採集したコウロエンカワヒバリガイの生息密度を求めた。同じ
ロエンカワヒバリガイの定量採集を定点 T1~T5 で行った。主
調査海域の定点において、水深 1 mの水温はそれぞれ 20.4、
に塩分環境の変化で生息密度、および殻の形態にどのよう
21.2℃であったが、同深度の塩分は顕著に差が見られ、11.7、
な違いが現れるのかを調べた。採集は、護岸等に付着して
19.3PSUであった(表1)。この 2 点間で密度は顕著な差があ
いるコウロエンカワヒバリガイを大阪港の調査と同様にコドラ
り、それぞれ 7,408、31,024 個体/m2であった(図 5)。採集さ
ートを用いて定量的に採集した。また、大阪港と同様にポー
れた全個体の殻長を計測し、定点ごとのコウロエンカワヒバ
タブル塩分水温計を用いて水温・塩分を計測した。ただし、
リガイの殻長組成を調べた(図 6)。1コホートのみが確認され
定点 T5 においては計測機器を持ち運ぶことができなかった
た。
為、計測は行っていない。大阪港同様に、定点 T2〜T4 から採
集された個体については殻長組成からコホート解析を行った。
徳島市新町川河口の定点T2〜T4 の 3 地点において定量
採集したコウロエンカワヒバリガイの生息密度を求めた(図 5)。
水深 1 mの水温は定点T1 の 26.7℃が最低で、定点T2〜T4 で
低かった。本種は塩分によって生息密度に差が生じる傾向
は 28.1〜28.9℃であった。一方、塩分においては定点間で顕
が顕著であった。
著な差が見られ、本種の分布が確認されなかったT1 では
寄生生物相:大阪港、新町川河口いずれにおいても外套腔
4.3PSUと極端に低く、分布が確認されたより河口に近い定点
から寄生性カイアシ類は発見されなかった。この結果は、日
T2〜T4 までは順に 9.6、18.3、24.1PSUを記録した(表 1)。な
本 に 導 入 さ れ た 同 じ イ ガ イ 科 の ム ラ サ キ イ ガ イ Mytilus
お、最も下流に位置する定点T5 の水温・塩分のデータは欠
galloprovincialis から寄生性カイアシ類が 12 種(ハルパクチ
測だが、コウロエンカワヒバリガイの生息は確認できず、付着
クス目 5 種、ポエキロストム目 7 種)も知られていること(Do &
性二枚貝はムラサキイガイとカキ類であった。生息密度に関
Kajihara, 1986)とは対照的である。特に、外套腔内に生息す
しては、定点T2〜T4 でそれぞれ 2189、3900、2911 個体/m2
る Pseudomyicola spinosus は、東京湾、瀬戸内海では 80〜
であった。大阪港および新町川河口においても最高密度を
100%の寄生率が確認されている(Do & Kajihara, 1986)。両
記録したのは調査時の塩分が 18~19PSUであった。
種の移入の時期の違いによるものか、宿主特異性の問題で
大阪港および徳島市新町川河口のコウロエンカワヒバリガイ
あるのか、今後の調査が必要である。移入種が導入先で爆
の殻長組成を調べた結果を図 6 に表す。個体群密度では、
発的に個体群を増加させる1つの要因として、導入元では寄
徳島市新町川河口の集団よりも大阪港の方が高密度であっ
生生物によって密度増加が抑制されているが、導入先では
たが、個体群を構成するコウロエンカワヒバリガイの殻の大
これから解放されるためであるという仮説がある(Clay, 2003;
きさが関係しているのではないかと考えられる。つまり、殻の
Torchin et al., 2003)。このような観点から、様々な移入種の
サイズは総じて新町川河口で採集された個体が大きく、大阪
導入元と導入先での寄生生物の相、寄生状況を調査、比較
港の個体群は小型の個体で占められている。コホート解析か
するような研究も必要である。
ら、大阪港の個体群は1世代のみから構成され、新町川河口
コメント:本調査では、神戸港以外の定点において最もバイ
の個体群は 1〜3 世代が同所的に生息しているように考えら
オマスが大きい生物が本種であった。他のイガイ科二枚貝と
れる。浜名湖における本種の新規加入は 8〜10 月(水温約 25
同じように、足糸を使って岸壁に付着しており、大阪港や徳
30℃)であるので(Kimura & Sekiguchi, 1996)、大阪港では
〜
島など多いところでは本種が黒いマット状に立体的に重なり
前年の加入群のみで構成されると考えられる。一方、新町川
合って付着するのが確認された。1970年代に瀬戸内海の一
河口では当年加入群と考えられる個体が見られるものの、大
部地域や大阪港で生息が確認されて以来、分布を大きく拡
阪港で見られた前年の加入群に相当するコホートが欠如し、
大し、1980年代には東京湾から浦戸湾(高知県)まで、太平
2 才群、3 才群のみが見られる。前年に幼貝の着底でうまくい
洋沿岸の主要な港湾で生息が確認され、1990年代には日
かなったかもしれない。
本海の富山湾から洞海湾にかけての海域でも確認された(日
成長:2004 年 6 月 2 日の大阪港の定点O2、O3 のサンプル
本生態学会編, 2002; 岩崎ら, 2004; 大谷, 2004)。なお、韓国
を全個体の殻長と湿重量の関連を図 7 に示した。定点O2、
南部の韓国慶尚南道泗川市加花川河口(35°04' 39.0"N、
O3 でそれぞれ(湿重量:g)=1.0×10-4(殻長:mm)2.8718、(湿重
128°02' 06.6"E)では死貝が発見されてことが報告されてい
量)=2.0×10-4(殻長)2.7952の式で表すことができる。両式の傾
るが(白藤・佐藤、 2003)、同地点における2005年末の調査
きは有意な差が認められなかった(P>0.05)。定点O2 におい
では発見できなかった。
ては殻長 20mmを超える個体が発見されなかった。また、密
本種はオーストラリアやニュージーランドなどオセアニア地
度も定点O3 が定点O2 よりも 4 倍ほど高い。両定点は水温は
方が原産とされているが、我々のミトコンドリア遺伝子を使用
ほぼ同じであるが、塩分に差があり、定点O2 では 7.6PSUも
した遺伝子解析により、導入元はオーストラリアであろうと推
定された(Kimura et al., in prep.)。
出現地点(表 1):大阪港(図 2,定点 O1, O3, O7, O8)、西宮
(図 3、 定点 N)
(2)ムラサキイガイ Mytilus galloprovincialis (図 8C)
コメント:本調査において採集された個体の多くはムラサキ
出現地点(表 1):大阪港(図 2、 定点 O1、O3、O7、O8)、神戸
イガイ、コウロエンカワヒバリガイなどの二枚貝の殻表面に付
港(図 3、 K1〜K4)、徳島(図 4、 定点 T4、T5)
着したものであった。本種は 1952 年に英虞湾で出現が確認
コメント:今回の調査では、大阪港、神戸港、徳島市新町川
され、瀬戸内海では 1962 年に初記録され、現在では本州北
河口側付近において、コウロエンカワヒバリガイよりも高塩分
端〜九州西端の港湾などにおいて完全に定着している(岩崎
な環境で主に生息が見られた。本種は 1932 年に兵庫港より
ら, 2004)。
初記録があり、1930 年代にはすでに青森県〜大分県まで分
布を拡大し、現在では北海道東端〜琉球列島、小笠原諸島の
(5)チチュウカイミドリガニ Carcinus aestuarii (図 8E、F)
ほぼ全国で確認されている(岩崎ら, 2004; 石田ら, 2005)。近
出現地点(表 1):西宮(図 3、 定点 N)
年、異常な高水温(30℃以上)のため田辺湾では個体群が消
コメント:本調査で採集した個体は全て水中から得られ、干
滅する現象も報告されている(久保田, 1997)。
潟の上には発見できなかった。採集された全 10 個体のサイ
ズ、性を表 2 に示した。これらの個体は Furota et al. (1999)
(3)ミドリイガイ Perna viridis (図 8D)
の東京湾産個体の成長段階識別に従えば、全て成熟個体と
出現地点(表 1):神戸港(図 3、 定点 K4)
推定できる。本種は地中海原産のカニであり、1984 年に東
コメント:本調査では、神戸港の岸壁においてムラサキイガ
京湾での発見以来、現在では相模湾、浜名湖、伊勢湾、瀬
イ群集に混入して発見された。本種は 1967 年に瀬戸内海に
戸内海、洞海湾でも定着している(陳ら, 2003)。瀬戸内海で
面する兵庫県御津町で初めて確認された(日本生態学会編,
は、2000 年に初記録された後、堺市、岸和田市、阪南市、大
2002)。1980 年代には東京湾、大阪湾で生息が確認され、
阪市、芦屋市(芦屋川河口)、西宮市(甲子園浜)、神戸市、高
1990 年代には千葉から鹿児島県までの太平洋岸各地から、
砂市、淡路市、津名町、さらに徳島市(吉野川河口)、和歌山
また、日本海側でも北九州、山形県酒田市から報告されてい
市(和歌浦)から報告されたが、瀬戸内海西部から現時点で
る(岩崎ら, 2004)。また、瀬戸内海においては田辺湾、播磨
は出現報告がない(陳ら、 2003; 岩崎ら、 2004; 風呂田・木下、
灘、愛媛県周辺から生息が確認されている(渡邊, 2002; ミド
2004)。瀬戸内海東部では完全に定着したものと思われる。
リイガイ
(Perna
viridis) の 宇 和 海 定 着 , 2007:
http://uwaumi-j.esnet.ed.jp/
プランクトン
14NO3NEN/NINOMIYA/NINOMIYA.HTM;岩崎ら, 2004)。宇
2004 年 6 月2日および 9 月 28 日に大阪港で採集した浮遊
和海に面する愛媛県下波で 2006 年 12 月にも生貝が多数生
性カイアシ類の組成を表 3 に示した。今回の調査において出
簀に付着していたことが確認された(大塚、 未発表)。前種と
現した浮遊性カイアシ類の成体は 9 属 14 種で、両時期では
異なり、インド・西太平洋の熱帯域が原産であるが、10℃前
出現種に顕著な違いがあった。表 4 には同じく浮遊性カイア
後でも越冬が確認されている(渡辺、 2002)。瀬戸内海への
シ類の成体の密度を示した。6 月の定点O2、O3 では低密度
導入は船体付着によることが示唆されている(岩崎ら,
でAcartia omorii (定点O2: 116 ind./m3; 定点O3: 7 ind./m3)、
2004)。
Oithona similis (定点O2: 59 ind./m3)などが出現した。一方、
9 月 の 定 点 O1 で は 6 月 と は 組 成 、 密 度 が 異 な り 、 A.
(4)ヨーロッパフジツボ Balanus improvisus (図 8B)
sinjiensis (248 ind./m3) 、 Paracalanus parvus s.l. (637
ind./m3) 、 O. davisae (1,627 ind./m3) 、 O. similes (920
内湾に生息する東アジア原産だが(Chen & Zhang, 1965; Soh
ind./m3) 、 O. brevicornis (8,347 ind./m3) 、 Microsetella
et al., 2001)、1980 年代に北米太平洋岸に導入され、定着し
norvegica (389 ind./m3)などが高密度で優占した。
ている(Bollens et al., 2002)。東アジアから北米太平洋岸に
瀬戸内海を含むアジアの温帯〜亜熱帯域の汽水〜沿岸域に
達するには船速にもよるが、2 週間程度であり(大谷,2004)、
おいて動物プランクトン群集の組成の季節的変化は顕著で、
これらの幼生、幼体あるいは成体がこの間にタンク内で生存
通年出現する種以外は暖水性種と冷水性種に区別される
していたと推測される。ある半底生性ハルパクチクス目カイ
(e.g., Hirota, 1961, 1979; Uye, 1982; Suh et al., 1991; 大塚ら,
アシ類は 13 日間の航海中、バラストタンクの中で 100 倍近く
1999; Ohtsuka et al., 2005)。したがって,移入種の有無を確
密度が増加した事も知られる(Gollash et al., 2000)。プセウド
認するためには、それぞれが出現する時期を調査する必要
ディアプトムス属カイアシ類のバラストタンク内での密度変動
があった。大阪港において、A. omorii などの冷水性種が出
についてはデータがないが、このようなタンク内での密度増
現 す る 最 後 の 時 期 に 相 当 す る 2004 年 6 月 上 旬 、 A.
加が起こったために北米への導入、定着が確実に起こったこ
sinjiensis などの暖水性種が卓越する 2004 年 9 月に調査を
とも可能性がある。一方、中国、韓国から日本までの航海は
行った。しかし、従来、瀬戸内海から報告されている浮遊性
せいぜい数日間であるのでバラストタンク内で密度の増加こ
カイアシ類(Hirota, 1961, 1979; Ohtsuka et al., 2005)のみが
そ起こりにくいかもしれないが、死亡率は小さく、これらの海
発見され、明らかな移入種は存在しなかった。
域から大阪港には導入が起こっていることも予想される。
大阪港は国内でも有数の国際貿易港で、2005 年の外国貨
日本と中国大陸に共通して生息する内湾性カイアシ類の数
物取扱量は 36,635,129 t、うち輸出量は 10,210,882 t に達す
種のミトコンドリア DNA の COI 領域には塩基配列において 1.0
る(大阪市港湾局, 2007:http://www.city. osaka.jp/port/)。
1.3%程度の差があることがわかっている(大塚ら, 2007; Soh
〜
同資料によれば、主要な輸出先は東アジアであり、中国、香
et al., in prep.)。今後、大阪港、名古屋港、横浜港、東京港な
港、韓国、台湾だけで貿易量の 58%を占める。バラストタンク
どの外国貿易が盛んな本邦の港において、これらのカイアシ
内のプランクトン群集の種類、密度の変化を経時的に調査し
類の遺伝子組成を調査して、本邦に東アジアなどからカイア
た例では、タンク内に周辺の海水を搬入してから数日間で種
シ類の導入、定着が実際に起こっているかを検証することが
数、密度ともに激減する傾向がある(Gollasch et al., 2000;
課題である。
Kimura et al., in prep.)。これらの東アジア各国と日本の航海
日数はせいぜい数日間なので、バラスト水を介したプランク
総合考察
トンの導入は可能であろう。しかし、中国に関しては河港が多
瀬戸内海東部における今回の予備的調査は、日本における
いので、バラストタンク内が淡水で満たされていた場合には
移入種の導入の実態を浮き彫りにするものであると考える。
大阪港で廃棄されても、プランクトンの定着は起こらないかも
つまり、日本における海産生物の導入は船舶バラスト水より
しれない。したがって、今回の結果は、導入は起こっていても
も船体付着が主要因であるという仮説(岩崎ら, 2004; 大谷,
定着には至らなかった可能性もある。
2004, 2007a,b)と一致しているのである。
カイアシ類のなかで最も頻繁に導入が起こっているものの1
浮遊性カイアシ類には、中国、韓国の汽水〜沿岸に優占種と
つに半底生性のプセウドディアプトムス属 Pseudodiatomus
して生息するものの、日本には全く産しない種が数多く存在
がある(e.g., Orsi & Ohtsuka, 1999; Bollens et al., 2002)。大
している(e.g., Chen & Zhang, 1965; Suh et al., 1991; 大塚・
阪港では今回の調査でも P. inopinus,P. marinus が出現して
上田, 1999)。これらの国々と大阪港の間で国際貿易が盛ん
いる。両種とも元々は日本、韓国、中国、沿海州などの汽水〜
に行われているにも関わらず、このような大陸固有のカイア
シ類の出現が本調査において確認されなかった。中国大陸
バルクキャリアーからのバラスト水排出が多いためにそれを
固有の 6 種(Acartiella sinensis , Limnoithona sinensis , L.
介した導入が起こりやすい一方、バラ積み乾貨物の輸入が
tetraspina,Pseudo- diaptomus forbesi,Sinocalanus doerrii,
多い日本やハワイではバルクキャリアーからのバラスト水の
Tortanus dextrilobatus)は、北米太平洋岸にバラスト水によ
排出が少ないためにこれを介した導入よりも船体付着による
る導入が確認されている(Orsi & Ohtsuka, 1999; Bollens et
導入の割合が高くなるのである。しかし、バラスト水を介した
al., 2002)。したがって、航海日数の長短よりも、バラスト水の
導入は、バラスト水の量だけが問題ではなく、それがどのくら
廃棄量の総量やバラスト水の交換の頻度などが導入の有無
いの期間、船内に保持されていたかも問題になる。大量のバ
を左右していると考えられる。大阪港において外国からの船
ラスト水が排出されても、それが長期間船内に保持されてい
舶によるバラスト水廃棄量の正確なデータはないが、大阪湾
たものであれば、中の生物は死滅している可能性がある。し
よりも貿易量がまさる東京湾では廃棄されるバラスト水は近
たがって、今後、バラスト水についてどの程度の年間廃棄量
年では年間約 400 万トンと見積もられている(国土交通省総
があればどのようなプランクトンの導入が起こるかを検証す
合政策局環境・海洋課海洋室・社団法人日本海難防止協会.
る必要があるが、その際、バラスト水の性質、つまり航海日
2005)。しかしながら、東京湾ではこれまで数多くの動物プラ
数や船内保持期間とリバラストの有無などを正確に把握しな
ンクトンの分布調査が実施されてきたにも関わらず(e.g.,
ければならない。
Nishida, 1985; 野村・村野, 1992)、移入種の存在は確認され
清水港で 1979 年に発見されたカラヌス目カイアシ類の新
ていない。東京湾には、ムラサキイガイ、ミドリイガイ、コウロ
種 Centropages maigo は当初、その出現の希少性や当時の
エンカワヒバリガイ、イガイダマシ Mytilopsis sallei、ホンビノ
清水港における貿易構造から東〜東南アジアの熱帯・亜熱帯
ス ガ イ Mercenaria mercenaria 、 カ ニ ヤ ド リ カ ン ザ シ
域からのバラスト水を介しての移入種として報告された
Ficopomatus enigmaticus 、 カ サ ネ カ ン ザ シ Hydroides
(Ohtsuka et al., 2005)。しかし、発表直後から北海道南部、
elegans、イッカククモガニ Pyromaia tuberculata、チチュウカ
仙台湾、高知沖からぞくぞくと出現が確認され、特に貿易と
イミドリガニ、アメリカフジツボ Balanus ebruneus などの多く
は無関係な海域からの出現の事実やカイアシ類の生物地理
のベントス移入種がいる(日本生態学会, 2002; 岩崎ら, 2004;
学的推察から移入種ではなく在来種であろうと訂正された
大谷, 2004)一方、動物プランクトンに移入種が発見されない
(大塚ら, 2007)。
事実は、これらのベントスがバラスト水によってではなく、む
しろ船体付着によって起こったことを示唆する。日本の移入
謝辞
種について、大谷(2007a)は現在までに記録された 27 種の
大阪港、神戸港における調査においては広島大学生物生産
非意図的移入種のうち約 56%は船体付着によって、約 13%が
学部附属練習船豊潮丸の船員の方々にはお世話になった
バラスト水によるものであるとして、ベントス移入種は船体付
のでここに感謝の意を記す。なお、本研究の一部はクリタ水・
着によって移入したものが多いと推定した。船体付着の割合
環境財団の研究助成金、日本学術振興会日韓共同研究お
が高い理由としては、地域や国が持つ貿易の型の違いがバ
よび環境省地球環境研究総合推進費(D-4)の助成によって
ラスト水や船体付着などの手段の重要性に違いをもたらし、
行われた。
バラスト水を介した導入にはばら積み乾貨物や液体貨物の
輸出が大きく関与する(大谷, 2007a,b)。事実、大谷(2007a,b)
引用文献
が指摘するように、ばら積み乾貨物の輸出が多いサンフラン
相澤康・滝口直之. 1999. MS-Excel を用いたサイズ度数
シスコ湾やオーストラリアでは、ばら積み乾貨物を運搬する
分布から年齢組織を推定する方法の検討. 水産海洋
Sea. J. Plankton Res., 22: 923-937.
研究 63: 205-214.
Bollens, S. M., J.R. Cordell, S. Avent and R. Hoof.
Hirota, R. 1961. Zooplankton investigations in the
2002. Zooplankton invasions: a brief review, plus
Bingo-nada region of the Setonaikai (Inland Sea
two case studies from the northeast Pacific Ocean.
of Japan). J. Sci Hiroshima Univ., Ser. B, Div.
Hydrobiologia, 480: 87-110.
1, 20: 83-145.
陳融武・渡邊精一・横田賢史. 2003. 日本における外来
Hirota, R. 1979. Seasonal occurrence of zooplankton
種チチュウカイミドリガニ Carcinus aesturaii の分
at a definite station off Mukaishima from July of
布拡大.Cancer, 12: 11-13.
1976 to June of 1977. Publ. Aamakusa Mar. Biol.
Chen, Q.-C. and Z. Zhang. 1965. The planktonic
Lab., 5: 9-17.
copepods of the Yellow Sea and the East China Sea.
石田惣・岩崎敬二・桒原康裕. 2005. ムラサキイガイの
I. Calanoida. Studia Marina Sinica, 7: 20-131 (in
初侵入年代と分布拡大過程—古川田溝氏の標本によ
Chinese with English abstract)
る推断.Venus, 64: 151-159.
Clay, K. 2003. Parasites lost. Nature, 421: 585-586.
岩崎敬二. 2007. 日本における海産外来生物問題と公的
Do, T.T. and T. Kajiwara. 1986. Studies on parasitic
機関の対応. 日本プランクトン学会報, 54 (印刷中).
copepod fauna and biology of Pseudomyicola
岩崎敬二・木村妙子・木下今日子・山口寿之・西川昭・
spinosus, associated with blue mussel, Mytilus
西
edulis galloprovincialis in Japan. Bull. Ocean
治・鈴木孝男・逸見泰久・風呂田利夫・向井 宏. 2004.
Res. Inst. Univ. Tokyo, 23: 1-63.
Fleminger,
A.
and
S.H.
Kramer.
栄三郎・山西良平・林
育夫・大越健・小菅丈
日本における海産生物の人為的移入と分散:日本ベ
1988.
Recent
introduction of an Asian estuarine copepod,
ントス学会自然環境保全委員会によるアンケート調
査の結果から.日本ベントス学会誌, 59: 22-44.
Pseudodiaptomus marinus (Copepoda: Calanoida),
岩滝光儀・松岡數充. 2007. 有害渦鞭毛藻類の分布域と
into southern California embayments. Mar. Biol.,
導入.日本プランクトン学会報, 54 (印刷中).
Kimmerer, W., F. Gartside and J.J. Orsi. 1994.
98: 535-541.
風呂田利夫・木下今日子. 2004. 東京湾における移入種
Predation by an introduced clam as the likely
イッカククモガニとチチュウカイミドリガニの生活
cause of Substantial declines in zooplankton of
史と有機汚濁による季節的貧酸素環境での適応性.
San Francisco Bay. Mar. Ecol. Prog. Ser., 113:
日本ベントス学会誌, 59: 96-104.
81-93.
Furota, T., S. Watanabe, T. Watanabe, S. Akiyama and
K.
Kinoshita.
1999.
Life
history
of
the
Kimura, T. and H. Sekiguchi. 1996. Effects of
temperature on larval development of two mytilid
Mediterranean green crab, Carcinus aestuarii
species
Nardo, in Tokyo Bay, Japan. Crustacean Res., 28:
215-222.
5-15.
Gollasch, S., J. Lenz, M. Dammer and H.-G. Andres. 2000.
and
their
implication.
Venus,
55:
Kideys, A. and Z. Romanova. 2001. Distrribution of
gelatinous macrozooplankton in the southern Black
Survival of tropical ballast water organisms
Sea during 1996-1999. Mar. Biol., 139: 535-547.
during a cuise from the Indian Ocean to the North
久保田信. 1997. チレニアイガイ,和歌山県田辺湾で 1994
年夏期に全滅. 南紀生物, 39: 73-74.
国土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室・社団法人日
本海難防止協会. 2005. 船舶バラスト水問題に係る
重点課題の検討に資するための調査研究報告書. 国
大塚
攻・上田拓史. 1999. 日本およびその周辺水域に
おける浮遊性カイアシ類の動物地理, 日本プランク
トン学会報, 46: 1-20.
大塚
攻・上田拓史・岩渕雅輝・伊東
宏・徐
浩榮・
土交通省総合政策局環境・海洋課海洋室・社団法人
坂口穗子・平野和夫 ・木村妙子・上野大輔. 2007. 移
日本海難防止協会. 159pp.
入種か,在来種か?: 清水港から記載された浮遊性カ
日本生態学会. 2002. 外来種ハンドブック. 土地人書館,
東京, 390pp.
Nishida, S. 1985. Taxonomy and distribution of the
イアシ類の1種の導入の可能性を検証する. 日本プ
ランクトン学会, 54 (印刷中).
Orsi, J. and S. Ohtsuka. 1999. Introduction of the
family Oithonidae (Copepoda, Cyclopoida) in the
Asian copepods Acartiella sinensis, Tortanus
Pacific and Indian Oceans. Bull. Ocean Res. Inst.,
dextrilobatus
Univ. Tokyo, 20: 1-167.
Limnoithona tetraspina (Copepoda: Cyclopoida) to
野村英明・村野正昭. 1992. 東京湾における中・大型動
物プランクトンの季節的消長. La mer 30: 49-56.
小川和夫. 2005. 魚類寄生虫学.東京大学出版会, 東京,
215pp.
大谷道夫. 2004. 日本の海洋移入生物とその移入過程に
ついて.日本ベントス学科誌, 59: 45-57.
大谷道夫. 2007a. 航路ブイの生き物たち(その 2). 進む
生物の国際化. 水路, 35: 25-32.
大谷道夫. 2007b. ベントスの侵入とバラスト水の役割.
日本プランクトン学会報, 54 (印刷中)
(Copepoda:
Calanoida),
and
the San Francisco estuary, California, USA.
Plankton Biol. Ecol., 46: 128-131.
Shiganova, T.A. 1998. Invasion of the Black Sea by the
ctenophore Mnemiopsis leidyi and recent changes
in
pelagic
community.
Fish.
Oceanogr.,
7:
305-310.
白藤淳一・佐藤慎一. 2003. 韓国慶尚南道泗川市馬川周
辺における干潟底生生物群集.日韓共同干潟調査
2001 年度報告書. Pp 20-25.
Soh, H.Y., H.-L. Suh, O.H. Yu and S. Ohtsuka. 2001.
大塚 攻・堀口健雄・R. M. Lopes・K.-H. Choi・岩崎敬
The first record of two demeral calanoid copepods,
二 2004. バラスト水によるプランクトンの導入(総
Pseudodiaptomus poplesia and P. nihonkaiensis in
説).日本プランクトン学会報, 512: 101-118.
Korea, with remarks on morphology of the genital
大塚 攻・星名照美・清家 泰・大谷修司・國井秀伸. 1999.
中海本庄工区内外における動物プランクトン群集の
季節変動. ラグナ(汽水域研究), 6: 73-87.
Ohtsuka, S., H. Itoh and T. Mizushima. 2005. A new
species of the calanoid copepod genus Centropages
area. Hydrobiologia, 448: 203-215.
Suh, H.-L., H.Y. Soh and S.S. Cha. 1991. Salinity and
distribution of zooplankton in the estuarine
System of Mankyong River and Dongjin River. J.
Oceanol. Soc. Korea, 26: 181-192.
(Crustacea) collected from Shimizu Port, Middle
Torchin, M.E., K.D. Lafferty, A.P. Dobson, V.J.
Japan: introduced or not? Plankton Biol. Ecol.,
McKenzie and A.M. Kuris. 2003. Introduced species
52: 92-99.
and
their
missing
parasites.
Nature,
421:
628-630.
Uye, S. 1982. Seasonal cycles in abundance of major
holozooplankton in the innermost part of Onagawa
Bay, northeast Japan. J. Fac. Appl. Biol. Sci.,
21: 1-10.
渡辺幸彦. 2002. 日本で分布を広げるミドリイガイ. 海
生研ニュース, 76: 2-3.
インターネットサイト
環境省.2007.
http://www.env.go.jp/nature/intro/index.html
ミドリイガイ (Perna
viridis) の宇和海定着. 2007.
http://uwaumi-j.esnet.ed.jp/14NO3NEN/NINOMIYA/
NINOMIYA.HTM
大阪市港湾局. 2007.
http://www.city.osaka.jp/port/