プロフェッショナルの「志」を─ あらためて放送と放送人のあり方を考えていきます。 テレビが創り出してきた文化を大切にするために、何にもまして、 時代と人間に対峙する放送ジャーナリズムの原点を学びます。 「ドキュメンタリー課程」 第30期 (平成23年8月) カリキュラム 10:00 (18:00) ■ ■ 番組制作とは NHK大型企画開発センター エグゼクティブ・プロデューサー 伊 藤 純(いとう じゅん) 第1日 8月8日 (月) 映画の誕生、動く映像が現れてから100年を越える。映像は20世紀をどのように記録 し、それは歴史とどのようにかかわっていたのか。時代の流れや社会の変化は、その テーマや内容にどんな影響を与えたか。技術の進歩は表現手法をどう発展させたか。 シリーズ企画「映像の世紀」を通して語ります。 ドキュメンタリー・プロデューサー ㈱ テムジン エグゼグティブ・プロデューサー 河 本 哲 也(かわもと てつや) 1978年NHK入局。山形局を経て、番組制作局などで ドキュメンタリー番組を制作。「ベルリン美術館」 (ギャラクシー特別賞)「宋姉妹」「人体改造時代の 衝撃」(放送文化基金賞)「さまよえる戦争画」(A TP総務大臣賞)「沢木耕太郎・思索ドキュメント イ ゾラド」「秩父山中 花のあとさき」「日中戦争」 (芸術祭大賞)「証言記録・兵士たちの戦争」(橋田 賞)「シベリア抑留」(放送文化基金賞)。 ■ 1967年NHK入局。青森局を経て、1972年本部(東京)報道番組部へ。「新日本紀行」、 NHK特集「シルクロード」「NHKスペシャル」などを制作。1989年、NHKスペシャ ル「天安門・激動の40年~ソールズベリーの中国~」(芸術選奨・ギャラクシー奨励 賞)。1995年「映像の世紀」(毎日芸術賞・放送文化基金賞)。1999年「世紀を超えて」 (放送文化基金賞)。2003年「地球市場・富の攻防」(放送文化基金賞)。2005年「日本 の群像 再起への20年」などの大型シリーズ番組を企画開発・制作。 ■ ドキュメンタリーとは何か ドキュメンタリーとは何か、①ある航空機事故の番組「あすへの記録 空 白の110秒」を例に「事実と真実」とは、②デジタル時代のドキュメンタ リー演出に対する「世界の制作者からの警告」について語ります。 第2日 映像は何を伝えてきたのか ドキュメンタリー・プロデューサー 東京工科大学名誉教授 安 間 総 介(やすま そうすけ) 8月9日 (火) 1961年NHK入局。1974-76年までイギリスBBC勤務を経て、NHKハ イビジョン番組部長。あすへの記録「空白の110秒」(1974年)イタリ ア賞グランプリ、「あの時世界は マンハッタン秘密計画」(1978年)で 放送文化基金大賞、NHK特集「世界の科学者は予見する 核戦争後の地 球」(1984年)でイタリア賞グランプリほか、2001年「ハイビジョン国際 映像祭」でハイビジョン功労賞を受賞。放送研修センターでは、日米・日 欧・日中、アジアのプロデューサーセミナーや共同制作者会議の議長を務 めるなど制作者の国際交流を推進。 ■ 企画と提案(グループ別) 受講生が制作した いドキュメンタ リー番組の「企画 提案」を提出し、 その「提案」をも とに、NHK放送 研修センターの講 師陣と受講生が少 人数のグループに 分かれて検討・議 論します。 企 画 構 成 番組の企画は、どのように発想されるのか。そして、どのようにして構成されていくのか。 NHK番組制作の第一線のプロデューサーが、自ら担当した番組をもとに、そのノウハウを語ります。 第3日 8月10日 (水) NHKスペシャル 「あなたの笑顔を覚えていたい」 NHKスペシャル 「激流中国~富人と農民工~」 撮 ■ 影 ドキュメンタリーカメラマンとして、撮影・ ディレクターとの連携についてお話しします。 8月11日 (木) ■ 8月12日 (金) 編 集 ■ ディレクターの仕事と取材現場 ドキュメンタリー制作における「編集」業務の 役割とその重要性についてお話しします 1991年NHK入局。京都・大阪・金沢・ 報道局映像取材部に勤務。2007年3月、能 登半島地震では被災地の様子を、民放各 社に先駈け第一報として撮影・リポー ト。主な作品に、NHKスペシャル「ト ラック列島3万キロ」(2004年)、「ワー キングプアⅢ~解決への道~」(2007 年)、「調査報告 日本軍と阿片」(2008 年)、「プロジェクト JAPAN 日本 と朝鮮半島」(2010年6月)、ドキュメンタ リー「戦場の漫才師たち~わらわし隊の 戦争~」(2010年8月)など。 NHK報道局映像取材部 専任カメラマン 落 合 厚 彦(おちあい あつひこ) 第5日 1983年NHK入局。北見局、番組制作局を経て大型企画開発センター。NH Kスペシャル大型シリーズ「社会主義の20世紀」「中国・12億人の改革開 放」「家族の肖像~激動を生き抜く~」「アジアと太平洋戦争」や「ファイ ンダーの中のベトナム戦争」「731細菌戦部隊」など戦争やアジアをテーマ にした数多くのドキュメンタリー番組を担当。最近では「硫黄島玉砕戦」 (放送文化基金賞本賞)「激流中国」(放送人グランプリ特別賞)「マネー 資本主義」「チャイナパワー」「灼熱アジア」「日本人はなぜ戦争へと向 かったのか」など。また、10年以上にわたり「クローズアップ現代」を担当 し、2005-07年まで編集責任者を務める。2011年6月NHKスペシャル事務局 長 1988年NHK入局。名古屋局、報道局を経て、大型企画開発センター。 「クローズアップ現代」「NHKスペシャル」「日本の、これから」な どの制作を担当。調査報道、ヒューマンドキュメンタリーから自然・科 学分野まで幅広い領域のドキュメンタリー番組をてがける。NHKスペ シャル「世紀を越えて」「海・知られざる世界」(科学技術映像祭文部 大臣賞)「あなたの笑顔を覚えていたい」(放送文化基金賞番組賞) 「雨の物語~大台ケ原 日本一の大雨を撮る~」(地球環境映像祭大 賞)「象徴天皇・素顔の記録」「立花隆 思索ドキュメント がん 生と 死の謎に挑む」(ギャラクシー奨励賞)など ■ 第4日 NHK大型企画開発センター エグゼクティブ・プロデューサ-・NHKスペシャル事務局 長 角 英 夫(かど ひでお) NHK大型企画開発センター チーフ・プロデューサー 関 英 祐(せき えいすけ) 取材の実際や仕事のやりがい等について先輩と しての経験談をお話し、質問にお答えします。 編集者として数々のドキュメンタリー番 組の制作に関わる。NHKスペシャル 「長崎映像の証言」(1995年)でモンテ カルロ国際テレビ祭ゴールドニンフ賞を 受賞。NHKスペシャル「なぜ隣人を殺 したのか」(1998年)イタリア賞、ハイ ビジョン特集「延安の娘」(1998年)ベ ルリン映画祭招待作品。最近ではETV 特集「死刑囚 永山則夫~獄中28年間の対 話」(2009年)ギャラクシー大賞。ま た、2002年に芸術選奨文部科学大臣賞を 受賞。 ㈱ ビデオ・ペディック チーフ・エディター 吉 岡 雅 春(よしおか まさはる) 特別講義「相田 2005年NHK入局。神戸局をへて2009年 から報道局報道番組センター社会番組部 「おはよう日本」。神戸では主に阪神・ 淡路大震災の取材を行い、震災で障害を 負った女性に焦点を当てた「ホリデー にっぽん」などを制作。2009年からは 「おはよう日本」のディレクターとし て、「ニュースの現場中継」や特集など を制作。 2011年7月から報道局報道番組センター政 経・国際番組部 NHK報道局報道番組センター政経・国際番組部 ディレクター 高 谷 なつ子 (たかや なつこ) 洋・ドキュメンタリー番組の作法」 第1部:NHKスペシャル「マネー革命」のロケ取材の様子を撮影した映像をもとに、活字メディアとは違う映像メディアにおけ る「取材と表現」について考えます。第2部:「記録と伝達」の40年。「録音構成」「状況設定」「インタビュー」「映像と音の モンタージュ」などについて、その作品を視聴し、「ある事柄を記録し、構成・編集して伝える」ドキュメンタリスト・相田洋の 仕事の作法を語ります。 ドキュメンタリー・ディレクター 相 田 洋(あいだ ゆたか) 1960年NHK入局。ドキュメンタリー「乗船名簿AR-29」(1968年)で文化庁芸術祭優秀賞、NHK特集「石油・知られざる技術帝国~地底の戦い~」(1980年)で放送文化基金 大賞、NHK特集「世界の科学者は予見する 核戦争後の地球」(1984年)でイタリア賞グランプリほかを受賞。1991年に放送文化基金賞個人賞、1992年に芸術選奨文部大臣 賞、1996年にNHKスペシャル「新・電子立国 日本の自变伝」で日本記者クラブ賞、2000年にNHKスペシャル「移住31年目の乗船名簿」(前編)で放送文化基金賞本賞 を受賞、学術・芸術分野で優れた功績があった人に贈られる「紫綬褒章」を受章。著書には、「航跡~移住31年目の乗船名簿」、「ドキュメンタリー私の現場~記録と伝達の40年 ~」など。 ※カリキュラムの内容や講師は都合により変更することがあります。
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