平成15年度 卒業論文 題目 食品流通における安全と安心の確立の

平成15年度 卒業論文
食品流通における安全と安心の確立の
ためのトレーサビリティデータに関する検討
課程名 流通情報工学課程
学籍番号 99713
氏名 越智和博
指導教官 鶴田三郎 教授
黒川久幸 助教授
2003年12月25日
日経MJ (2)
2004年1月20日
日経MJ (7)
2004年2月14日
朝日新聞 (8)
2004年2月17日
日経MJ (2)
トレーサビリティ
• 定義
「生産、処理、加工、流通・販売のフードチェーンの
各段階で食品とその情報を追跡し遡及できること」
• 特徴
①食品事故問題の特定・・・ 安全→科学的数値で表せる
②情報の公開・・・ 安心→安全という情報より生まれる
消費者の心の問題
現状 生産物のデータ + 責任追及のデータ
現状のデータのみでは一貫性がなく、
安全と安心の確立ができない
研究の目的


安全と安心を確立するためにはどのようなデータ
を取り、どう活用すればよいかを検討する。
今後のトレーサビリティへの取り組みに関する提
言を行う。
安全と安心のために必要なデータの検討
現状取扱データ
生
産
原
材
料
加
工
最
終
加
工
卸
業
者
原
料
加
工
加
工
出
荷
最
終
加
工
卸
業
者
小
売
消
費
者
小
売
消
費
者
キューピーで扱わ
れているデータ
生
産
原
材
料
加
工
生
産
一貫した流通の
ために必要なデータ
生
産
配
送
原
料
加
工
配
送
加
工
配
送
出
荷
・
保
管
配
送
保
管
・
販
売
工程
データ項目
概要
加工
加工後における
原材料
現状では加工後に表示義務がなくなるため
加工
添加物
使った添加物、添加物の簡単な説明
加工
加工状態
温度、湿度、加工時の状態
加工
検品結果
製造ミス、食害を及ぼすことのないかどうかの検品結果
加工
生産数量
このデータの食品の数量(追跡範囲の限定)
加工
包装
容器、包装に関して食害がないか(環境ホルモン)
加工/流通
保存期間
食害を及ぼさない範囲の保存期間であるか
加工/流通
保存場所
適切な保存場所であるか
加工/流通
保存状態
適切な温度、状態であるか
流通
管理業者
流通に関する責任を明らかにする
流通
配送時間
食品に影響を及ぼさない配送時間であるか
流通
配送状態
食品に影響を及ぼさない配送状態であるか(温度など)
流通
荷役時間
食品に影響を及ぼさない荷役時間であるか
流通
荷役状態
食品に影響を及ぼさない荷役状態であるか(温度など)
3次加工C
食品の流れ
原材料の流れ
データ
入力タイミング
2次加工A
原材料
組合
3次加工D
卸業者
1次加工
3次加工E
2次加工B
3次加工F
販売店
A BCD E FGH
出荷
配送中
I
J KL
M
NO P
入荷
Q
R S T
消費者
U
V
W
X
Y
出荷
配送中
入荷
加工中
その他
原材料生産者、住所連絡先、出荷時間
出荷先、取扱組合 取扱メーカー名
配送中の温度・湿度、配送時間、荷役時間
配送による損傷の有無
入荷数、入荷時間
原材料の生産情報、環境ホルモン、食品添加物 加
工状態(温度・湿度)、品質保持期限の表示
検
品結果、食品アレルギー有無の表示
卸業者、販売店では加工の代わりに
保存場所、保存期間、保存状態(温度・湿度)
具体的事例への提言
• BSE問題について
牛自体のデータ(出生、雌雄、種別、飼養場所の履歴)
現状
取扱データ
+
(BSE検査結果)
BSEの疑いは晴れるが、これだけで安全を理解し安心して食せるのだろうか
検討結果より、必要であるデータをトレーサビリティに組み込むべき
・加工時(解体)における状態(室温、温度) ・解体業者名 ・添加物 ・入出荷数
・入出荷時間 ・出荷先 ・保存場所 ・保存状態 ・保存期間 ・配送状態
・配送時間 ・加工後の検品結果 が必要である。
結論




現状扱われているトレーサビリティデータのほかに、
流通・加工のデータが必要である
データの入力タイミングを出荷・配送・入荷・加工の
4点からわけ、何のデータを入力すべきか示した
牛肉のトレーサビリティという具体的な事例に対し
検討を行い、その改善についての提言を示した
検討結果をトレーサビリティに組み込むことにより、
安全と安心が確立できる