自治を回復し、 まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決するために - 協働の基礎を再確認する IIHOE[人と組織と地球のための国際研究所] 代表者 川北 秀人 http://blog.canpan.info/iihoe/ Inspiring Social Innovations since 1994. 「協働が始まらない・進まない」現場の声 「協働って、何?」 「なぜ協働が必要なのか、わからない」 「どう始めれば良いのか、わからない」 「現場は進めたいのに、上司が・・・」 「当課には、協働できる事業はない」! 「それでなくても業務が多いのに・・・」 「どんな団体があるか、わからない」 「まともな団体を探す・選ぶには?」 「行政依存の住民を、どうやって?」 IIHOEって? 組織目的: 地球上のすべての生命にとって、 (1994年) 調和的で民主的な発展のために 社会事業家(課題・理想に挑むNPO・企業)の支援 「NPOマネジメント」(99年~11年)、「ソシオ・マネジメント」 育成・支援のための講座・研修 地域で活動する団体のマネジメント研修(年100件) 行政と市民団体がいっしょに協働を学ぶ研修(年60県市) 調査・提言:「NPOの信頼性向上と助成の最適化」 「協働環境」 「自治体の社会責任(LGSR)」 ビジネスと市民生活を通じた環境問題の解決 企業の社会責任(CSR)の戦略デザイン(年20社) 2020年の地球への行動計画立案 専従3名+客員1名、東京(新川)、約3900万円 事前課題にご協力ありがとうございました! 【期待以上によかったこと】 農地荒廃・コミュニティ存続、 実績ができた、多くの参加(2)、 住民意識高揚、災害時への備え、 高い意識、啓発・連携、理解促進 参加拡大の期待、ニーズ対応、 【想定外で困ったこと】 事務量・予算削減、理解促進、 想定以上の来場客で渋滞、 東南海・南海地震への備え、 マンネリ化、団体間格差、 中心市街地活性、行政の限界、 内容変更の事前連絡なし 職員にない専門性、 【今後の課題】 身近な人の声掛けの方が有効、 継続、拡大(2)、工夫、自立(2)、 No:6 業務的に無理、 後継者育成 市税賦課はなじまない、 【協働を増やしたいですか?】 これまでにも行ってきた Yes:60 地域社会づくりのカギ、 【課題】認識不足、個人情報保護、 職員も市民としての地域参加、 職員数不足、サポート体制未熟、 健康づくり、新規事業展開の期待、職員のまちづくり参加意識不足 浜田市長&後藤課長補佐のお話から @140812 ・11年3次総計「市民と市との協働のまちづくり方針」明示 少子高齢・人口減少、つながり低下、ニーズ多様化・複雑化 →よりきめ細かな対応⇔限られた人員・財源 住民力+地域特性を生かしたまちづくり→今年度指針策定 理解+意識を向上し、リーダー役を果たしてほしい もっと地域の中へ!※参考:士別市 地域担当職員制度 ・自治振興課設置(13年4月)→協働指針策定(14年6月) http://www.city.beppu.oita.jp/03gyosei/jichi_shinkou/kyoudou/shishin/index.html 基本方針:①啓発・育成 ②相互理解 ③体制・支援策 ④環境整備 ⑤評価・見直し 泉都別府ツーリズム支援事業:行政提案新設、自治会とも マニュアル作成、15年度から各課で「協働推進委員」任命 協働は、法が禁じること以外すべて可能 業務の 顧客 直接、市町村民に (個人・法人) 産業、環境、教育、福祉、国際、広報、 建設、水道、交通、林業、税務・・ 多老化(総数・比率とも)に伴う 「サービス需要増+税収減」状況を 支え続けるために、 協働できることをひとつでも 基本原則 より早く効果的に増やし続ける 原則として すべて庁内 財政、人事、 監査・・ 「より効果的に 市民と庁内に 貢献する」ために、 市民から意見・ 協力を求めて 業務改善を 積み重ねる 中期目標+計画+実務(PDCAの対象に) 意見・協力募集 交流・表彰の機会:案件形成、相互学習 (例:効果測定、 具体的な 官民合同でスキルの向上 研修協力) 進め方 高齢者・外国人等への説明・支援協力! (市民対象に「行政のしくみ」解説も) すべての部署で、協働を前提に! ・広報・広聴:広報配布、市政モニタリング ・総合政策:総合計画の評価 ・人事:職員研修の企画・実施(八王子市) ・管財:表示改善(大阪市)、一口オーナー(熊本城)、避難所運営 ・市民税:ふるさと納税、外国人向け広報(静岡県) ・生活保護:セーフティネット(岩手・青森 消費者信用生協) ・障碍者福祉:当事者団体(ピアカウンセリング)、就労支援 ・高齢者福祉:健康増進、見守り・寄り合い ・保育園:病児保育(在宅・派遣型) ・環境:分別指導、再生・販売、温暖化防止、環境保全 ・観光・文化:ガイド・ウェブサイト多言語化(留学生) ・都市整備・建設:アダプト、自転車管理、まち歩きプログラム ・学校:総合学習、体育・理科(実験)、授業クラブ ・病院:学習支援、災害対応・上下水道:水源保全、節水、廃食油回収 ・選管:投票啓発 ・消防:救急啓発、自主防災組織:避難+避難所運営 田上・長崎市長のお話から(管理職研修) 協働は「発想」から! 一人芝居から、プロデューサーに! 事業・業務の執行段階だけでなく、連携・紹介でも成果に 「自然環境を守る・育てる」課の目的→市民はパートナー 特別なことじゃなく、日常・普段の仕事の進め方として 行政「だけ」で事業・予算→成果を大きくするために転換を 周囲の人びとが資源に見えてくる→誰に何ができるか 市民とコミュニケーションする力! 市民が求めるのは「普通の言葉で会話できる職員」 「制度の説明だけ!」、「自分の担当だけ!」、「コロコロ異動する 職員より、自分のほうが詳しい!」 「この申請に来たのはなぜか?」にまで遡ることで、より深い解決 や満足に結び付く トラブルを減らす&市民の喜びを高める・増やす! 竹山・堺市長のお話(区長・局長・部長&中堅職員対象) ・憲法が保障する地方自治(第94条) → 他から干渉されない団体自治から住民自治へ ・自然権としての基本的人権(ルソー)同様に 地域も自治を志向した時点で地域主権(×地方分権) ・「基礎自治体優先」「自助+補完性」「近接性」原則 (欧州自治憲章:公的責務は、市民に最も身近な地方 自治体が優先的に履行する)→民主主義の基本 → 権限と財源は現場に!→手が届く都市内分権を ・人が人を支える社会、お任せ民主主義からの脱却 → 強力なリーダー待望論は日本を滅ぼす → 自立=相互依存(inter-dependent 阪大 鷲田教授) ・ドライバーは市民。職員はナビゲーター。知るため現場へ ・見て見ぬふりしない、おせっかいな市職員に! 2020年の世界・日本は? 中国のGDPは、日本よりいくら多い? 原油、鉄、レアメタルなどの価格は? 日本の国民一人当たりGDPは何位? 日本の高齢者率は? 国債の残高は? 既存インフラの補修コストは? 橋:15m以上が15万か所!→20年には25%以上が50年経過! 施設:700㎢以上!→市町村管理が半数以上、30年以上が3割! 下水道:陥没は年5000か所以上! 道路、ダム、住宅、上水道、電力、鉄道、・・・ 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 消費税は、いくら必要? 延長線上で考えるな! 日本のGDPが世界に占める割合が最高だったのは? 2013年に日本のGDPが世界に占める割合は? では、2019年には? 同年、中国のGDPは日本の何倍? 同年、ブラジルの1人当たりは、日本のいつと同じ? それは、韓国のいつと同じ? 別府市も、これまで20年と、これから20年は違う 1990年 計(千人) 130.3 2000年 126.5 2010年 125.3 2020年 117.9 21.0 15~64歳(A) 88.7 16.2 14.1 12.5 (生産人口) 76.4 10.6 ▲24% ▲33% 81.5 108.5 ▲13% ▲3% 0~14歳 2030年 66.8 62.0 ▲18% ▲13% 65歳~(B) 高齢者率 20.4 28.5 34.8 38.5 35.9 15.7% 22.6% 27.8% +70% 32.7% 33.1% +3% A÷B 4.3人 75歳~ 2.8人 12.1 2.1人 17.8 1.7人 21.2 1.7人 23.1 +47% +18% +9% 85歳~ 2.8 4.9 7.7 9.2 +73% +55% +19% 介護ニーズは80歳代で急増する 計 人数 介護+予防 65-69 70-74 75-79 80-84 85-89 90-94 95- 85- 29,484 8,272 7,018 5,992 4,376 2,454 1,029 342 3,825 318 620 969 1,004 620 268 1,892 3,968 170 人口比 13.5% 2.1% 4.5% 10.3% 22.1% 40.9% 60.2% 78.2% 49.4% 総数比 (100) 4.3% 8.0% 15.6% 24.4% 25.3% 15.6% 要介護3- 1,661 68 121 226 人口比 5.6% 0.8% 1.7% 3.8% 総数比 (100) 4.1% 7.3% 13.6% 21.1% 24.5% 18.7% 10.6% 53.9% ’15 +予防 4,865 200 352 655 1,110 1,309 860 378 2,547 要介護3- 2,068 80 135 239 402 531 432 249 1,212 10→15 +406 +12 +13 +13 +51 +124 +121 +73 +317 ’20 +予防 5,742 168 415 731 1,186 1,531 1,151 559 3,241 要介護3- 2,489 67 159 267 430 621 578 368 1,567 15→20 +422 -13 +24 +28 +28 +90 +146 +119 +355 ’25 +予防 6,529 146 349 869 1,334 1,660 1,384 788 3,832 要介護3- 2,879 58 133 317 483 673 695 518 1,887 20→25 +390 -9 -25 +50 +54 +52 +117 +150 +320 351 407 331 6.7% 47.7% 176 895 8.0% 16.8% 30.3% 51.5% 23.4% 2020年の別府市は? 高齢者率は?→32.7%(全国より15年早い)! 高齢者1人を支える生産人口は、わずか1.7人! 75歳以上は?→2.1万人(人口の6人に1人) ヘルパーなど、福祉の担い手をどれだけ必要? 社会保障(医療・介護)費は、いくら増える? 高齢者の健康 = 地域の資源 + 資産! 生産人口は?→12%減(00年比 18%減) 人口比56.7%!→1900年ごろと同じ!! 市税収入は? 既存インフラの補修コストは? 道路、橋、公営住宅、上下水道、庁舎・施設、・・・・ 市債残高は? 別府市の高齢者・後期高齢者のくらしは? 人口(千人) 高齢者 後期高齢者 世帯数 高齢者単身 2000年 126523 28566 12167 2005年 2010年 2015年 2020年 126959 125385 122053 117967 31792 34837 38164 38548 15148 17886 19418 21102 9.6% 11.9% 14.3% 15.9% 17.3% 52877 6595 55108 7401 56070 8140 55418 8934 53977 9032 1590+5811 1840+6300 2069+6865 2117+6915 1240+5355 後期高齢者 単身 3068 3903 4604 4996 5428 505+2564 724+3179 845+3759 912+4086 988+4440 後期単身率 高齢者夫婦 25.2% 4185 25.8% 4894 26.1% 5055 26.2% 5369 26.3% 5338 後期 夫婦 900 20.4% 7.5% 1374 22.3% 9.6% 1867 23.5% 11.5% 2160 25.6% 12.9% 2419 26.1% 14.5% 高齢世帯率 後期世帯率 別府市の財政はどう推移する? 単位:億円 05年度 10年度(05比) 12年度(同) 15年度? 447.2 138.2(30%) 47.2(10%) 8.5( 1%) 57.7(12%) 29.7( 7%) 10年 個人住民税 36,684円/人 歳入 市税(対 歳入) 個人(同) 法人(同) 固定資産(同) 公債(同) 391.0 139.6(35%) 37.2( 9%) 8.7( 2%) 67.6(17%) 19.2( 4%) 歳出 職員給与 職員数 公債償還 公営事業繰入 (国民健康保険) (上下水道) (市場) (他(介護保険等)) 扶助費(歳出比) 385.6 72.8 431.8 53.5(-26%) 1,009 907(-10%) 27.1 31.1 44.2 47.8 (13.9) (14.4) ( 6.8) ( 2.5) ( 0.3) ( 0.09) (21.8) (30.6) 113.8(29%) 146.5(33%) 441.0 人件費・扶助費・ 52.0(-28%) 公債費を除く 896(-11%) 歳出額(≒調達額) 31.9 199.9億円(45%) 51.0 後期高齢者 (15.4) 10年比 + 4% ( 2.4) ( 0.1) 05年比 +15% (32.9) 159.9(36%) 10年116,867円/人 将来負担(対 税収) 地方債残高 支出予定 積立金 230.4(1.6倍) 279.7 37.3 86.6 240.0(1.7倍) 10年 203,633円/人 324.4(+16%) 23.8(- 36%) 108.2(+24%) 441.8 140.0(31%) 46.0(10%) 7.3( 1%) 62.1(14%) 34.0( 7%) 255.3(1.8倍) 322.2(+15%) 28.3(- 24%) 95.2( + 9%) 生産人口 10年比 - 9% 05年比 -15% 横浜型地域貢献企業支援事業(07年~) 地域と企業を信頼とネットワークで結ぶ! 地域や社会を意識し、 地域貢献の視点を持って社会的事業に 取り組み、 地域とともに成長・発展をめざす。 地元ブランド販売 4.雇用:女性活躍促進(よこはまグッド バランス賞)、出産育児 ・介護支援、 高齢者・障害者 5.環境:認証取得、地域活動、リサイクル 6.品質:認証取得、高齢者対応・健康配慮 ・「最上位」「上位」「標準」の3段階 ・公共工事におけるインセンティブ発注 【一般】 (認定企業であることが入札参加条件) 7.財務・業績:黒字、出納・帳簿作成分離 会計参与設置 ・低利融資資格認定+保証料3/4助成! (金利2.1%以内、最長7年、2億円まで) 8.労働安全衛生:認証取得(OHSAS等)、 健康・労務相談窓口設置 CSRマネジメントシステム(PDCA)評価 9.消費者・顧客対応:顧客対応窓口設置 +地域性評価((1)項目+(2)地域性基準) 顧客対応教育・訓練制度 10.情報セキュリティ:PC・文書管理、 (1)取り組み項目評価 Pマーク、顧客情報管理 【必須】 1.コンプライアンス:法令遵守宣誓書、 (2)地域性基準評価(下記のいずれか) 1.地域志向性:特性・文化を重視した取組 納税証明書、許認可 2.地域限定性:在住・所在限定の取組 【重要】 2.地域社会貢献:ボランティア、文化事業、3.地域性比率:対象者中在住者5割以上 地域への寄附 すでに200社以上! 17 3.地元活用・志向:業者選定(地元優先)、→「横浜スタンダード推進協議会」 まちづくりは、誰のため? 何のため? あいさつできる関係づくりのため 子どもたちの世代が誇りを持って 暮らし、働くため 20年で人口が半減した町で、小中学生が 農畜漁林業の生産・販売を体験し、町長 に提言する年50時間以上の町おこし授業 (北海道・浦幌町、「NPOマネジメント」第63号参照) 災害時などの安心のため 障碍者・高齢者のための「避難支援」と 「避難所の課題確認」訓練(別府市) 元気な地域は、人数ではなく姿勢が違う 自分が住み続ける地域の未来の ために、本当に大切なことを 実現できるように、全力を尽くす。 出し惜しみしない できないフリしない あきらめない 「誰かがどうにかしてくれる」なんて 甘えない 雲南市の地域自主組織のすごさ ・「公民館」から「地域交流センター」へ ・共益的な生涯学習施設から、住民自治の拠点へ ・多様な主体の「総働」による「小規模多機能自治」 ・行政機能縮減を補う「適地適作(策)」の地域づくり ・幼稚園放課後に住民主導で預かり保育(海潮) ・旧・農協で産直市&100円喫茶(中野・笑んがわ市) ・水道検針を受託し毎月全戸訪問(鍋山) ・共通の「基本機能」と独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心をどう維持するか? ・文化・伝統をどう残すか? ・経済的な循環・競争力をどう維持するか? →年2回の「自慢大会」と課題別「円卓会議」で事例共有 真地(まーじ)団地自治会(那覇市) ・1981年開設の市営住宅、400世帯 ・車両部で買物支援 「移動も寄り道も生きがい」、今後は役所にも! ・2011年度に「地域福祉部」新設! 「第1次福祉計画」(11-13年度): 見守り、活性化、運行、資金造成 ・見守り:同棟の支援者、新聞・宅配も協力 ・木曜:「ふれあいデイサービス」(14-16時) ・金曜:「百金食堂」(100円昼食会) ・土曜:カラオケ! 60人のお年寄りのために 77歳の看板娘が営むコンビニ「ノーソン」 (大分県中津市 旧・耶馬渓町) ・03年農協閉店、05年合併:「役場も店も遠くなる」 ・農協から店舗を買い取り、日用品販売&お茶飲み ・調味料、菓子、種苗など300品目、年商400万円 ・住民がつくった野菜・果物を市街地大型店に出荷 → 年商400万!→耕作放棄地が相次いで畑に! ・中島さん「田舎には、仕事を探しに来る人じゃなく、 仕事をつくれる人に来てもらいたい」 独居高齢者のための 厳冬期限定共同住宅「のくとい館」 (岐阜県高山市) ・全14室、各室に台所・浴室完備、月額1万2千円 朝夕食は食堂で ・旧・教職員住宅を活用(08年12月) ・市社協の提案+国交省「新たな公」補助金で実現! ・「まちなかに暮らす息子と同居しても、 知り合いがいないけど、ここだと一日が早い」 自治会・町内会は、 行事を半減して、事業=福祉+経済を! 【現在】 親睦も安全も福祉も行事の連続。。 →地域の住民が気軽に付き合い、 日常生活に必要な情報交換や 安全確保などを行なうとともに、 地域生活をより快適にするため、 自主的・自発的に共同活動しな がら、まちづくりを進める。 問題解決 (交通安全、防火・防災、 防犯・非行防止、資源回収) 生活充実 (福祉、青少年育成、 健康増進、祭礼・盆踊り、 運動会、文化祭など) 環境・設備維持 (清掃・整備、 集会所管理など) 広報・調整 【今後】 「小規模多機能」自治! →行政機能の集約化を補い、 住民減少・高齢化などに伴い 必要性が高まる安全・安心の 確保のための「適地適作(策)」 型の地域づくりを進める。 共通の「基本機能」と 独自の「魅力づくり」 ・最小限の安全・安心の維持 ・文化・伝統の継承 ・経済的な競争力の維持・向上 協働から総働へ 中長期の視点で、 地域を耕す意欲としくみ NPO 協 働 ? 当事者 専門家 行政 学校 公共サービスを担う (教員+生徒) 意欲とスキル 総 働 事業者 金融機関 行政 NPO 「1対1の業務・責任分担」から「多様な主体による協働」へ 「団体の支援」から「(小規模多機能)自治の確立・維持」へ すべての部署・業務が、調達も含め、よりよい成果へ →定義・ねらいも、進め方も抜本的に見直す「協働2.0」へ! NPO: Not-for-Profit Organization 民間で公益かつ非営利の活動を継続する組織 民間: 官から独立し、依存しない運営 自発性・自律性が本質! 活動: 考える・話すだけでなく、行動して実現する 組織: 目的を共有するチーム 公益: 「共益・私益」=利己ではなく、利他 目的の共有が、責任の共有と、役割の分担を可能にする 「不特定多数」ではない!→求められ、開かれているか 非営利: 「営利」=収益を分配するのではなく、 社会に再投資する 「収益性の有無」ではなく、「収益の使途」の問題! NPOも同好会も「市民活動団体」 事業や活動は、 何のため・ 誰のため? NPO 同好会 公益=利他 必要としている こと・人のため 共益・私益=利己 「私たちだけ」 のため 何を満たすために ニーズ 事業・活動する? =求められること 必要な資源は どうまかなう? 受益者負担も 求めつつ、不足は 寄付・助成・補助 など公費で補う ウォンツ =したいこと 自費 → ニーズをどう把握し、表現できるか? 事業の自立性?→対価と事業がめざす運営形態 必要な資金の負担 例 目指す運営形態 受益者・利用者からの 対価収入により、 収益が見込める。 (対価自立事業) スポーツ・芸術文化活動 主婦・障碍者の起業 環境配慮製品・サービス 受益者・利用者から 対価も取れるが、 継続には外部からの 補助が必要。 (補助継続事業) フリースクール 伝統文化財の維持・継承 里山保全 難アクセス地の公共交通 介護保険事業 市民による 事業経営の効率化を 進めつつ、行政からの 補助は続ける。 →補助の制度化必須! 基本的人権の保障上、 不可欠な事業であり、 受益者・利用者からの 対価による継続は困難。 (基本的人権保障事業) ホームレスの緊急救援 子どもの電話相談 途上国への開発協力 DV被害者の支援 医療情報の翻訳・通訳 社会的な課題解決の 先駆者として市民が 先行しており、行政 サービスとして法制化 する必要あり。 →事業の制度化必須! 市民による 自主・単独事業へ →立ち上げ期のみ支援 (リサイクル、有機農業など) 協働の目的は「自治の回復」であり、 「まち・むらの課題を、 まち・むらの力で解決する」ために行う 1+1>2が必須 だから協働は、 → 持続する相乗効果が期待できるか? そもそも、相互が「自働」しているか? 互いの強みを理解し、活かしているか? だから失敗の3要因は、 「単年度」 、「思いつき」 、「官主導・依存」 「協働って、委託や補助とどう違うの?」 協働の手法として、委託も、補助もありえる。 まちのレストランにたとえると、 「行政がつくる定食を、食べるだけ市民」から 「行政と市民による共同経営」へ 営業時間は? 内装は? メニューは? 価格は? 材料は? → 「料理法」ではなく、「経営法」の問題 → 仕様決定後に業務と責任を渡すのではなく、 ニーズ調査も仕様設計も実施も成果も協働で! → 「非協働的な委託・補助」から 「協働的な委託・補助」への転換を! 参加・支援から、協働・総働へ 地域における市民と行政との協働の領域 政策立案(policy making) (企画・財政部門が主導) 市民「参加」型の政策立案 市民「参画」型の政策立案と実現の協働 市民に「意見」を求める:public involvement 市民が提言し、実践で協働する :public commitment (collaboration) 例:委員会、審議会 アンケート調査、関係団体へのヒアリング パブリック・コメント 対話集会(意見交換会)、出前講座 例:介護保険事業(NPOがモデルをつくり、行政が制度化) 地域の環境保全事業(立案・調査から実施まで) 多文化共生のための条例づくりと支援事業 ←単発・問題対処的(case based) 継続・基盤形成的(infrastructure oriented) → 「制度化された資金」の分配 事業の持続性の向上 市民は単なる利用者:policy consumer 市民の「担い手化」を支える:citizenship support 例:緊急雇用対策・ふるさと雇用再生事業 決定済み事業の執行のみ委託 (請負の発注) 地域活動団体への補助、運営資金交付 例:不登校児支援団体への補助の制度化 学校ボランティアの役割の拡大 総合学習を支援する団体との授業の開発 独居高齢者を支える活動への支援の制度化 業務執行(operation) (事業・現業部門が担当) 協働が進まない5つの理由 ①目標と計画がない → トップも現場も本気じゃないから?? ②流れもルールも決まっていない → 他地域研究や「協働スケジュール」がないから! ③推進するツールや体制がない → 中期的な目標も、ニーズ調査もないから! ④評価・監査されていない → 継続的な改善と、トップの関与がないから! ⑤NPOが協働していない → お互いに関心がなく、仲が悪いから!? 詳しくは「NPOマネジメント」第69号参照 行政の誤解 「行政改革と住民参加から、協働が不可欠」? 行政改革 ≠ 財政改革 コスト削減のために悪用しようという首長・議員が多い しかし、海外の例からも、 行政・公共サービスの「クオリティ」と「スピード」を 向上すれば、その成果として「コスト」が削減する 行政改革の成果として、財政改革が実現する 「企業より安い委託先」「ボランティアだから当然」 責任を委ねるなら、予算と権限も委ねるのが当然! 地域の時間と力を奪い、育つ機会を失わせている! 指定管理者制度は、 本来の趣旨どおり導入されているか? 「今般の改正は、多様化する住民ニーズに より効果的、効率的に対応するため、公の施設の管理に 民間の能力を活用しつつ、住民サービスの向上を図ると ともに、経費の節減等を図ることを目的とする」 (総務省自治行政局長通知、03年7月) → 「多様化する住民ニーズ」の検討は? 「より効果的・効率的な対応」の定義は? 「住民サービスの向上」を実現しうる体制とは? → 文化会館の舞台スタッフOB団体への委託? 運営委員会による市民活動センター? 委託期間の途中で予算カット?? 協働を生み、育てるために、 行政の協働推進主管課がすべきこと 「なぜ協働が必要か」を定義し、 「どのように協働するか」の基本プロセスを決める 基本プロセスを普及・浸透する体制を整える Q&A集、「推進員」制度、職員研修、「協働化テスト」・・・ 基本プロセスを記録・検証し、改善を継続する 「協働推進ロードマップ」を総合計画に織り込む・・・ 常設の評価制度、監視と改善の制度化・・・ 市民と共有し、団体を育てる 「推進会議」、事業力を高める研修・・・ 詳しくは、「NPOマネジメント」第48号参照 協働を生み、育てるために、 NPOがすべきこと NPOのネットワークをつくる 協働の評価・監査に参加する 指針・条例の見直しを、市民参加で進める 協働のニーズ調査を、市民も行う 「出前講座」を活用する 審議会・委員会をフォローする 中間支援機関を強化する 職員研修にNPOも参加する 「合同お見合い」を開く 議員向けの連続勉強会を開く 詳しくは、「NPOマネジメント」第50号参照 行政は総働をどう促すか? (団体自治偏重から、住民自治充実へ) 地縁団体は「行事・活動→事業」 「役割・運営→経営」へ 行政は「要望を聞いて対応 →事業と組織の経営支援: 定量情報の提供+基盤の整備」 (→地域が自ら現状を理解して、 小規模多機能化を進める支援を) 地域が「自治=経営」者として自ら現状を知り、 小規模多機能化を進めるために まず行政がすべき準備 ⓪小規模多機能自治の必要性を 首長・議会・職員に徹底する ← 長期見通し(±10年)をつくる +地域状況を定量化・相対化する +先進地域から学ぶ ①小規模多機能自治を促す制度 ・施策をつくる (例:公民館→自治拠点) ②小規模多機能自治の必要性を 住民に伝え、取り組みを促す ③「自慢大会」や「円卓会議」で 状況や知恵の共有を促す ④次世代育成を促すために、 雇用者に働きかける 地域が自ら進めるべき取り組み ①地域状況を長期的・定量的・ 相対的に把握・共有する(知る) ②地域内外から学び続ける 地域の詳しい見通しをつくる (後期)高齢者率、独居世帯率 →買物、移動、見守り、配食、 清掃・雪下ろし、耕作放棄 など 生活必須ニーズの推移予測 ③行事・会議・組織を棚卸しする 地域の行事(小規模も含む)、 会議、組織をすべて書き出し、 労力(=時間)を可視化する ④多機能化の取り組みを進める ⑤組織づくりを進める 各部署で協働を力強く進めるために ・協働推進担当を置き、事例収集を進める ・月1回以上、10分間程度の勉強会を開く ・協働候補リストを作成する 協働対象「事業・業務」リスト 協働対象「団体」リスト(市・県外含む) ・協働推進担当の引き継ぎは、 新任者「以外」に行う 2020年・30年に備えるために ①特に重要な変化は? 生産人口▲人減 → 税収▲億円減? 高齢者〇人増 → 扶助+介護○億円増? ②その変化に、どう備える? (協働を進めるべき事項は?) 道路などの簡易補修 避難所運営・要援護者支援 買物・移動・ゴミ出し支援 あなたの課で協働を進める(やってみる+α)ために 当課ですぐに行うこと ・推進担当の任命 ・月例勉強会の設定 ・過去事例の(再)確認 ・候補事業・団体一覧作成 ・部長に(再)確認 ・・・ 実施スケジュール(案) 11 12 1 2 3 当課で来年度から始めること ・協働推進中期計画 策定 ←中期見通し策定 ・課内向け簡易版手引き作成 ・(主管課経由で)団体と協議 ・他課との合同勉強会 ・・・ 状況・事例共有:月例勉強会→ 候補一覧: 事業分作成→ 団体分調査→ 中期計画: 「見通し」作成 合同勉強会 →(毎回の資料を集めてDB化) PDF公開→団体と協議→予算? 作成→個別調査→協議→予算? →中期目標+主要方針協議→内定 →(ある程度でまとめてPDF公開) 4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3 ちょっと頭を整理してみましょう(~16:15) 講師の話・事例から 感じたこと・ 気付いたこと 「自分の課・係で しなきゃ!できそう!」と 感じたこと 別府市で協働が 進まなきゃいけない 理由とテーマ? (5つ以上!) 例:理由:多老化、・・ テーマ:健康づくり、・・ 別府市で協働を進める ために必要な、 「すぐ」 +「数年内に」 すべきこと(5つ以上) 例:出前講座、 自治会・団体 出会いの場 「別府市が協働すべき5つの理由・5つのテーマ」と 「協働を進めるための5つ以上のアクション」(~16:30) 別府市で官民が 協働を進めるための 協働しなきゃいけない 5つ以上のアクション 5つの理由+テーマ (しくみづくりを念頭に) (具体的に数値も示す!) 【例】①独居後期高齢者○人増 →寄り合いの場づくり! ②税収減、医療・福祉費用増、 職員数○%減 →高齢者の健康・活躍の場づくり ③市内企業の外国向け売上増 →子ども・若者向け新興国講座 【例】:しくみ整備→実践加速 (前提:総計での位置付け確認) ①市長に合同インタビュー ②先行地調査:文献、視察、研修 ③議員向け研修 ④指針・条例づくり ⑤町内会とのマッチング ⑥「こんなことできます」リスト ⑦・・・、⑧・・・、⑨・・・、⑩・・・
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