焼入れ用厚板の穴抜きにおける 疲労強度に及ぼす加工条件の影響 極限成形システム研究室 吉田 明央 鋼板の高強度化 薄板の高強度鋼板 成形 切口面端部への応力集中 疲労強度の低下 厚板 成形 高強度化 目的 焼入れ厚板材の疲労強度 に及ぼす焼入れと穴抜き 加工条件の影響の調査 穴抜き 熱処理 疲労試験 焼入れ用厚板の穴抜きにおける 疲労強度に及ぼす加工条件の影響 1)穴抜き加工された鋼板の疲労強度に及ぼす焼 入れの影響 2)増肉穴抜き加工による疲労強度の向上 穴抜き加工条件と使用した鋼材 板押え t=4.5 パンチ ∅10.00 板材 (S35C) x ∅ 10.09, ∅ 10.63, ∅ 11.35 ダイス x クリアランス比 c = =1,7,15% 2t 熱処理条件 温度 時間 冷却方法 [℃] [min] 焼入れ 870 40 油冷 焼戻し 300 60 空冷 機械的特性 引張強さ [MPa] 焼入れなし 465 焼入れあり 1610 硬さ [HV] 138 502 焼入れなし,ありの切口面と穴縁面構成 0 焼入れ あり 3 5 7% 15% せ ん 断 面 2 4 c =1% だ れ 1 上面からの距離 /mm 焼入れ なし 1mm だ れせ ん 断 破面 断 面 破 断 面 c =1% 7% 15% 焼入れされた鋼板の疲労強度に及ぼす クリアランス比の影響 ク ラ ッ ク 発 生 ∅10 20 破断面 せん断面 500 500 400 300 繰返し応力/MPa 繰返し応力/MPa 破断面 せん断面 c =1% 7% 200 15% 100 0 1.E+04 4 10 1.E+05 5 1.E+06 6 10 10 繰返し数 (a) 焼入れなし,引張強さ465MPa 400 c =1% 300 7% 200 100 0 1.E+04 104 15% 1.E+05 5 1.E+06 10 106 繰返し数 (b)焼入れあり,引張強さ1610MPa 焼入れ用厚板の穴抜きにおける 疲労強度に及ぼす加工条件の影響 1)穴抜き加工された鋼板の疲労強度に及ぼす焼 入れの影響 2)増肉穴抜き加工による疲労強度の向上 焼入れ材の疲労強度を向上させる 増肉穴抜き加工法 ∅10 テーパ パンチ 1 板材 2.5 ∅10.09 段付き ダイス 加工前 4.5 ∅7 5 板押え 焼入れ材の疲労強度を向上させる 増肉穴抜き加工法 穴抜き加工 焼入れ材の疲労強度を向上させる 増肉穴抜き加工法 穴縁の増肉と平滑化 増肉穴抜き加工後の切口面と穴縁面構成 だ れ平 増肉 滑 破面 断 面 1mm 上面からの距離 /mm 穴抜き c =1% だ れせ ん 断 破面 断 面 0 1 だ れ せ ん 断 面 2 3 4 5 6 平 滑 面 破 断 面 穴抜き c =1% 増肉 増肉穴抜き加工を行った疲労試験結果 平均表面粗さ [μmRa] c =1% 0.70 増肉 0.13 繰返し応力/MPa 0.28 600 増肉穴抜き 500 400 300 200 c =1% 100 0 10000 104 100000 5 10 繰返し数 1000000 6 10 結言 • 焼入れを行うことによって,c =1% とc =15%と の疲労限の応力の差が10%から50%になり,穴縁 面構成の影響が大きくなった. • 増肉穴抜き加工をすることによって,c =1%のせ ん断面より大きな平滑面を得ることでき,疲労限 の応力がc =1%に比べ,約33%向上できた.
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