立入検査の結果について

平成25年11月
関東液化石油ガス協議会
第24回業務主任者・管理者研修会資料
平成24年度の主な指摘事項
関東東北産業保安監督部保安課
(1)立入検査実績
22年度
23年度
24年度
実施件数
うち保安機関
うち販売、保安機関
28
6
22
24
7
17
30
10
20
指摘無し
うち保安機関
うち販売・保安機関
9
3
6
7
3
4
17
8
9
指摘有り
うち保安機関
うち販売・保安機関
19
3
16
17
4
13
13
2
11
保安機関には、保安業務のみ(配送センター、点検センター)のものと、販売登録が当部所管以外のものが
ある。
条項別指摘数(まとめ)
平成22年度
平成23年度
平成24年度
4
5
1
3
15
7
4
6
22
1
9
3
14
1
7
8
8
2
1
1
39
7条(表示)
8条(届出関係)
11条(貯蔵施設)
14条(書面)
16条(供給設備)
19~21条(業務主任者等)
27~34条(保安業務)
35条(業務規程)
81条(帳簿)
則132(法定報告)
例示29(漏えい検査等)
例示30(調整器機能試験)
合計
59
9
1
4
38


販売事業者:法第8条
保安機関:法第35条の4による法第8条の準用
(指摘内容)
委託先保安機関の変更に伴う変更届が未提出
販売事業者は法第3条第2項各号の事項を変更したときは
遅滞なく届け出なければならない(法第8条)





法第3条第2項の事項(要約)
1.氏名、名称、住所、法人代表者の氏名
2.販売所の名称、所在地
3.貯蔵施設の位置、構造
4.保安業務を行うものの氏名、名称、その事業所の所在地
5.損害賠償の措置
保安機関は法第29条第2項第1号及び第3号の事項を変
更したときは、遅滞なく届け出なければならない(法第35条の
4による法第8条の準用)


法第29条第2項第1号及び第3号の事項
1.氏名、名称、住所、法人代表者の氏名(第1号)
2.保安業務を行う事業所の所在地(第3号)

書面の交付(法第14条)
(指摘内容)
書面の交付が行われていない(体積販売、質量販売)
保安業務を行うものが、書面に記載のものと相違して
いる
契約終了時の清算方法が記載されていない

販売事業者は、販売契約を締結したときは遅滞なく次の事
項を記載した書面を当該一般消費者等に交付しなければな
らない。交付した書面に記載した事項を変更したときは、当
該変更した部分についても同様とする。(法第14条)
書面に定める事項
1.液化石油ガスの種類
2.液化石油ガスの引き渡しの方法
3.供給設備、消費設備の管理の方法
4.第27条一項2号、3号に定める調査の方法、周知の方法
5.保安業務を行う者の氏名、名称
6.省令で定める事項(規則第13条)
1.液化石油ガス販売事業者及び保安機関の責任に関する事項
2.一般消費者の責任に関する事項
3.ガスの計量の方法
4.質量販売における消費されないものの引取りに関する事項
5.価格の算定方法、算定の基礎となる項目、算定の基礎となる項目につぃての内
容の説明
6.供給設備、消費設備の所有関係
7.供給設備及び消費設備の設置、変更、修繕、撤去に要する費用負担の方法
8.販売事業者の所有する消費設備を一般消費者が使用する場合の使用の額及
び徴収方法
9.消費設備の配管について、販売契約解除時に所有権移転をともなう場合の精
算額の計算方法
10.保安機関の名称、住所、連絡方法



業務主任者の選任(法第19条)
業務主任者の職務(法第20条)
業務主任者の代理者(法第21条)
(指摘事項)
業務主任者等の選解任届未提出
業務主任者が法で定められた講習を受講していない
業務主任者がその職務を行っていない

販売事業者は販売所ごとに、業務主任者を選任し、第20条第1項に
規定する業務主任者の職務を行わせなければならない(法第19条第1
項)

販売事業者は、業務主任者、代理者を選任、解任したときは遅滞なく
届け出なければならない(同条第2項、法第21条第2項)

販売事業者は、業務主任者に液化石油ガスによる災害の発生の防止
に関する講習を受けさせなければならない(法第19条第3項)

販売事業者は販売所ごとに、あらかじめ業務主任者の代理者を選任し、
業務主任者がその職務を行うことができない場合に、その職務を代行さ
せなければならない(法第21条第1項)




保安業務を行う義務(法第27条)
保安業務の委託(法第28条)
保安機関の認定、認定の基準(法第29条、第31条)
保安機関の業務(法第34条)
(指摘事項)
供給開始時等点検・調査において漏えい試験、調整器機
能試験が行われていない
保安業務委託契約において、法及び規則に定める事項が
定められていない
自記圧力計の校正が行われていない
校正不合格の自記圧力計を使用している
自記圧力計の補正値の算出方法が統一されていない
緊急時対応について30分以内に到着していない事例が
ある
定期点検・調査が期限内に実施されていない

帳簿の作成・保存(法第81条)
(指摘内容)
保安業務に係る点検結果が確認できない(保安機関に委託した保安業務
の保安機関からの通知を含む)
法第14条書面の記載内容変更の記録が確認できない
点検調査票における保安機関名、点検実施者の氏名が記載されていな
い
点検調査において、結果が否であるものの改善記録が不明
販売事業者、保安機関、充てん事業者は省令で定めるところにより帳簿
を備え、保存しなければならない(法第81条)

規則第131条第1項:販売事業者が備えるべき帳簿

規則第131条第2項:保安機関が備えるべき帳簿

規則第131条第4項:書類の保存期間
書類の保存期間→2年間
ただし法第14条書面関係は契約終了まで
点検調査については次に実施されるまで

体積販売
容器の種類、数/販売開始年月日/販売先/容器交換年月日、容器変更内容

質量販売
容器の種類、数/販売開始年月日/販売先

同引取り
引取り容器の種類、数/引取り年月日/引取元

書面交付
一般消費者等の氏名又は名称、住所/書面交付者氏名/書面交付年月日/内容

保安業務委託
委託した一般消費者等の氏名又は名称、住所/保安機関の氏名又は名称、事業所の所在地/保安業
務の結果/供給設備の技術基準不適合に対して講じた措置/消費設備の技術基準不適合に対し所有者、
占有者に通知した内容/災害が発生又はその恐れがある場合に実施した措置の内容/保安業務の実施
年月日

貯蔵施設等の異常
内容/講じた措置/異常のあった年月日、措置を講じた年月日

供給開始時等点検・調査
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不適合通知の内容/実施、通
知年月日/燃焼器の製造者、輸入者名称/燃焼器型式、製造年

容器交換時等供給設備点検
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不適合通知の内容/実施、通
知年月日

定期供給設備点検
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不適合通知の内容/実施、通
知年月日

定期供給設備点検未実施
承諾を得られなかった一般消費者等の氏名又は名称、住所/承諾を求めた者の氏名/承諾を求めた年
月日

定期消費設備調査
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不適合通知の内容/実施、通
知年月日/燃焼器の製造者、輸入者名称/燃焼器型式、製造年

定期消費設備調査未実施
承諾を得られなかった一般消費者等の氏名又は名称、住所/承諾を求めた者の氏名/承諾を求めた年
月日

周知
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容/実施年月日

緊急時対応
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容及び結果/実施年月日

緊急時連絡
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容及び結果/実施年月日



平成25年5月、保安機関(配送事業者)に対し法に基
づく立入検査を行った結果、一般消費者等の数が認
定数を超過していることが確認された。
検査の結果、一般消費者等の数を供給設備(貯蔵設
備)の数としていたもので、法第28条に定める一般消
費者等の名簿は提示されなかった。
配送事業者においては供給設備を知り得れば事業は
行えるが、保安業務委託契約締結において販売事業
者との間で一般消費者等の名簿を相互に交付しなけ
ればならないと定められている。
販売事業者及び保安機関は、保安業務について委託
契約を締結するときは次の事項を書面に記載し署名又は
記名押印をし、相互に交付しなければならない(法第28
条)





1.委託に係る一般消費者等の氏名、名称、住所、法人にあっては代表者の
氏名
2.委託に係る保安業務の範囲、期間、実施の方法(以上、法)
3.保安業務の実施結果を販売事業者に連絡する方法
4.委託に係る一般消費者等が変更した場合の連絡に関する事項
5.供給設備、消費設備について液化石油ガスによる災害発生の恐れがある
場合の連絡に関する事項(以上、規則)

今後の立入検査における保安課としての対応
→保安業務の受委託契約書に加え、一般消費者等の名簿の
交付状況について確認を行う。
保安業務の受委託契約で一般消費者等の名簿が交付され
ていないもしくは不明瞭な場合には、保安機関のみならず販
売事業者に対しても改善の指導を行うことを検討している。

理由
→一般消費者等の名簿は、販売事業者が保安機関に交付し
ない限り、保安機関側では知り得ないため。