立入検査の結果について

平成26年11月
関東液化石油ガス協議会
第25回業務主任者・管理者研修会資料
立入検査の結果について
平成25年度の主な指摘事項
関東東北産業保安監督部保安課
1.関東管内の状況
平成25年度都道県別LPガス販売量(トン)
家庭業務用
207,693
80,774
145,689
389,618
333,254
665,923
672,257
109,626
129,460
41,877
319,222
3,095,393
8,046,381
茨城
栃木
群馬
埼玉
千葉
東京
神奈川
新潟
長野
山梨
静岡
管内
全国
38.5%
管内シェア
工業用
都市ガス用
53,819
661
43,546
143
35,860
5,965
45,480
9,143
78,925
122,834
311,227
236,457
161,155
173,157
23,011
14,892
9,897
3,476
8,895
0
110,032
38,831
881,847
605,559
2,741,145
1,177,598
32.2%
51.4%
自動車用
化学原料用
16,191
239,195
5,225
870
6,020
0
20,900
0
43,603
415,373
186,082
0
113,137
406,606
12,335
0
2,201
0
888
0
8,070
0
414,652
1,062,044
966,085
1,918,248
42.9%
55.4%
電力用
0
0
0
0
652,304
0
0
0
0
0
0
652,304
654,735
99.6%
合計
517,559
130,558
193,534
465,141
1,646,293
1,399,689
1,526,312
159,864
145,034
51,660
476,155
6,711,799
15,504,192
43.3%
(出典)日本LPガス協会資料
管内LPガス販売量 6,712千トン
15,504千トン
4.2%
12.4%
10%
16%
46%
6%
全国のLPガス販売量
家庭業務用
工業用
6.2%
7.6%
51.9%
都市ガス用
自動車用
化学原料用
9%
13%
17.7%
電力用
1.関東管内の状況
家庭用における熱源別世帯構成
• 全国の家庭用における熱源別世帯数は、LPガス(44.9%)、都市ガス(44.4%)、全電化(8.4%)、簡
易ガス(2.3%)となっている。
• 管内においては都市ガス(55.1%)、LPガス(37.8%)、全電化(5.5%)、簡易ガス(1.7%)となってい
る。
• 各管区別にみると都市ガス世帯比率が高いのは近畿(64.9%)、関東(55.1%)、北海道(25.5%)、の
順で、全電化世帯比率が高いのは、中国(16.5%)、四国(13.8%)、九州(13.0%)、の順となってい
る。
管内の熱源別世帯構成
(平成23年度)
37.8%
全国の熱源別世帯構成
(平成23年度)
44.9%
44.4%
55.1%
5.5%
1.7%
8.4%
都市ガス
簡易ガス
全電化
LPガス
2.3%
(出典)平成24年度石油ガス流通・販売業経営実態調査
1.関東管内の状況
LPガス事業の概要(販売事業/消費者数)
H25.3末現在
関東管内事業者数
販売事業者
関
東
管
内
関東管内消費者戸数
保安機関
H25.3末現在
消費者戸数*
監督部所管
93
233
茨城
783,759
都県所管計
6,815
6,695
栃木
565,513
茨城
917
909
群馬
569,218
栃木
618
616
埼玉
1,313,209
群馬
536
530
千葉
773,907
埼玉
1,012
950
東京
510,455
千葉
714
697
東京
592
559
神奈川
636
619
新潟
466
468
長野
265
山梨
静岡
都
県
所
管
全国
神奈川
1,081,901
新潟
272,262
長野
642,051
267
山梨
300,016
436
446
静岡
757,918
626
634
管内小計
7,570,209
20,600
21,064
全国合計
23,368,778
経済産業省集計
* 全L協、全農のLPガス事業者賠償責任保険加入事
業所の契約消費者戸数(簡易ガスを含む)の合計
(出典)全国エルピーガス保安共済事業団資料
2.立入検査の実績
立入検査実績
23年度
実施件数
24年度
25年度
24
30
26
7
10
7
17
20
19
7
17
15
うち保安機関
3
8
6
うち販売・保安機関
4
9
9
17
13
11
4
2
1
13
11
10
うち保安機関
うち販売、保安機関
指摘無し
指摘有り
うち保安機関
うち販売・保安機関
保安機関には、保安業務のみ(配送センター、点検センター)のものと、販売登録が当部所管以
外のものがある。
2.立入検査の実績
立入検査時の指摘状況
23年度
24年度
指摘無し(保安機関)
指摘無し(販売・保安機関)
指摘有り(保安機関)
指摘有り(販売・保安機関)
25年度
2.立入検査の実績
立入検査時の指摘状況
45
39
40
38
35
30
24
25
20
15
10
5
1.6
2.3
1.3
2.9
0.9 2.2
24年度
25年度
0
23年度
指摘件数
検査平均指摘数
指摘事業者
平均指摘数
2.立入検査の実績
条項別の指摘状況(過去3年間)
条項別指摘数(まとめ)
平成23年度
平成24年度
平成25年度
1
7条(表示)
8条(届出関係)
5
3
1
14条(書面)
7
4
6
16条(技術基準適合義務)
2
18条(保安教育)
1
19~21条(業務主任者等)
27~34条(保安業務)
3
8
1
14
8
9
35条(業務規程)
1
81条(帳簿)
7
則132(法定報告)
例示29(漏えい検査等)
1
例示30(調整器機能試験)
1
合計
39
1
9
2
1
1
4
2
38
26
2.立入検査の実績
条項別の指摘状況(過去3年間)
23年度
24年度
25年度
0
10
20
30
40
7条
8条
14条
16条
18条
19~21条
27~34条
35条
81条
則132
例示29
例示30
2.立入検査の実績
条項別の指摘状況(平成25年度)
条項別指摘数(平成25年度)
8条(届出関係)
14条(書面)
16条(技術基準適合義務)
18条(保安教育)
19~21条(業務主任者等)
27~34条(保安業務)
35条(業務規程)
81条(帳簿)
則132(法定報告)
例示29(漏えい検査等)
0
2
4
6
8
10
3.主な指摘事項
(変更の届出)
販売事業者:法第8条
保安機関:法第35条の4による法第8条の
準用
(指摘内容)
• 委託先保安機関の変更に伴う変更届が未提
出
単純な商号変更や営業所名の変更、移転には届
出の義務は生じないが、保安機関の手続きの都合
上旧営業所廃止して新営業所を設置しているなど、
委託先保安機関の変更に該当してしまう事もある。
→ 手続漏れを防ぐためにも、変更が分かった
時点で変更届を出した方が得策。
3.主な指摘事項
(変更の届出)
販売事業者は法第3条第2項各号の事項を変更したときは遅滞なく届け
出なければならない(法第8条)
法第3条第2項の事項(要約)
1.氏名、名称、住所、法人代表者の氏名
2.販売所の名称、所在地
3.貯蔵施設の位置、構造
4.保安業務を行うものの氏名、名称、その事業所の所在地
5.損害賠償の措置
保安機関は法第29条第2項第1号及び第3号の事項を変更したとき
は、遅滞なく届け出なければならない(法第35条の4による法第8条の
準用)
法第29条第2項第1号及び第3号の事項
1.氏名、名称、住所、法人代表者の氏名(第1号)
2.保安業務を行う事業所の所在地(第3号)
3.主な指摘事項
(書面)
書面の交付(法第14条)
(指摘内容)
• 書面の交付が行われていない(体積販売、質
量販売)
• 消費者への書面の交付が確認できない
• 保安業務を行うものが、書面に記載のものと
相違している
• 保安業務実施者の変更時に実際と相違して通
知されている
3.主な指摘事項
(書面)
販売事業者は、販売契約を締結したときは遅滞なく次の事項を
記載した書面を当該一般消費者等に交付しなければならない。交付
した書面に記載した事項を変更したときは、当該変更した部分につ
いても同様とする。(法第14条)
書面に定める事項
1.液化石油ガスの種類
2.液化石油ガスの引き渡しの方法
3.供給設備、消費設備の管理の方法
4.第27条一項2号、3号に定める調査の方法、周知の方法
5.保安業務を行う者の氏名、名称
6.省令で定める事項(規則第13条)
3.主な指摘事項
書面記載事項(規則第13条)
1.液化石油ガス販売事業者及び保安機関の責任に関する事項
2.一般消費者の責任に関する事項
3.ガスの計量の方法
4.質量販売における消費されないものの引取りに関する事項
5.価格の算定方法、算定の基礎となる項目、算定の基礎となる
項目についての内容の説明
6.供給設備、消費設備の所有関係
7.供給設備及び消費設備の設置、変更、修繕、撤去に要する費
用負担の方法
8.販売事業者の所有する消費設備を一般消費者が使用する場合
の使用の額及び徴収方法
9.消費設備の配管について、販売契約解除時に所有権移転をと
もなう場合の精算額の計算方法
10.保安機関の名称、住所、連絡方法
3.主な指摘事項
(基準適合義務)
貯蔵施設(法第16条第1項)
販売の方法(法第16条第2項)
供給設備(法第16条の2第1項)
(指摘内容)
• 貯蔵施設に設置する消火器の有効期限が切れ
ている。
• バルク貯槽の安全弁の検査が、告示で定める
期間内に行われていない
3.主な指摘事項
(基準適合義務)
販売事業者は、販売事業の用に供する貯蔵施設を経済産業省令
(施行規則)で定める技術上の基準に適合するように維持しなけれ
ばならない。 (法第16条第1項)
施行規則第14条
1.警戒標の掲示
2.保安距離の確保
3.保安距離が確保できない場合 → 障壁の設置
4.屋根の材質(不燃性又は難燃性で軽量)
5.液化石油ガスが滞留しない構造
6.消火設備の設置
消火器の期限切れ → 消火設備がないことと同じ
3.主な指摘事項
(基準適合義務)
販売事業者は、経済産業省令で定める基準に従つて液化石油ガ
スの販売をしなければならない。 (法第16条第2項)
施行規則第16条(販売の方法の基準)
第22号
バルク貯槽は、告示で定めるところにより検査を行うこと。
バルク供給・充てん設備告示
第1条第2項第1号
バルク貯槽の付属機器の検査は前回の検査の日から起算して
次の期間内に行うこと
•安全弁
5年
•安全弁以外の付属機器(経過年数20年以下)
•安全弁以外の付属機器(経過年数20年超)
20年
5年
3.主な指摘事項
(保安教育)
保安教育の実施(法第18条)
(指摘内容)
• 周知実施者を含めて保安教育の計画的な実施
がなされていない
販売事業者はその従業者に保安教育を施さな
ければならない(法第18条)
参考 規則第24条第6号
法第18条第1項の規定による保安教育の計画
の立案、実施又はその監督を行うこと。
3.主な指摘事項
(業務主任者)
•業務主任者の選任(法第19条)
•業務主任者の職務(法第20条)
•業務主任者の代理者(法第21条)
(指摘事項)
業務主任者が法で定められた講習を受講して
いない
3.主な指摘事項
(業務主任者)
• 販売事業者は販売所ごとに、業務主任者を選任し、第20条
第1項に規定する業務主任者の職務を行わせなければならない
(法第19条第1項)
• 販売事業者は、業務主任者、代理者を選任、解任したときは
遅滞なく届け出なければならない(同条第2項、法第21条第
2項)
•
販売事業者は、業務主任者に液化石油ガスによる災害の発生
の防止に関する講習を受けさせなければならない(法第19条
第3項)
•
販売事業者は販売所ごとに、あらかじめ業務主任者の代理者
を選任し、業務主任者がその職務を行うことができない場合
に、その職務を代行させなければならない(法第21条第1項)
3.主な指摘事項
(保安業務)
•保安業務を行う義務(法第27条)
•保安業務の委託(法第28条)
•保安機関の認定、認定の基準(法第29条、
第31条)
•保安機関の業務(法第34条)
3.主な指摘事項
(保安業務)
(指摘事項)
• 供給開始時等点検・調査において、調整器の機能
試験が行われていない
• 保安業務委託契約において、法及び規則に定める
事項が定められていない
• 自記圧力計の校正が行われていない
• 校正未実施の自記圧力計を使用している
• マイコンメーターのBR表示及び漏洩検知装置B表
示箇所について対処されていない。
• 定期点検・調査が期限内に実施されていない
• 保安業務規程が備えられていない。
3.主な指摘事項
(保安業務)
販売事業者は、その販売契約を締結している一般消費者等に
ついて保安業務を行わなければならない。 (法第27条)
一
供給設備を点検し、技術上の基準に適合しないと認めるとき
は、遅滞なく、基準に適合するようにするための措置及びその措
置をとらない場合に生ずる結果を液化石油ガスを供給している販
売事業者に通知する業務(1号業務、2号業務、3号業務)
二
消費設備を調査し、技術上の基準に適合しないと認めるとき
は、遅滞なく、基準に適合するようにするためにとるべき措置及
びその措置をとらない場合に生じる結果をその所有者又は占有者
に通知する業務(1号業務、4号業務)
三
一般消費者等に対し、液化石油ガスによる災害の発生の防止に
関し必要な事項を周知させる業務(5号業務)
四
災害が発生し、又は発生するおそれがある場合に一般消費者等
からその事実を通知され、措置を講ずることを求められたとき、
又は自らその事実を知つたときに、速やかにその措置を講ずる業
務(7号業務)
3.主な指摘事項
(帳簿)
•帳簿の作成・保存(法第81条)
(指摘内容)
周知を行った者の氏名及び周知の年月日の記録がない
定期供給設備点検及び定期消費設備調査を実施した保安機関
の名称及びその事業所の所在地の記録がない
3.主な指摘事項
(帳簿)
販売事業者、保安機関、充てん事業者は省令で定めるところ
により帳簿を備え、保存しなければならない(法第81条)
•規則第131条第1項:販売事業者が備えるべき帳簿
•規則第131条第2項:保安機関が備えるべき帳簿
•規則第131条第4項(販売)、第5項(保安機関):書類の保
存期間
書類の保存期間→2年間
ただし、法第14条書面関係は契約終了まで
点検調査については次に実施されるまで
3.主な指摘事項
(帳簿)
記載事項(規則131条第1項)
•体積販売
容器の種類、数/販売開始年月日/販売先/容器交換年月日、容器変更内容
•質量販売
容器の種類、数/販売開始年月日/販売先
•質量販売容器の引取り
引取り容器の種類、数/引取り年月日/引取元
•書面交付
一般消費者等の氏名又は名称、住所/書面交付者氏名/書面交付年月日/内容
•保安業務委託
委託した一般消費者等の氏名又は名称、住所/保安機関の氏名又は名称、事業所
の所在地/保安業務の結果/供給設備の技術基準不適合に対して講じた措置/消
費設備の技術基準不適合に対し所有者、占有者に通知した内容/災害が発生又は
その恐れがある場合に実施した措置の内容/保安業務の実施年月日
•貯蔵施設等の異常
内容/講じた措置/異常のあった年月日、措置を講じた年月日
3.主な指摘事項
(帳簿)
記載事項(規則131条第2項)その1
•供給開始時等点検・調査
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不
適合通知の内容/実施、通知年月日/燃焼器の製造者、輸入者名称/燃
焼器型式、製造年
•容器交換時等供給設備点検
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不
適合通知の内容/実施、通知年月日
•定期供給設備点検
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不
適合通知の内容/実施、通知年月日
•定期供給設備点検未実施
承諾を得られなかった一般消費者等の氏名又は名称、住所/承諾を求め
た者の氏名/承諾を求めた年月日
3.主な指摘事項
(帳簿)
記載事項(規則131条第2項)その2
•定期消費設備調査
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/結果/実施及び不
適合通知の内容/実施、通知年月日/燃焼器の製造者、輸入者名称/燃
焼器型式、製造年
•定期消費設備調査未実施
承諾を得られなかった一般消費者等の氏名又は名称、住所/承諾を求め
た者の氏名/承諾を求めた年月日
•周知
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容/実施年月日
•緊急時対応
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容及び結果/実
施年月日
•緊急時連絡
一般消費者等の氏名又は名称、住所/実施者の氏名/内容及び結果/実
施年月日
4.厳重注意事例
平成25年5月、保安機関(配送事業者)に対し
法に基づく立入検査を行った結果、一般消費者
等の数が認定数を超過していることが確認され
た。
 検査の結果、一般消費者等の数を供給設備(貯
蔵設備:バルク貯槽)の数としていたもので、
法第28条に定める一般消費者等の名簿は提示
されなかった。
 配送事業者においては供給設備を知り得れば事
業は行えるが、保安業務委託契約締結において
販売事業者との間で一般消費者等の名簿を相互
に交付しなければならないと定められている。

4.厳重注意事例
販売事業者及び保安機関は、保安業務について
委託契約を締結するときは次の事項を書面に記載
し署名又は記名押印をし、相互に交付しなければ
ならない(法第28条)
1.委託に係る一般消費者等の氏名、名称、住所、法人にあっては代表
者の氏名
2.委託に係る保安業務の範囲、期間、実施の方法(以上、法)
3.保安業務の実施結果を販売事業者に連絡する方法
4.委託に係る一般消費者等が変更した場合の連絡に関する事項
5.供給設備、消費設備について液化石油ガスによる災害発生の恐れが
ある場合の連絡に関する事項(以上、規則)
4.厳重注意事例

立入検査における保安課としての対応
→
保安業務の受委託契約書に加え、一般消費者等の名簿の
交付状況について確認を行う。
保安業務の受委託契約で一般消費者等の名簿が交付され
ていないもしくは不明瞭な場合には、保安機関のみならず
販売事業者に対しても改善の指導を行うことを検討してい
る。

理由
→
一般消費者等の名簿は、販売事業者が保安機関に交付
しない限り、保安機関側では知り得ないため。