Document

2012/11/9 (金)
電気回路学I演習
供給電力最大の法則
問1
jwL
R
有効電力 = P
+
E0
1
jw C
RL
-
負荷
ある回路に負荷 RL+jwL が接続されている。
RLで消費される有効電力をPとするとき、以下の問に答えよ。
問1-1) RLが固定, Lが可変であるとき、LをいくらにすればPが最大となるか。またそのときのPの値は?
問1-2) RLとLがともに可変の場合、RLとLをいくらにすればPが最大となるか。またPの最大値は?
ヒント: まず端子から左側を等価電圧源に書き直す。
その後で、教科書p.166ケース[1]~[3]の適用を検討する。
問2
jwL
R
負荷
+
xR
電源
E0
V(x)
上図の回路において、抵抗負荷 xR で消費される電力(有効電力)を P(x) とする。
以下の問に答えよ。
問2-1) P(x) を式で表せ。
ヒント: この負荷の両端の電位差をV(x)とすると、P(x)は
P x  
V x 
2
で与えられる.
xR
問2-2) P(x=3) = P(x=1) であった。
P(x=3) が最大となるのは、 x がいくらのときか?
またその最大値をRとE0 だけを使った式であらわせ。
ヒント: 条件からは RとwLの関係が導出される。
2012/11/9(金) 分 解答
電気回路学I演習
供給電力最大の法則
問1の解答
R
1
jw C
+
E0
Eoc
jwL
E1
Z in
 Eoc 
-
RL
-
1 jwC
1
E0 
E0
R  1 jwC
1  jwCR
R
1
jw C
(短絡)
Zin
次に内部インピーダンスZinを求める。Zinは上図
のように電圧源を短絡除去することで求めるこ
とができて、R 1 jwC
R
Zin 
従って負荷を含めた回路は下図のように書き直せる
+
電源部分を等価電圧源で表す。問題の回路
の開放電圧Eocは下図より、
Eoc 
3
R  1 jwC

1  jwCR
ただし、
E1 
1
E0
1  jwCR
2
 2

E
0
E 

2
 1
1  wCR  

R
Z in 
1  jwCR

R
1  wCR 2
wCR 2
-j
1  wCR 2
教科書の R0 に対応
jX 0 に対応
4
問1-2
問1-1
Pが最大になるのは供給電力最大の法則より、
wL=-Im(Zin) となるときだから、(p.166[1])

R

1

j
w
CR


CR 2
1  wCR 2

2
RL
 ReZin   RL 2
aRL
R  aRL 2
E0
ただし、 a  1  wCR
2
RL  ReZin 
-
wCR 2

1  wCR 2
これを解いて、Lは、
このとき、 P  E1
Z in
E1
wL  - Im 
L
+

jwL  - j ImZin 
2
供給電力最大の法則より、負荷インピーダンスが
Zinの複素共役となっていればいい(p.166[3])ので、
問1-1の場合に加え、RL=Re(Zin)であればよい。こ
の条件より、


R

RL  Re
1

j
w
CR


R
 RL 
1  wCR 2
Lについては、
L
CR 2
1  wCR 2
(問1-1と同じ)
このとき負荷抵抗で消費される電力は、
P
E1
2
4 RL

E0
2
4R
(g 固有電力という.)
5
問2の解答
問2-2
問2-1
x=1 の抵抗を接続したとき、
+
R
P1 
jwL
E0
xR
V(x)
1
4  wL R 
2
E0

2
R
-
x=3 の抵抗を接続したとき、
P3 
3
16  wL R 
2

E0
2
R
負荷の両端の電位差を V(x) とすると、
V x  
xR
E0
1  x  R  jwL
P(3) = P(1) という条件より、
3
従って負荷抵抗 xR で消費される有効電力は、
P x  
V x 
xR
2

x
1  x   wL R 
2
2

E0
R
16  wL R 2
1
4  wL R 2
2
これを解いて、wL
R
末尾「多かった間違い」参照

 2
①
6
<多かった間違い> 有効電力の計算
次に供給電力最大の法則より、
問2-1で、
(負荷抵抗)=(電源側インピーダンスの絶対値)
V x  
xR
E
1  x  R  jwL 0
Px  
Vx
となるときに電力が最大となる (教科書p.166[2]). よって、
xR  R 2  wL 2
負荷抵抗
(f①を使った。)
3
1  3 
3 - 1 E0


4
R
2
2
xR
まちがい
 wL R 
2

E0
R
ありません。こうすると有効電力が複素数になってし
まいます。正しくは、
V x  V * x 
P x  

 ...
xR
xR
Vx
このとき負荷で消費される有効電力は、
 

V x  2

 ...
V x  は複素数なので, 絶対値の2乗はただの2乗では
2
P 3 
xR
電源側インピーダンス絶対値
 wL 
 x  1 
  3
R


2
のとき、
2
2
(*は複素共役)
とします。こうすると有効電力は実数値として、正し
く求められます。