スライド 1

すばる FMOS:
ファイバー配置機構
「エキドナ」の試験結果
秋山 正幸(国立天文台ハワイ観測所)
S.Smedley, P.Gillingham, J.Brzesky, T.Farrell, R.Muller (AAO),
木村 仁彦、田村 直之、高遠 徳尚(国立天文台)
ASJ meeting 2008/03/24 at Yoyogi
エキドナ :
「エキドナ」の概略
「エキドナ」の各部分の個別試験
ファイバー配置試験結果
エキドナ :
「ファイバーの配置」
エキドナ : 「ファイバーの配置」拡大
エキドナ : 目標
• 焦点面上の 400 本のファイバーを 10 ミクロン(0.12”) の精度で 10 分以内に配置する。
•ファイバーコア直径は100ミクロンで 1.2” に相当する。20ミクロンのずれは許容範囲内
(ずれがない場合に比べて10%の光のロスに対応する[典型的なシーイング、星状天体の場
合])。この目標を達成するためにはファイバー配置の機械的な精度 10 ミクロン(0.12”)と
アストロメトリ精度 10 ミクロン(0.12”) と配分して検討している。
エキドナ : ファイバー駆動のしくみ
• 4 極のチューブ型ピエゾにのこぎり波を加えて、ゆっくり曲げ、急激に戻し、動摩擦
係数の方が静止摩擦係数よりも小さいことを利用して磁石で支えたボールを回転させる。
エキドナ : 各モジュールの構造
• 焦点面は12個のモジュールに分割される。それぞれのモジュールは40本のサイ
エンスファイバーと2本のガイドファイバーからなる。互換性を考えてすべてのモ
ジュールは同じ構造を持ち 480 本のファイバーが焦点面に並ぶが、実際に分光器に
つながれるのは 30’ 直径の視野内のファイバーのみ。
Furcation tube
termination fitting
Furcation
tube
Handle
Looped fibre
Top bridge
Loop fibre
holder
Module cover
Loop bridge
Middle bridge
Ferrule with
polyimide tube
Switchboard
guide
Connector
Module printed circuit
board (PCB)
Guide spine
Science spine
Fiducial
Module
base
3-point
mounts
エキドナ : 焦点面撮像装置、XY駆動系
Fibre camera
FIBRE
IMAGING
CAMERA
TELESCOPE FOCAL PLANE (ECHIDNA)
TELECENTRIC LENS
DOUBLE
SIDED
MIRROR
Sky camera
COOLED
SKY
IMAGING
CAMERA
ファイバー端の位置計測のためにはファイ
バーカメラが用いられる。このカメラはス
カイカメラと共にXYステージに載せられ
59 視野で 400本のファイバーの視野全面
をカバーする。それぞれのファイバーは
ファイバーコネクターに取り付けられた照
射機構で独立に光らせることが出来、光ら
せたファイバーの位置をファイバーカメラ
で測定する。現在のキャリブレーションの
結果では 2 ミクロン(rms) の精度でそれぞ
れのファイバー端の位置を測定することが
可能である。
視野内の星の位置測定のためにスカイカメ
ラがある。視野は 1.3’ x 1.0’ (0.1”/pixel) の
ビデオレートのカメラで R=16-17mag の
星が捉えられる。観測波長に近づけるため
に OG570 のフィルターが取り付けられ、
570nm より短い波長の光はカットされて
いる。
焦点面撮像装置にはファイバー照射装置も
取り付けられ、焦点面側からそれぞれの
ファイバーを赤外線で照らし、分光器側で
観測することが可能になっている。
エキドナ :
全体像
エキドナ : 主焦点ユニットへの組み込み
エキドナ :
「エキドナ」の概略
「エキドナ」の各部分の個別試験
ファイバー配置試験結果
エキドナ :
ファイバー「スパイン」の確認: 長さ
200
それぞれのファイバーの端面は主焦点
面にあっていることが必要である。も
しファイバー端面が 100 ミクロンずれ
ていると、星の像は 50 ミクロン(直
径)広がる。
Offset from the focal plane (micron)
150
100
50
それぞれのファイバー端面の焦点面に
対する「高さ」方向の位置は顕微鏡を
用いて測定された。
0
-50
ほとんどのファイバー端面は焦点面か
ら100ミクロン以内にある。
-100
-150
-200
0
10
20
30
40
50
60
70
80
Distance from the center of the FoV in (mm)
黒点はサイエンスファイバー、水色はガイドファイ
バーの測定結果を表す。
エキドナ :
ファイバー「スパイン」の確認: たわみ
それぞれのファイバー「スパイン」のたわ
みを 60 度まで傾けた状態で行った。たわ
みの絶対量は 25 ミクロンと予想されるが、
ガイドファイバーとサイエンスファイバー
は同じ構造を持つのでたわみの絶対量は問
題ない。ファイバー同士(特にガイドファ
イバーとサイエンスファイバーの間)のた
わみの違いが問題である。
たわみ量の相対的な違いは 15ミクロン
(0.18”) より小さくたわみ量の違いは十分小
さい。
The size of the relative deflection from
ZD=60deg to ZD=0deg measured at 4 different
position angles (shown with different line type).
エキドナ :
ファイバー「スパイン」の確認: 端面
ファイバー端面の一部のファイバーの端面には汚れが見られたが、簡単にクリーニ
ング可能である。
エキドナ :
ファイバー「スパイン」の確認: 駆動範囲
それぞれのファイバーは隣のファイバーに
ぶつかる範囲 (7mm-0.5mm=6.5mm)で
動けるように設計された。実際にその範囲
で動くことができることが確認できた。
エキドナ :
ファイバー「スパイン」の確認: 駆動サイズ
それぞれのファイバーの1ステップのサイズ、ステップの方向を測定してデータベース化する。
実際にファイバー配置を行う際にはこのデータベースを用いて必要なステップ数を計算する。ス
テップサイズは 10% 程度のばらつきがある。7mm の範囲で 10ミクロン精度で配置するには何
回かのイテレーションが必要である。
エキドナ : 制御ソフトウェアと GUI
実際の観測の際のファイバーの配置
は
1.
天体のカタログ(RA、DEC、優先
度)、観測時間(望遠鏡の高度角、
微分大気差)、および視野ゆがみの
情報に基づいて、優先度を最大にし、
またファイバーの傾きを最小にする
形で実際のファイバーの配置が計算
される。ファイバー配置はデータ
ベースファイル(.s2o)に書き込まれ
る。
2.
装置制御ソフト(ICS)はデータベー
スファイルを読み込んで、ファイ
バー駆動、位置測定を自動的に繰り
返す。GUI 画面から制御、途中経過
をモニタすることも可能。
3.
ファイバー配置の結果はデータベー
スファイル(.efai)に書き込まれ、最
終的には画像データの FITS ヘッダー
(ASCII extension) に書き込まれる。
の手順で行われる。
エキドナ :
「エキドナ」の概略
「エキドナ」の各部分の個別試験
ファイバー配置試験結果
エキドナ :
実際のファイバー配置の試験結果 !
高度 30 度より高い場合には 95% のファ
イバーが 7 回のイテレーションで 12 ミ
クロンの精度で配置することが出来た。
400 本のうち10 本のファイバーがター
ゲット位置に到達できなかった。
高度 30 度の場合にはローテータ角度に
よっては配置精度の悪い領域がある 400
本のうち 20 本のファイバーがターゲッ
ト位置に到達できなかった。
7 回のイテレーションを行うためには 13
分かかる。ほとんどはファイバー位置の
測定を行うのにかかる時間である。
山頂への輸送後に再度テストを行ったが、
山頂の環境でも配置精度に特に大きな差
はなかった。
エキドナ : 焦点面の視野ゆがみの測定
UCAC2のカタログにある明るい星のたくさんある領域をスカイカメラで観測して、主焦点
補正光学系による焦点面の視野ゆがみの測定を行った。
測定された視野ゆがみの大きさ(青、赤)は補正光学系の光学設計から予想される値(緑)
と一致。視野ゆがみの中心の位置は補正光学系を主鏡光軸に合わせるための駆動によって焦
点面の中心からずれる。その効果も見えている。
これらの効果を考慮してファイバー配置を決定して、実際に配置する。
エキドナ : 実際の星をガイドファイバーで捉えることに成功!
2008年1月の試験観測において
オートガイド用のファイバーバンドル
で星を捉えることに成功した。6個の
ファイバーバンドルに星が入った。た
だし、まだそれぞれのファイバーバン
ドルの中心には捉えられていない。望
遠鏡の移動と視野回転を補正したとす
ると rms=0.25arcsec で捉えられてい
る。
ただし、この後、エキドナエレキ系の
冷却水系統に問題があって、試験観測
は中止になったので、これ以上の補正
は出来ていない。冷却水系統の改修な
どを行ったあと5月に行う試験観測を
お楽しみに。
エキドナ : 次は 400 本のファイバーに天体の光を!
ただし、この後、エキドナエレキ系の冷却水系統に問題があって、試験観測は中止に
なったので、これ以上のイテレーションは出来ていない。冷却水系統の改修などを行っ
たあと5月に行う試験観測をお楽しみに。
ガイドファイバーを用いた測定によって焦点面ゆがみの様子が確認できたので、次は実
際に 400 本のファイバーに星の光が入るように配置し、望遠鏡を少しずつ振りながら
データを取り、400 本それぞれのファイバーの天体からのずれを求め、その結果に基づ
いて焦点面のゆがみのモデルを改良していく。視野ゆがみの波長依存性などを含めて改
良していく必要がある。
Echidna:
auto-guiding with fibre bundles
The guiding of the instrument will be done
with the fibre bundles located at the edge
of the FoV (shown with light blue). Each
bundle consists 7 50micron core fibres
with 1.5” separation. The basic structure
of the fibre spine is same as the “science”
fibre spines except for the “guide” fibre is
bundle.
The 14 fibre bundles
are re-arranged in
the block shown
above and imaged
on to the watercooled Hamamatsu
CCD camera with reimaging optics. The
guide unit also have
matrix LEDs in order
to back-illuminate the
guide fibres
individually.
The guiding area is 14 x 78” radius circle
regions. We expect more than a few stars
can be catched in the 14 patrol areas
above the magnitude limit of the guide
camera (R=16-18).
The output light from the fibre bundles are
imaged onto the Hamamatsu water-cooled
CCD camera. The camera has OG570
filter in front of it. Based on the intensities
in 7 fibres of each guide bundle are
automatically measured and guiding error
is calculated. The error signal will be send
to FMOS OBCP – MLP1 – TCS.
Auto-guiding with fibre bundles is already
implemented in 2dF/AAT and OzPoz/VLT.
Echidna: FMOS astrometric standards for eng. obs.
FMOS astrometry fields in Feb.
FMOS astrometry fields in Aug.
We select several fields as the FMOS astrometric standard fields. In order to check the
corrector distortion pattern and the positioning accuracy we need relatively low Galactic
latitude fields with accurate astrometric calibration. We are proposing observations of 14
selected fields with >100 astrometrically calibrated stars (with UCAC2 catalog) with Scam
in this Oct. The Scam data ensure better astrometric accuracy and covers fainter stars.
The 14 fields will provide engineering targets at various ZD during whole night throughout
year.
For open use observations, we need some sort of astrometry check s/w for observer’s
catalogs with UCAC3 catalog (not leave observer’s own risk…like VIMOS, DEIMOS…)
Echidna:
focal plane imager : accuracy
• The distortion of the fibre camera and the distortion of the gantry XY movement (nonorthogonality etc.) are calibrated by measurering a grid-pattern illumination source on the focal
plane of the echidna unit in stead of the fibre modules. The measurements were done at various
ZD (tilting PIR) and rotator angle. The distortions of the fibre camera optics and the XY gantry
movement can be described well with the “mean” distortion model determined by averaging the
models measured at various positions. This means we do not need to consider ZD/rotator angle
dependence of the model, and this simplifies the software. Still need to check temperature
dependence of the FPI distortion model up at summit.
• Residuals in one FoV of the fibre camera
after removing third order distortion is
1.27micron R.M.S. with maximum error of
3.14micron. No systematic residual.
• Residuals in the entire focal plane after
removing the camera distortion model and the
gantry XY movement distortion model.
1.98micron RMS using “mean” distortion model.
Echidna: Issues (not mentioned so far)
Before on-sky commissioning
• Transfer to the summit ! With BSIT maximum acceleration is expected to be ~1G and
spines are tested fine up to 8G, but…
• Piezo tube used to control fibre spines are fragile
ceramic, and careful/gentle handling is necessary.
• Re-termination (replace carbon-fibre tube with new one) of fibre spines needs to be done
for ~10 more spines. Will be completed in the next two weeks.
• Echidna properties up at summit need to be examined just after the summit transfer on
Nov. 1.
On-sky commissioning
• Accuracy of fibre bundle guiding. We have a problem of even illumination of the bundles
of 7 fibres. Better diffusers will be installed to the back-illumination unit for the guide
bundles in the next two weeks.
Guide fibre image on “fibre” camera