◆ 東海地域で何が行なわれているのか ◆ 東海地域で見えてきたゆっくりすべり ◆ 東海地震の予知ができるとは ◆ 緊急地震速報という試み ◆ 津波予報、その世界に冠たる技術 1976年 石橋克彦(当時東京大学理学部助手) 東海地方に大きな被害を及ぼすと考えられていた、プレート 境界型地震の震源域について、従来考えられていた遠州灘 よりも陸に近い駿河湾周辺も含まれるのではないか・・・ ① 駿河湾周辺は、断層がずれ残っている。 ② 東海・東南海地震の発生間隔はおよそ100~150年と考えら れており、前回の安政の東海地震から100年以上経過している。 2001年 内閣府の中央防災会議によ る想定震源域の見直しが行なわれた。 30年の間に・・・ ・地震のしくみ ・フィリピン海プレートの形状 震源域はプレートに沿って 西に広がり、「なすび形」の 想定震源域になった (出展:2002年6月 中央防災会議 東海地震対策専門調査会による) 震源域の一部が、地震発生の前にゆっくりと滑り始める現象。 震源域内の固着の強度が不均一 であるため発生する。震源域内に かかる応力が増加していくと、まず 強度が小さい場所がすべり始める。 少しすべったとしても、本震を発生 させるには固着した領域が応力の 増加に耐えられなくなったときであ る。 アスペリティ: ぺったりと固着している領域 (気象庁資料に基づく) 通常 東海地方はフィリピン海プレートの沈み込 みによって、北西方向に年々圧縮され、 海岸部は沈降。 2000年末頃~ 静岡新聞 http://www3.shizushin.com/jisin/mihiraki030101.html 1年ごとの圧縮や沈降の大きさが地小さくなり、 相対的に水平方向には南東に伸び、鉛直方向 には隆起。 しかし、フィリピン海プレートは従来のスピード゙で北西方向に動いてい るので、プレート間の固着が緩んで、静岡県の属するプレートが南東 方向に動き出した ◆東海地方周辺のプレート境界ではマグニチュード6クラスの地震に相当し、数日 間継続する短期的なすべりが半年~数ヶ月間隔で発生する 短期的なすべりと前兆すべりの区別 ■想定震源域の縁か内側で発生すること ■加速傾向を示すこと ※想定震源域=プレート間が固着している部分 ・地震予知に関する基礎科学研究が行なわれている ・合理的な地震発生モデルに基づく観測体制がしかれている ・24時間態勢で観測されている ・異常現象に対し、客観的な判断基準が設けられている ・異常現象が出た場合の対処マニュアルが準備されている ・情報は一元的に取り扱われている ・発表される情報によって社会の側が何をすべきか法律で定められ ている。 気象庁パンフレットより 震央までの距離・方位の推定 複数の地震計による震源決定 1~数秒 震度予測 緊急地震速報発表 (1)気象庁の地震計のいずれかの観測点において、P 波またはS 波の振幅が 100 ガル以上となった場合。 (2)解析の結果、震源・マグニチュード・各地の予測震度が求まり、そのマグニ チュードが3.5 以上、または最大予測震度が3以上である場合。 従来の地震情報 ・発表される震度は揺れ た後の観測情報である ・TV等で発表されるまで 数分間かかる 緊急地震速報 ・揺れる前の予測情報で ある ・発生の直前~数十秒前 に発表される ◆緊急地震速報は震源に最も近い観測点でP波を検知後、 1~5秒で第一報を発信する M4程度 緊急地震速報発表時には断層のズレは終了している M8程度 断層のズレが終了するまでに60秒前後かかる 断層がずれている途中で、その時点までに分かった 事実を元に予測情報を出すため速報されるマグニ チュードは増加する マグニチュードは・・・7.0・・・7.4・・・ なおも増大中! 地震発生 震源が海底下の浅い領域 かつM5.5以上 津波発生可能性の評価・予報 津波発生の可能性が得られれば、 該当地域に津波予報を発表する 最速2分を目標 津波データベース 約10万通りの数値シミュレーションの 中から最も条件に近い結果を検索 ◆東海地震が予知できる可能性があるといわれている のには、多くの条件を満たしているからである。 ◆地震の「原因」そのものを解明することによって、予知 が可能になる。 ◆ 10月から緊急地震速報の一般への提供が始まるが、 それだけで命が救われるというわけではない。自分の身 を守るために、数秒の間に何ができるのか・・・防災訓練 などを通して、自分の行動を確認したり、日ごろから対策 を講じるべきである。
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