2011年度 化学熱力学 担当 高原周一 クリッカーについて • 授業の最初にクリッカーを取る.クリッカーの番号は 毎回違ってもよい.1番から順番に取っていくこと. • 最初に学生番号の入力で個人の特定. S10C099の場合は,クリッカーで10099と入力した 後,OKを押す.化学科以外の学生は別途指示する. ※ 評価に影響するので入力ミスのないように! • 問題に選択肢番号を押すことで回答.(OK不要) • 制限時間(30秒)を超えると回答できなくなる. • 制限時間内に別の選択肢番号を押すと予想変更に なる. • 授業の最後に必ずクリッカーを返却すること. • クリッカーの回答内容は成績には反映させないが, 回答回数は成績に反映させる. 学生番号の入学年(二桁)+ 下三桁を送信してください. 0:30 0 S10C099の場合 クリッカーで10099と 入力した後,OKを 押すと送信される. 送信されるとパソコ ン側で効果音が鳴り, カウントが増える. 150 サインイン済み 未サインイン Q1 熱力学(物理化学Ⅰ・ Ⅱの内容)が好きか? 1. 2. 3. 4. 5. 0:30 大嫌い 少し嫌い どちらでもない 少し好き 大好き 高原が開始ボタンをクリックし てから制限時間(30秒)以内 に選択肢番号を入力すること. OKボタンは押す必要が無い. 0 0 0 0 0 1 2 3 4 5 1 2 3 4 投票数: 0 5 Q2 熱力学の学習はあなたに とって重要であると思うか? 1. 2. 3. 4. 5. 0:30 まったく重要でない あまり重要でない どちらとも言えない 少し重要である とても重要である 高原が開始ボタンをクリックし てから制限時間(30秒)以内 に選択肢番号を入力すること. OKボタンは押す必要が無い. 0 0 0 0 0 1 2 3 4 5 1 2 3 4 投票数: 0 5 講義の目的 これまでの講義で学んだことを復習しながら,熱力学の 本質を理解し,様々な化学現象を熱力学的に捉える力 を身につけること. 熱力学を学ぶ意味 • 化学現象を理解する上で重要. 化学反応の進む方向は何によって決まるのか? • エネルギー問題の解決や新素材開発等に必要な知識. • 論理的な思考の訓練の機会. • 様々な現象を理解する際にヒントとなる. 例:経済学,社会の動き etc. 達成目標(1) 1. 内部エネルギー,エンタルピー,エントロピー,自由エネル ギーといった熱力学量の意味を理解すること. 自分の言葉で説明できますか? 2. 具体的な変化の際に,系と周囲のエネルギーのやり取りや, 分子レベルの変化をイメージすることにより,種々の熱力学 量の増減を可能な範囲で予想できるようになること. ◎ 熱力学は本来定量的な学問であるが,本質を見失うこ とを避けるために,定性的な理解を重視する. ◎ 熱力学はマクロな現象を扱うが,これをミクロな事象か ら理解する(=分子論的に理解する)ことを目指す. ミクロ(微視的)とは原子・分子レベルのスケールでものを見ること マクロ(巨視的)とは日常生活のスケールでものを見ること 達成目標(2) 3. 反応の進む方向は何によって決まるのか理解すること. 4. 身近な現象や技術の中に自然の法則が貫かれていること を実感すること. 実験をできるだけ取り入れる. 熱力学の応用についても触れる. 5. 自分の理解した論理をわかりやすく他人に説明できるよう になること. 6. 熱力学のおもしろさ・有用性を実感すること. 口頭報告 (演習) • 次々回までに4~6人の班を作っておく.メンバーは自由.3人 以下の班および班が作れなかった人は,高原が主導して統 合・再編を行う. • 演習の前々週の授業で,演習問題を発表する.各個人は,全 ての演習問題を解いてくる(宿題). • 演習の前週の授業時間の最後に班でディスカッションする.時 間が足りなければ授業時間外に再度集まる. • 演習の当日は班単位で演習問題の解答を口頭で高原まで報 告に来る.だれが報告するかはその場で高原が指名する.報 告のための時間は授業時間内に取るが,時間が足りなかった 場合には授業時間外に高原の部屋まで出向くこと.この報告 は単位取得の必要条件. • 小テスト・定期テストには演習問題の類題を中心に出題. 口頭報告制度を採用する理由 • 人に説明でき,ちょっとした質問に答えることができれば,よ く理解できているということである.口頭で報告することによ り,受講生が自分の真の理解度を把握することができる. • 班内でディスカッションすることで,討論する力を磨くことがで きる. • 班のメンバーの理解度に差がある場合,教えあいが成立す る.他人に教えることにより深い理解が得られるという効果 も期待できる. この制度を成功させるためには,班内で素朴な疑問を出し 合ったり,率直な意見表明ができたりする雰囲気を作ること が大切. 出席確認レポート 授業の最後に出欠確認レポートとして感想・質問・要望を書い てもらう.このレポート提出により出欠確認を行う. 何も提出しないと欠席と見なされるので注意! 3行以上書かなければ出席確認レポート点は0点! 注: 質問,要望にはできるだけ回答したいので,具体的に わかりやすい表現で書いてほしい. その他のレポート • 課題内容は主に,演習問題,熱・エネルギー関係の調査など. • 課題はレポート用紙に書いて提出してもらう. • 課題提出しなかったもの,再提出を要求されたものは定期試 験前日までの提出を受け付ける(ただし,評価点は減点する). 冊子+パワーポイントの使用 • 授業は高原が作成した冊子+パワーポイントを主体に行う. 補助的にプリントを配布する.板書はあまり行わない. ※ パワーポイントファイルはHP上で公開する. • 講義中にメモをとる.プリントに必要な点を書き入れるとよい. • 前回に配ったプリントも持ってくるようにする. • 配ったプリント類はバインダー等に閉じて無くならないように する. • 参考書として「バーロー物理化学(上)第6版」を用いる. 心得 • 丸暗記に走らず,理解する努力を! • わからないところがあれば気軽に質問にくる. 講義日程(予定) 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 6日目 7日目 8日目 9日目 10日目 11日目 12日目 13日目 14日目 15日目 16日目 9月22日 ガイダンス,静電気力についての演示実験 9月29日 分子間力,古典力学と量子力学 10月 6日 力とエネルギー 10月13日 内部エネルギー,温度 10月20日 小テスト(1),熱力学第1法則,エンタルピー 10月27日 熱力学の応用例(エアコンのしくみ等) 11月10日 口頭報告(1) 11月17日 口頭報告(1)の答あわせ,エントロピー 11月24日 小テスト(2),熱力学第2法則 12月 1日 自由エネルギー 12月 8日 速度論的要因,触媒,ガラス状態 12月15日 化学平衡 12月22日 口頭報告(2) 1月12日 口頭報告(2)の答あわせ,エンジンの効率,電池 1月19日 小テスト(3) ,まとめ 1月26日 定期テスト 単位認定・評価方法 最低限習得すべき事項の理解と実質的な授業参加がなされ ていれば,単位を認定する. • • • • • • 定期テスト(60点) 小テスト(10点) 授業・演習での発表内容(5点) 宿題レポート(10点) 出席確認レポート(10点) ← マイナス点あり クリッカー回答回数(5点) • 上記の評点の合計が60点以上なら単位を認定する. • 評点が60点未満でも定期テストで60%以上の点を取ってい れば単位認定する(出席日数不足の者を除く). • レポート点が低い者に対して,レポートの提出を求めること がある. <本日の講義内容> (1)静電気力についての演示実験と講義 (2)ワークシート+感想文の提出(出欠を兼ねる) <連絡事項> 次回の講義で冊子を販売する.価格は1000円ぐら いの予定. HPアドレスは以下のとおり. http://www.chem.ous.ac.jp/~takahara/chth/ ※ 化学プレゼンテーションHPも更新した. <課題> 今回の講義内容を復習する. 静電気実験 今回の内容は仮説実験授業の授業書 「ものとその電気」を参考にした. 演示実験 「静電気くらげ」 なぜ浮くの? 塩ビパイプをこすると なぜ静電気が発生するの? 2つのものをこすりあわせると、静電気が発生する。 プラスの電気を 持ちやすい 人 毛 ・ 毛 皮 ガ ラ ス 毛 糸 ( 羊 毛 ) マイナスの電気を 持ちやすい ス ( 発 ト ( ポ ポ泡 リロ リス プー 紙 ス ・ ロ チ チ ポ ピ レロ レリ ンー ンひ )ル) も ( ポ リ 塩水 化道 ビ管 ニ ー ル ) 静電気が発生するしくみ 2つの異なる物体を接触させると,マイナスの電荷を もった電子が移動して静電気が発生する。 ― ― + + + ― + + ― ― ― + + + ― ― + ― ― ― + + ― + 静電気が発生するしくみ 2つの異なる物体を接触させると,マイナスの電荷を もった電子が移動して静電気が発生する。 ― ― + + + ― + + ― ― ― + + + ― ― + ― ― ― + + ― + 静電気が発生するしくみ 2つの異なる物体を接触させると,マイナスの電荷を もった電子が移動して静電気が発生する。 ― ― + + ― ― ― + + + ― ― + + + ― ― ― + ― + + ― + 「静電気くらげ」 ・・・ なぜ浮くの? プラスの電気を 持ちやすい 人 毛 ・ 毛 皮 ガ ラ ス 毛 糸 ( 羊 毛 ) マイナスの電気を 持ちやすい ス ( 発 ト ( ポ ポ泡 リロ リス プー 紙 ス ・ ロ チ チ ポ ピ レロ レリ ンー ンひ )ル) も ( ポ リ 塩水 化道 ビ管 ニ ー ル ) <静電気の性質> ① プラスとプラス,マイナスと + + ― ― マイナスは反発しあう. ② プラスとマイナスは引き合う. ③ 近いほど大きな力がはたらく. + <磁石の性質> ① NとN,SとSは反発しあう. ② NとSは引き合う. ③ 近いほど大きな力がはたらく. ― <静電気の性質> ①プラスとプラス,マイナスとマイナスは反発しあう . ②プラスとマイナスは引き合う. ③近いほど大きな力がはたらく. プラスの電気を マイナスの電気を 持ちやすい 持ちやすい 人 毛 ・ 毛 皮 ガ ラ ス 毛 糸 ( 羊 毛 ) 紙 発 ( ポ泡 リス スチ チロ レー ン )ル ス ( ポト リロ プー ロ・ ピポ レリ ンひ )も ( ポ リ 塩水 化道 ビ管 ニ ー ル ) 実験 ストロー2本で静電気どうしの反発を 実感しよう • 紙ぶくろの一方の端をちぎってストロー を少し出す. • ストローを紙ぶくろに入れたまま10回ほ どこする.→ これで静電気が発生. • 2本のストローを軽く持ち,平行にして近 づけてみる. ストロー (-) 問題1 ステンレスの棒(静電気を もっていない)にマイナスの静電気 をもったストローを近づけるとどう なるでしょう。 1. 引きつけられる。 0:30 0 2. 反発して逃げていく。 0ステンレス 3. じっとして動かない。 ワークシートに予想,結果,予想の 理由・コメントを記入のこと. 0 ストロー (-) 投票数: 0 問題2 ステンレスの棒(静電気を もっていない)にプラスの静電気を もったストローを近づけるとどうな るでしょう。 1. 引きつけられる。 0:30 0 2. 反発して逃げていく。 0 ステンレス 3. じっとして動かない。 0 ガラス棒(+) 投票数: 0 質問1 ステンレスがプラスの電気でもマイナスの電 気でもひきつけられたのはなぜでしょう? <静電気の性質> ① プラスとプラス,マイナスとマイナスは反発しあう. ② プラスとマイナスは引き合う. ③ 近いほど大きな力がはたらく. 問題3 木のおはし(静電気をもっ ていない)にマイナスの静電気を もったストローを近づけるとどうな るでしょう。 1. 引きつけられる。 0:30 0 2. 反発して逃げていく。 0木のおはし 3. じっとして動かない。 0 ストロー (-) 投票数: 0 問題4 木のおはし(静電気をもっ ていない)にプラスの静電気をもっ たストローを近づけるとどうなるで しょう。 1. 引きつけられる。 0:30 0 2. 反発して逃げていく。 0 木のおはし 3. じっとして動かない。 0 ガラス棒(+) 投票数: 0 問題5 キュウリ(静電気をもって いない)にマイナスの静電気をもっ たストローを近づけるとどうなるで しょう。 1. 引きつけられる。 0:30 0 2. 反発して逃げていく。 0キュウリ 3. じっとして動かない。 0 ストロー (-) 投票数: 0 問題6 人間(静電気をもっていな い)にマイナスの静電気を近づけ るとどうなるでしょう。 1. 引きつけられる。 0 2. 反発して逃げていく。 0 3. じっとして動かない。 0:30 人間 0 (-) 投票数: 0 人体に マイナスの静電気をもった水道管を 近づけると? 実験映像 岡崎則武先生(玉野光南高校)提供 追加問題1 紙でこすって静電気を発生させたストローを ひもでつり下げます。これに静電気をもってい ないもの(例えば指)を近づけると,どうなるで しょうか。 1. 引きつけられる。 2. 反発して逃げていく。 3. じっとして動かない。 ストロー (-) 指 研究問題 色々な物に(マイナスの)静電気を近づけるとどうな るでしょうか。 • ステンレスの棒 • 木のおはし • キュウリ • • • • 空き缶(アルミ缶,スチール缶) トイレットペーパーの芯 湯のみ 人間?? すべてのものは静電気に引きつけられる? 色々な物に(マイナスの)静電気を近づけると.. • • • • • • • ステンレスの棒 木 キュウリ 人間 空き缶 トイレットペーパーの芯 湯のみ ここまでのまとめ 静電気をもたないものはすべて,プラスの電気にも マイナスの電気にも引きつけられる。 • • • • • • • ステンレスの棒 木のおはし キュウリ 人間 空き缶(アルミ缶,スチール缶) トイレットペーパーの芯 湯のみ しゅうじんき 静電気による引力は,集塵機などで利用されている. 静電気により物質に引力がはたらく理由 ― 原子核 ― 電子 ― + + ― + ― ― 原子 + + + ― 引力 塩 ビ 水 道 管 静電気により物質に引力がはたらく理由 ― + + + ― 引力 ― ― + + ガ ラ ス 棒 ― + ― + ― + ― 電子 原子核 ― ― 電子 + 原子核 ― ― + 原子核 電子雲 ― ― ・ + 原子核 電子雲 金属に電荷を近づけると... + + + + + + + 自由電子 ― 塩 ビ パ イ プ + + + + 原子(陽イオン) 電子 なぜいつも引力なのか? • 全ての物質は,原子から出来ている. • 全ての原子は,原子核(+)と電子(-)から出来ている. • 電子(場合によっては原子)は,物質中である程度動ける. ― ― 電子 + 原子核 自然科学の楽しさ 仮説(予想)→実験→仮説(予想) →実験.... • 予想があたると,嬉しい. • 予想がはずれると,もっと嬉しい(大発見かも). • 仮説をたてる(=現象のしくみをイメージする) のが楽しい. 化学: 原子・分子レベルで仮説を立て,実験で 確かめるのが楽しい. 自然科学から感じてほしいこと • 仮説→実験→仮説→実験・・・は自然科学以 外でも役立つ方法論. • 真理は多数決では決まらない.
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