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超低出生体重児
インドメタシンの低用量早期予防投与による
脳室内出血の発症予防を目的とした
多施設比較盲検試験の経過
厚生科学研究
「超低出生体重児の後障害なき救命に関する研究班」
藤村正哲、青谷裕文、平野慎也、楠田 聡、中西範幸、
及び比較試験参加 9 施設 NICU代表
目的
脳室内出血は大脳への実質障害をもたらし、その頻度は
超低出生体重児(わが国年間出生約2,600名)の26%に達する
という重要な疾患である。
Cochrane Library sytematic reviewではインドメタシンの早期投与が
同出血の予防に有効であるとのされ、さらに対象と投与方法について
検討の必要が示されているので、本研究を企画した。
ハイリスク新生児に対する多施設比較盲検試験のモデル
となる臨床試験の構築を目指している。
試験の概要
対象
出生体重が400g以上、1,000g未満
在胎期間22週0日以上、
出生体重標準偏差 –1.99sd 以上、
インドメタシン投与開始予定が生後6時間以内で、
保護者の同意を得た症例。
層別化因子
a.施設、
b.1分後アプガースコア(0-3),(4-10)、
c.在胎期間(22w,23w),(24w,25w,26w) (27週以上)、
d.性別、
e.出生場所(院内、院外)
対象登録、症例選定、ランダム化
インターネット・ホームページを作成して、
無人化24時間、
乱数表による無作為割付、
暗号化通信で実施。
Endpoint
Primary endpoint:
日齢6における
3度,4度脳室内出血の発症率の低下、
動脈管開存症の閉鎖、
合併症の頻度が不変または軽減。
Secondary endpoint:
1歳半、3歳で
発達障害が不変または軽減
準備期間
1998-99年
試験テーマ(脳室内出血)についてSystematic Review
候補施設選定、参加呼びかけ
診療体制と症例実績の予備調査
研究計画書の作成
インターネット経由の登録システムの開発
製薬企業への協力依頼、試験薬(含むプラセボ)打ち合わせ
研究組織体制の構成(諮問委員会、プロトコール委員会、
モニター委員、コーディネータ)
経過
•1998年9月から研究計画の策定を開始、同時に参加施設の
呼びかけを実施。
•1999年11月から試験を開始。施設数は2000年5月まで9、
6月以後17、本年度中にさらに11施設新規参加予定。
•2000年7月までの入院数/エントリー数比率は50/98=0.55、
エントリー後の試験薬投与中断基準該当が20/50=0.4。
•試験終了予定は2003年3月末で、エントリー数は600の予定。
脳室内出血予防試験の経過 (Nov 1999- Jun 2000)
参加順施 参加月数 登録数 エントリー NOCONS 中止数 エントリー
設リスト
数
ENT
率
A
8 16
11
0
6 0.69
B
8
7
4
0
0 0.57
C
8 10
1
4
0 0.10
D
7 20
11
6
5 0.55
E
7 23
14
3
6 0.61
F
5 11
2
5
1 0.18
G
4
5
2
1
0 0.40
H
3
5
2
2
1 0.40
I
3
4
1
1
1 0.25
J
1
1
1
0
0 1.00
中止率 同意取得 月間平均 月間平均
率 登録数 エントリ数
0.55
1.00
2.0
1.4
0.00
1.00
0.9
0.5
0.00
0.20
1.3
0.1
0.45
0.65
2.9
1.6
0.43
0.82
3.3
2.0
0.50
0.29
2.2
0.4
0.00
0.67
1.3
0.5
0.50
0.50
1.7
0.7
1.00
0.50
1.3
0.3
0.00
1.00
1.0
1.0
脳室内出血予防試験
平成11年度体制と実績
超低出生
2000年5月末現
試験
体重児
在入院登録
施設名
年間入院 開始 実施期 推定数 実績
数
月 間(月)
A
21
11
7
12.3
16
B
15
11
7
8.8
10
C
53
12
6
26.5
20
D
58
12
6
29.0
23
E
22
2
4
7.3
11
F
18
3
3
4.5
7
G
23
4
2
3.8
4
H
29
4
2
4.8
4
I
17
5
1
1.4
3
計
256.0
98.4
98
結論
•もっともリスクの高い超低出生体重児を対象として、
•副作用の明瞭な医薬品を用いて、
•脳室内出血という重篤な疾病予防をprimary endpoint
として
臨床試験を実施することにより、これからのわが国における
ネットワーク確立と臨床研究方法論を開発してゆきたい。