高分子電気絶縁材料の誘電特性計測を 用いた劣化診断に関する研究 電子システム工学専攻 所 研究室 13s06片山祐輔 1.目的 電流比較型高電界誘電特性測定システム 劣化診断指標:誘電特性 トリーイング劣化 試料内部の 誘電特性 水滴の動的挙動の 誘電特性 試料表面の 誘電特性 トリーイング劣化の観測 <試料> 針先端部の曲率半径:40μm 針ー平板間距離:3mm No1: 未劣化試料 No2,3: 劣化試料 劣化条件 (50Hz 12kV/4h 150℃) 図1 試料の概略図 交流電界下における 水滴の動的挙動の誘電特性 <試料> HTVシリコーンゴム試料 電極間距離:6mm 水滴:20μl <水滴の種類> ・蒸留水 ・導電率の高い食塩水 ・表面張力の低下した水溶液 図2 水滴設置図 評価方法 <トリーイング劣化の観測> 1.f=50Hz 10kVP-Pの交流ランプ波形を印加 Ixr及び⊿Ixcにより、部分放電の発生を評価 <交流電界下における水滴の動的挙動の誘電特性> f=29Hz 4kVP-Pの交流ランプ波形を印加 水滴の種類・個数を変化させ、⊿Ixcを用いて評価 0.10 No.1(未劣化) No.2(劣化) No.3(劣化) Ixr[μA] 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 0 1 2 3 印加電圧波高値[kV] 4 図3 損失電流Ixrの印加電圧依存性 (交流50Hz DSP平均化100回) 5 0.08 No.1(未劣化) No.2(劣化) No.3(劣化) ⊿Ixc[μA] 0.06 0.04 0.02 0.00 0 1 2 3 印加電圧波高値[kV] 4 5 図4 容量電流不平衡分⊿Ixcの印加電圧依存性 (交流50Hz DSP平均化100回) 0.020 水滴3個 水滴2個 水滴1個 水滴無し ⊿Ixc[μA] 0.015 0.010 0.005 0.000 -0.005 0.0 0.5 1.0 印加電圧[kV 1.5 0-P 2.0 ] 図5 水滴個数の変化による⊿Ixcの変化[蒸留水] (導電率5μS/cm 表面張力72.8mN/m) 0.04 水溶液 [56.0mN/m] 食塩水 [72.8mN/m] 蒸留水 [72.8mN/m] 水滴無し ⊿Ixc[μA] 0.03 0.02 0.01 0.00 -0.01 0.0 0.5 1.0 印加電圧[kV 1.5 0-P 2.0 ] 図6 水滴種類の変化による⊿Ixcの変化 (水滴3個を設置した時) まとめ <トリーイング劣化の観測> 損失電流Ixr及び容量電流不平衡分⊿Ixcにより、 トリーイング劣化試料内部の部分放電発生が観測 可能となった。 <交流電界下における水滴の動的挙動の誘電特性> 試料表面の誘電特性は、水滴の形状変化によって 大きく影響することが示唆された。 今後の課題 <トリーイング劣化の観測> 高電圧印加装置を用いて、一定交流電圧印加に よるトリーイング劣化の伸展評価を行う。 <交流電界下における水滴の動的挙動の誘電特性> 水滴の形状変化と誘電特性との関連性についての 更なる検討を進める。 0.16 水滴無し 水滴有り 0.14 0.12 Ixr[μA] 0.10 0.08 0.06 0.04 0.02 0.00 0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100 110 周波数[Hz] 図 損失電流Ixrの周波数特性 0.004 水滴3個 水滴2個 水滴1個 水滴0個 損失電流 Ixr[μA] 0.003 0.002 0.001 0.000 -0.001 -0.002 0.0 0.5 1.0 印加電圧[kV 1.5 2.0 0-P ] 図 水滴個数の変化によるIxrの変化[蒸留水] 0.08 Ixr (1回目) Ixr (2回目) ⊿Ixc(1回目) ⊿Ixc(2回目) 一定交流電圧印加 f=50Hz V P-P =10kV 0.07 0.06 電流[μA] 0.05 0.04 0.03 0.02 0.01 0 -0.01 0 2 4 6 印加[有] 8 10 12 14 16 18 20 印加[無] 22 時間[hour] 図 一定電圧印加によるIxr、⊿Ixcの時間依存性 24
© Copyright 2024 ExpyDoc